「境界戦機 1話 起動」レビュー

4.0
ロボット

評価 ★★★★☆(60点)

あらすじ 西暦2061年。経済政策の失敗や少子高齢化によって破綻した日本に対し、経済援助や治安維持を目的として「北米同盟」「大ユーラシア連邦」「アジア自由貿易協商」「オセアニア連合」の4つの世界主要経済圏が介入する。引用- Wikipedia

残念ながら日本終了!?

本作品はSUNRISE BEYONDとBANDAI SPIRITSによる
オリジナルテレビアニメ作品。
なお、本レビューは「1話」のみを見たレビューとなります。

日本終了

1話冒頭、こんなナレーションから始まる。

「21世紀半ば、日本は終わった」

ダイレクトである(笑)
なにか決定的な要因があったわけではなく、
経済的な失敗などが重なり、多数の国による介入、
そして武力衝突が起き、無人機による戦争が行われた。
事実上、日本は様々な国に分割統治され、日本人は支配された。

やや突っ込みどころはあるものの、
分かりやすい作品の舞台の説明をしっかりと冒頭で入れることで、
そんな状況の日本で主人公が何を成すのか、
日本を取り戻すことはできるのかと気にならせてくれる。

この舞台の設定はやや「コードギアス」にも似ている。
だが、この作品にはコードギアスのようにギアスのような
特殊能力はない。

主人公は特別な力はない。
日本人に生まれただけで差別され、両親も居ない。
未来が見えず、希望もない。
ただ鬱屈とした日々を過ごしながら、
無人機の残骸漁りが唯一の趣味と言ってもいい。

夢も希望も未来もない日本人の主人公。
そんな彼が「自我持つAI」と出会う所で物語が動き出す。

自作ロボット

ロボットアニメにおいて多くの作品の主人公は
唐突にロボットに乗る羽目になることが多い。
だが、この作品の主人公は違う。
残骸漁りをし、彼が組み立てたものだ。
残っていたフレームに残骸を足し、自らが作り上げた機体。

誰かが作ったわけではない。自らが作り上げた愛機。
ロマンだ。ロボット好きがいつかは叶えたいと思う、
自らが作り上げた自らの愛機。それが彼の搭乗機だ。
だが、別に彼は戦争をする気はない。テロリストになる気もない。
戦おうとすら思っていない。

趣味である(笑)
自作PC好きが必要もないのに2台目、3台目と組んでしまうのと同じように
彼は別に戦う必要もないのにロボットを組み立てている。
夢も希望も未来もない彼が、好きなことをしていただけだ。

そんな彼が高度な自立AIと出会った。
自ら組み立てていたロボットがAIのおかげで完成する。
そして目の前には「敵」が現れる。

友だちとは言えないかもしれない、だが、
同じ「残骸あさり」をする仲間を助けるために、
テロリストの濡れ衣を着せられたがゆえに彼は
自らの愛機に乗り込む。

自らの意思で、自らの愛機で、自ら戦う。
差別された「日本人」だからこそ、
迫害された「日本人」だからこそ、彼は戦う。

1話の終盤で彼は此の物語の
主人公としてコックピットに乗り込む。
その姿は紛れもなく「ロボットアニメ」の主人公だ。

右ストレート

丁寧に、堅実に。
主人公が戦うまでの流れを描いており、
「操作方法」まで本当に真面目に事細かく説明することで、
よりロボットアニメとしてのリアルさを追求している。

彼の愛機である「ケンブ」が起動したときの目の輝き、
そして施設から飛び立つ姿にワクワクしない
ロボットアニメ好きは居ないだろう。
ろくに武器なんて無い。あたりまえだ、戦う予定なんて無い。

だからこそ敵機を「殴り」「ぶん投げる」。
荒々しい戦い方と、不慣れなロボットの走り方は
主人公がまだロボットの操縦に不慣れであることを
きちんと描写しており、かっこよさとカッコ悪さを
同時に描くことで「初戦」だからこそのワクワク感と
面白さを描いている。

自立型AIはAIでありながら自我を持つ。
どこか子供っぽい彼もまた「ロマン」を持ってる。
ロマンを持ちロボットを組み立てていた主人公のロボットを、
ロマンを持つAIが完成させた。

故に「必殺技」がある(笑)
こんな真面目な世界観なのにロボットのロマンを
主人公も相棒であるAIも持っているせいで、
どこかちぐはぐであり、そのちぐはぐさがギャグになっている。

なにせ必殺技は音声入力しか受け付けない。
このAIわかっている、必殺技は叫んでなんぼだ。

「バルディッシュブレイカー!」

思わず頭の中にスーパロボット大戦の戦闘シーンの
映像がよぎるほど清々しいまでの必殺技の出し方だ。

見ている側と同じく主人公も味わってしまった。
自らが組み立てたロボットで戦った喜び、
夢も希望も未来もなかった彼が何かを掴んだ。

「間違いなく世界が変わったんだ」

見ている側も感じる。
ああ、面白いロボットアニメが始まったと。

総評:残念ながら日本終了

全体的に見て手堅く作られた1話という印象だ。
コードギアスのような日本が当地され、日本人が支配された世界。
夢も希望も未来もなかった日本人である少年が
自立型AIと出会ったことで動き出すストーリーと、
ロマンを詰め込んだ戦闘シーンに思わずニヤリとしてしまう。

非常にしっかりと手堅く世界観と主人公、
そしてロボットを見せており、
真面目な雰囲気なのにどこかふざけている「自立型AI」がいることで
ほどよいギャグ的な要素も盛り込んでいる。

ロボットの作画もCGではない。手書きだ。
手書きだからこその「重み」が無骨なロボットデザインと
やや地味にも見える戦闘シーンに迫力を醸し出しており、
フルCGで描かれたロボットでは味わえない
重厚感を感じさせる戦闘シーンはすばらしい。

ここから、現状はほとんど武器を持たない愛機が
どう改造され進化していくのか。
自立型AIの招待や、日本を取り戻すことは主人公にはできるのか。
シンプルに続きが気になる作品だ。

サンライズらしいリアルロボットアニメであり、
スーパーロボットではないものの、
リアルさを追求しつつ、ロマンを求める二人の物語がどうなるのか。
期待したいところだ。

個人的な感想:思ったよりも

キービジュアルの時点では主人公の愛機に
いまいちピンときていなかったのだが、
実際、アニメーションとして「ケンブ」が動くと
シンプルなデザインだからこそ際立つ無骨さが素晴らしかった。

特に戦闘シーンでの捜査に不慣れな感じの描写は
こだわりを感じる。
走り方のちょっとダサい感じ、ここから主人公が
操作になれることでそれが変わっていく面白さもあり、
手書きで描かれるロボットアニメというだけで
ロボットアニメ好きとしてはワクワクしてしまう(笑)

やや心配なのはストーリーが読めないがゆえに、
これから出てくるキャラクターやストーリー展開で
良い作品にも悪い作品にもなりそうな感じがあり、
そういう意味でも気になってしまう作品だ。

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出演声優 佐藤元, 藤原夏海, 上村祐翔

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