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「ONE PIECE 呪われた聖剣」レビュー

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評価 ★☆☆☆☆(16点) 全95分
https://www.youtube.com/watch?v=52E90rzW_9g

あらすじ 伝説の美しい宝刀「七星剣」と、目も眩むようなお宝が隠されているというアスカ島に上陸した麦わらの一味。引用- Wikipedia

世界観無視

本作品はワンピースの劇場アニメ作品。
ワンピースとしては5作品目の作品となる。
監督は竹之内和久、制作は東映。
キャッチコピーはルフィVSゾロ!

剣戟

映画冒頭からばったばったと剣戟を繰り広げている。
どこかの海賊が、どこかの村を襲うなかで
一人の剣士が箱にしまわれていた謎の「剣」を手に入れ、
海賊たちを真っ二つにする。

それどころか切られたはずの体が治ってしまう。
一方でルフィたちは「伝説の七星剣」の噂を聞いているというところから
物語が始まる。

序盤から違和感がすごい。
七星剣というなんかよくわからないが凄い「剣」の噂話をしているが、
そんなお宝をグランドライン1とナミが言う中、ゾロが消えてしまう。
黄金などわかりやすいお宝ならナミが目を輝かせるのは分かるが、
「剣」だ。それがグランドライン1のお宝と言ってしまうのも謎でしか無い。

序盤からキャラクターたちの「違和感」が凄まじい。
キャラクターがこんな事を言うのか?こんな行動するのか?
という違和感が常につきまとっている。
ゾロもルフィたちに何も言わず、今作の敵である
「サガ」の元へいき、自らの刀を預けてしまっている。

芸能人声優

今作でも前作と同様に芸能人声優が参加している。
この演技の違和感、演技力はかなり厳しいものが有る。
前作では芸能人声優によるキャラは一人だったため、
そこまで違和感が生まれなかったが、
今作では3人もいる。

中村獅童さんの棒演技や、内博貴さんの演技とも言えないひどい演技は
かなり厳しいものが有り、久本雅美さんも起用しているが、
久本雅美さんと分かる声ではあるものの、演技力はそこまで
違和感がないのが唯一の救いと言えるかもしれない。

嘘キャッチコピー

今作のキャッチコピーは「ルフィVSゾロ」だ。
ルフィの仲間であるゾロがなぜ敵対し、しかもルフィと
戦う流れになるのか。キャッチコピーの段階では期待感が有る。
しかし、序盤ではサンジと戦ったりする場面がある事にはあるのだが、
キャッチコピーの「ルフィVSゾロ」はない。

キャッチコピーは嘘だ。もはや意味がわからない。
ゾロが敵側につくという「仲間」という要素が
重要なワンピースの設定を崩してまで、
ゾロに敵側につかせサンジを傷つかせたのに
肝心の「ルフィVSゾロ」はないのは意味がわからない。

しかも、厄介なことにゾロは「コック」であるサンジの
腕を傷つけている。
彼は料理人だ、だからこそ、彼は手を使わずに「足」を使って
戦うほど彼は「手」を大事にしているのに、
そんな大切な仲間の大切な腕を傷つけている。

ついでにいえばキャラの呼び方の違和感も生まれている。
ゾロは「サンジ」の名前を呼ばない。コックと呼ぶことが大半だ。
それはゾロというキャラの特徴や性格そのものであり、
原作でもゾロはサンジの名前を呼んだことがない。
それにも関わらずゾロはサンジの名前を呼んでいる。

冒頭のシーンもそうだが、基本的に制作側が
「キャラクター」というものを理解していないことが、
見れば見るほど伝わってきてしまう。
そもそも、ONEPIECEという作品自体を理解していないのかもしれない。

ファンタジー

ワンピースには「悪魔の実」という要素こそあるものの、
悪魔の実意外に魔法や呪いといった要素は出てこない。
しかし、本作品ではそんな設定を無視して
「呪い」といったファンタジー要素を持ち出してくる。

そこまでならまだ納得できるが、
神様から与えられた3つの宝玉なんてものもまで出てくる。
100年に1度の赤い月、闇が支配する世界、神からもらった宝玉、
妖力のある呪われた剣、そして結界(笑)
ちょっと意味がわからないくらいにファンタジー要素が出まくりだ。

呪われた剣を使ってしまうと、その呪いに身を支配されてしまう。
そんな呪いを納めるためには宝玉を使うか、「巫女」が犠牲になる必要がある。
設定自体は理解できるが、ワンピースという世界で
やるようなことではない。
呪いの聖剣を弱めるための結界も、なんのための結界だったんだと
思うほど数十秒しか持たない。

作画も戦闘シーンの作画はそれなりではあるものの、
それ以外のシーンではかなり怪しく、
やや遠いアングルからでは有るものの、ルフィが喋ってるのに
ルフィの口が動いていないシーンすら有る。

そんな作画の悪さも有るが、展開の弱さも有る。
ルフィ達が呪いの聖剣をなんとかしようと色々としているのだが、
その間に敵が襲ってくる。
いわゆる四天王的な存在もいるのだが、ほとんど秒でやられる。
あくまでニコ・ロビンなどを活躍させるためだけの敵でしかない。

呪いの聖剣に操られた「サガ」自体は強敵であり、
ルフィやゾロとの戦いは映画としての盛り上がりを生んでいるものの、
最終的にゾロはサンジに謝罪の言葉すら無い。
肝心のストーリーが色々と謎や引っ掛かりを生む作品だった。

総評:ゾロ、お前、船から降りろ

全体的にみてワンピースらしさが薄い作品だった。
神や呪いといったファンタジー要素が全開で、
悪魔の実以外はそういった要素のないワンピースの世界観とは合わず、
それどころかキャラの行動や台詞の違和感もかなり強い。

芸能人声優の演技の厳しさや、作画の違和感などもあり、
そもそも監督は「ドラゴンボールの演出をしていた」人らしいのだが、
wikipediaもなく監督経験はないようで、
そのあたりが色々と影響してしまった作品なのかもしれない。

3作目はワンパターンさはあったものの、
4作品目まではワンピースらしさを感じる映画作品が多かったが、
5作品目のこの作品はどうしてこうなってしまったのか…
色々と謎が残る作品だった。

個人的な感想:ワンピース映画最駄作う?

見た後に感想サイトをいくつか見たが、
本作品は「ワンピース映画で最も駄作」と言われている作品らしい(苦笑)
そう言われるのも納得できる部分があり、
ワンピースのファンほど引っかかりを覚えてしまう作品だろう。

長期TVアニメシリーズの映画作品の場合、作品数が重なれば重なるほど
こういった作品が生まれやすく、当たり外れが生まれてしまうが、
ワンピース映画もこの5作品目で初めて外れの作品になってしまったようなのが、
残念なところだ。

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