魔法少女まどか☆マギカ


魔法少女まどか☆マギカ感想

評価/★★★★★(88点)


魔法少女まどか☆マギカ感想

制作/シャフト
監督/新房昭之
声優/悠木碧.斎藤千和,喜多村英梨,水橋かおりほか
全12話


あらすじ

鹿目まどかは、市立見滝原中学校の2年生として平凡に過ごしていたが、
ある夜に異世界で魔法で戦う少女を目撃し、謎の白い生物から
「僕と契約して、魔法少女になってほしい」と告げられる夢を見る。
翌朝、見滝原中学へ転校してきたのは、夢で見た美少女の暁美ほむらだった。
ほむらは、まどかに「魔法少女になってはならない」と警告する。




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僕と契約して魔法少女になってよ、契約書はよく読んでね!

2011年初期、もっとも話題になったアニメといえば本作品だろう。
シャフト×蒼樹うめ×虚淵玄と面白い組み合わせで始まり、
そして話数を追うごとに虚淵玄氏の味が出てきて、最終的に賛否がわかれた作品だ
基本的なストーリーは魔法少女モノ。
平和に暮らしていたマドカ、夢で見た少女が自分のクラスに転校してくるところから
彼女の現実は崩れ始める。
謎の生物QBを助けたことにより、彼女は戻れぬ輪廻に巻き込まれる
序盤、3話までは普通の魔法少女モノと言っても過言ではない。
マスコットキャラクター的なものに出会うことにより、
魔法少女というファンタジーな世界に誘われる展開は魔法少女アニメでは定番、
本作品では3話までは純粋な魔法少女モノに見える(笑)
前評判でも本作品は蒼樹うめがキャラクターデザインということもあり、
まさか冗談で言っていた「血だまりスケッチ」のようなものになるわけないと、
シャフトの独特の演出による純粋な魔法少女モノだろうと。
だが序盤から怪しさはあった。
QBというマスコットキャラクターと契約することにより
QBはどんな願いでもどんな奇跡でも叶えるという。
そのかわり契約した少女はソウルジェムを手にし魔法少女として魔女と戦わねばならない
魔法少女は戦えば戦うほどグリーフシードが曇っていく、
魔女を倒すことでグリーフシードを浄化することができる卵を得ることができるが、
グリーフシードがにごり切ると魔女になってしまう。
だが魔女を倒すためには魔法少女が必要・・・と永久の連鎖が生まれている
この話のうまいシステムが物語の根幹にはある。
そんな設定の説明をしつつ、癖のある演出でストーリーを進めていく
戦闘シーンなどは非常に工夫もされており見ていて純粋に新鮮だ、
特にマスケット銃を用いた「マミ」さんの戦闘方法は工夫されており見ていて爽快だが
癖が強すぎるのは「シャフト」の味でもあり欠点でもあるだろう
そして運命の3話、いやぁ・・・うん・・・・まさかですよ(苦笑)
うわぁ・・・としか良いようがない展開。
魔法少女の一人が頭からばっくりと敵に食われますorz
鬱展開でおなじみの脚本家、虚淵玄氏が関わっている時点でこういう展開は予想できたが
そこまでそういった雰囲気を醸し出してなかっただけに破壊力は抜群だ。
更には絵柄とのギャップ、敵はまるで絵本のようにポップなデザインで
キャラクターたちは蒼樹うめ先生デザインの可愛いキャラクターたち。
そんな中で頭を食われる登場人物・・・、このギャップによる強烈な印象付けは
3話という1クールアニメでは山場ともいわれている話数に持ってきたことは、
シャフトやるな・・・としか言いようがない。
この3話を境に、物語が気になって仕方なくなる
執拗にまどかを魔法少女にしようとするQBのセリフは、物語の序盤の可愛さはどこへやら
QBがセリフを吐くたびに、契約書をきちんと読んでから契約しましょうと
このアニメのもう1つのテーマを付きつけられているかのようだった(笑)
またストーリーの流れも非常にうまい。
序盤の視聴者を油断させる普通の魔法少女アニメからの
残虐な魔法少女の死による世界観の雰囲気を壊したうえでの
主人公が「いつ魔法少女になるのか」というポイントと
この物語の行く末と結末は何処へ行くのだろうという期待感。
緊張と期待感、そして予想しにくい物語の構成は考えられたアニメであることの裏付けだ
物語の中盤からは、まどかの友人である「さやか」が好きな男の腕を直すために契約する
その事により「まどか」は自分も魔法少女になるかどうかを迷う、
だが。いざ魔法少女になろうかすると、それを止めるように「ほむら」が現れ
その自体を収める。
この緊張と緩和の使い方がうまく、話が進めば進むほど明かされる伏線と設定とともに
世界観とストーリーにのめりこんでいく。
目が離せないとはこういう事を言うんだろう
同時にQBの黒さはこの作品の象徴だろう
かわいい顔しているが、魔法少女の宿命や設定、仕組みなどを後から説明する(苦笑)
ほぉらここ、契約書に小さい文字で書いてあるでしょう?と言われてるかのように
願いを叶えた代償の大きさを示している
だが同時に本作品の欠点とも言うべきサブキャラの驚異的なまでの存在感とキャラ性。
中盤から参加した杏子の悲しい過去と魔法少女になったきっかけは
中盤参加とは思えないキャラクターの強さを感じさせた。
同時に、魔法少女になったさやか。
彼女が契約した代わりに願った願いはかなったが、それが自分の幸福へとは繋がらず
自分がもう普通の人間ではないことを知り、
自分の好きになった人と釣り合うかどうかに悩み、
更には同級生が自分を好きになった人を取られるかもしれないという自分自身の思いに負け
魔女と化す。
この「さやか」というキャラクターは非常に不幸だ。
彼女については「短絡的かつ悲観的な思考」とネット上でも言われていたが、
私個人としては「人間らしさ」を感じるキャラクターだ。
まどかに対し、酷い事を言ったあと後悔したり、自分の行動や言動を悔やんだり、
正しいこと、自分の信じることをしようとすることが間違いになってしまうことなど
その結果の彼女の結末も、人間の弱さと人間臭さを強く感じた。
その不幸なキャラクターをフォローする杏子、
他人のためには力を使わない、自分のためだけに力を使うといっていた杏子が
自らを犠牲にしたシーンは強く印象が残る。
杏子は他のキャラクターに比べて登場話も少ないが、キャラクターが使い捨てではなく
物語に必要だから現れ、物語に必要だから去った。
最近の作品としては珍しいキャラクターだろう
そして明かされる「ほむら」の行動理由と秘密。
弱かった頃の彼女が強くなっていく様や、徐々に性格が変化していくストーリーは
たった一話、そうたった一話で彼女のキャラクターを深め、
同時に主人公である「まどか」の魅力も強まる。
たった一話でここまでキャラを深めることの出来る虚淵玄氏の脚本力には感服した。
終盤、まどかが魔法少女になる、そう最後の一話でだ。
まさに憎いというべきなのだろう、貯めて貯めて貯めて最後に持ってくる
王道のやり方ではあるが、ここまで貯められると解放された視聴者の気持ちと
「ほむら」に対する感情移入のせいで、
主人公としては弱かった「まどか」の生き様と行動、願ったことに圧巻される。
最終話でようやく彼女は物語の主人公へと成長したこと感じさせられた
全体のストーリーの流れは素晴らしいのヒトコトだろう。
魔法少女の設定を明かすタイミング、設定と伏線を生かしたストーリー展開、
それを紡ぐ強いキャラクターたちの魅力ときっちりと考えられたキャラの性格と行動、
少なくともここ1、2年のオリジナルアニメでは味わえなかった
本来のアニメとしての面白さがあった。
物語の結末については賛否両論がある。
だが、12話という尺を考えれば、この結末以上のことを望めない
ハッピーエンドとは言えない、だがバッドエンドともいえない。
「まどか」がしたことの壮大さを考えれば、これ以上のストーリーの
持って行き方は難しいだろう。
あえて、この作品を一言で言うならば
「面白かった」
この一言だろう、確かにあらを探せば出てくるところもあり
きっちりと物語を終わらせたとは言いがたい点は評価に影響してしまう所だが・・・
だが、アニメオリジナルの全12話の作品でここまで完成度が高いものが
この1,2年では一切存在しなかった。
それほどこの作品は完成度が高く、また
「鬱展開とかない彼女たちのほのぼのとした日常」を見てしまいたくなるのも
キャラクターたちの魅力に引かれてしまっているからだろう
また魅力的なキャラクターを演じた声優さんたち。
「ほむら」を演じた斎藤千和さんの泣きの演技は印象に残り、
普段のシーンとのギャップや感情の起伏の演技の幅は
もう一人の主人公としてのキャラ性を強めていた
斎藤千和さん無くして、本作品の魅力を語らずにおられるか!と言わんばかりです(苦笑)
私は最後でほむらの武器が弓に変わっていたところで完璧にやられてしまった。
全話まったく飽きさせない怒涛の展開、簡単には予想できないストーリー運び、
彼女たちの行く末を感じされる強い余韻を残した最終話。
あぁ、1つの作品を見終わったんだな。面白かったな~・・・。
素直にこう感じさせるアニメ作品でした
確かに好みの分かれる作品ではあるが、それを踏まえても完成度が高い。
若干、一部キャラの顔が怪しかった部分(ほむら)があったのが残念だが
私はそれ以外で本作品に「不満」がない。
あえて言うならばさやかが不幸すぎる点や、もう少しキャラのホンワカ日常が見たいという
欲求が生まれてしまっているのは、私が本作品を純粋に気に入っているからだろう
願わくば続編は作ってほしくない。
キャラのほのぼの日常はOVAや1クールくらい見たいが、
純粋な続編を作ってしまったら、それは野暮というものだろう。
声優の演技、アニメーションとしての演出や動き、ストーリーの面白さ。
アニメとしての面白みが詰まっている作品だ。
ここ1,2年のオリジナルアニメにイライラしてた方、ぜひ見てほしい。
これがオリジナルアニメの本来の実力だ。
映画評論家の水野晴郎氏ではないが
「いやぁ、アニメって本当にいいもんですね」
思わずそんな言葉が浮かんでしまう見ていて純粋に面白いアニメです。
こういった作品がもっと増えることを願っています。

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