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オタク歴25年、アニメレビュー歴13年、YouTube登録者11万人。
個人的な視点で語るアニメ批評です。
評価 ★★☆☆☆(30点) 全9話
あらすじ 戦後の混乱期、どん底の生活から這い上がるため、若き日の細木数子は夜の世界へ身を投じ、天性の才覚で20代にして銀座で成功を収めるが、その裏では多くの裏切りや喪失を経験する。引用- Wikipedia
騙され地獄
本作品はNetflixで配信されたオリジナルドラマ作品。
監督は瀧本智行、大庭功睦。
細木数子
私と同世代か、年上の人たちにとっては「細木数子」の
印象は強烈に残っていることだろう。
あの時代、テレビでは細木数子が辛口でありとあらゆる人を斬っており、
コンビニなどでも細木数子の本が大量に並んでいた。
細木数子のことが好きだった人、嫌いだった人、その印象は両極端だったように思える。
今から20年くらい前は、いわゆる「スピリチュアル」ブームであり、
細木数子をはじめとして、「オーラの泉」などの番組も人気だった。
だが、そんな20年前とは打って変わって、細木数子の名前を聞く機会は
一気に少なくなり、細木数子さん自身も亡くなった。
この作品はそんな彼女の「人生」を描いている。
戦後
物語は細木数子が、自らの小説を書こうとしている
「魚澄」に対して過去を語る形で描かれる。
彼女がどういった子供時代を過ごし、そして今に至ったのか。
この序盤は、はっきり言って微妙だ。
日本の昭和、裏社会、タバコと酒と薬と暴力、
ヤクザとエロスとグロを交えたドラマは、Netflixではありがちなものだ。
貧しい子供時代を経て、なんとか母と姉妹たちとともにおでん屋を立ち上げ、
学校にも通っている。
しかし、細木数子は自らの中にある欲望を止められず、
夜の世界へと足を踏み入れていく。
そんな夜の世界で、彼女がどんどん成り上がっていくというのが序盤から中盤だ。
騙されすぎ
そんな昭和の背景や美術周りは素晴らしいのだが、
序盤から中盤までのストーリーは、はっきり言って微妙だ。
なにせ細木数子が騙されすぎなのである。
これは本人が語る過去であり、本当にそうだったから仕方ないのかもしれない。
しかし、夜の世界に入ってすぐに騙され、そこから這い上がっても、
また騙され、そうかと思えばまた騙される。
何度も何度も男に騙されるのに懲りない。
見ている側としては、いい加減にしろと思うほどだ。
特に中盤で詐欺師に騙されるという展開があるのだが、
これに関しては、見ている側からすれば明らかに詐欺師でしかない。
騙されるだろうなーと思っていたら、本当にそのまま騙される。
そんな展開を繰り返しながら、細木数子は占いと出会い、
占い師になっていく。
島倉千代子
終盤に差し掛かり「島倉千代子」が出たあたりから
物語の印象は180度変わる。
細木数子と島倉千代子、この関係性には様々な憶測や噂が飛び交っていた。
当時、島倉千代子は借金を背負っており、その借金を
細木数子が精算し、彼女のマネージャーとなった。
しかし、数年後、二人は袂を分かつ。
細木数子の口から「魚澄」に対して語られるのは綺麗な過去だ。
騙され続けても這い上がり、自分と同じ境遇だった島倉千代子を救ったのだと。
しかし、それは「虚構」だ。
本当の細木数子は、島倉千代子を救ったのではなく、利用していた。
島倉千代子を騙し、大金を稼いでいた。
そんな「真実」が明らかになることで、
序盤から中盤までに細木数子の口から語られていた過去にも、
「本当だったのだろうか?」という疑念が生まれる。
この物語の構造は見事だ。
騙し騙された末に「占い師」という職業にたどり着いた細木数子。
そんな彼女の人生は、嘘で塗り固められている。
果たして真実はどこにあるのか、最後まで曖昧だ。
長い
そういった物語の構造自体は悪くない。
むしろ、細木数子という人物の「虚構性」を描く仕掛けとしては面白い。
しかし、全9話というドラマの中でそれをやられると、
その構造が効果的に作用しているとは言いがたい。
この構造がはっきりと分かるのは6話であり、そこにたどり着くまで
何時間も細木数子が騙されながら成り上がっていく様を見せられる。
その苦労話も序盤はいいのだが、さすがに中盤になると
物語の積み重ねというより、ただの我慢比べに近くなってしまう。
私たちの知るあの細木数子に至るまで7話くらいかかっており、
さすがに長い。
これが全9話のドラマではなく、2時間くらいの映画だったら
印象は違ったかもしれない。
全9話という構成をうまく活かしきれておらず、
ダラダラと描いてしまったせいで、物語の構造が6話で明かされても、
なるほどとは思えど、強烈な面白さやインパクトまでは生まれない。
濡れ場
「戸田恵梨香」さんを使ったことで、いわゆる濡れ場の印象も中途半端だ。
中途半端な濡れ場の数々は特にどうでもいいものになっており、
やるならやるでこだわりを持ってほしいのだが、
入れておけばいいんでしょと言わんばかりの濡れ場で
面白みを一切感じない。
終盤でヤクザの入れ墨を見せながらの濡れ場など、
チープすぎて笑いすら出てしまったほどだ。
笑いすら起きるような濡れ場など、特に必要はない。
ヤクザ、タバコ、濡れ場、暴力。
このあたりはネトフリの日本ドラマではおなじみではあるが、
本作ではそういった要素を安易に取り入れている感が強い。
重厚な人間ドラマを描いているというより、
「それっぽい要素」を並べているだけに見えてしまう瞬間がある。
転落
6話まで散々ダラダラと描いていたのに、
6話以降はかなりテンポ感が上がり、急に展開が早くなるのも謎だ。
序盤でのダンスシーンなど無意味に長かったり、
最終話でも魚澄が小説を書き上げるまでのシーンが
とんでもなく長かったりと、尺の使い方が甘い作品だ。
細木数子の子供時代から夜の世界の時代はたっぷり6話かけているのに、
占い師になってから、どうやって成功し、成り上がったのかは
かなりダイジェスト的に描かれている。
そこからの「転落」も濁しに濁しまくっている印象だ。
本来なら、私たちが知る細木数子になってからこそが
一番見たい部分のはずだ。
しかし、面白くなってきたと思ったら、作品はあっさりと終わってしまう。
そのせいで、作品全体としての評価も微妙になってしまった。
総評:騙されるのにも限度がある
全体的に見て微妙な作品だ。
序盤から中盤までは、真実と虚構が入り混じった話であり、
その物語の仕掛け自体は決して悪くない。
だが、その仕掛けが分かるのが終盤というのが遅く、
そこまでのストーリーがかったるすぎる。
貧乏な子供時代を過ごし、夜の世界に足を踏み入れた細木数子が、
夜の世界で成功していきながらも、肝心なところで男に騙される。
この展開を何度も繰り返し、中盤で「私は詐欺師です」と
顔に書いてあるような男に騙されたときは、さすがに呆れてしまった。
そこから終盤、細木数子の虚構、化けの皮が
はがれていく展開は面白くはある。
しかし、あれだけ序盤から中盤を丁寧に描いているのに、
終盤はダイジェスト的に描いてしまっており、
あっさりと終わってしまうため、拍子抜け感が凄まじい。
この作品の一番もったいないところは、
細木数子という人物の胡散臭さ、虚構性、そして転落を描くまでに
時間をかけすぎたことだ。
そこにたどり着くまでの6話が、伏線というより苦行に近くなってしまっている。
キャスト、俳優に関しては好みもあるかもしれないが、
細木数子を演じる戸田恵梨香さんも合っているとはいえず、
イケメンすぎるヤクザの生田斗真など、違和感は最後までぬぐえない印象だ。
面白くなりそうでならない。
面白くなってきたかと思ったら終わる。
全9話のドラマではなく、2時間くらいの映画だったら
印象は違った作品だったかもしれない。
個人的な感想:HG
個人的には期待していたのだが、がっかりな作品だった。
肝心のHGの出番も少なく、HGをはじめとする
終盤の部分をもう少し見たいのに見せてくれない。
作品全体のストーリー構成、尺の使い方に疑問を感じる作品だ。
ものすごくつまらないというわけでもないが、
逆に面白いとは素直に言えない。
何とも微妙な評価になってしまった。
素材は面白い。だが、それを9話のドラマとしてどう見せるのかという部分で、
最後まで噛み合いきらなかった作品だった。
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