「サクガン 1話 FATHERS & DAUGHTERS 」レビュー

4.0
ロボット

評価 ★★★★☆(72点)

あらすじ 岩盤に隔てられた「コロニー」では人類が暮らす遠い未来。その外には「ラビリンス」と呼ばれる危険な未開地帯があり、そこを開拓しようとする者たちは「マーカー」と呼ばれていた引用- Wikipedia

止まらない!止められない冒険譚

本作品はオリジナルアニメ制作プロジェクト「Project ANIMA」
という企画の中で応募された小説を原作とした作品。
監督は和田純一、制作はサテライト

チャイニーズタウン

1話冒頭、思わず「ニヤリ」とさせられる。
主人公と思わしく少女。
少女が「父」から逃げ回りながら街を駆けずり回る。

そんな「街」を1話冒頭で魅せている。
走り回る少女とその背景の描写でさりげなく、
街の雰囲気を描くことで、この作品の舞台である
街並みを見ている側に印象づける。

どこか中華風の街並み、だが、建物はシンガポールのような
洋風であり、日本的なニュアンスも含まれている。
簡単に言えば「無国籍」な街並みだ。
アニメらしいこの無国籍な街並み、
だが、そんな街は「地下」にある。

光の届かない地下コロニーで暮らす人類。
世界観の設定を説明するのではなく「見せて」
視聴者の頭の中で感じ取らせる。

しっかりと練り込まれた設定があるからこそ生まれる背景の
描写に「ニヤリ」と口角をあげさせてくれる。

少女

そんな世界観に魅入られている中で
主人公である少女が可愛らしい。
父に反抗する少女には「夢」がある。

9歳の少女は外の世界を夢見ている。
何があるかわからない外の世界、そんな外の世界に
冒険に出たいと思っている少女だ。
9歳の身でありながら大学を出ている秀才、
母親はでていき、父と二人暮らしの少女をしっかりと魅せる。

秀才であるがゆえの生意気さと頭の回転、
子供であるがゆえの夢と希望。
見ている側にも彼女と同じようにこの地下の外に
何が広がっているのかという期待感をわかせ、
主人公への感情移入と共感を誘っている。

未開の地であるラビリンス。
地図すらろくにできていない世界への憧れと夢と希望。
だが、父もかつては「あこがれと夢」を描いていた。
1度挫折したからこそ、愛しているからこそ父は
彼女を止めようとする。

だが、彼女は止まらない

「どうしようもなくドキドキするんだ!」

彼女は前しか見ていない、希望しか無い、
夢に向かって彼女は走り出そうとしている。

旅立ち

そんな彼女のもとに伝説的な存在である「ウロロップ」から
ペンダントがとどく。
彼女が夢見た景色、そんな景色にたどり着くための「地図」。
もう彼女は止まらない、止められない。
そんな彼女達の前に「怪獣」が現れる。

知性など一切感じさせない破壊衝動と巨大な姿、
怪獣とは一体何なのか、そんなことはどうでもいい。
そんな怪獣に相対するのは特別なロボットではない。
作業用のロボットでしかないワークボットで、
大きさすらまるで違うロボットで相対する様は
もうワクワクが止まらない。

純粋なロボットアニメとはすこし違う。
どこか「特撮」的にすら感じさせる
怪獣のデザインとロボットのデザインがたまらない。

無慈悲な怪獣と、唐突に訪れる死。
夢と希望を求める「マーカー」の現実、
「彼女の涙」、そんな涙は9歳の少女らしい涙だ。
だが、そんな現実を直視してもなお、
悲しみを抱えつつも9歳の少女は夢を諦めない。

父親も送り出すのではない。彼は父親として共に歩む。
幼い少女を、娘の背中を押すのではない。
ダメおやじとしてともに旅立つ姿に
1話から涙腺を刺激されてしまう。

「俺はダメおやじかもしれない、
 だってお前はまだ子供だ。この俺のちっちゃなガキだ」

二人の親子の夢と希望の旅が始まる。
さぁ、旅立ちの時はきた。今だ。今しかない。
その道の果に何があるのか。

総評:ロマンいっぱい、夢いっぱい、さぁ!旅立ちだ!

全体的に見てすばらしい1話だ。
冒頭から街並みを見せ、主人公を見せ、世界観を見せる。
そして主人公と父親のキャラ描写を徹底的にすることで
彼女達、親子の旅たちまでのストーリーがたまらない。
涙腺の弱い方は1話からホロリときてしまうはずだ。

ロボットアニメというのは事前に知っていたが、
そういう意味ではすこし違う。
怪獣という存在、そんな怪獣に相対するワーカーロボットは
ロボットアニメというよりはゴジラなどの「特撮」ちっくな
見せ方であり、そういった意味では予想外だった。

しかしながら、その予想外さを見事に裏切る動きの面白さもあり、
次々と現れる怪獣に9歳の女の子とその父親がどう立ち向かうのか、
彼女達の旅に対する期待感と特撮的な面白さで
2話以降も素直に見たいと思えてしまう。

サテライト、そして
「終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?」を
手掛けた監督が、どうこの作品を見せてくれるのか。

楽しみで仕方ない。

個人的な感想:好みな要素

1話の「冒険譚」の始まりのワクワク感、
親子の絆の物語、そして特撮的な怪獣の要素と
私が好きな要素が盛り沢山だ。

主人公を演じる声優さんが
この作品のためにオーディションで選ばれた人ということで
若干不安は合ったものの、そんな不安は杞憂だった。
私の不安はいつも杞憂であり、的外れだ(笑)

設定も練り込まれていそうで、それが冒険譚の中で
解き明かされていくと、より、この作品が楽しめそうだ。
すこし心配なのはキャラの死が唐突であり容赦がない。

お父さんが最後まで生き残ってるか…
そこだけが心配だ…

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出演声優 天希かのん, 東地宏樹, 花澤香菜

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