宇宙海賊ミトの大冒険

評価/★★★★☆(62点)


EMOTION the Best 宇宙海賊ミトの大冒険 DVD-BOX

制作/トライアングルスタッフ
監督/渡部高志
声優/川上とも子,保志総一朗,石村知子ほか


あらすじ
天野原町に住む中学生の少年・光国葵は、母・美都と1年ぶりに父親の墓参りに行く。ところが、その最中に銀河パトロール局員の年賀睦月・正月の姉弟が乱入して美都に襲い掛かる。何とか、年賀姉弟を退けるが、美都の身体の中から小学生くらいの少女が現れる。実は、彼女は宇宙を股にかける海賊のキャプテン・ミトだったのだ。




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見た目は女子小学生、頭脳は母親、主人公は女体化!?


本作品は1999年に放映されたTVアニメ。
一応、1期2期と分かれているのだが1期と2期の間が3ヶ月しか空いておらず
実質、分割2クールのようなものなので1作品として扱う。

基本的なストーリーはSF。
普通の高校生である主人公、
久しぶりにニューヨークから帰ってくる母親を駅で待っていた
そんな中、宇宙では宇宙海賊「ミト」と銀河パトロールが戦っていた
海賊と主人公の関係は・・・?というところからストーリーは始まる

1期序盤からハチャメチャだ。
田舎の駅で主人公が母親を待ってるかと思えば、
宇宙では海賊と銀河パトロールが争っており、なにやらわけあり。
そんな海賊のキャプテンである女の子が無茶苦茶な行動をした後
「大人」のパワードスーツを着て主人公の目の前に母親として現れる。

文章として書くと余計に序盤からのハチャメチャ具合が出てしまっているが
実際、1話から色々な要素をかなり詰め込んでおり
ハイテンションかつハイテンポでたたきつけられるようにキャラと設定を見せられる。
しかしながら、、無茶苦茶な設定ではあるものの「勢い」があり
そんな滅茶苦茶な世界観や設定に思わず惹きつけられる。
この時代のアニメ特有の「面白さ」を序盤から感じることができる。

更にそんな滅茶苦茶な設定をこの作品は非常に上手く使っている。
序盤は「見た目が子供だが母親、しかも宇宙海賊」という現実を受け入れきれない主人公、
そんな主人公が宇宙海賊たちと銀河パトロールの騒動に巻き込まれつつ
徐々に「母親」を受け入れていく。

序盤から中盤までは「親子愛」を中心に描いているのだが、
コミカルで見やすく1話のハチャメチャ具合やドタバタ具合を維持したまま
勢いのあるストーリーを展開しキャラ描写を深めていく。

終盤からは宇宙人と地球人のハーフである「主人公の秘密」と
宇宙の王族のお家騒動を絡めつつシリアスな要素もありつつ
伏線をしっかり回収しながらストーリーを展開する。
予想外の展開も多く、見ていて続きが気になる展開で毎話終わっており、
1話こそ「詰め込みすぎ」と感じた設定とキャラクターを上手くさばき、
ドタバタSFらしい1期に仕上がっていた。

ただ2期からが完璧に蛇足だ。
「人気が出たから2期をやる」ために用意されたストーリーというのがわかりやすく
1期に比べてシリアスな要素が増え、1期は気軽に見れるが
ストーリーはしっかりと作られたドタバタSFだったが、
2期からはシリアス要素が増えすぎて気軽に見れるという感じではない。

1期からのキャラ描写があるからこそ2期のストーリーをそれなりに楽しめるが、
ドタバタらしさがなくなって、この作品らしさが亡くなってしまったのは残念だ。
それこそ「宇宙創世」の神様が出てくるような話になってしまい、
1期のお家騒動から随分と風呂敷を広げてしまった印象だ。

ただ、2期のストーリーもきちんと練られている。
1期と雰囲気こそ違うものの、伏線や設定をきちんと生かし
2期からのキャラクター描写もしっかりしており慣れてしまえば
きっちりと「面白い」と感じられるストーリーになっているのは好感が持てる。

余談だが、ネタ要素が結構多い(笑)
1期でいきなり「ピカチュウ」が目線を隠す状態で出てたり、
色々なアニメのパロディが出てきたりと、それまでそんな雰囲気がないのに
唐突に「パロディ」が出てくる時があり、
脇腹を唐突にくすぐられるような不意をつかれた笑いがあった。
ただ、「パロディ」がこの作品に必要だったのか考えると微妙なところだが・・・w

全体的に見て1期だけ見るならドタバタSFとして完成度が高いが
2期を含めて「宇宙海賊ミト」という作品全体の評価としてみると
話のスケールを大きくしすぎてしまった印象だ。
ただ、決してつまらないというわけではなく、あくまでも1期の面白さに比べて
2期がパワーダウンしてしまっていたということだ。
連続して1期、2期と見るならば意外としっかり作られたSFとして楽しめる作品だ。

ただ、キャラクターデザインがかなり癖がある。
NHKで放映されたわけじゃないが、NHKアニメのような子ども向けのデザインになっており
作画も所々かなり危ない(苦笑)
この作品ではこの作画の危うさが作品の世界観を作り上げていたのだが、
このクセのあるキャラデザと癖は好みが分かれるだろう。

私はバンダイチャンネルでたまたま見かけて、今の今まで知らなかった作品だ。
検索して調べたが決して「知名度の高い」作品とはいえないだけに、
もっと評価されてもいい作品とひしひしと感じてしまう。
1期だけ見るなら間違い無く佳作、2期を含めて良作という感じになってしまっているが
気になった方は見て損はない作品だ。

気になったのだが、主人公は結局女のままなのだろうか・・・w
「保志総一朗」さんがやっているからこそ女性でもぎりぎり受け入れられるが
最後の最後まで「女体化」したまま終わってしまった主人公というのは
かなり珍しい作品かもしれない。
女体化などのキーワードが気になる方も・・・見て損はないかもしれない(笑)