Steins;Gate

評価/★★★★★(91点)

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エル・プサイ・コングルゥ

原作はCHAOS;HEADでおなじみの5pb製作のアドベンチャーゲーム
原作ゲームの人気が高く、放送時は原作ゲームストーリーの改変などで
色々と話題になった作品だ。

まず見だして驚くのは声優である関さんのオタク演技(苦笑)
典型的なデブキャラかつオタク的な「ダル」というキャラクターなのだが、
ある種、関さんの新境地とも言えるオタク声は強烈な印象を残す。
一瞬「え?これ関さん?」と耳を疑ってしまうほどだ
今後、関さんにオタキャラの仕事が増えそうな気がするのは私だけだろうか・・・w

ストーリー的にはループもの。
発明サークルのリーダーである厨二病を発症している岡部倫太郎、
そんな彼が偶然にも開発した「電話レンジ(仮)」が
携帯メールを過去へと送るタイムマシンとして完成してしまい
彼は驚き喜ぶが、その過去へのメールが世界を揺るがす出来事へと変貌していく・・・
という感じだろうか?

序盤は各キャラの人物を紹介しつつ徐々に
「電話レンジ(仮)」の本当の性能に近づくところから物語はスタートする。
特に序盤はストーリー的に意味不明なブラフが多く、
あらすじすら読まず、なんの情報もないまま見だすと、なかなかすっきりしない。
2クールということで余裕があったのか、序盤は特に「ゆっくり」と
ストーリーが展開していく

更にネット上の人物として「ジョン・タイター」が登場する。
この人物は実際2000年にインターネット上に現れた、
2036年からやってきたタイムトラベラーを自称する男性であり、
この作品の中でも登場している。

この2000年に「ジョン・タイター」が言っていたことを基盤にこの物語は展開されている
これは当時、ジョン・タイターのことを「釣り乙」と思っていた多くの人にとって
「シュタインズ・ゲート」という作品が気になって仕方なくなるだろう。
フィクションであるアニメのなかだからこそ、ジョン・タイターの虚言も事実になり得る。

個人的にはタイムマシン好きとして相対性理論やらジョン・タイターやらの本を
学生の頃色々読んでいた私にとっては「ジョン・タイター」の名前が出てきてから
この「シュタインズ・ゲート」という作品から目を離せなくなった。

物語の序盤はタイムマシンを「セルン」と呼ばれる組織が開発しているかどうかという
ストーリーが展開される。
徐々に明かされていく「セルン」が行っている実験、そしてセルンの野望を阻止すべく
主人公たち「電話レンジ(仮)」の研究をし、徐々に詳細に機能がわかってくる。

6話まではこういったストーリーが展開されるが、かなり余裕のある展開だ。
7話でようやく「電話レンジ(仮)」で本当に過去を変えられるのか?という展開になる。
そして実際に・・・過去は変えられた。
この7話を境にストーリーのエンジンがフル回転しだす
Dメールを送り、ドンドンと過去が改変され、その変化に戸惑う主人公。
そして何度かのDメール、9話でアキバから萌え文化が消える・・・。

見れば見るほど物語の中に入り込んでいく、
毎話気になるところで次週へ続く!という展開で終わり、
たった一通のメールで起こる世界の改変、それに唯一気づき戸惑う主人公、
この主人公の立場と視聴者の立場が同じなので、
彼が追い詰められれば追いつめられるほど、視聴者の緊迫感は募っていく

そして12話以降の展開は全てがマックス、全ての展開が驚愕。
先の読めないストーリーは息を飲み、シーンが変わる度に目を離せなくなる
それまでの12話分、キャラへの感情移入を強めていただけに
衝撃的なストーリーは続きが気になって仕方なくなる。

更には20話で、ようやく色々なことが解決し緊張の糸が解けようとした瞬間、
更に別の糸が絡まり、より緊張を張り詰める。
そして・・・その緊張の糸解けると、シュタインズ・ゲートへと至る。
私はきちんと「タイトル」の意味へと帰結する作品が好きだ。

最初は意味のわからないタイトルから、作品が終わる最終的には
その意味のないタイトルから、意味のあるタイトルへと変貌する様は
「タイトル」のつけ方や、存在価値が大きなものになり
作品を見た後に視聴者の心に深く作品が刻み込まれる。

一話たりとも見逃せない、一話ごとにキャラクターごとの切ないエピソードと
各キャラの心理描写は逸脱だ。
そして最後の「世界を騙す」という方法論も私は素直に感動した。
最終話の最後のシーンで1つのアニメ作品を見終わった後の満足感に満たされた。

全体的に見て完成度が高すぎる作品だ。
作画的に若干残念な部分があったのは惜しまれるが、そういった部分を覆い隠すほど
ストーリーが素晴らしく、また演出も素晴らしかった
(若干、画面がクラすぎる部分があったのは気になったが)

しかしながら、序盤が若干ゆっくりめで更にはネタ的なパロディ要素がふんだんに含まれ
ネットスラングを理解できなければ笑えない部分も多い。
そういった面見ると「オタク向け」と言われるのは致し方なく、
普通の人が見ても楽しみ切れない部分がある。

恐らくハマる人がガッツリとハマってしまい私のようにアニメ見た後に
PSP版に手をだし、更にはねんどろいどを注文しようかと思ってしまうだろうが、
ハマらない人は極端にはまりきれない作品だ。
特に「オカリン」と「ダル」は厨二病とオタクなので万人受けはしない(苦笑)

しかしながら、ループものとしては完成度が高く
ハマればハマるほど、この作品にのめり込んでいく。
ある種の中毒性を秘めている作品とも言える。
なお映画化も決定されており、どんな内容になるか楽しみで仕方ない。

誰にでも進められる作品ではないが
「ループ物」「ネットスラング」「厨二病」
この3つに拒否感がないのであればぜひ見て欲しい。

貴方も最後には全く意味のない言葉
「エル・プサイ・コングルゥ」
という言葉に感動してしまうことだろう