化物語

化物語感想

評価/★★★★☆(74点)


化物語感想

制作/シャフト
監督/新房昭之
声優/神谷浩史,斎藤千和,加藤英美里ほか



あらすじ
高校3年生の少年・阿良々木暦は、文化祭の準備をしていた5月のある日、ひょんな事から2年間ろくに会話すらしたことがない病弱なクラスメイト・戦場ヶ原ひたぎの秘密を知ってしまう





まったくもって、どいつもこいつも本当にひねくれてるよな

原作は西尾維新のライトノベル、TVでは全12話放送され後にWEBにて13~15話配信されたが
2009年7月放送開始し、最終話の配信は2010年6月となり約1年もの時間がかかった。
シャフト制作なだけに癖のある演出と全体の作画の高さが伺える作品だ。

基本的なストーリーは妖怪もの。
とある事件をきっかけに吸血鬼の力を秘めている主人公と
その周りにいる少女達が次々に怪異と呼ばれる妖怪にとりつかれていく。

序盤から終盤まで基本的にはワンパターンだ。
主人公の周りの女の子が怪異に魅入られトラブル、
それを主人公他で解決し怪異を取り除き、登場人物として新しい女の子が加わる。
そんなパターンを繰り返す。

しかしながら、パターンの繰り返しは顕著なのだが、
西尾維新の独特の言葉遊びがワンパターンに変わった味付けをし、
それを助長するかのようにキャラクター達が話を紡いでいる

怪異についてはしっかりと面白みのあるものだ。
蟹、蝸牛、猿、蛇、猫。
怪異に外はなく、怪異に魅入られたものに何かしらのトラウマや原因があり、
それがキャラクター達の魅力を深みのあるものにしている。

特に主人公と序盤で恋人同士になる「戦場ヶ原ひたぎ」は
ツンデレ的なキャラクターだが、非常に可愛らしい。
過去のトラウマがつながる最終話のセリフは素直に魅力を感じてしまい、可愛いと思ってしまう。
作られた魅力ではなく、キャラクターが作中の中で変わっていったからこその魅力ではないかと。

戦場ヶ原ひたぎに関しては、声優が「斎藤千和」さんであることも大きかった。
私の中の印象では「斎藤千和」という声優はロリキャラが多く、
元気orうるさい的なキャラをよく演じている感じだったが、
「戦場ヶ原ひたぎ」はその逆とも言えるクールで冷淡なキャラだ。
ある意味、斎藤千和の新境地とも言えるかもしれない。

ただ、この作品自体は他のアニメと違い非常に重みのある作品だ。
会話、会話、会話、会話のオンパレードな作品は
よくアニメ化できたなと感じるほど重厚な内容だ
この会話の文章量こそが化物語の世界観を構築していると言えるだろう

ただ、文章で読めば理解しやすく、自分のペースで世界観に入っていけるが
アニメという媒体だと制作側が決めたペースと演出で世界観が構築されている、
これはシャフト独特の癖のある演出のせいか、重苦しく感じる部分が多かった。
画面に集中しなければならないと言えばわかりやすいかもしれない。
片手間に見ると、演出部分で重要な点があったりして見逃したりする場合もある。
連続してみると、同じ1クールでも疲れが出るのが早かったようにも感じる。

しかしながら、その疲れや重みが独特の世界観そのものともいえる。
練りこまれたキャラクター同士の会話はまるで夫婦漫才のごとくテンポよく進み、
西尾維新の「言葉遊び」は癖になる味わいを持っている。
特に3話での「見蕩れる」という言葉の使い方は、日本語をまるで遊ぶように使い
主人公と戦場ヶ原ひたぎの付き合う事になるセリフにもなるのは印象的だった

逆に重厚な会話の内容をアニメで表現するために犠牲になったのが動きだろう。
シーンによっては紙芝居的な表現も多く、動かない部分のほうが多かった
しかし、逆に動かないからこそシャフトの癖のある演出が自由に行うことができ、
画面を飽きさせない演出はこの作品をアニメ化する上では必要不可欠だっただろう。
ある意味、別会社が製作した場合の化物語を見てみたい気もする。
この作品はアニメ会社の実力が分かりやすく出そうだ

人を選ぶ作品であある、シャフトの演出がくどいため嫌いな方は
とことん嫌いになる可能性を秘めているが、ハマればがっつりと世界観に浸ってしまう。
それだけに名作とは言えないが、十二分の1つの作品として完成度が高い。
しかし、残念なことに現在も原作は刊行され続けており物語として完結はしていない。
全15話で1つの区切りはされているが、原作が完結したら続編に期待したいところだ

続編?である傷物語は制作が決定しているとのことですので、
今後の化物語の展開に強く期待したい、制作が心待ちな作品の1つです。