げんしけん2

評価/★★★☆☆(55点)

げんしけん2 評価

全12話
監督/よしもときんじ
声優/大山鎬則,斎賀みつき,雪野五月,檜山修之,関智一ほか

あらすじ
一人前のオタクとなった笹原と現視研の面々に加え、 オタクが嫌いなオタク少女=荻上千佳を新たな部員に迎える。 <同人誌づくり><コミフェス参加>等のイベントに参加しながらも、 オタクの<恋愛><就職>と新しい世界に踏み込んでいく……

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オタクよ、これが現実だ

本作品はげんしけんの2期。前作から3年後のテレビアニメ化だ。
なお、その中間でOVAもある、発売当初はスピンオフの特典映像としてのOVA化だったが
後にOVA単体でDVDになり反感を食らった(苦笑)
OVAを見ていない人のためにいうならば「荻上」という新一年生が追加された話だ。
現在は手に入りやすいので興味が有る方はこの作品を見る前に見たほうがいいだろう。

声優などの変更はないが、一部スタッフや監督などは変更されている。
キャラクターデザインも変更されていることや3年という経過年数がゆえに
前作より作画の質は上がっている。
キャラクターデザインのやぼったさがなくなり、キャラクターデザインがすっきりした。
見やすさという意味では2期のほうが見やすい。

しかしながら、ストーリー的な見やすさは2期が重い展開が多いため1期より見づらい。
特に序盤からげんしけんで初の同人誌参加でキャラ同士がぶつかりあう。
その中で一部のキャラクターの態度にはかなりいらだちを覚える。
ある意味、オタクの悪い部分を描いているとも言えるのだが・・・
一期以上に「人間関係」と「リアルなオタクの言動や反応」が顕著に描写されているため
生々しいだけに重苦しい内容になっている。

しかし、「人間関係」が進んだからこそ「恋愛描写」も深まる。
特に4話の「田中」と「大野」の話は逸脱だ(笑)
コスプレの服を作るのが好きな田中とコスプレをするのが好きな大野。
1期の段階から徐々に家にいったり服を作ってもらったりと親密な関係を続けてきた二人が
微妙な距離感の中で揺れ動く。

付き合いが長いからこそ二人は「もう一歩」が踏み出せない。
田中はオタクや自分の外見ゆえに「美人である大野さん」にはつり合わないと思う。
だからこそ「一歩」を踏み出しきらない。
そんな「一歩」を大野さんは積極的に「エロゲの共同作業」で踏み出させようとする(笑)
そしてついに「一歩」を踏み出す。

このシーンの川澄綾子、関智一の二人の演技は素晴らしい。
劣等感を抱きつつ告白する田中の微妙な心境が見事に演じており、
それがオタクである私たちに強く共感を誘う。生半可な声優ならばここまで共感を誘えない。
そんな劣等感のある田中に対し、大野さんは少し大人になり積極的に彼に自信を与える。
このシーンの「エロさ」はあまりにも生々しく、
川澄綾子さんの声質とエロい演技のおかげでやばすぎるシーンだ(笑)
超個人的には川澄綾子さんのえろい演技といえばこのシーンを推したいw

更に中盤からは新キャラである「荻上」が中心となる。彼女は腐っている。
腐っていることを隠してはいるのだが、脳内は花畑状態だw
笹原や斑目でそういうシーンを想像するのはもちろん、
他のげんしけんメンバーとのBLを妄想しまくりだ。
その妄想シーンがBLアニメクォリティで描かれるから大変だ(笑)

1期目から見ている私たちにとってある程度キャラに感情移入したキャラ同士の
BLシーンを見せられるのはなんともいえない感じだw
かなり生々しいシーンもあり男性声優さん達もノリノリで演じてらっしゃるため無駄にエロいw
妄想シーンはギャグ要素がなく、ありがちなBLストーリーがきちんと構成されているため
1話分くらいのBLアニメを見たような気分になる話があったりする点は、
そういうシーンが苦手な方には若干厳しいかもしれない。

しかし男性陣の妄想も負けてない(笑)
彼女がエロゲーの登場人物ならという妄想を男子メンバーで濃ゆく談義しており、
それを更に本人が聞いているという状況は水橋かおりさんの演技の素晴らしさもあり、
可愛らしさ全開だったw

ただ終盤からは「就職活動」が始まる。
本作の本来の主人公は「笹原」だと言わんばかりの重苦しい就職活動は
リアルなオタクの大学生活を描いてきた本作品で就職活動も同じように生々しい。

「笹原」は何かに秀でた能力があるわけではない。
普通の学生で普通のオタクで普通の男だ。
この作品において他のキャラクターが「濃ゆい」だけに主人公は特徴が少ないキャラだ
それだけに「就職活動」という場面で彼はなかなか花が咲かない。

そんな陰鬱とした就職活動の中で「新キャラ」が出たり「荻上」との関係が微妙に進展したりと
クッションとなる明るいイベントももちろんあるのだが、
最終話まで「重い就職活動」を引っ張り、最終話でかなり主人公の精神状態がやられており、
「就職活動」である意味トラウマがある方はにはきついシーンだろう。
本当に半ばやけになりながら彼はひたすらに面接を受ける。しかし、受からない。

そんな彼をげんしけんメンバーが一喝する。
あるメンバーは罵声を浴びせ、あるメンバーは幻滅したと投げかけ、
あるメンバーは養護し、あるメンバーは不器用な励ましの電話をかけ、彼を応援する。
そして彼は「げんしけん」としての活動を経験を面接に活かす。

全体的に見て1期に比べれば重い展開が多いがきちんと楽しめる作品だ。
「荻上」という女オタクが追加されたことでBLなどの新たなネタもあり、
そんな中で「大学生」としての「就職活動」にも焦点が当てられ、
1期とはまた違った面白みが生まれている2期だ。
しかしながら、原作が終わっていたのもかかわらす
原作の最終話まできちんとアニメ化されなかったことはひどく残念だ。

アニメ内では伏線だけ貼った「荻上」の過去や「笹原」との恋愛など
中途半端になってしまっている部分も多く、
一期はある程度きちんとまとめているだけに、2期は中途半端にになってしまった感じは否めない。
重苦しい内容が多いだけにもっときっちりと原作の最終話までアニメ化されれば
見終わった後に「げんしけん」という作品がもっと印象に残っただろうが、
これでは中途半端で終わってしまった印象のほうが強く残ってしまう。

作品自体は面白くストーリーもきちんと出来ているのだが、
「荻上」の初登場シーンがスピンオフ作品のOVAで
2期をOVAを見ずに見ると荻上がいつの間にか参加している状況だったり、
原作が終わっているのにもかかわらず中途半端なところで2期を終わらせてしまったり
1期は1期でスローテンポ気味・・・と
「げんしけん」におけるアニメ化のストーリー構成は疑問に感じる点が多い。

本来ならここで3期があればよかったのだろうが、3期は無い。
2013年には続編である2代目がアニメ化されたが、
荻上と笹原が既に付き合ってる所から描写されているため実質、合宿の話はアニメ化されないようだ
きちんと、あの部分を見たかったなと原作を読んだ人ならば感じてしまうはずだ。

事実売り上げ的にも1期よりも右肩だったようだ。
ただでさえ1期から3年経過したあとの2期で初見お断りの作品なのに
スピンオフのOVAを見ないとストーリーに入って行きづらいというのは何とも・・・(苦笑)
色々と大人の事情が作品本来の魅力の足を引っ張ってしまった感じだ。

個人的には4話や10話辺りの話は好きなのだが、
やっぱり原作を読み終わった後だと中途半端な印象が否めない作品だった。