「賢者の孫」レビュー

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ファンタジー

評価 ★★☆☆☆(30点) 全12話

あらすじ この世界で名を知らぬ者はいない偉大な賢者マーリンに拾われたシン=ウォルフォードは、前世の記憶を持つ異世界転生者であった。引用- Wikipedia

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無自覚な権力者ほど怖いものはない

原作は「小説家になろう」で連載中の小説作品。
監督は髙橋龍也、制作はSILVER LINK.

テンプレート


引用元:(C)2019 吉岡 剛・菊池政治/KADOKAWA/賢者の孫製作委員会

「小説家になろう」で連載している作品を原作としたアニメも
最近ではかなり増えてきた。
大体の作品で主人公が冒頭で交通事故か何かにあって、
異世界に転生することがもはやお約束になっている。
この作品もそのお約束通りな展開だ。

サラリーマンだった主人公は帰り道に交通事故にあって死亡し、
異世界に転生する、前世の記憶をなぜだか持っている彼だが
両親が魔物に殺されてしまう。
そんな中で人里離れた所で暮らす老人に拾われ、
老人は主人公を孫として育てることになる。

そんな老人は実はタイトル通りの「賢者」であり、
子供の頃から主人公は彼の英才教育を受けている。
それとどころか賢者の知り合いの導師や国王などから手ほどきを受け、
とんでもない英才教育を受けて育った。

しかし、人里離れた所で暮らしていたことで主人公には常識がなく、
自分がいかに「規格外」であるかを知らず大きくなってしまった
と、テンプレート的な始まり方、主人公が強い理由が冒頭から一気に描かれる。

非常にわかりやすい作品だ。
主人公が街に行くと「やから」に襲われるヒロインと出会うところも
まさに「なろう」作品そのものであり、驚くほどにテンプレート的だ。

「なろう」系と言われる作品らしい設定と世界観やストーリー展開は
湯水のごとくすんなりと理解できるストレートさがある一方で、
なろう系が嫌いな人には開始10分で拒否感が生まれる作品かもしれない。
いい意味でも悪い意味でもなろう作品らしい始まり方だ

無自覚


引用元:(C)2019 吉岡 剛・菊池政治/KADOKAWA/賢者の孫製作委員会

主人公は無自覚ではあるものの規格外の存在だ。
魔法1つにしても超破壊力かつ、オリジナルの魔法の数々を持っており、
更に「魔力を付与」することでオリジナルの魔道具も作れる。
魔法を使える中でも異質すぎる主人公だが自分の実力が
どれほどのものかというのを序盤まるで理解していない。

はっきり言って人によっては鼻につく主人公だろう。
自分が物凄い事をしてるのに彼にとっては「当たり前」の事だ。
周囲が彼の魔法や魔道具を見るたびに目を見開き驚くするさまを見て、
主人公自身は「これはすごいことだったのか?」と自覚していく。
そんな彼の実力に嫉妬し憎悪を向けるものもいれば、
彼の力にドン引きしつつも友情を深めるものも居る。

序盤の展開は派手な展開がなく、正直淡々としている部分が大きく
彼が自分の実力を周囲に喋ったり見せることで周囲が驚き
「またオレ何かやっちゃいましたか?」と彼自身も驚くような
展開を何度も見せられる。
主人公の力がとんでもないことは分かるものの、
そのとんでもなさを発揮する場所が序盤はあまりなく地味だ。

ハーレムじゃない


引用元:(C)2019 吉岡 剛・菊池政治/KADOKAWA/賢者の孫製作委員会

この作品は非常にキャラクターが多い。
主人公が立ち上げた魔法研究会に所属するメンバーだけでも
11人もいて、更に他にも色々なキャラクターが居る。
ろくにキャラ名も覚える間もなくどんどん出てくるため、
正直あまり印象には残らない。

しかしながら、この手のなろう作品としては珍しく、
この作品は決して「ハーレム」ではない。
魅力的な女性キャラクターは数多く出てくるものの、
主人公は最初に出会ったヒロインに一目惚れをしており、
ヒロインもまた自分を救ってくれた主人公に好意を抱いている。

他にも色々な女性キャラクターは出てくるものの、
主人公のことを尊敬していたり友人として接しているだけで、
そこから更に恋愛感情に発展することはない。
この手の作品の主人公としては珍しく一途な主人公であり、
主人公に対して恋愛感情を向けるのも一人だけだ

ただ、だからこそこのキャラ数の多さを使いこなせていない。
正直主人公と一緒に戦うキャラクターが多すぎて、
印象に残るキャラクターが少なく、ハーレム要員でもない。
もう少し数を減らしてひとりひとりきっちりと掘り下げるべきだろう。
最初の印象以上に掘り下げられるキャラがあまりにも少ない

正直、二人くらい削っても問題なさそうな感じすらする

コネ


引用元:(C)2019 吉岡 剛・菊池政治/KADOKAWA/賢者の孫製作委員会

この作品の最も特徴的な要素が「コネ」だ。
主人公は賢者の孫に拾われたことで魔法の英才教育を受け、
更に賢者の元妻には魔道具の作り方、知り合いの騎士団長に剣を教わりと
「賢者」の英才教育とコネで彼は強く育った。

学園生活が始まってからは彼はもっとも太いコネを持つ存在になる。
なにせ王様とも子供の頃から知り合いで、王の息子とも同級生で仲がいい。
更に少なくとも人間では最も強い魔法を使えて、剣も強い。
普通なら倒せないような「魔人」と呼ばれる存在も一人で倒せてしまうほどだ。
圧倒的な実力と権力者とのつながりを持っている。

そんな彼と仲良くすることがこの世界では重要だ。
同じ研究会に所属し彼と仲良くなりさえすれば、
彼流の魔法を教わることができ、他の魔法使いなど比べ物にもならないほど
強くなることができ、更に彼が特別に付与した魔道具ももらえる。

彼が作った魔法は普通の魔法ではありえないほどの威力を出せるが、
彼に教わりさえすればそれを使うことができる。
主人公レベルとまではいかないものの、近いレベルにまで強くなれる。
しかし、彼と仲良くならない所か恨みでも向けてしまえば人生は不幸だ。

主人公に敵対してしまえば、意中の女は主人公に奪われ
自身の行動や言動が原因とはいえ、国王から親に圧力をかけられ、
親から勘当寸前の扱いを受け、そんな絶望的な状況をつけこまれて
「魔人」魔人になってしまい、最後は主人公に首を切り落とされて殺される。

「コネ」の重要さを物凄くこの作品では実感できる。
彼が本気になりさえすれば街1つ簡単に吹き飛ぶほどの実力と
国王や王子と知り合いでなおかつ賢者の孫という権力者としての立場、
そんな彼といかに仲良くなるかがこの作品の世界では重要だ。

彼と仲良くなりさえすれば、この世界で生きていける。
彼と知り合いですら無い平民では到達できない魔法の力と
国宝級の装備ももらえて、更には将来の職まで保証される。
しかし、主人公に敵意を向ければ首がリアルに飛ぶ(笑)

政治家の子供とその子供に媚を売りまくるその他大勢の構図を
見てるかのようなキャラクターの関係性はなかなかに面白く、
コネによる人間関係の描写という見方はやや穿った見方かもしれないが、
他の作品では味わえない「権力者」の描き方は興味深いものがある。

ふざけるな


引用元:(C)2019 吉岡 剛・菊池政治/KADOKAWA/賢者の孫製作委員会

この作品は作品内の世界のコネの重要さを実感できる内容になってるが、
作品外でもコネをつかっている。
「6話」で露骨に素人な演技と声のキャラクターが出てくる。
そのへんの演劇部からでも拐ってきたのかと思うほどに下手くそすぎる演技は
悪目立ちしており、無駄にセリフが多いためストレスだ。

彼女を演じてるのは最近、流行りのVTUBVERだ。
この作品に出るためのバーチャルタレントオーディションやらをを行って
優勝したらしいのだが、悪目立ちしまくりな演技と声であり、
正直、嫌悪感すら感じるレベルだ。

ちなみに問題のVTUBERは動画は現在2本しか出していない。
一体、何なのだろうか。

婚約


引用元:(C)2019 吉岡 剛・菊池政治/KADOKAWA/賢者の孫製作委員会

ストーリー的には、かつては現れただけで大騒動だった魔人が、
とある魔人の策略によりポンポンと生まれる中で、
主人公が仲間たちを育て上げて魔人に立ち向かうという
ストーリーを1クールかけて描いている。

序盤から中盤までは地味な展開も多いのだが、
そんな中で主人公は確実にヒロインとの中を深めていき付き合う(笑)
この間、わずか8話である。

ラノベ原作のアニメやなろう原作のアニメはハーレムで
なかなか一人のヒロインを選ばなかったり、彼女にならなかったりするが
この作品は恐ろしい速度で相思相愛になり告白し、更に婚約まで行ってしまう。
ハーレムではなく主人公とヒロインが一途だからこそのスピードではあるが、
ポンポンと展開していくラブコメ模様は悪くない。

ヒロインもキャラクターデザインも相まって非常に可愛らしく、
ベタな感じではあるものの、王道な魅力のあるヒロインだ。
なお巨乳である(笑)


引用元:(C)2019 吉岡 剛・菊池政治/KADOKAWA/賢者の孫製作委員会

基本的に敵にはやる気がない。
多くの魔人を作り上げ魔人の軍団とも言える集団が出来上がり、
主人公たちがいる国とは別の国を制圧したくらいだ。
しかし、敵のボスはその後の目的がまるで無い。

彼が魔人になるまでの過程まできっちり描かれるものの、
その原因となった人物にも国にも復讐も果たしており、
目的を失っている。
本来は敵の目的を止めるのが主人公だが、主人公は仲間の育成と
ヒロインとのラブコメに夢中だ

ラスボスが目的を達成し、その後の目的がないというのは
ある意味斬新ではあるものの、ストーリー的な面白さも失ってしまっている。
主人公が戦うべき敵のボスがやる気がないというのは致命的だ。
終盤ではそんなボスをやるきにさせるためだけに、
敵のボスの部下たちが主人公たちにちょっかいを仕掛ける。

終盤の終盤でようやく少し盛り上がるものの、
敵のボスと主人公は序盤に1度戦い、主人公が勝っているため
いまいち主人公と敵とのパワーバランスが取れていない。

コネづくり

この作品のストーリーの方向性がいまいちわからず、
結局の所1クールで何度も主人公が力を見せつけて驚くさまを見せつけつつ、
仲間たちを強くして、主人公が婚約して終わってしまった。
ラストは魔人対策のために各国に主人公たちが赴くという所で終わっている

つまりは新しいコネづくりだ(笑)
ある意味で最初から最後まで「コネ」な作品であり、
これからも主人公がどんどんと権力を拡大し、仲間をパワーアップさせ
自らの力を大きく強くしていく様が描かれるのかも知れないという
期待感はあるものの、その期待感止まりで終わってしまっている作品だ。

総評:また俺何かやっちゃいました?


引用元:(C)2019 吉岡 剛・菊池政治/KADOKAWA/賢者の孫製作委員会

全体的に見て「なろう」原作らしい要素は多くあるものの、
ハーレムでなかったり、主人公以外もどんどん強くなったり、
主人公とヒロインがあっという間に婚約してしまったりと面白い要素はあるが、
何度も見せられる「主人公の強さの見せびらかし」シーンはややくどく、
多すぎるキャラクターを掘り下げきれてない感じも強い。

ストーリー的にも敵のボスが自身の最大の目的をすでに達成してしまっており、
そんなボスも一度は主人公が撃退している。
最終話では各国との協力などの政治的要素を匂わせてはいたが、
これ以上、この作品の話をどう盛り上げるんだろうかという不安と期待が
半々だ。

キャラクターデザインは可愛らしく、主人公の俺TUEEE要素以外は
あまり気になる点はないものの、もう1つなにかこの作品だからこその
要素がアレばと感じる部分も多く、
作品全体として盛り上がりそうで盛り上がらないままで終わってしまった。

味方の育成も終わり、敵も本格的に主人公にて期待し始め…と
ここから面白くなりそうだなという所で1クールが終わっており、
キャラの多さなどを考えると2クールあればと感じてしまう部分もあり、
コネで始まり新しいコネづくりで終わる作品という部分は面白いだけに、
2クールでがっつりと見てみたかったと思う作品だ。

もし2期があるなら主人公のコネがどれほど拡大していくのか
気になるところだ(笑)

個人的な感想:うーん


引用元:(C)2019 吉岡 剛・菊池政治/KADOKAWA/賢者の孫製作委員会

作品の前評判で色々と聞いていたが、内容自体はそこまで悪くはなかったものの
もう一歩何かが足りない作品だった。
肉感的なヒロインたちや妙齢の女性の入浴シーンなど
色々と目の保養になるシーンは多く作画自体はしっかりしていたが
戦闘シーンは最終話以外はいまいち盛り上がらなかった。

もし2期がアレば戦闘シーンも多そうな感じもあり、
ここから作品としては盛り上がってくる所で終わってしまったのかな?
と思う部分もあり、2クールくらいで一気にやれば
掘り下げ不足のキャラクターや、もう一歩足りない感じを補えたかも知れない。

1クールではこの作品が面白いかどうか計りかねる感じのある作品だった。

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