評価 ☆☆☆☆☆(7点) 全10話
あらすじ 世界中のエリートが集う全寮制学校を舞台に、地下ギャンブルによって学校内のヒエラルキーが決まる様子を描く。 引用- Wikipedia
史上最悪の実写化ドラマ
本作品はNetflixによる実写ドラマ作品。
日本でもアニメ化され、実写ドラマ、映画にもなっているが、
海外で改めて実写化された形になる。
吹替
日本では賭ケグルイのアニメにおいて主人公は
「早見沙織」さんが演じている、本作品の吹替でも
主人公を同じく早見沙織さんが演じている。
ただ、早見沙織さんも意識的にかアニメの「夢子」ではなく、
あくまでもNetflixの実写ドラマ版の「夢子」を演じており、
アニメ的ではなく実写的に演じている。
この演じ分けの違いは声優の凄さを感じさせるものの、
今作品の利点、良さはそこくらいだ。
何もかもが違う、本当に驚くほど違う
海外仕様
主人公である夢子は「問題児」を演じている。
全ては己の「復讐」のためであり、そのために問題児を演じ、
聖ドミニク学園にやってきている。
ハリウッド版ということで舞台が海外になっているのは飲み込める、
だが、問題はこの作品が「復讐劇」であることだ。
アニメや漫画を見た人ならばわかると思うが、
賭ケグルイは「復讐劇」ではない(苦笑)
露骨にオリジナル要素がたされており、そのせいで主人公の
「夢子」というキャラでさえブレる。
本来、賭ケグルイにおける夢子という主人公は
「純粋なギャンブラー」だ。
しかし、ネットフリックス版はギャンブルをするのは
あくまでも復讐のためになってしまっており、
この時点で意味不明だ。
冒頭から演出も非常に安っぽく、
クソうるさいBGMで雰囲気を作っているのかもしれないが、
全体的にダサい演出が目立ち、映像が安っぽい。
舞台とな聖ドミニク学園の背景描写、美術周りは優秀ではあるものの
その他はすべて安っぽい。
漫画やアニメのキャラを引き継ぐような衣装や髪型をしている
キャラクターもいるものの、そのすべてが露骨に安っぽく、
中途半端なコスプレともいえないようなコスプレで、
日本の実写ドラマのクォリティとあまりにも違いすぎる。
日本の実写化作品は学芸会等と言われることも多いが、
もはやこれはお遊戯会だ、すべてが安っぽい。
特に生徒会メンバーの安っぽさは凄まじく、
一人はインフルエンサーのオカマになっている(苦笑)
2回目の生徒会とのギャンブルの相手であり、
ツメのコレクションをしていたりするため、。
おそらく立ち位置的に「皇 伊月 」なのは間違いないのだが、
キャラがあまりにも違いすぎる。
なぜオカマになったのだろうか…もう意味がわからない。
もうここまで中途半端に原作のキャラを取り入れるなら
完全にオリジナルでやってほしい、そう思うほど原作破壊なキャラクターたちだ。
ギャンブルの解説役だった「鈴井 涼太 」も
実写ドラマではギャンブルに反対な白人とオドオド黒人の
二人に分裂しているのも謎だ。
全キャストが夢子以外の女性が妙にぽっちゃりしているのも気になる。
ルッキズム、ポリコレ的な配役なのかもしれないが、
このぽっちゃり感が余計に安っぽさに繋がっている。
ギャンブル
1話で描かれるギャンブも安っぽすぎる。
漫画やアニメにおける最初のギャンブルは投票じゃんけんだったが、
実写ドラマではスカーミッシュというカードバトルになっている。
配られた7枚のカードを出し合い、数字が多いほうが勝ちというギャンブルだ。
投票じゃんけんと仕組みは似ているが駆け引きのレベルが違う。
いかさまも非常にわかりやすく、見応えというものがない。
2話では原作では神経衰弱だったが、今作では心拍数を目安に心理戦をし、心拍数が85を超えたら負けというギャンブルが描かれるが、もはやギャンブルとはいえない。ただの会話だ。
相手の過去を情報収集し、ネットで探してさらし合う。
夢子も過去をさらけだされそうになるが、
相手が動物愛護を掲げているのに過去には動物虐待していたという
動画を公開して終わりだ。
これのなにがギャンブルなのだろうか。あまりにもレベルが低すぎる。
ちなみに2話のギャンブル相手は負けた結果、
生徒会に粛清されて死ぬ(苦笑)
もう原作改変なんてレベルじゃない。
3話ではダンスダンスダンスレボリューション対決だ、ギャンブルとはなんなのだろうか(笑)
原作があるのに原作のギャンブルは一切やらずに、
オリジナルのギャンブル対決をするのはいいが、すべてがちゃっちぃ。
そのダンス対決に勝つために二人に分裂した「鈴井 涼太 」 の
うちの一人の黒人がダンスが得意という設定がでてきて、
ダンスシーンもガッツリ描かれる。とてもいらないシーンだ。
ダンスだけでなく「決闘」という勝負もでてくる。
これは「血を流したら負け」というギャンブルだ。
ギャンブルってなんなのだろうかと哲学的な考えにすら至ってしまう(苦笑)
しかも、あっさり相手が鼻血を出して終わる、駆け引きもクソもない。
復讐劇
この作品で描きたいことは復讐劇であり、
ギャンブル自体はどうでもいいのだろう、それを強く感じる。
中盤になると夢子の両親を殺したかもしれない相手が
彼女の前に現れるのだが、夢子は爆弾で殺そうとする(笑)
殺したという確証もなく、疑わしいだけの存在だ。
しかも、ルームメイトの継父であり、友達の継父を殺すことに悩む。
もはや賭ケグルイではない。
いざ殺そうとしたところ失敗したかと思えば、なぜかルームメイトとともに復讐相手の車が爆破され死ぬ。
一方で二人の分裂した「鈴井 涼太 」の「童貞」をかけた
ギャンブルも行われており、夢子やメアリを巻き込んだ
アホみたいなラブロマンスも展開する。
二人の分裂した「鈴井 涼太 」 が初めてを大切にしたい!と
いい出したり、もう本当にどうでもよく、くだらないストーリーに
一周回って笑いが止まらなくなってくる。
ギャンブル要素が話が進めば進むほど薄くなってくる。
芽亜里と桃喰 リリカ的な立ち位置にいるキャラによる
同性愛者を匂わす描写だったり、生志摩 妄 的な立ち位置のキャラが
二人に分裂した鈴井涼太の白人の方に惚れていたりと、
本当にどうでもいい恋愛模様も描かれる。
中盤を超えるとギャンブル要素は思い出したかのようにしか描かれず、
終盤になるとペット、原作で言う奴隷の立場に落ちた夢子がペット狩りに参加する。
ただのペット同士のバトルロワイヤルのようなものでしかなく、ギャンブルではない。
終盤になると夢子の復讐相手が二人に分裂した鈴井涼太の
白人の方の父ではないか?という疑惑が持ち上がるが心底どうでもいい。
夢子は夢子で相変わらず、ろくに証拠もないのに「かもしれない」だけで
爆破しようとしたり、毒殺しようとしたかと思えば、
多くの人が夢子の両親を殺害する計画に関わっていたことが発覚する。
ビットコイン
なぜ夢子の両親が殺されたのか、それは「ビットコイン」を開発したからだ。
唐突に暗号通貨がでてきて意味不明すぎるのだが、
ビットコインは暗号通貨として最も有名なものであり、
その開発者は謎とされている。夢子の両親が開発者であり、
300億ドル分のビットコインを隠したことが殺された理由だ。
そんな現実のネタをなぜかこの作品に組み込んでいる。意味不明だ。
色々とバタバタしているなかで元生徒会長と夢子の
ブラックジャックが最終話で描かれる。
最終話のブラックジャックもろくに描かれず復讐劇が主体だ。
最期は雑に復讐相手に毒をぶち込み殺すのだが、
実は真だと思っていた夢子の母親が生き延びていたことが
最終話で発覚する。
つまりクリフハンガーだ(笑)
鈴井涼太の白人の方も自身の父親を殺され憎悪の心をもやし、
夢子と鈴井涼太の黒人の方が一緒に逃げて終わる。
もはや賭ケグルイじゃないなにかを決定づけるようなラストは
あまりにもひどすぎる上に、この期に及んで続編を匂わせるのは
最悪としか言いようがない作品だった。
総評:史上最悪の実写化ドラマ
海外での実写化で酷いものというと「ドラゴンボール」の
名前があがることがおおいうが、海外での史上最悪の日本の漫画の実写化映画が
ドラゴンボールなら史上最悪の実写化ドラマがこの作品だ。もはや原型がない。
賭ケグルイというギャンブル狂な主人公の痛快なギャンブルストーリー、
一癖も二癖もあるキャラクターたちが魅力だったはずなのに、
この作品ではギャンブル自体がおざなりになっており、
復讐劇が主体になっている。
この時点でもはや賭ケグルイである必要性がなく、
そこにラブロマンス要素も入れ込んでおり、
同性愛要素やトランスジェンダーなんだかオカマなんだか
よくわからないキャラがいたり、最後の方はぐちゃぐちゃだ。
完全にオリジナルならともかく、中途半端に原作の要素が
残っているのもたちが悪く、改悪されたキャラクター像の酷さが、
嫌悪感を感じさせるのだが、中盤くらいからは一周回って楽しくなってくる。
もはやギャンブルじゃないギャンブルの数々、
ただの決闘だったり、バトルロワイヤルだったり、ダンスだったり、
ギャンブルってなんだっけ?と思うゲームの数々に笑うし浮かない。
復讐自体も毒のナイフを刺して終わりというギャンブルのかけらもない展開で
おわり、続編を匂わせるのもあまりにもたちがわるい。
Netflixには過去にデスノートの実写化も手掛けていたが、
同じような感じで原作のテイストや原作の要素がなくなっている。
凄まじい改変だ。ワンピースなど素晴らしい実写化を手掛けている
今のNetflixがここまで酷い実写ドラマを作り上げるとは
夢にも見ていなかった。
2期があるかどうかはわからないが、はたして…
個人的な感想:大爆笑
序盤はややイライラしながら見ていたのだが、
中盤くらいからはあまりのぶっ飛び具合に笑ってしまった。
夢子というキャラの名前や吹き替え声優とタイトルさえ違えば、
この作品を賭ケグルイの実写化と思える人はいないだろう
それほど別物だ。
なぜか鈴井涼太が二人に分裂してるのも謎であり、
ラブロマンス要素も露骨につまらない、つまらないのに長い。
どうでもいいシーンも多く、演出も俳優たちもすべて安っぽい。
特に女性陣は夢子を除き妙にぽっちゃりしているのも謎だ。
ルッキズムに対応しての配役なのかわからないが、
違う人はいなかったのだろうか…
最後の最後でクリフハンガーをぶちこまれて
ちょっとお腹痛くなるほど笑ったが、
賭ケグルイの実写化としては大失敗な作品だった