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内輪ネタについていけない気分「Dies irae」レビュー

Diesirae ファンタジー
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評価 ★☆☆☆☆(13点) 全11話+We配信予定全6話

あらすじ 引用- Wikipedia

内輪ネタについていけない気分

原作はアダルトゲームな本作品、2007年に発売された作品であり、
2015年にクラウドファンディングにて3000万円集めたことでアニメ化された。
最終的な金額は9651万858円まで行ったようで根強いファンの多い作品だ。
監督は工藤進、制作はACGT。
TV版では全11話しか放送されず12話以降は2018年7月に一挙配信という
わけのわからないことをしている。

見出して感じるのは理解できないストーリーと世界観だろう。
何やら壮大なストーリーが始まり、無駄に金ピカな背景で、
主人公らしきキャラと敵らしきキャラが無言で対峙する。
原作ゲームをやっていればおぉ!となるシーンなのかもしれないが、
未プレイの人にとってはわけがわからない。

その状況が序盤はずっと続く。
0話の時系列が1939年なのだが、1話では現代の学園アニメみたいなのが始まる。
0話に出てきた意味深なキャラクターたちはなんだったんだ?と思うほど状況が変わり、
0話を見てしまうとこの作品の世界観やストーリーの訳の分からなさが
余計に強まってしまう。

意味深なキャラクターが意味深なセリフを吐き、
横文字だらけの用語と横文字だらけのキャラクターの名前のせいで、
「厨二病感溢れる雰囲気」はあるものの、
雰囲気だけで内容がまるで頭に入ってこない。
Diesirae

作画もかなり悪い、この作品は戦闘シーンが多めの作品であり、
厨二病的な世界観の雰囲気を出すために背景描写には力が入っているのだが、
その反面でキャラクターの作画は不安定気味だ。
かっこつけてるキャラの動きが悪く、せっかくの雰囲気が台無しだ。

所々に予算がたりていないのをひしひしと感じてしまう。
クラウドファンディングで1億近い資産が集まってはいるが、
その1億が単純に制作費と換算すると1話あたり550万円だ。
通常のアニメの制作費は通常1000万~15000万と言われているため、
比べれば半分から3分の1の制作費であり、550万感が出てしまっている。

作画の悪さを誤魔化すような演出もできていない。
逆に作画の悪さが際立たつ様な演出やカメラワークだったり、
シーンによっては作画の悪さよりも演出の悪さのほうが目立つほどだ。
Diesirae

キャラクターも非常に多い。
最近のソーシャルゲーム原作のアニメのように大量のキャラを乱雑に出し、
一人ひとりのキャラの印象がつかないのに新しいキャラが出たり、
最終話でもいきなり出てくるようなキャラが居たり、
すぐに死んでしまったりと駆け足気味の展開のせいで、
主人公でさえもキャラクターを掴みきれない。

特に序盤は世界観や設定、ストーリーの理解が追いつかない。
1~10まで説明しろとは言わないが、1くらいしか説明しない。
説明しだしたとしても説明が単純に下手で
説明しながらも置いてけぼりで話をすすめるため、
ゲームをプレイしていない人にとっては雰囲気でしか察せない。
Diesirae

ゲームをプレイしていない人は4話くらいで
ようやく作品の世界観やストーリーをつかめてくる。
0話の内容が分かるのも7話くらいまで見てようやく分かる。
普通のアニメが三話切りされてしまうことが多い中で、
5話までよくわからないストーリーが展開され、
0話の話が理解できるのが7話というのはあまりにも遅い。

理解が追いついても話が進むと「?」となってしまうポイントが多々ある。
雰囲気として話にはついていけるが、細かい部分の理解や、
理解できない展開やシーンが多く、ストーリー構成の悪さや
尺が足りずに詰め込みすぎたせいで原作にはあるであろう面白さを
感じさせてくれずに終わってしまった。
Diesirae

総評

全体的に見てファン向けに作るならばOVAか映画にすべきだっただろう。
原作ゲームをプレイ前提である部分が非常に多く、
プレイしていないと中盤まで話の理解が追いつかず、追いついても突き放される。
原作ゲームをプレイしたファンならば楽しめるのかもしれなが、
プレイしていない人には楽しめない内輪ノリが強すぎる作品だ

その点を考慮せずとも悪すぎる作画のせいで締まらないシーンが多く、
戦闘シーンでせっかく激しいシーンを描いていたのに、
戦闘が終わった瞬間に作画が息切れしてキャラクターの顔が変な事になっていたりと、
作品の雰囲気と作画の質が見合っておらず、強い違和感が生まれており、
演出の悪さと作画の悪さのせいで作品の面白さが削られている。

ストーリー構成もTVでは全11話で残りの7話はWeb配信と
2クールに近い尺ではあるが、それでも詰め込みすぎだ。
その弊害が終盤では顕著であり、せっかく中盤で理解が追いついていたのに
終盤でまた話についていけなくなり、展開も早く、
キャラクターの台詞回しもくどいため結局わけがわからないままに終わってしまう。

こういった難解な作品は他にもあるが、わからない設定やキャラクターを
「調べて理解したくなる」魅力があって初めて成立する。
アニメではその理解したくなる魅力を出せておらず、
原作ゲームをやろうという気も起きない。
原作にはあるであろう面白さをアニメでは全く持って引き出せていないのだろう。

原作がアダルトゲームなだけにセクシー要素もあるが、
そこに期待するとがっかりするだろう。
びっくりするほど色気のないパンチラやセクシー描写など、
ガタガタな作画で見せられても萎えるだけで描写している価値がない。
Diesirae

個人的な感想

個人的には最初から最後まで雰囲気だけでしか察せなかった作品だ。
中盤くらいは少し面白くなってきて楽しみだしたのだが、
終盤ではかなり突き放されてしまった。
正直、主人公が「時よ止まれ!」と言い出して本当に時が止まったときは、
設定的にはそういう能力なのは分かるのだが、乾いた笑いが出てしまった

売上的には719枚と爆死。
12話からの残り6話でもしかしたら化ける奇跡があるかもしれないが、
正直、半年後に配信開始しても内容をすっかり忘れていそうだ(苦笑)

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  1. diesirae より:

    クラウドファンディング参加したくらいの原作信者でしたが、もう二度とアニメ化企画に投資しないと思えるほどに惨たらしいできでした。
    動きがない、魅せ方が悪い、キャラの描写も説明も足りてない、各ルートのいいとこどりしようとしてぐだぐだな展開、なによりも詠唱カットが許せない。
    原作のなにが受けたのか、何を求められているのか全く分析せずにただ単純に安い動画をつけて劣化ストーリーを流す、誰も幸せになれない一撃必殺のクソアニメが錬成されました。
    719枚と爆死したのも当然の結果です。これでソシャゲ配信も計画中だというから笑えない。
    まさに「怒りの日」のタイトルをその出来で表す結末になりそうです。

    • 笠希々 より:

      コメントありがとうございます。
      「各ルートのいいとこどりしようとしてぐだぐだな展開」
      結局コレが最大の原因なんでしょうね・・・原作ゲームをやっていないので言及しませんでしたが、
      アドベンチャーゲーム原作で失敗しやすい要因はここにあると思います。

      クラウドファンディング自体はアニメイ制作において新しい資産集めの形として悪くはないと思うのですが、
      ファンの思いも強くお金も集めたのだからしっかり作って欲しいところですよね。
      原作プレイしてる方からの意見は絶賛されている意見が結構多かったので、
      大変参考になりました。

  2. Dies より:

    私も上の方と同じくCFの支援者です。感想も一緒です。
    原作プレイヤー的な視点で見ても全くこの記事の通りの出来としか言いようがないです。
    実際、今のDies iraeの原作スレなんかはお葬式状態ですし、擁護している人はおおよそ「自分は楽しめた」「動いてるだけで幸せ」みたいな状態なんです。
    それと一応補足しておきますが、アニメは約1億のCFだけでは作ってないですね。CF+スポンサーの出資=予算3~4億くらいだったらしいです。

    このアニメの不出来の原因は、製作スタッフの質の悪さ、アニメ脚本素人の原作ライターの拙さですね。
    原作プレイヤーたちの間で噂が流れているのですが、本来アニメ製作を担当するはずだった会社が途中で降りたらしいんです。
    ニコニコ生放送の経過報告では「誰でも知ってるアニメ会社」と言われていたのですが、実際に蓋を開けたらACGTという「無名な3流会社」だったという……。
    アニメのオープニング映像も2017年春には公開すると言っていましたが、その口約束も破ってました。
    加えて、アニメ放送前の支援者限定ラジオ番組では原作ライターが「俺はシナリオを上げたんだから、シナリオのせいとは言わせない」といったある種の責任転嫁を思わせる発言をしてたんです。
    そもそも楽天がスポンサーにいたはずなのに離脱してる(Diesとタイアップした楽天ゲームアプリが爆死・終了したから?)とか、その他にも叩き出したらキリがないです。
    原作サイドの無能さ・無計画さがひしひしと伝わってくると思いますが、実は10年前にも核爆弾級の失態をやらかしてるんです。正直、あの頃から何も反省してないのかと私は失望してしまいましたね。詳しくは「怒りの日事件」「怒りの庭事件」でググってみてください。

    ここまで駄文を書き連ねて申し訳ないです。
    原作は本当に面白いんです。でも、自分の中ではアニメのせいで原作サイドに対する不信感しかないですし、ソシャゲに対してもモチベが上がりません。
    どうかこういった悲しみに満ちている原作プレイヤーがいる事も知っていただけたら幸いです。

  3. dada より:

    正直いろいろ突っ込みどころ満載の終わり方でした。
    品質が落差が激しい作品と評価いたします。
    0話なんて見れたものじゃないし(寧ろ一般に人はこの話を作品の評価にしてしまった為、全部話が終わった後にリリースすべきだった)。
    17話のみ比較的満足出来る出来でした。

    今回の問題点はあの設定で作る場合はチュウトリアルキャラ(桜井、ルサルカ、シュピーネ、メルクリウスを有効利用出来てなかった点です)。要するにシナリオ設計レベルの問題だったと思われます。もう少しアニメ制作のプロと話しをして一般がある程度理解できるようにシナリオを多少エンハンスする必要があったと思われます。

    ちなみに今回ルサルカを一ミリすら使えてないのでロートスと主人公の関係が謎処かザッピングで出てくる謎キャラのままで終わってます。そもそもマキナとの関係も意味不明と思ってる初見の人が多いと思われます。

    全ての話数でメルクリウスのウザい煽りをはじめと終わりと最後に入れるべきでした(ざ・・・説明)、正直説明が足りなすぎです。
    シュピーネは戦いをレクチャーする時に階位についてはっきりと説明すべきだった(これは簡単にできるし、少し長くなっても、その方が下種で、ビビりだけど、アホじゃないイメージが付く)。
    そして話の終わりかミニアニメで階位と魂の関連性について理解できる用説明すべきだった。

    三騎士の巨神兵を見たときは正直頭を抱えました・・・スタッフの脳に蛆でもわいてなきゃあれはやらない、私たちが心の中で美化してるものが崩れた瞬間です。

    チンピラ吸血鬼と、の使い方はそこそこよかったが(問題点がちらちら見かけました)、もう一人の性別不明のチンピラ(シュライバー)は神父の裏切りでもやってさっさと殺してた方が戦闘シーンを減らせてその分インパクトのある演出を増やせたと思います。もう少し考えて作れば詠唱など演出に力を入れることができたと思われる、根幹に触れる時間を最大化できるため効果的だったはず。

    少なくとも毎週3分ショートアニメを追加するなど営業努力を行うべきでした。