未来日記


感想


評価/★★★★☆(63点)


感想

制作/アスリード
監督/細田直人
声優/富樫美鈴,村田知沙,土門仁ほか


あらすじ
周囲に関わろうとせず「傍観者」であることを望む中学2年生の少年・天野雪輝は、見聞きした全てを携帯電話の日記に付けていた。友人と呼べるのは、時空王「デウス・エクス・マキナ」と彼の小間使い「ムルムル」だけである。もっとも、これらは雪輝の空想のはずだった。



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終わらせかたはきちんとしましょう


原作は漫画な本作品
アニメが終わった後に実写ドラマ化もされ、
色々と話題になっている作品だ

基本的なストーリーはサスペンス。
中学生である主人公は周囲とか変わろうとせず、携帯で些細な日記をつけていた。
ある日、彼の唯一の友人である妄想の中の神と小間使いだけのはずだった
しかし、その神は彼の「妄想」のなかの神ではなく「本当」の神だった
彼のせいで彼の日記は自分の未来を知ることのできる日記に変えられてしまう所から
物語はスタートする。

まず最初に感じるのは音の生々しさだろう。
始まって早々から人が殺されるシーンが多く流れ、
切りつけられる音や流血の音が妙に生々しく、
作品の独特の雰囲気を作り上げていた

そしてストーリー、1話の時点から完成度が高い。
これは原作が面白いからとも言えるかもしれないが、
自分の未来がわかる日記を持つ主人公、そして自分の死ぬ未来を知ってしまう。
更には自分以外の11人が未来を知ることのできる日記を持ち
更には「神」になるために殺し合いのゲームに参加するハメになる。
たった1話でこの先が気になりまくるストーリーを展開する。

このストーリー展開ははっきり言えば、いくらでも料理できる。
作者の手の上、いやアニメの場合は脚本家と
監督の手の上といえばいいかもしれないが
未来がいろいろな方法で分る12人の殺し合い、
面白くもできる、駄作にもできる、とんでも作品にでもできる。

12人それぞれの設定、殺し合いのルール、ストーリー展開、
どんな展開に出来る素材が1話の段階で揃っている。

この作品を敢えて料理に例えるならカレーだろう。
ご家庭によって味が違う、ルーを使う人もいれば使わない人もいる、
牛肉を入れるカレーもあれば豚肉を入れるカレーもある。
結果として出来上がるものは「カレー」だが、
作る人にとって十人十色の味になる、まさに未来日記の1話は
そんな期待を感じさせるものだ

それだけに調理を失敗してはいけない。
アニメ制作はなるべく原作改変をしていないようで
ある意味「原作通り」を貫くことで調理の失敗をしなかった
この作品は最高にスパイスの効いた激辛カレーだ

特に登場人物たちは「正常」な奴が1人も居ない。
主人公はたしかに唯一まともだが、
メインヒロインは主人公のストーカー&ヤンデレ気質、
日記所有者は殺人犯、テロリストの犯罪者から
一見普通に見える子供から刑事のおっさんまでetc…
見た目が普通でも精神的には異常な連中ばかりだ(苦笑)

この精神的に狂っている連中が殺し合いをする。
主人公が信じたキャラもすぐに裏切り、状況が2転三転していく。
この作品のもっとも特徴的な部分といえばヒロインだろう。
彼女の日記は「主人公の10分後の未来がわかる」という
ストーカー=ヤンデレという強烈なキャラだ

最初は「ただの主人公のストーカー」だが、
ストーリーが進めば進むほど彼女のキャラは加速していく。
色々なアニメを今まで見てきたが、
「主人公を監禁して薬漬けにするヒロイン」など史上初だろう(苦笑)

もう、このヒロインはほんとうに怖い。
可愛いのだけれども行動がいちいち怖すぎる、
むしろ、このキャラが立ちすぎていて他のキャラの存在感を消しているほどだ
事実、12人もいる日記所有者を捌くために印象の薄いキャラも降り、
後半にかけての内容が濃いので前半しか出ていないキャラは忘れがちだ
もう少しキャラを減らしてもよかったかもしれない

注意しないといけないのはグロシーンの多さだ。
レビュー冒頭でリアルな音と記載したが、
シーン的にナイフや斧でバッサリするようなシーンや
「子供」がナイフで刺されるシーンなどもある(放送局によってモザイク)、
更にはレイプシーンが複数あったりと、きついシーンもかなり含まれる
人によっては閲覧注意な部分がかなり含まれる。

だが、それを覆すほどストーリー展開とストーリーの切り方はうまい。
毎話必ず気になる展開で終わる!という手法はまんまとはめられた。
もし、私が全て録画して見ずに1話でもこの作品を見てしまっていたら
「あぁぁぁぁ!!!来週きになるぅぅ!!!げ、原作買うか!?」
となっていただろう、ストーリー構成はかなりうまい。

そして主人公は成長する。
最初、私はこの作品の主人公があまり好きではなかった
だが、終盤、気が狂ったキャラクターに囲まれて主人公も狂う(笑)
狂ってはいるものの「感情移入」できるのはストーリー展開の
旨さが光っている証拠だろう
ヘタレな主人公からかっこいい主人公へと成長するというストーリーは
久々に味わったような気がする。

なんて楽しませるアニメなんだろうと実感する。
特に終盤の伏線の回収から更に深まる謎展開、
2クールという尺を余すことなく使いきり、未来日記の狂った世界を頼ませる。

ここからはあくまで私の個人的な意見だ
正直、23話以降の展開はあまり納得イカないものがある。
せっかく「未来がわかる日記を持つもののサバイバルゲーム」という
主軸があったのに、それがぶれてしまった。
あくまで「あの世界」で物語を終わらせて欲しかったと思うのは
私の身勝手かもしれない。

全体的に見て完成度は高い。
未来がわかる日記を持つもののサバイバルゲームは存分に楽しむことができ、
狂いまくったキャラクターたちも存分に味わうことができる。
だが、最終話にして制作側がやらかしてしまって
原作未読車の視聴者の評価が下がってしまっただろう

私も知らずに見て「え・・?これで終わり?」となってしまい検索をかけて
大切な「エピローグ」をカットするという大胆な手法を撮ったようだ。
意味がわからない。
せっかくすっきりと終わりそうだったのに肩透かしを食らってしまった。

確かに本作品は面白かった、最初から最終話まで記の抜けない
怒涛の展開は刺激もあり2クールという尺を飽きさせずに楽しまさせてくれた
だからこそ、最後の最後ですっきりとしない終わり方になってしまったのは
残念で仕方ない。

本レビューで本作品は「スパイスの効いたカレー」と例えたが、
カレーをほとんど食べ終わって残り二口くらいというところで
「髪の毛」が混ざっていて嫌な気分になったような感覚だ。

せっかく面白い作品だったのに最後にケチが付いてしまった。
あのままきちんと終わらせてくれれば・・・ん~・・・
何とも納得の行かない作品でした