アニメコラム

【3兆円超え】2023年アニメ総決算!数字で見る2023年アニメ市場【アニメコラム】

アニメコラム
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どうもみなさん、今回は久しぶりに
日本動画協会が毎年発表しているアニメ産業レポートを元に
アニメ総決算として2023年のアニメ業界を数字で見ていこうという
コラムになります。

以前は定期的にやっていたのですが、3年ほどやっていませんでした。
あまりこのシリーズ自体が人気がないというのもあるのですが、
久しぶりに書きたくなったので再開しようと思います。

参考データはこちらになりますので、合わせてご覧いただければと思います。
https://aja.gr.jp/jigyou/chousa/sangyo_toukei

2023年のアニメ市場

アニメ総決算のコラムを描かなかった3年間、アニメ産業は
伸び続けており、コロナの影響も完全に抜け絶好調になっており、
この3年ほどで1兆円近く伸びています。

アニメ産業全体でいえば前年比 114.3%の 3 兆 3,465 億円 と
もはや市場規模としてとんでもないことになっており、
この伸びが止まらないというのが恐ろしいところです。

特に海外市場の伸びは凄まじく、アニメや漫画やゲームなど
コンテンツ産業は4.7兆円規模になり、
自動車に次ぐ輸出産業になりつつあります。

アニメの割合はそのうちの3分の1の1.7兆円ほどですが、
10年後には6.2兆円まで伸ばすという政府の指標もあり、
本当にそうなるのであれば、もはやサブカルチャーとはいえない。
立派なメインカルチャーとして定着するかもしれません。

10年前だとここまでアニメが伸びると想像することも難しく、
君の名は、鬼滅の刃のメガヒットの影響で
アニメ産業に大きなはずみがついた印象があります。

BD・DVD

アニメ産業全体は基本的に伸び続けているのですが、
下がり続けているのが円盤の売上です。
ピーク時は1400億円ほどの売上があった円盤市場ですが、
2023年には362億円になってしまいました。
前年比で言えば94%となり、そのうち300億円をきることもあるでしょう。

これに関しては完全にコロナでとどめを刺されてしまった感があります。
アニメのDVD・BDはイベントの抽選の権利などがついていて、
人気なアニメはそんなイベントに参加したい人が多く購入していたのですが、
コロナでイベントをすることができなくなりました。

その間に配信の売り上げが増加し、
結果的に円盤がそれほど重視されなくなりました。
円盤の売上枚数自体もかなり悲しい数字になっており、
2023年で最も売れたのは呪術廻戦の2期の26512枚、
次に売れたのが鬼滅の刃刀鍛冶の里編 で14880枚、
その次に売れたのが推しの子で11000枚でした。

その次になると1万枚をきり、売上ランキングの6位の時点で
お兄ちゃんはおしまい!の5643枚。
10位で無職転生の2期で2866枚とトップ10でこの数字となっています。

2020年の時点ではトップ5までは1万枚切ることはなかったのですが、
トップ4の段階で1万枚を切るという売上だけでなく、
枚数で見ても円盤の衰退を感じられる結果となりました。

円盤は売れなくなった。円盤の時代は終わった。
ということを如実に感じてしまいます。
2024年は売上的にも300億円切っていてもおかしくないかもしれません。

映画

アニメ映画に関してはその年に大ヒット作があったのかというのに
左右うされる部分があるのですが、
2023年は681億円と前年比だと86%という結果に終わりました。
2022年には新海誠監督のすずめの戸締まりがあり、その影響もあるのかもしれません。

それでも私が最期に総決算コラムを書いたときの2020年では
617億円であり、そこから考えると伸び続けています。
鬼滅の刃 無限列車編が上映されたときよりも
アニメ映画の売上が上がっているインパクトは凄まじいものがあります。

2023年には宮崎駿監督が手掛けた「君たちはどういきるか」などが
上映されましたが、人を選ぶ内容となっていました。
隠れた名作も多い年なのですが、
様々なアニメ監督が多くのアニメ映画を手掛けており、
多種多様な作品が生まれた年といえるかもしれません。

特に「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」などは
制作側も想定してなかったであろう大ヒットになっていました。
コナンも2023年には初の100億超えを果たした記念すべき年でしたね。

配信

今回のデータで最も驚いたのは配信の売り上げです。
前回同じシリーズのコラムを書いた際に取り上げた2020年の
配信の売り上げデータは「930億円」でした
円盤の売上も抜き去り、まもなく1000億円突破間違いなしだったのですが
そこから3年がたちどうなったのでしょうか。

「2501億円」である(笑)
この3年で約3倍近い売上を伸ばしており強烈なインパクトを生み出している。
円盤のピークの売上が1400億円だったことを考えると、
それすらも抜き去っており、倍近い売上になっている。
前年比で言えば151%の増加率になっています。

とんでもない伸びですね。
コロナ禍のステイホームの影響で配信事業は一気に成長しましたが、
そこから更に3倍も伸びているのは驚愕です。
年々値上げもされているなかでのこの売上のインパクトは凄まじく、
アニメが多く作られるのも納得だです。

以前はアニメ制作で採算が取れるかわからないのが当たり前でしたが、
今は違う、配信が決まれば制作費はある程度ペイできるようになりました。
だからこそ、深夜アニメの制作数が増え続けており、
大量のアニメが制作されている現状にも納得してしまいます。

海外

アニメ産業は国内の市場だけ見ると1.6兆円ほどの市場規模ですが、
そこに海外の市場が加わることで3兆円を超える規模になっています。
そんな海外市場も前年比118%で1.7兆円とまだまだ伸び続けています。
現状は国内と海外の市場はほぼ同じという印象を受けますが、
伸び率で考えると、どんどんその差は開くばかりです。

円安などの影響も大きそうですが、
海外ウケを意識した作品も増えてくるかもしれません。
最近ではNetflixやディズニープラスなどでのオリジナル独占配信作品も増え、
よりグローバルなアニメづくりが主体になっていく可能性もあります。

2020年の段階では1.2兆円で伸び率も鈍化していたのですが、
2021年には1.3兆、2022年は1.4兆円と伸び率も改善し、
2023年には一気に伸びて1.7兆円まで伸びたことを考えると、
まだまだ海外市場は伸びつづけるのかもしれません。

制作会社

そんな伸び続けるアニメ市場を支える制作会社ですが、
最近は本当に多くの制作会社が生まれており、
以前は下請けだった制作会社までもが元請けとして
アニメ制作をしていることも多くなりました。

ここ1,2年は特に見ていて明らかに低予算な作品や、
明らかにスケジュールが間に合っていない作品、
制作が限界を迎えている作品もかなり見かけるようになってきました。

いくら制作会社を増やしたところで描く人がいなければ
アニメ制作は回りません。
海外に投げまくるアニメ制作会社もあれば、必死に人を集める制作会社、
自社できちんと雇う制作会社と三者三様のアニメ制作をしています。

アニメーターの低賃金問題もだいぶ改善されてきており、
以前のようなブラック環境ではなくなりつつあります。
アニメ業界は今人手不足です、ある程度の実力があれば
稼げるようになる時代になりました。

それ自体は良いことではあるのですが、
ここまでアニメ制作会社が増えると、倒産するところも増えそうで心配です。
去年あたりから大手の制作会社に小さな制作会社が吸収されたり、
KADOKAWAなどの大手企業が制作会社を吸収することも増えました。

そのあたりの再編もうまくいけば、
もっとよりよりアニメ制作環境が整うのかもしれません。

成熟期に入った2023年

3年ぶりにこのシリーズのアニメコラムを書いてみてわかったのですが、
4年前の2020年の時点で私は「アニメ産業」は過渡期に入っていると書いていました。
円盤と配信の売り上げの逆転、海外市場の伸び、それが訪れた2019年から
4年が経ち、爆発的な伸びを魅せています。

それを考えるとアニメ産業というものは成熟期に入ったのかもしれません。
日本のアニメというブランドをどう維持し、拡大するか、
日本のアニメにおける制作能力、技術を支えている人材を
どう確保し、育成していくのか。

ここからまた爆発的に伸びる可能性もまだまだあるだけに、
アニメ産業全体がいい方向に行くことを1オタクとして
願っています。

最期までお読みいただきありがとうございました。

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