「ワンダーエッグ・プライオリティ特別編」レビュー

1.0
サスペンス
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評価 ★☆☆☆☆(19点) 全60分

あらすじ 引用- Wikipedia

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エンタメとしての失敗

本作品は「ワンダーエッグプライオリティ」の特別編。
TVアニメの8話が総集編になってしまったせいで1話たりなくなり、
最終話延期という形ではなく「特別編」と題して
12話からの放送後、約三ヶ月の時間を経て放送された。

がっかり

始まって早々にがっかりしてしまう。
わたしは本作のレビュー時に
「あと1話、30分で残された伏線や話が解決するとはとても思えない。」
と言っている。

この作品が抱えている問題や伏線など残り1話、30分では足りない。
この作品はどう結末を描くかで評価が大きく変わる。
そんなレビューをしている。
だからこそ特別編が1時間と聞いたときは期待してしまった。
しかし、蓋を開ければ1時間の尺のうち30分は「総集編」だ。

この作品を好きな人、特別編を楽しみにしていた人は
「総集編」を見たかったのだろうか?
主人公である「アイ」のナレーションで1クールを振り返る30分、
総集編と題してこの30分が特別編の前に放送されるなら
振り返りとしての意味があり、何も文句は出なかっただろうう。

だが「特別編」という1時間の尺の中でやることではない。
三ヶ月も待たされて30分、
総集編を見せられる視聴者の気持ちを考えていない。
それならば最初から特別編は30分です、総集編を特別編を
放送前に流しますというような構成のほうがまだ納得できる。

しかも、この作品はTVアニメの8話でも総集編をやっている。
実質1クールの作品で2回も総集編をやったようなものだ。
「特別編」などとわざわざ銘打って総集編を30分見せられる
ガッカリ感は凄まじい。
この作品に期待してただけに余計にがっかりだ。

エロスの戦士

この作品は「死の誘惑」をするAIの物語でもある。
少女たちを師へといざなう存在、そんな存在の誘惑に耐えられなかった少女、
そんなAIに対抗するために「生の戦士」を作り上げることが目的だ。

主人公であるアイは「パラレルワールド」の自分と出会い、
自分自身の別の可能性を見たことで、自分自身を見つめ直せる。
パラレルワールドの自分とは違う、アイは友達と出会えた。
多くの死の誘惑を見てきた中で、
彼女は母親と先生の関係性も納得することが出来た。

死の誘惑は甘い。だが、アイは生の苦痛のなかで「幸せ」を見る。
生きることは確かに辛いかもしれない、だが、
誰かを愛し、愛されるために彼女は強く、生きていこうと決意している。
「エロス(性の衝動)」の戦士に彼女はなった。

多くの死の衝動にいざなわれた少女たちを救うための戦士になった。
「死の誘惑」をするAI=タナトスの戦士に対抗しうる存在に主人公はなった。
後は最終決戦だ。さぁ、残り30分でどうこの物語を占めるのか。

真相

この作品の最大の謎でもあったアイの友人の
「小糸」の自殺の真相が明かされる。
引っ張った割にはやや肩透かし感はあり、先生との怪しげな関係も
結局は無関係だ。

ゲームはクリアしたはずだった。友人は確かに生き返っている。
だが、生き返った「友人」たちには自分たちの記憶がない。
ただのパラレルワールドの同一人物でしか無い。
まるで無かったことのように、まるで自分と出会ったことがないように、
せっかく命がけで救ったはずの友人が他人だ。

目標を達成したはずなのに思い描いていた希望の未来ではない。
だが、彼女たちは目的を達成した。それ以上はどうしようもない。
死んだものは結局、帰ってこない。似ている別人だ。
しかし、自分と向き合い、過去と向き合い、友人を救い、
ゲームクリアした。彼女たちの「プライオリティ」、優先順位が変わる。

確かに気になることはある。
彼女たちをこのゲームに参加させたアカやウラアカのこと、
自分たちが育てた「ワンダーアニマル」を殺した存在のこと、
だが、命をかけて、もう1度あの世界に行く理由がない。
友人は生き返った。もう怖い思いはしたくはない。

もう1度ゲームを続けたところであのときの友人が戻ってくるわけではない。あのときの友人が、自分と友達だった友人と会いたい。
「戦う生の衝動」よりも「死の誘惑」のほうが甘い。
死んでしまえば彼女たちに会えるのではないのか。

もう1度

「ねいる」もゲームをクリアしている。だが、彼女は負けてしまっている。
死の誘惑というタナトスに。だからこそ「アイ」は思う。
もう1度会いたい、後悔があるからこそ彼女にもう1度会いたい。
電話に出られなかった後悔がつきまとう。

普通に過ごす自分、新しい環境で生きている自分、
そんな自分に違和感を感じる。「小糸」との関係性は不思議なものだった。
本当の友達と言えるかどうかすら怪しい部分がある。
だが、彼女は救った。

そんな思いが彼女を再び動かす。「ねいる」にもう1度会いたい。
本当の「友達」だからこそ後悔はしたくない。
再び彼女は卵を割る、友人と会うために。

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総評:結局投げた

全体的に見てこの物語の流れ自体は納得ができるものの、
仮にこの特別編の内容が12話のあとに13話として放送されたのなら
「2期をやるはず!もしかしたら劇場版?続編が楽しみだ!」と
素直に思えたかもしれない。

しかし、三ヶ月延期してわざわざ特別編と題してまでこれかという
感覚のまま終わってしまった作品だ。結局、色々なことが投げっぱなしだ。
この作品は説明自体が元々少なく、視聴者に考察させることで
成り立っている部分はある。だが、それでも描かれていない部分が
多すぎる上に消化不良だ。不完全燃焼だ。

エンターテインメントとして失敗している。
1クール終わったのにモヤモヤとした感情が残り、すっきりとしない。
これで続編の制作の発表があればまだ違ったかもしれないが、
これで終わりなら、この作品はエンタメとして失敗だ。

フリルの問題、ねいるの問題、寿の問題、ウラとアカの問題。
色々と残っている。そこを描ききって初めて
「ワンダーエッグプライオリティ」という作品の評価が決まる。
だが、描かれないなら評価すらできない。

総集編に30分も使わずに、あと30分でどうにかできたのではないのか。
そう思う部分も多く、8話が総集編ではなく、更に
1時間の特別編が作られていれば色々なことが描ききれたかもしれない。
尺不足といえばそうだが、そもそもきちんと描ききる気はなかったように
感じる部分もあり、見終わった後の「モヤモヤ感」が凄まじい作品だ。

続編があるかどうかはわからない。
そんな現状としては消化不良だけが残る作品になってしまった

個人的な感想:残念

まさか1時間の尺のうちの半分が総集編は予想外だった。
それゆえにがっかりしたまま残りの30分を見ることになり、
しかも言い方は悪いが投げっぱなしな私達の戦いはこれからだは
残念としか言いようがない。

ストーリーも、世界観も、雰囲気も、キャラも好きだった。
だが、もう「好きだった」と過去形にせざる得ないほど
12話までの評価を改めてしまうほどの特別編だった。

シンプルに最終話だけが延期ですという形なら
続編があるはず!楽しみだ!といえたかもしれないが、
総集編をたしただけのものを特別編といってしまえる制作サイドの
やり方にストレスを感じてしまう作品だ。

続編があるとしても劇場版かなにかだろうが、
果たしてあるのだろうか…

「」おもしろい?つまらない?

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