刀語

刀語感想

評価/★★★☆☆(57点)

刀語感想

制作/WHITE FOX
監督/元永慶太郎
声優/細谷佳正,田村ゆかり,中原麻衣,戸松遥ほか
全12話


あらすじ

かつての戦乱の時代…。伝説の刀鍛冶「四季崎記紀」の作った千本の刀の数こそが、戦局を大きく左右したという。幕府により国が統一がされはしたが、幕府は四季崎の刀を恐れ「刀狩」を行い、988本までも収集した。しかし、残り12本こそが、988本を試験台にした完成刀であることが判明する。

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ちぇりお!

本作品は化物語で有名な「西尾維新」さんが原作のアニメです。
一ヶ月に一話、12ヶ月で全12話という面白い制作がなされた本作品。
1話約50分前後で長さ的には2クールのアニメと同等ですが、
放送時間・制作形態とかなり珍しいスタイルです。
基本的なストーリーは時代劇的な雰囲気、伝説の刀の12本を集めるために
刀を使わない剣術を使う主人公と幕府から刀集めを命じられたヒロインが
旅をしつつ毎話刀を1本ずつ集めていく。
この作品でまず目につくのはキャラクターデザインだ。
とても「かっこいい」「可愛い」と言えるたぐいのものではなく、
どちらかといえば「日本昔ばなし」的なキャラクターデザインだ。
序盤はこのキャラデザになれるのに若干ながら時間がかかる。
しかし、そのキャラデザに相反しキャラクター同士の掛け合いがかなりねられている。
夫婦漫才のような主人公とヒロインの会話は、50分という尺の中で多く取り入れられ
5話あたりに来ると、ヒロインの可愛さや主人公の姉の怖さに魅入られる。
この部分に関しては流石は「西尾維新」と言わざる負えない。
ストーリーを追ううちに、自然とキャラクターにも惹かれていく、
自然かつ気持ちいいキャラクターへの感情移入と言えるだろう
更に作画のレベルもそこそこ高い、1ヶ月1話という猶予はアニメ制作という
時間のかかる仕事には合っているのかもしれない。
だが、背景はかなり書きこまれているが、キャラクターデザインはまんが日本昔ばなしなので、
シーンによっては「背景にキャラが貼りつけられている」ような違和感を感じる。
確かに原作の絵はこのキャラデザに近いが、せっかくアニメという媒体でキャラクターを動かすなら
もう少し動かせるキャラクターデザインになぜしなかったのだろうか?
本作品の戦闘シーンは王道かつ、ストレートなものだが迫力がある。
刀と拳の息を飲む戦闘は原作小説を読んでいない私でも惹き込まれるものがあった、
主人公が容赦なく止めを刺すシーンなどキャラクターへの感情移入を強めることができる。
しかし、やはり物足りなさを感じる。
日本昔ばなし的なキャラデザがいくら演出にこだわっても動きはやはり固く、
ワザを決めるときに止め絵はいいのだが、キャラクター達が跳ねたり避けたりするところでは
緊迫感にかけるものになってしまっていたのは残念だ。
更に1時間という尺の中でもっとも目立つ欠点が「キャラクターのセリフの長さ」だ、
1時間という尺を使いまくりキャラクター達がしゃべりまくる(苦笑)
絵的にそんなに動かずに、長いセリフを喋るシーンもか多くストーリー進行の為は仕方ないが、
シーンによってはキャラクターの魅力よりも間延びが上回ってしまい
人によっては「けだるさ」のようなものを感じてしまうかもしれない。
これは原作が小説という媒体であり、一話1時間という尺なので仕方ないが
もう少し「キャラクター達」の細かい動きや表情の変化があれば気にならなかったかもしれない。
しかし、キャラクターデザインを考えるとキャラクターの細かい描写は難しいのだろう
ある意味、この世界感と「刀語」という作品をアニメにする上では仕方なかったかもしれない。
あえて言うならば、本作品は「アニメ化」に向いていない作品と言えるだろう。
刀と拳の緊迫感のある戦闘シーンや、キャラクター達の練られた会話による
キャラクターの自然な魅力の引き出し方など「文字」という媒体では生かされていただろうが
「アニメ」という媒体ではどうしてもぎこちなさや、がっちりとハマっていない部分がある。
しかし、普通の30分アニメならばここまで欠点は目立たなかっただろう。
1時間という尺がシーンの長さや間延びを産んでしまいマイナス部分が目立っていた。
だが、プラスな部分も多い。
ヒロインの「とがめ」の可愛さは是非原作を読んでみたい魅力があり、
主人公の姉「七実」の凶気に満ちた戦闘シーンは素直に魅了された。
更に言えばストーリーも1本きちんと筋が通ったものがあり、
起承転結の「起と結」が一本の作品を見終わった実感をきっちりと味わさせてくれる。
全体的に人によって好き嫌いがはっきりと分かれる作品であるが、
ハマればがっつりと、ハマられければ早い段階で切れる。
個人的には中盤までは楽しめたが、終盤でやや失速してしまった。
主人公の姉との対決で私の中で「刀語」という作品が頂点だった
しかし、1ヶ月1話で1年放送するというこの形態は制作会社によっては
合っているのではないだろうか?
流石に今放映している作品すべてが1年間かけての放送だと辛いが、
1年間に2~4本、こういうしっかりと余裕のある制作のアニメを見てみたい。
ただ、1年間やるというのは失敗したときの損失もかなりデカそうなので
アニメ制作会社にとってはある意味、賭けなのかもしれませんね(苦笑)
本作品を制作した会社の「ホワイトフォックス」はまだ製作本数も少ないですが、
今後も期待できる制作会社の1つです。
来年やる「Steins;Gate 」は前情報だと若干不安ですが・・・・w

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