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BLOOD-C The Last Dark

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☆☆☆☆☆(8点)


劇場版 BLOOD-C The Last Dark(通常版) [Blu-ray]

制作/Production I.G
監督/塩谷直義
声優/水樹奈々,野島健児,神谷浩史ほか


あらすじ
浮島地区での惨劇が終了した後、東京都には青少年育成を目的とした保護条例が半ば強引に可決され、未成年者への厳格な規制・制限が敷かれていた。
ある日の夜、運行中の東京メトロの車両内で1人の乗客が怪物化し、他の乗客達を食い殺していく。パニックとなった車両内には、文人への復讐に燃える小夜が乗り合わせていた。小夜は怪物を追って車両外で仕留めるが、それをきっかけに世界的企業複合体「セブンスヘブン」と秘密組織〈塔〉、そして条例に反発する組織「サーラット」の戦いに巻き込まれる。

まさかCHABANを超えるCHABANだとは・・・


本作品はBLOOD-Cの劇場作品。
一応TVアニメからの続編になっているが見ていなくても大きな支障はない。

まず気になるのは劇場からの登場人物「柊 真奈」だ。
もうこのキャラクターが最悪だ。
演じている「橋本愛」さんの演技がひどく、
他のキャラクターがベテランの声優さんで固められているだけに、
彼女の演技の酷さが余計に目立ち、更に登場するシーンもセリフも多い。

アニメの劇場化だとこういう「芸能人声優」が出ることは多いが、
本作品は別にワンピースでもナルトでもクレヨンしんちゃんでもない
オタク向けの作品で決して一般向け作品ではないこの作品に
客寄せの「芸能人声優」を出す意味がよくわからない。
せめて最低限の演技ができるならまだ納得できるが、
脚本を読んでいるだけの演技は聞いているだけで不快だ。

しかも本当にセリフの量が多い。
本作品の4分の1が彼女のセリフと言っても過言ではないくらいのセリフの量を
素人以下の演技しかできない芸能人にやらせる・・・。
緊迫感のある戦闘シーンなのに「無線通信」で彼女の声が入り、
せっかくの緊張感を途切れさせる。

更に言えば「CLAMP」要素。
これはテレビシリーズでもあったが、本作品にもCLAMPキャラが出る。
確かにキャラクターデザインは「CLAMP」が行なっているが、
CLAMPのキャラクターを出す理由がなく、CLAMPの作品を見ていないとなんだ?と
感じしまう部分が劇場版では強く出ている。
わざわざ「四月一日」が登場する意味がわからない。

ただ序盤の8分間は悪くはない。
電車乗っている一般人が急に「ふるきもの」へと変貌し乗客を襲う。
そこにTVアニメ版とは印象の違うサヤが乗りあわせており、
「ふるきもの」との戦闘を開始する。
夜の東京を舞台に描写される戦闘シーンは作画も素晴らしく
これから始まる期待感をどんどんと募らせる冒頭だ。

だが冒頭が終わってしまうと、その期待感は無意味だと思わされる。
その戦闘シーンが終われば50分以上は「ふるきもの」との戦闘はなく、
淡々と「劇場版」から出る新キャラの掘り下げに必死になる。
だが、掘り下げに必死になっている割には一切キャラクターに感情移入できず、
ストーリー的にはサヤの宿敵である「文人」を探すというだけ。

この劇場版からの新キャラの必要性が一切感じない。
「文人」を追っているという点で目的が同じだけでサヤはなし崩し的に一緒にいるのだが、
ただ単にサヤの足手まといにしかなっておらず、存在感もない。
最後まで名前を覚えていないキャラクターも居るくらいだ。

そもそも彼らの目的や行動原理がいまいちわからない。
彼らは20歳未満の若者であり、
なぜか東京で20歳未満は21時以降外出禁止やネット制限がされており
それに立ち向かうために「サーラット」という組織を作り立ち向かっているらしい。

だが、その2つに関しては「あれ?結構まともな条例だよね?」と感じてしまい
彼らが条例を作っている「塔」とそれを支配している「文人」に立ち向かっているという
理由が非常に弱い。
権力者が若者を支配しているという設定らしいのだが、
その支配している感じの描写が弱く、決定的に「サーラット」の存在価値が薄い。

自分に関わる全てを殺された「文人」に立ち向かうサヤと
若者への厳しい条例を作っている「文人」に立ち向かうサーラット。
この2つがまるで別々の作品のように噛みあっておらずチグハグだ

それだけではなく、作品の世界観も噛み合っていない。
テレビアニメはホラー的な要素と最後の茶番で世界観はちゃんと作られていた、
だが、劇場版はその世界観は一切無く、
東京という都会的要素やハッキングという機械的要素が「ふるきもの」やサヤの存在、
更にはファンタジー的な「四月一日」の存在などが噛み合っていない。
別々の作品から無理矢理継ぎ合わせたような印象を受けてしまう。

本作品で唯一評価できるのは戦闘シーンくらいだろう。
前述した冒頭の戦闘シーンと中盤の戦闘シーンは素晴らしい作画で描かれており
アクションシーンの演出も悪くはない。
だが、それ以降の戦闘シーンがまったくだめだ。
終盤の盛り上がり所とも言える数々の戦闘シーンが
「あっさり」と片付いてしまい面白みにかける。

特に最後の締めの戦闘に出てくる敵など笑ってしまうくらい酷い(笑)
スケールという意味では確かにそれまでの中で1番巨大なのだが
デザインが悪くなぜか3DCGで描かれているため違和感が半端書く、
更に一切苦戦せずにやられる(笑)
それまでまじめに見ていたのだが、あのシーンはもう爆笑してしまった。

全体的に見てひどい作品だ。
話が進めば進むほどストーリーの質も落ち、作画のレベルも落ち、
戦闘シーンのレベルも落ちていく。
作っているスタッフがどんどんやる気をなくしているのを感じてしまうような
そんな錯覚に陥ってしまうほど、どんどんと酷くなる。

冒頭の8分だけが面白く、あとは見る価値はない。
そう行っても過言ではないほど、本当にドンドンとひどくなっていく作品だ。
脚本を考えた人は何を考えてこの脚本を書いたのだろうか。
照合性のとれていない設定、咬み合わない世界観、
存在価値の薄い登場人物etc…
お前は何のために出てきたんだと感じてしまうキャラクター・・・

本当によっぽど「TVアニメ」のほうが作品として面白かった。
TVアニメも決してほめられた内容ではなかったが、あれはあれの面白みがあった
だが、これはいろいろな作品のパッチワークでしか無く、
結果として作品としての体をなしていない作品になってしまっていた。

「本映画は文化庁が文化振興政策として2011年から行っている
 国際共同製作映画支援事業において、
 初年度の製作支援の対象作品の1つとして選ばれており、
 国から制作経費として5000万円の補助金が支払われた」

とwikipediaにあるが、5000万円はドブに捨てられたようだ。
もっと他にお金をかける価値のある作品はあるはずだ

個人的には勢いで劇場まで見に行かなくて正解だったとひしひしと感じた作品だったw

「」は面白い?つまらない?

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