「ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士」レビュー

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ファンタジー
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評価 ☆☆☆☆☆(6点) 全12話

あらすじ 貴族の息子でありながら魔術や錬金術の研究に没頭する少年モンモランシは、パリの王立騎士養成学校でブルターニュ公の妹リッシュモンら、多くの騎士・姫騎士候補に囲まれ、慌ただしくも充実した日々を送ってい引用- Wikipedia

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錬金術?そんなことよりベーゼだ

原作はライトノベルな本作品。
監督は板垣伸、制作はAXsiZ

好感の持てない主人公


引用元:©春日みかげ/集英社・ユリシーズパートナーズ

1話は主人公の子供時代が描かれる。
主人公が通う学校では色々な国から色々な立場の人間が集まってきている、
そんな中で主人公は3人のヒロインにモテモテだ。
彼がなぜモテるのか?そんな事は考えてはいけない。

別にものすごく勉強ができるわけでも、武術に長けてるわけでもない。
あるかどうかもわからない「錬金術」に夢中になってるだけの少年であり、
無駄に髪が長い。
彼がなぜそんなにモテるのか?絶対に考えてはいけない。

それだけならいいが、セリフもイラっとくる。
これが主人公の1話におけるヒロインに対するセリフだ

「こらこらこら!ちょっとばかり最強で!高貴な血筋で!美人な顔立ちで
生まれてきたからって!落ちこぼれの俺を合われるような目線で語るのはやめろ!」

めちゃめちゃに説明口調だ。
これが小説の中ならばヒロインの外見や視線を想像させるような描写だが、
アニメという媒体でセリフという形で声で、このセリフを
聞いてしまうとシンプルにうざい。

そんなうざい主人公の幼馴染の一人が国の事情から敵地に赴くことになるが、
敗北し敵にとらわれてしまう。
捕まったヒロインを助けるというのは物語におけるお約束であり、
主人公もヒロインを助けるために「賢者の石」を使い不死身の肉体を得ようとする。

ここまでのストーリーの流れは理解できる上にベタといってもいい。
だが、最大の問題は研究に没頭するあまり7年の月日が流れるところだ。
この段階でツッコミどころ全開だ「敵に捕まった」という1秒たりとも
無駄にできないはずの状況にもかからず、無駄に7年経過する。

なぜ7年?


引用元:©春日みかげ/集英社・ユリシーズパートナーズ

その間に研究はろくに進んでいない。
これで1年ならばまだ許容範囲だったかもしれないが7年だ。
二人の幼馴染も放置し、捕まったヒロインも助けない。
そもそも7年も経過してれば捕まってるヒロインなど大変な事になってるはずだが、
全然大変なことになっていない。

7年という月日の割には大したことになっていない。
それこそ強制的に結婚させられてたり、死んでいたり、妊娠していたりしていても
おかしくはないはずだ。
この作品はある程度、史実をなぞっており百年戦争が行われる
中世ヨーロッパという時代設定がある。

そんな時代設定なら見目麗しいヒロインたちの状況は大変なことになっていても
おかしくはない。だが、この作品はご都合主義を爆発させている。
一人のヒロインはお飾りの人形的存在に、
一人は父親がなくなって父親の亡霊に縛られてる。
そして囚われたヒロインは自分から逃げ出している。

つまり、もうこの時点で主人公が7年前に掲げたヒロインを
助け出すという目標がなくなっている。
思わず「何がしたいの?」と思うようなストーリー展開だ。

めんどくさいヒロインたち


引用元:©春日みかげ/集英社・ユリシーズパートナーズ

この作品に可愛いヒロインなど居ない。
囚われたヒロインは自分から戦地に行って捕まったくせに、
7年後に主人公に再会したときには
「なぜ助けてくれなかったんだ」と八つ当たりする。

助けてほしいなら自分から逃げ出すなよと思わずツッコミたくなる。
せっかく自分から逃げ出したのにまた捕まったりすることもあり、
他のヒロインとのキスシーンを見てしまいイラッとする表情を浮かべたり
可愛げなど一切ない。

他のヒロインも似たようなものだ。
お飾りの姫は「私のせいじゃないし」を連呼し特に居る意味はない。
父親の亡霊に取り憑かれてるヒロインは敵対するだけ。
シンプルに「かわいい」と思えるヒロインが存在しない。

ジャンヌ


引用元:©春日みかげ/集英社・ユリシーズパートナーズ

この作品のタイトルにもなっている「ジャンヌ」、
彼女は主人公が7年ぶりに外界に出ていきなり旅をしてる中で出会った少女だ。
そんな少女に賢者の石を飲ませ、主人公が口づけすることで
彼女は「ユリス」という特別な存在になれる。

このユリスというのも厄介だ。
彼女は3分しかその状態になれず、能力的にはなんかすごい加速できるだけ。
ウルトラマンのように巨大化するならまだしも、
3分しか持たない能力は微妙でしか無い。
しかも、力を使うたびに主人公とキスしないと力を出せない。

ヒロインと主人公を「キス」させるためだけの設定だが、
ジャンヌにはキスに対する恥じらいもクソもなく、
まるで飢えた獣のごとく主人公に口づけを迫る。
ちょっと可愛さは感じにくい。

雑なストーリー展開


引用元:©春日みかげ/集英社・ユリシーズパートナーズ

基本的にすべてのストーリーは唐突だ。
7年経過したかと思えばなんか旅して、いきなり出てきたジャンヌを兵器にし、
聖女と祭りたて、7年ぶりに再会した幼馴染とは序盤で一気に再会し、
「7年分」の恨みつらみがあったはずなのに、
主人公に抱きしめられるくらいであっさり解決している。

そもそも錬金術の要素が薄い。
主人公は7年も夢中で錬金術を研究してたはずなのだが、
賢者の石を使って「ユリス」という存在にする錬金術以外は使えない。
火をだしたり、水を出したり、岩を出したりなどは一切できない。

当然、そんな無能な主人公に対して敵も無能だ。
争いは同じレベルでしか起こらないとはよくいったもので、
主人公やヒロインの無能ぶりにふさわしい敵の無能ぶりは呆れ果てるしか無い。

一応、史実を元にしたストーリーや出来事が起こるのだが、
世界の状況や各国の動向などが冒頭のナレーションで片付けられてしまう事が多く、
そのわずか1~2分のナレーションで状況を理解しないといけない。

まるでダイジェストのようにストーリーが進むこともあり、
理解が追いつかないと「今コレなんで戦ってるんだっけ?」となってしまう。
キャラクターも多いが多いだけで特に掘り下げられるわけでもない。

何がしたいの?


引用元:©春日みかげ/集英社・ユリシーズパートナーズ

歴史上の「ジャンヌダルク」が錬金術によって力を得た存在にし、
一部の史実の人物を女性化したりしつつ、
史実の中世ヨーロッパの百年戦争の内容を描くというのが
ある意味でこの作品の芯だったはずだ。

当然、史実通りならば「ジャンヌダルク」は処刑される。
この作品はそんな史実通りになるのか?
それとも「if」なストーリー展開になるのか?ある意味、それがこの作品の見所だ。

本作品と同じ原作の作品の「織田信奈の野望」も似たような要素ではあったが、
あの作品は分かりやすく史実と変わる部分があったり、
歴史改変されるところが面白かったりもした。
本来は織田信奈の野望の百年戦争版といってもいいのかもしれない。

しかし、この作品は終盤意味がわからなくなる。
主人公はそれまでさんざん「傍観者」だった。
ジャンヌが心臓をえぐり出されようとも見てるだけだったのだが、
いきなりやる気を出して自らも「ユリス」となる。
ココまでの展開だけならよかったのかもしれない。

ベルセルク?バスタード?


引用元:©春日みかげ/集英社・ユリシーズパートナーズ

しかし意味がわからなくなる。
主人公が力を使ったらなぜか「次元の穴」があき、
そこから謎の魔物が飛び出てきたかと思えば、神様が出てきて、
宇宙船が出てきて、主人公の体が神に乗っ取られてと超展開すぎる。

中世ヨーロッパはどこいった?百年戦争はどこいった?と思うほどに
ぶっ飛びまくったファンタジー展開になってしまう。
終盤の内容だけ見ると完璧に別作品だ。
あまりにもごちゃごちゃした終盤に面白さのかけらもない。

人間が何故生まれたかだの、神だの、楽園だの、方舟だの、
本当に心底「どうでもいい」というストーリー展開を見せられ、
なんかよくわからないうちに終わる。

結局、俺たちの戦いはこれからだで終わってしまい、
その後の展開すらも「ナレーション」で解説される。
イングランド軍との戦いや、メインヒロインの一人がフランスの王になる展開など、
本来はきちんとしたストーリーで描かれるべきイベントなはずなのだが、
ナレーションで片付けてしまうのは意味不明でしかなかった。

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総評:錬金術はどこいった?


引用元:©春日みかげ/集英社・ユリシーズパートナーズ

全体的にみて駄作だ。
中世ヨーロッパの百年戦争をモチーフにしたストーリーではあるものの、
ダイジェストチックでナレーションベースで片付けられることの多い展開、
行き当たりばったりかつ唐突かつご都合主義の目立つストーリー、
魅力のない主人公と可愛げのないヒロインたちと良いところがまるで無い。

無能で私のせいじゃないを連呼する姫、
3分しか戦えないのに主人公とキスしたい痴女ジャンヌ、
7年前も捕まり7年後も捕まるバカ騎士、
父親の亡霊に取り憑かれて敵対する公女とろくなヒロインがおらず、
7年もヒロインを放っておいたのにろくに錬金術も使えない主人公と
どこを好きになれば良いのかと思うほどキャラクターに魅力がない。

そんな魅力がないキャラクターによるストーリーは頭に入ってこない。
史実では死刑が決まっている「ジャンヌダルク」という人物を出し、
歴史改変がされるのか?ifなストーリーになるのか?という
視聴者がこの作品に求めている要素を一切無視し、
神が出てきたり、方舟が出てきたりと意味不明でしか無い。

作画もあまり良くない。
戦闘シーンも多い作品なのだが「作画枚数」の少なさをごまかす演出が多く、
妙なカメラワークやカクカクっとした動きが目立ち、
戦闘シーンが多いのに戦闘シーンが面白くない。

唐突にキャラクターが出てくることもあまりにも多く、
2話でいきなり「ジャンヌ」がでてくるのもそうだが、
7話でいきなり主人公の婚約者が出てきたり、終盤でいきなり神が出てきたり、
もう少し自然な流れや伏線をしいてキャラクターを出せないのか?と思うほど、
ぽんっと降って湧いたように出てくるキャラは受け入れがたい。

調べた所、厄介なことに終盤の展開はアニオリらしい。
主人公が神に乗っ取られれたからあーだーこだーやったりと、
わざわざ「アニメオリジナル」展開にしてやる必要があったのだろうか?
明らかに別作品のような雰囲気を醸し出していたが、アニオリ展開ならば納得だ。
1クールで終盤の盛り上がりと締めを出すために、
制作側が余計なことをした作品だった。

個人的な感想:久しぶりに..


引用元:©春日みかげ/集英社・ユリシーズパートナーズ

2018年秋アニメは大作が多く埋もれている作品も多いのだが、
この作品は埋もれたままにしておいても良かったかもしれない。
正直、久しぶりに見ててきつい作品だった。

これだけヒロインがいれば誰かしらピンとくるヒロインが居るのだが、
誰一人ピンとこなかった。
こういった作品は「1周回って」ギャグアニメとして楽しめることもあるが、
笑うことも出来ない酷さだ。

心臓をえぐり出されたり、ボコボコにされて吐血したり、
ヒロインが主人公以外の男性に胸をあれこれされたり、
純血検査されそうになったり、人によっては「受け付けない」表現もあるだろう。
いわゆる「リョナ」的な要素も少なからずある。

ただでさえ好き嫌いが分かれる要素でなおかつメチャクチャなストーリー展開は
見る人を選ぶ作品だった。
そのせいか売上的にも枚数すら出ていない。
おそらく多くの人が1話ないし、2話切しただろう。
終盤まで見た猛者たちも終盤の展開で見限った感すらある。本当に厳しい作品だ。

個人的に最大の謎は、とあるヒロインが特別な兜をかぶると
なぜか胸のサイズが大きくなる点だ。
あれに何の意味があったのだろうか(苦笑)
シリアスな状況なのに胸が膨らむ様を見せられるのは何とも言えない感じだった

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