咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A


評価/★★☆☆☆(35点)



制作/Studio五組
監督/小野学
声優/悠木碧,花澤香菜,東山奈央ほか


あらすじ
幼き頃、麻雀を通じて仲間たちと絆を深め合った高鴨穏乃と原村和。時は流れ、離ればなれになった二人を繋げたのも、やはり麻雀だった。全国大会で旧友との再会を果たすため、仲間と共に穏乃は再び牌を握る──!!



スポンサーリンク

アニメ化早すぎた

本作品は「咲」の続編的スピンオフ
咲では描かれていなかったトーナメントのAブロック側が描かれる。
基本的なストーリーは奈良県の女子校・阿知賀女子学院の
麻雀部員たちを中心に描かれる

前作である「咲」は最初から圧倒的な麻雀描写で
1話から惹きつけるものがあったが、「阿知賀編」は咲という前作がある手前か
スタートは割と地味だ。
「咲」が麻雀アニメなら「阿知賀編」は麻雀部アニメ、そんな印象をまず受ける

更にストーリー展開の速さ。
前作の咲は2クールという尺の余裕もあり、予選トーナメントまで
合宿などをはさんでいたが、本作では3話で予選トーナメント突入、
更にあっという間に予選突破、予選突破の試合時間は5分もなかった。

序盤は特に「麻雀」の描写が少ない。
主人公たちがあっという間に予選を突破してしまうので
「どれだけの力がるのか」がいまいち実感しにくく、
咲特有の「能力麻雀バトル」が序盤は全然楽しめない。

強豪高校だったはずの相手に圧勝してしまうほどの実力といえばそれまでなのだが
あまりにもあっけない描写が深みがなく、主人公たちの成長が感じられない。
更に、そのあとの合宿もほとんど止め絵であっさり。

文章にすると

「昔強豪校にかった人に麻雀を教えてもらった」
「強くなった、予選トーナメントに行きます」
「強豪校に勝てたので予選突破できました」
「ものすごい意味が分からない力を持った人に惨敗しました」
「合宿しました」
「全国いきます」

こんなかんじなのだ、その間にあるはずのストーリーやキャラ描写が
一切されずに止め絵、もしくはカットという序盤のストーリー構成は
「尺に余裕がなかった」といえばそれまでなのだが、
若干ストーリー構成に問題があった。
序盤のカットしすぎ、止め絵多用な部分は評価をかなり下げる要因になってしまった

きちんとした試合が描かれるのは5話からだ。
この5話までのストーリー展開が非常もったいない、
極端な話だがいきなり決勝戦から描き、麻雀中に回想で5話までのストーリーを描く
という手法でも問題ないような薄い内容が5話まで展開されているため、
せっかく5話から「麻雀バトル」が展開されるのにもったいない。

萌え部分としてみても止め絵やシーン展開の速さの多い5話までは
キャラへの感情移入を強められるわけでも、
キャラに萌えられるシーンが多いわけではない。
さらに言えば、あくまでも「咲」という前作があるからこそ許される
5話までの展開といったところだろうか。

更に5話以降の展開も咲らしい「麻雀」とはいえない。
確かに登場人物たちに能力があり、それを多用しつつ展開するのだが
「地味」な能力が多く、見ている側に凄さや咲で感じた圧倒的な圧を感じない
簡単に言ってしまえば「迫力不足」な麻雀だ
これは憶測だが、「麻雀のルール」を理解していない人は恐らく、
阿知賀編の麻雀は楽しみにくいのではないだろうか?

また全国が始まっても、試合の時間が極端に短いキャラが居る。
7話が終わっても「あまり印象がない」キャラもおり、強さがわかりにくい。
特に主人公、主人公は特に何も能力はなく
ピンチの状況で「諦めない」という、この世界の中ではある種異例な
根性論的なキャラクターで強さもわかりにくい。
ドラゴンボールで言えばヤムチャ的なポジジョンなのだ

麻雀の演出の面でも前作に劣る。
打ち方や牌の出し方など前作ではかなり凝っており、
「強さ」がわかりやすかったが、今作では淡々と麻雀を描いてしまっていた
私は咲の麻雀の面白さは「有り得なさ」という部分にあると思うのだが、
その「有り得なさ」がほとんど描かれずじまい。

またキャラクター的にも魅力のないキャラが多い。
前作の咲のレビューでは「濃い味付け」のキャラばかりと記述したが、
本作では「薄い味付け」のキャラばかりという、少しはバランスを取れ!と
言いたくなるほど薄い。
極端なロリがいるわけでも、極端な巨乳がいるわけでもない。

特に本作では前作の「咲」のキャラクターも頻繁に出るが、
頻繁に出る度に今作のキャラクターは完璧に食われてしまっており
キャラクターの存在感、魅力が圧倒的に弱い。

実力の面でも基本的に前作のキャラには負ける、
負けた後に「勝つ」描写もないので、
あ、こいつらは弱いんだなという認識が強くついてしまう

ようやく、ようやく「本作の面白さ」が描写されるのは9話からだ。
はっきりいって遅すぎる。
それまでカットしまくりで早いストーリー展開で強引に
9話のこの試合まで進めたかのようなストーリー構成は
原作通りなのかは知らないが、評価を大きく下げる要因だ。

ただ、その分9話以降の展開は咲らしい「ありえない」麻雀が展開されており
強敵に挑む様子は見ていて純粋に面白かった。
だが、この9話以降の展開も「阿知賀編」というタイトルでは違和感を覚える。

放送最後の麻雀には阿知賀編の主人公であるはずの「高鴨 穏乃」は参加しておらず、
敵であるはずの「園城寺 怜」が命がけで能力を使うなど
確かに盛り上がるのだが、ストーリー構成の違和感を最後までぬぐいきれなかった。

全体的に見て残念な作品だ。
前作である咲を超えることはできなかったのはもちろん、
本作単体としてみても評価を下げる部分が多すぎた

恐らく本作でやらなければならないのは
「能力者ばかりの中で無能力者がいかに勝つのか!?」
という咲とは逆ともいえる麻雀をしなければならないはずなのに、
(特に主人公は特殊能力がないのでそういう描写が必要なはず)

カットしすぎな試合の数々のせいで、この本筋も伝えきれず
キャラの魅力も前作のキャラ及び敵キャラに食われているという
本末転倒な部分が多かった

原因として1クールという尺と原作に1クールの時点で
すでに追いこしてしまったという原作ストックの少なさ。
原作ストックが少なければ上記したように
「回想シーン」で子供時代を描くという事もできない
根本的にアニメ化が早すぎたのではないだろうか???

個人的に咲を見た後で、期待して本作品を見たのだが
期待はずれになってしまった。
12話でTV放映は終了しているものの15話までの制作が決まっており
残り3話はネットで放映される・・・という情報があるのだが、
放送終了から一ヶ月でいまだに13話の放映日などの情報はない

放映&閲覧次第、追記する部分があれば追記するが
現在の評価をたった3話でひっくり返すのはかなり難しいように感じる。
あまり期待せずに待ちたいと思います。