電脳コイル

電脳コイル感想

評価/★★★★☆(72点)

電脳コイル感想

制作/マッドハウス
監督/磯光雄
声優/折笠富美子,桑島法子,小島幸子,朴?美ほか
全26話


あらすじ

202X年[2]。「電脳メガネ」と呼ばれる眼鏡型のウェアラブルコンピュータが全世界に普及して11年。「電脳」と呼ばれる技術を使ったペットや道具が存在し、インターネットも「電脳メガネ」を使って見る時代。
ヤサコこと小此木優子は、金沢市から大黒市に引っ越してきた。その移動中、妹の京子と共に謎の電脳生物(イリーガル)に遭遇し、電脳ペットのデンスケは、ヤサコを守ろうとして古い空間に迷い込んでしまう。

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本作品、レビューするのに時間かかりました。
一度見た後、もう一度見ないと理解しきれない部分が多く
実質52話分の時間を使ってしまいました。
基本的なストーリーはSFな技術のある現在の子供たちの日常。
イメージ的にはパソコンが無くて、その代わりに「電脳メガネ」という機械が
子どもたちの間で流行りまくっており、
その眼鏡でしか見ることの出来ないペットや不思議な世界感が特徴な作品です。
本作品、扱ってる題材は世界の電子化が進んでいる未来なのに
なぜか「昭和」の時代のような懐かしい雰囲気が漂っている
ただ、雰囲気だけでなくキャラクターデザインもそうさせてるのかもしれない。
どちらかというとキャラクター達の顔は「カエル」っぽい感じの顔であり、
美少女や美男子は居ない。
序盤から中盤までは、後半に生かすための伏線をばらまきつつ
「電脳技術が発達した子供たちの生活」を基本にストーリー展開している
電子化技術が進み、電子情報を眼鏡で見れる。という技術を
そのまま昭和に持ってきて、普通の子供達の普通の子供の頃の出来事でストーリーを構成している。
ただの子供同士の喧嘩で未来の技術を使っているが、やっていることは子供の喧嘩。
子供たちが戦うために使う武器も昭和と未来の融合だ、
眼鏡ビーム=メガビーは子どもがふざけてウルトラマンセブンが光線を撃つ動作に似ており
電子的な品物を売っているお店は「駄菓子屋」風であり、売主は昭和のばあさんだ。
このミスマッチとも言える未来の技術と昭和の雰囲気が、
この「電脳コイル」という作品の特徴といってもいい。
お金の計算も「お年玉2年分」という、お年玉による計算を用いていたり
このミスマッチな世界感を作品全体で作り上げている印象が強かった。
序盤から中盤のストーリーは電脳メガネの世界にある「バグ」が巻き起こす事件を
中心に展開していく、バグに関する事件はユニークなものが多い。、
特に子供たちの口の周りに「ヒゲのバグ」が住み着いてしまう話は、
思わず爆笑してしまうほどのユニークさを秘めていました。
更にはストーリーが進むに連れ、キャラクターにも感情移入を強めることが出来る展開も多く、
「次はどうなるんだ?この伏線はどう回収するんだ?」と期待感がどんどん強まる。
中盤からは伏線を利用したストーリー展開に変化する。
ある意味、前半と後半では作品の雰囲気や内容がかなり違う
見人によっては前半が好き、後半が好きと分かれる可能性もある
この中盤からの内容は賛否両論だ。
内容的には電脳メガネで見た世界の奥に迷い込み返ってこれなくなった子供たち、
その子供たちを取り返すためと同時に電脳メガネで見た世界の秘密を探る話になる。
ただ、NHKの子供向けのアニメとしては用語が難しすぎるうえ、多用しすぎる。
ある程度以上の、ネットの知識が入っていれば内容も理解しやすく深みがあるが
用語が多すぎて後半からついていけない人が多かったかもしれない。
特に後半からは雰囲気も変わるので「あれ?ホラーになって話難しくなった?」となり、
見るのをやめてしまった人も多いだろう。
更には物語の中核となる「都市伝説」の実態もわかりにくく、展開も早いうえに荒い。
物語の本筋のとなるストーリーはしっかりしているが、それを支える部分が足りなさすぎる。
何度か見返せば「あぁ!そういう事か」と理解できる部分もあるが、
流石に全26話の作品をもう一回見直すというのは、なかなか時間的にも難しい。
ストーリーの流れや大体の中身は理解できるのだが、
よく考えると「あれ?結局あれなんだったの?」と思い返す部分が多い。
更に終盤、裏で糸を弾いていた人物が自分の犯行動機をしゃべりますが・・・
この部分は私的に一番がっかりした。
SF的要素やノスタルジー風の世界感に似つかわしくない刑事ドラマの犯人のような私的犯行。
世界感にあっていない犯行動機は何とも興が削がれました
しかし、その後の展開は説明不足なものも多く、キャラたちの説明口調な台詞も多いが
うまくストーリーを纏めており、「1つの作品を見終わった」という感覚が
強く実感できる仕上がりになっていました。
全体的にとっつきにくさもあるものの、世界感にハマれば一気に全26話見てしまう。
気になるストーリー展開や独特の世界観や設定が、食べたことない料理を味わうような
新鮮さと同時に不思議な味わいに悩み、なんども噛み締めた後に本当の味が出て来る。
そんな魅力に詰まっている作品であると同時に、何ともレビューが難しい(苦笑)
恐らくは見た人によって様々な感想が出て来る作品であり、新しい作品だ。
電脳メガネの設定や子供たちの懐かしい雰囲気の裏には
子供たちの関係性や成長、少し重い心理描写も混ぜつつ、
「都市伝説」といったファンタジー的要素が入るのでかなりややこしい。
このややこしさを「面白さ」と取るか「理解不能」と取るかで作品の印象は違い、
見人によって千差万別の感想が出て来る作品です。
今の自分はこういう評価をしたが、もう一度見直したらまた評価が違うかもしれない。
何の説明もなしに新しい料理を出され、
「さぁどんな味か食べてご覧!」と最初食べたときに聞かれ、
「さて、この料理はどんな素材を使ってるのでしょう?」と次に食べたときに聞かれ
「実は隠し味使ってるんだけどわかる?」と3回目食べたときに聞かれ
「で?この料理ぶっちゃけ美味しかった?」と4回目食べたときに聞かれる。
そんな感じです(笑)
個人的には、この世界感と難解な設定のストーリーも悪くないが
シリアス要素をなくして12話あたりのノリで突き進んだ
もう1つの「電脳コイル」のようなものも見てみたい。
書けば書くほどレビューがまとまらない・・・
なんとも感想を描かせる人間を泣かせる作品でした(;´∀`)