四畳半神話大系

四畳半神話大系感想

評価/★★★★★(89点)

四畳半神話大系感想

制作/マッドハウス
監督/湯浅政明
声優/浅沼晋太郎,吉野裕行,坂本真綾,藤原啓治ほか


あらすじ

京都の大学に通う、誇り高き三回生の「私」。薔薇色のキャンパスライフを夢見ながらも現実はほど遠く、実り少ない二年間が過ぎようとしていた。悪友の小津には振り回され、謎の自由人・樋口師匠には無理な要求をされ、孤高の乙女・明石さんとは、なかなかお近づきになれない。いっそのこと、ぴかぴかの一回生に戻って大学生活をやり直したい!もし、あの運命の時計台前で、ほかの道を選んでいれば――迷い込んだ不思議な並行世界で繰り広げられる、不毛と愚行の青春奇譚。

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最高のエンドレスエイト

あの時、もし自分が違う行動をとっていたら自分は今とは全く違う人生をだったかもしれない
そんな「もしも」をテーマにした本作品。
イメージとしては「涼宮ハルヒの憂鬱」のエンドレスエイトなのですが・・・
あれと違ってこの作品は非常によく出来ていた、
逸脱した出来栄えとストーリー構成と言えるかもしれない。
ストーリーは基本的に1話1話、もし大学一年生の時に
違うサークルを選んでいったらどういうキャンパスライフになっていたのか?という
可能性を描いている。
ある時はテニスサークルに、ある時は映画サークルに、ある時はサイクリング同好会に。
全11話中9話はその「もしもそうだったら」を描いている。
1話1話の登場人物は全て同じ、前話との微妙な繋がりや伏線の回収をしながら
複数の可能性を示唆しつつ物語進んでいく。
しかし、どんな可能性を選んでも主人公はその選択が正しかったのか悩み
「もしあの時別のサークルを選んでいたら・・・」と考えてしまう。
そう、これは人間なら誰しも考えたことがあるはずだ。
この作品はリアルに人間の本質の虚を描いている、
人間「もしもあの時」とは本来考えても仕方のないことだ。
そして10話、主人公は自分の様々な可能性を四畳半の自分の部屋から目の当たりにする。
その世界は「サークルにも入らず、生活していた」今の自分よりも幸せそうで
楽しそうな生活に憧れ涙する。
実際問題、退屈な日常や間違っているかもしれない
選択肢も捉え方や視点が変わればそれもまた楽しい人生なのだと。
そして最終話、この最終話の演出とストーリー構成はずるい(苦笑)
視聴者の視点でもあり主人公の視点でもある世界は
主人公が「もしも」などとは考えなくなった世界だ。
今までの「もしもの」の世界での主人公が嘘だったかのように動き叫び突き抜ける。
この作品は11話通しての全1話だ。
すべてを通して最終話まで見た私は純粋に感動してしまった。
各話の伏線の回収や気持ちイイまでの最終話・・・
あえて例えるなら、素晴らしいオーケストラの演奏を聞き終わったような
心地の良い疲労感と快楽。
残念なのは作品のテイストが独特であるということ。
キャラクターデザインや作画、演出、主人公のひとり語り。
作品の内容が他とは違う形態だからこその表現の仕方だが、
人によっては慣れることが出来ないかもしれない。
おすすめの年代は18歳以上だろうか・・・ある意味でのR18指定(苦笑)
別にエロくはありませんが、ダッチワイフとかも出てきますし、
物語の難解さや年代を重ねるほど感じる「もしもあのとき」という思考の積み重ねが
18歳以上の方に向いている作品だと思います。
作品全体に「和」を感じるのも評価できるポイントだった。
久しぶりにもう一度見たい!と感じさせるいい作品でした。