「警視庁 特務部 特殊凶悪犯対策室 第七課 -トクナナ-」レビュー

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サスペンス
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評価 ★★☆☆☆(24点) 全12話

あらすじ 凶悪犯罪を起こす組織「ナイン」によるテロ事件があった。その事件に巻き込まれた当時中学生だった七月清司引用- Wikipedia

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メンタルクソ雑魚なラスボス

本作品はTVアニメオリジナル作品。
総監督は栗山貴行、監督は小坂春女、
制作はアニマ&カンパニー

異種族世界


引用元:©特殊凶悪犯対策室 第七課

1話から主人公のこんな世界観の説明から入る。

「今は昔の話、この世界にはエルフ、ドワーフ、吸血鬼が居て
互いに争っていたんだとか。今はなんとなく和解してなんとなく暮らしている」

時代と舞台的には現代の日本でありながら、
「人間」だけではなく、そこにエルフやドワーフなどの
まるで「異世界」に住むような住人が住んでいる。

耳が長かったり、毛深かったり、様々の特徴のある
多種族が暮らす現代の日本という舞台設定は面白く、
そんな中で描かられるのはタイトルからも分かる通り「刑事ドラマ」だ。

過去に警察官に命を救われた主人公は大人になり自身も警官になった
というところからストーリーが始まる。

違和感


引用元:©特殊凶悪犯対策室 第七課

1話から銀行強盗事件に巻き込まれてなんとかするという話が展開する。
だが、主人公たちのチームは車で追いかけ、ドローンを使い、
スナイパーが仕留める。
これが普通の刑事モノのアニメならばメインキャラのチームを紹介しつつ、
チームワークを生かした事件解決の模様だ。

しかし、この作品は一応「多種族」という設定がある。
主人公のチームにもエルフや吸血鬼、ドワーフやホムンクルが居る。
だが、居るだけだ。
ホムンクルは機械に強い、ドワーフは視力が良いのでスナイパー、
吸血鬼は身体能力がいいので剣士と、それくらいの活かし方しかしない。

別にこれが「人間」でもいい。そういう身体能力の特徴のある
人間という種族のキャラクターでもまるで違和感がない。
それほど「多種族」というこの世界の設定を活かしきれていない。
そもそも「ドワーフ」という種族のイメージに視力が良いという
共通認識はあまりないだろう。

エルフが嘘が得意、ドワーフは嘘が苦手などの設定などもあるものの、
その設定が生かされるわけもなく、とくにどうでもいい感じの設定だ。
「多種族」という設定を作品の中で活かしきれていない。
そもそもエルフやドワーフやホムンクルスが居るならば
魔法の1つでもありそうなものだが、

銀行強盗もゴリラなどの動物の覆面をかぶっており、
「多種族」という設定を見せられただけにそういう種族が居るのかと思いきや、
覆面という分かりづらい描写になってしまっている。
普通の銀行強盗らしいいかにもなマスクでもよかったはずだ、
多種族という設定があるこの世界において「動物のマスク」は誤解を招く。

普通の事件


引用元:©特殊凶悪犯対策室 第七課

怒る事件も普通だ。1話は銀行強盗、2話は連続殺人、3話は爆破事件。
刑事モノとしてはベタ中のベタな事件であり、
そこにこの作品だからという要素がほぼない。

「かつて存在したドラゴン」を信奉する組織が裏で事件に
絡んでいたりする事はあるものの、事件自体に面白みがない。
一応、多種族な世界観だけに「魔術」の存在もあるにはあるのだが、
わかりやすい魔法というような形で使用されることは少ない。
仕掛けられた爆弾の威力を増加させるなど地味な感じだ。

特にオリジナリティがあるわけでもない事件が地味に描写され、地味に解決する。
「刑事ドラマ」というストーリー部分と「多種族が存在し魔術も存在する」という
世界観が相互作用を生んでおらず、ちぐはぐな感じが生まれてしまっている。
別に多種族という設定は必用がない、別に魔術という要素も必要ない、
そんなストーリーの中で世界観の設定が必用がない話が多い。

ホムンクルスや吸血鬼やドワーフやエルフという設定のキャラが居るのに
それをまるで使いこなせておらず、主人公の熱血正義感と
彼の相棒敵立ち位置の先輩の洞察力でほぼ事件が解決する。
「相棒」ならまだしも、魔法が存在した多種族が存在する世界で
「相棒」をやられても、そこにこの作品だからこその面白さが生まれていない。

そもそも多種族、異世界に住むような住人が地球にも普通に住んでる
という設定自体が前期でやっていた「コップクラフト」と似たような設定であり、
そこをどう、この作品として個性を出していくかがポイントのはずなのだが、
まるで個性を出せていない。

4話以降もどこかで見た話ばかりでしか無い。

掘り下げ不足


引用元:©特殊凶悪犯対策室 第七課

そもそも全体的に掘り下げ不足だ。
多種族という世界観の設定もそうだが、メインキャラクターの設定も薄い。
吸血鬼なのに血を吸うシーンやそれっぽいシーンのないただの強い剣士、
ドワーフなのに視力が良いだけで少し毛深いだけのスナイパーと、
種族に対して職業選択を間違ってないか?と思ってしまうほどのちぐはぐ感だ。

主人公が配属されるのは「トクナナ」という部署であり、
主人公を含めて7人のメンバーが居る。
本来は1クールの中でこのメンバーとの交流を描き、
「チーム」としての魅力を出さなければならない。

だが、この作品はそういう交流は描かない。
事件が起きて、その事件解決の中で同僚としてあくまで協力するだけで
「仲間」という信頼感や「チーム」というまとまりが生まれるわけでもない。
もう一歩踏み込んだ描写や、キャラクターの掘り下げがあれば
面白くなりそうなのに、踏み込みもせず掘り下げもしない。

結局、多種族が住む日本という設定やキャラクターを使いこなせていない。
だからこそストーリー的には盛り上がる部分でも盛り上がりがきちんと
埋まりきれておらず、ずーっと地味で淡々としている。

7人もいるのに、いわゆる担当回のがあるものも少ない。
特に面白みもなければオリジナル性もないどうでもいい事件を描くなら、
その事件にきちんとメインの7人のキャラをそれぞれ
取り上げるような回があってもよかったはずだ。

奇跡


引用元:©特殊凶悪犯対策室 第七課

序盤から主人公はシンでもおかしくないような状況で死なない。
例え魔術による攻撃でも、ドラゴンによるブレスでも何故か死なない。
「幸運」で片付けるには違和感のある部分だった。
終盤になると実は主人公が過去の事件のときに
「ドラゴンの力」を得ていることが分かる。

その事件の際に主人公を助けてくれた刑事は、
トクナナの一人の兄であり、主人公の相棒の元相棒だった。
シンだと思っていたはずの彼だったが実は洗脳されて
ドラゴン側についていたことが分かる。

このあたりももう少し掘り下げて描けば盛り上がりが生まれるのだが、
この作品の場合、「実はこうでした」という設定を淡々と見せているだけだ。
その設定が明かされても何の意外性もなく、
見ていて「そうだろうね」くらいの感想しか出てこない。

予想できる設定が想像以下の描写で描かれてしまう。

盛り上がらない


引用元:©特殊凶悪犯対策室 第七課

終盤になると敵であるドラゴンとの戦いが佳境になってくる。
本来は1クールの中で色々なものを積み重ねて、
ここまで地味でも終盤で盛り上がれば地味でも面白い作品になったかもしれない。
だが、そういう積み重ねをこの作品はきちんとできていないため
終盤になっても盛り上がらない。

洗脳されていたキャラクターも弟に説得されてあっさり解けてしまい、
敵であるドラゴンも主人公の力のおかげで驚異に感じない。
主人公と敵で「正義感」を語り合ったりするものの薄っぺらく、
そもそも敵の目的もドラゴンだから支配者になって世界を征服してやるという
昭和の時代のRPGの敵みたいな理由でしか無い。

そんな浅い理由で悪事を働いていたせいか彼は論破されてしまう。
ドラゴンは「信仰心」が力になるらしいのだが、
「お前、人間に怯えてたり妬んだりしてるんじゃね?」と煽られまくると、
ひよりまくり、ドラゴンの力が消えてしまう。
これで終わりだ(苦笑)

驚くほど盛り上がらないままに最終話が終わってしまい、
ある意味でこの作品らしい地味なまま、掘り下げきれず使い切れていない
キャラと設定を貫き通したと言える作品だ。

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総評:練ってほしい


引用元:©特殊凶悪犯対策室 第七課

全体的に見て練り込み不足だ。
1クールという尺の中で「多種族が住む日本」という
世界観の設定を活かしきれておらず、7人のメインキャラクターと敵の
キャラも掘り下げきれないまま、どこかでみたような事件を解決しつつ、
敵が論破されて日和って終わる。

本来はもう少し7人のメインキャラと敵を掘り下げる話があってもいいはずなのに、
ろくに掘り下げずどうでもいい事件の解決ばかりをしており、
終盤になって主人公や仲間の重要な設定が明かされても想像通りでしか無く、
敵も敵で浅い目的で世界征服を目論んでるかと思えば、
煽られまくって自信をなくして倒されてしまう。

1つ1つの要素が本当に浅い。
もう一歩踏み込んで描写すれば面白くなりそうな設定、
もう一歩踏み込んで描写すれば魅力が出そうなキャラクター、
そのもう一歩をこの作品は絶対、踏み込まない。

最終話のドラゴンと同じように制作側も日和っている。
結局、企画段階での話し合いから作品として形にしきれていない、
そんな印象を受けるような作品だった。

個人的な感想:無表情の1クール


引用元:©特殊凶悪犯対策室 第七課

特になにか感情を揺さぶられるわけでも魅力のあるキャラが居るわけでもない。
ただひたすら表情筋を動かさずに見終わってしまう作品だった。
色々な要素が中途半端過ぎて見ていて本当に退屈だ。

これが原作がある作品ならまだしもオリジナルアニメというのが驚きだ。
この作品にオリジナル性はまるで無い。
かといって王道の真っ直ぐな面白さがあるわけでもない。
よくある設定とよくあるストーリーとよくあるキャラクター、
それ以上でもそれ以下でもない者を組み合わせて生まれただけだ。

もう少しオリジナルアニメだからこそ気合の入れたなにかがあるかと思ったが、
そういうものがまるでない空虚な作品だった。

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