ブラッドラッド

評価/★★☆☆☆(21点)

ブラッドラッド 評価

全10話
監督/宮繁之
声優/逢坂良太, 野水伊織,ブリドカットセーラ恵美,寺島拓篤ほか

あらすじ
東魔界でナワバリボスをしているオタクな吸血鬼・スタズのもとへ、ある日、人間の女子高生・柳冬実が紛れ込んでくる。戸惑いながらにも冬実に会ったスタズは、自分の中から湧いてくる気持ちを整理出来ずにいた。しかし束の間、冬実はナワバリ破りに来た魔物に喰われ、幽霊となってしまう。スタズは自分の気持ちの整理のためにも、彼女を生き返らせようと「血意」する。

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ひたすらに地味だった・・・そんなアニメ。

原作はヤングエースで連載中の漫画作品。
全10話という中途半端な作品だ

基本的なストーリーはファンタジーギャグ。
魔界に住む主人公は人間界のサブカルチャーが好きな吸血鬼だ、そんな魔界に人間の少女が迷い込む。
人間の、特に女性に興味津々の主人公は少女に出会い胸をおどらせる
それは吸血鬼としての本能なのか、恋なのかというところでストーリーは始まる

1話から演出が微妙だ。
セリフを漫画のように吹き出しで演出したりすることが多く、それが別に面白く無い。
ギャグ以外の戦闘シーンでも文字演出が目立つ。
アニメという媒体で敢えて文字で漫画のように吹き出しのように演出することに必要性を感じず
何が面白くてやってるんだという印象だ
上手く使えば文字に因る演出はたしかに面白い場合もあるが、
文字が画面にどでかく出れば迫力が出やすく画面の迫力を出すために文字演出に逃げているだけにも見える。

更に声優さんの演技。
主人公である「スタズ」はノリノリでボケているが、それに対するツッコミが弱い。
彼がツッコミにまわる場合もあるが、それも弱い。
ヒロインの「柳冬実」は天然な発言をしたり、主人公に対するツッコミも行うが
その両方が弱く、文字演出に逃げた気持ちも分からないではない。
ギャグ自体もストレートなボケというよりもシュールな感じなギャグだ。
そのシュールさが文字演出によって増しており、増したことで滑りがち。

更にストーリー展開も走りがちだ。
1話の段階でヒロインは死ぬわ、主人公は魔界のボスをやめるわ、人間界に行くわと展開がコロコロと変わる。
コロコロと変わる中でシュールギャグを入れるので、
いまいちキャラクターに感情移入したり、世界観に入り込むことができない。
「じっくり魅せる」という事をしていないため、淡々と見てしまう。
そのせいか1話みただけなのに2話くらい見たような体感だ。

話によってはテンポが異常に悪く淡々としたストーリー展開になっていたりすることも多く
妙な間が開いていたりする。
見ている最中に何だか「ひっかかる」ような感覚を覚える。
そんな中で更にシュールなギャグと文字演出が重なる為、淡々飄々とストーリーを展開してしまっている。

簡単にいえば区切が甘い。
ギャグシーンの勢いと同じ勢いでシリアスなシーンをやったり、
シリアスなシーンの勢いのままギャグシーンをやったりする。
ずーっと上下のない平行線のグラフを見ているような感覚だ
演出の悪さとストーリー構成の甘さのせいでせっかくのキャラクターやストーリー、
世界観の魅力を台無しにしてしまっている。

この独特というよりもテンポと演出の悪さに慣れるまでかなり時間が掛かる。
ストーリー展開も謎な部分が多く、
「ボウリングで勝負する」といった直後に「ボクシングで勝負」してたりする
せっかくの魔界や魔族といった要素やOPのシーンから想像できる
ファンタジーな戦闘シーンは少ない。

地味なのにストーリーの内容は落ち着きが無い。
1話では魔界の主人公の領地、2話では人間界、3話では西の魔界、4話では殿堂魔界と各話ごとに移動しており、
話が進む度にキャラもどんどん増えていく。
本来ならその移動の中でキャラ描写や世界観の設定を深めて視聴者に作品を楽しませるのだが、
あるキャラの能力のせいで移動が一瞬で出来てしまう為、それもない。

ただ5話あたりからバトルシーンも増えていき、滑り気味のギャグや文字演出が控えめになっていく
内容自体は王道なバトル少年漫画系のストーリー展開ではあるが
中盤を超えた辺りで「ようやく」この作品の面白さが出てくる
主人公の開放された並外れた力や、キャラクターが揃ってきた事でストーリーの面白みも増している。

ただそれでも、滑るギャグや文字演出を入れてくる。
滑るギャグに関してはキャラクターが揃ったことによるキャラの魅力が出始め
この作品の世界観や空気に慣れたこともあり、笑えはしないがつまらないこともない。
しかし、文字演出だけは本当にしつこい。
文字演出がない方が明らかに笑えたシーンも多く、
せっかく慣れたシュールギャグが文字演出のせいで笑えない。

ギャグシーンです!というギャグシーンよりも自然なキャラクターの掛け合いや行動のほうが面白く、
キャラクター性がしっかりしているだけにストーリーを楽しめる。
だからこそキャラクターの揃っていないうえに掘り下げの甘い序盤から中盤は
すべり気味のギャグと文字演出が鼻についてしまう。
早めに中盤の内容まで持って行ってしまうか、もしくはオリジナルストーリーで
キャラクターを膨らませるような話が欲しかった所だ。

しかしながら、全10話という尺の短さのせいでそういったこともできず
淡々とストーリーを進めていくしか無い。
これが2クールないし4クールなどスーリー構成にもっと余裕があれば違ったはずだ
内容的にも王道な少年漫画的な要素が多くグロ要素もそこまでない、セクシー要素も軽めなので
子ども向けの朝アニメや夕方アニメとして、しっかりと尺を取り話を膨らませれば
もっと面白い作品になったはずだ。

全体的に本来なら4クールでやっても面白いポテンシャルを秘めているのに
1クール、更に全10話という尺のせいで地味にこじんまりとまとまってしまっている
これでもう少し勢いのある演出をしていればかなり印象は違っただろう。
ギャグもストーリーもキャラも「地味」な印象しか残らず、
特に序盤から中盤まではこの作品の面白さが出ていないので楽しみづらい。

最終話もその地味で小ぢんまりした部分に引っ張られてしまい
1期の最終話なのに何とも微妙な印象で
「俺たちの戦いはこれからだ」て終わってしまっており、
あらゆる伏線やストーリーの流れが1つも決着がついていない状態で終わってしまっている。
もう少し区切りをつけて欲しかった所だ

原作の売り上げ次第で2期と言うことを期待したい所ではあるが・・・
2期があれば中盤以降の面白さのまま突入できるので1期よりも高い評価ができそうだが
TVアニメ放送中にあまりにも話題にならず空気で、売り上げ的にも難しいかもしれない。

最初から朝アニメや夕方アニメで作られていれば化けた作品だったかもしれないだけに残念だ。
個人的には2期をやるなら早めにお願いしたい、
半年後くらいには内容を完璧に忘れていそうだ・・・(苦笑)

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