「2018年はアニメ産業にとって節目だった?数字で見るアニメ市場」

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ここ2,3年毎年恒例になっている「アニメ産業レポート」を参考にした
アニメコラム、毎年毎年やっていく中でついに今年は
BD・DVDの売上を配信の売上が抜くとい節目の年になりました。
アニメ制作会社も潰れたり吸収される中で、
今後のアニメ市場はどうなっていくのか。

いつもどおり長い記事ですのでお暇な時にお読みください。
なおレビュー内の数字は全てアニメ産業レポート2019によるものです。
合わせてご覧ください。
http://aja.gr.jp/jigyou/chousa/sangyo_toukei
(2019とありますが、2018年のアニメ市場のデータです)

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2018年のアニメ市場

2018年のアニメの売上は前年比100.9%という悲しい結果に終わりました。
つまりほとんど伸びていません。
2017年の段階で2兆円の市場になったものの、2018年はそこから0.9%と
ほとんど変わらないような数字になってしまいました。

これは海外配信の伸び率の鈍化が大きな要因です。
ここ数年は2000億ずつ毎年伸びていた海外市場ですが、
2018年には150億ほどしか増えていません。

ある程度海外市場にも日本のアニメを見れる環境が整ったことも大きく、
これ以上の海外市場の大きな伸びはあまり期待できないのかもしれません。
中国市場もここ数年の伸び率に加担している要員では有りましたが、
お国柄で過激なアニメや政治的なアニメが配信できなかったりすることも多く、
市場は大きいが、配信できる作品が絞られるというのはなかなか厳しい所です。

BD・DVD

円盤、いわゆるビデオの売上です。
2017年にはアニメ制作会社全体で117億円のBD、DVDの売上がありましたが
2018年には81億円。ついに、ついに100億円切ってしまいました。
10年前の2010年が164億円だったことを考えれば
この10年で円盤の売上が見事に半減したことになります。

2017年の段階で117億だったのが2018年には81億。
いきなり30億近い売上がなくなってしまいました。

2018年のいわゆる覇権と言われるヒットしたアニメと言えば
ゾンビランドサガ、アイドリッシュセブン、ウマ娘プリティーダービー、
ゆるキャン△、SSSS,GRIDMAN,Freee、宇宙よりも遠い場所と
印象に残る作品は多かった印象です。

ただ2期ができるギリギリのラインである3000枚や
それ以下の売上の作品も非常に多く、
過去のアニメ円盤売上枚数のワーストを塗り替えるような作品も多く生まれました。
七星のスバルなど58枚という数字が出たことすら奇跡であり、
作品のクォリティを考えれば納得の売上ではあります。
アニメの円盤の売上の平均値も下がりつつあります。

いい作品も多かったものの、地味な作品が多く、
秋アニメが放映されるまで2018年TVアニメ全体が盛り上がりきっていない、
そんな印象を受ける年でも有りました。

劇場アニメ

アニメ映画の売上は426億円と2017年の410億円より微増となりました。
2016年は君の名はの効果もあり664億円という売上を叩き出し、
君の名はのヒット以降多くの劇場アニメが作られました。

2018年のアニメ映画は
「君の膵臓をたべたい」「さよならの朝に約束の花をかざろう」
「リズと青い鳥」「若おかみは小学生!」「ペンギン・ハイウェイ」
「未来のミライ」などシリーズものを除けば色々あったのですが、
劇的にヒットしたものはなかった印象ですね。

ただ2018年は相変わらずコナンの映画であるゼロの執行人が大ヒットしており、
コナン、ポケモン、ドラえもん、クレヨンしんちゃんといった
もはや国民的アニメの立ち位置の4作品の映画の売上が安定しており、
あとはその他のアニメ映画がどれくらいヒットするのかという
部分にかかっています。

2016年から明らかにアニメ映画の本数が増えており、
2019年もかなり映画の上映され、私もだいぶ劇場に足を運びました。
年間80本ペースのアニメ映画制作がどこまで続くはわかりませんが、
2019年には「天気の子」も上映されており、
来年の「アニメ産業レポート」の映画の売上は期待したいところです。

配信

2018年は微増に終わりましたが、良い意味で安定してきたと感じます。
DアニメやAmazonプライム、Nteflixといった配信サイトの認知度も高くなり、
NetflixによるNetflixオリジナル作品もかなり増えてきました。

アニメ制作会社と直接契約するNetflixオリジナル作品が増えるのは
当たり前の傾向ではあり、実力のある制作会社は今後もどんどんと
Netfixでアニメを作るようになるかもしれません。
そうなると今度は「TVアニメ」の売上が下がります。

円盤の売上が下がっていく中で、そもそも「TV」という媒体自体から
アニメが遠ざかっているような感覚もあります。
いわゆる「夕方アニメ」という子供たちが多く見る平日の夕方という
時間に放送される作品もかなり少なくなってしまいました。

10年後くらいには「TVアニメ」という媒体自体が衰退してるかもしれません。
そう考えると寂しいものもありますが、
「配信でいつでもどこでも好きなときに見れる」という利点には
抗えないものがあり、これもまた必然なのでしょう。

時代の流れに逆らわず、時代を読み、その都度、アニメという
エンターテイメントをどこで提供するのか。
2018年という年は媒体の切り替えの本格的な始まりなのかもしれません。

海外市場

鈍化してしまった海外市場ではありますが、
アニメ市場全体では1144億円、制作会社の売上としては765億あります。
微増ではありますが、まだぎりぎり伸びているのが海外市場です。
メインとなる国はアメリカあり、その次にカナダ、中国と続きます。
中国市場はここ数年で伸びた市場ではありますが単価が低いのが問題です。

欧米での配信の場合は1話1000万での契約ですが、
中国での配信の場合は1話500万での契約です。
ここから更に手数料が2割ほどかかるようなので、
1クールのアニメの場合、欧米なら9600万、中国なら4800万です。

制作会社としてはやはり「Netflix」などと独占契約を結び
オリジナル作品を作るほうが儲けが大きく、
地上波では出来ないような過激な作品や地味な作品も作りやすい。

最近では「GONZO」がNetflixと契約しました。
あの「GONZO」です(笑)
かつて多くの深夜アニメを手掛け1度は潰れかけたGONZOが
Netflixという黒船に乗船した2019年。

今後も知名度のあるアニメ制作会社はどんどんNetflixと
契約することになりそうですね。

アニメ制作会社

相変わらず独立したりしてアニメ制作会社の数は増えており、
毎日のようにアニメを見てる私でさえ初めて聞くような制作会社が増えました。
それと同時に潰れる会社も出てきました。

2019年にはあのXEBECが吸収合併されました。
GAINAXもGAINAXという名前の付く会社が一体いくつあるんだと思うほど
分散しており、アニメ制作会社に流れるお金はそれほど変わっていないのに
制作会社の数が無駄に増えている印象です。

制作会社が増えればそれほど売上も分散します。
TVアニメだけでいえば年間に放映できるのは200作品くらいの枠しか有りません。
その少ない枠の中で多くの制作会社がひしめき合ってる現状であり、
潰れてしまったり合併したりするのも納得です。

アニメーター低賃金問題も相変わらずです。
そもそも彼らを雇用する立場である制作会社自体が自転車操業では
アニメーター低賃金問題まで解決に至らないのも当たり前です。
2019年にはあからさまに放送を落とす作品や
総集編を挟む作品が増えてることを考えると業界全体の厳しさを感じます。

そもそも、アニメ制作会社が増えても、アニメーターが
それに伴い増えるわけでは有りません。
アニメ制作会社がアニメーターを奪い合うような状況が発生しており、
その結果、作画のクォリティだけでなく放送すら間に合わないようなことが
起きてしまっているのが現状です。

ある程度、アニメ制作会社の数は減るべきだと私は感じています。
ここ数年で増え続けているアニメ制作会社が
淘汰される時代に入ったのかもしれません。

Youtube

2019年にはYoutubeでアニメを配信しているところも増えました。
東映やテレビ東京,BANDAIなどの大きな会社ばかりですが、
この流れはいい流れだと私は感じています。

去年のアニメ市場コラムで私は投げ銭、会員特典といった
Youtubeのシステムを利用したアニメ市場の開拓も行ってみるべきだと
書いてましたが、ようやく重い腰を上げだしたかのように感じます。
アイドルアニメなどは「投げ銭」のシステムとの相性も良さそうですし、
2020年にはもっとYoutubeで配信するアニメが増えるかもしれませんね。

そもそも、この流れ自体は「TV」という媒体そのものからの離脱にも感じます。
製作委員会制度などもはや古い形でのアニメ製作は
時代に合わなくなってきているのかもしれません。

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節目となった2018年

配信の売り上げが円盤の売上を抜き、アニメ市場としては成長が鈍感。
2018年という年はアニメ業界にとっての節目になりました。
ここからどう、巻き返すのか、はたまた凋落するのか。
1視聴者としては見守ることしか出来ないのが歯がゆい所ではあります。

2019年は更に厳しい年になっています。
明らかに総集編が多くなり困窮した制作会社の現状、円盤の売上の悲惨さ、
覇権と呼ばれるアニメがほとんどない年でした。
おそらく円盤の売上は2018年に比べて更に落ちている現状でしょう。

この10年で2倍近く成長したアニメ市場。
ここからさらに発展していくためにはアニメ制作の仕組みや
製作委員会、アニメ制作会社の経営など抜本的な改革が必要な部分が多く、
うまくそこを乗り越えて「日本のアニメ」をもっと盛り上げていただきたい。

最後に

2018年は、私個人としてもブログだけでなく、
多くの人により多くのアニメを知ってもらうためにYoutubeでの
アニメレビューをはじめました。
明らかにこういうブログ形式よりも多くの人の目に止まっています。
私もYoutubeという黒船に乗っかっている現状です(苦笑)

年間200本のTVアニメ、年間80本のアニメ映画、
更にNetflixなどの独占配信作品。はっきりいってすべての作品を見切れません。
沢山の作品が作られることは歓迎したいところではあるのですが、
特にTVアニメはもう少し本数を絞って1本1本のクォリティを
上げたほうがいいのでは?と感じることが多くなってしまいました。

色々とアニメ市場も厳しい感じが伺えますが、
このサイトでは少しでもそんなアニメ市場にレビューという形で
貢献できればと思い、頑張っていきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました

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