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あまりに酷すぎて円盤発売中止「川越ボーイズ・シング」レビュー

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川越ボーイズ・シング 青春
©ぼくらの川越洋菓子店
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評価 ☆☆☆☆☆(8点) 全12話

TVアニメ『川越ボーイズ・シング』第1弾PV

あらすじ 元聖歌隊の出井天使ことだんぼっちは、歌いたいのに人前で歌うことができず、1人で歌うことを繰り返していた。そ引用- Wikipedia

あまりに酷すぎて円盤発売中止

本作品はTVアニメオリジナル作品。
監督は松本淳、制作はevg

独唱

1話冒頭から主人公が一人で防音室の中で歌っている。
この作品は「合唱」を題材にした作品だ。
そんな作品だからこそ1話冒頭から各キャラが歌いまくっているのだが、
その歌のインパクトが弱く、あまり引き込まれない。

作画もかなり悪い。
作画崩壊こそしないものの、シンプルにクォリティが低く、
冒頭の主人公が歌っているシーンもそうだが、
主人公が合唱を見ているシーンもペラペラな作画であり、
TVアニメの作画のクォリティが上がった時代で
この作画のレベルはかなり厳しいところだ。

それだけでなく止め絵も目立つ。
メインキャラの一人の「指揮者」が指揮をしているシーンが
1話序盤で描かれるのだが、このシーンも止め絵だ。
1話からこの調子であり、シンプルにアニメーションのクォリティが低い。

そんな指揮者は楽団から首にされ、
祖母に言われて学生の指導をすることになる。
コミュニケーション能力や協調性がない彼は、
祖母に言われ男性だけで構成される合唱である「クワイア」を
作る羽目になる。

そんな中で主人公は控えめな少年だ。
母に「天使」と呼ばれるほど歌声を持っており、
歌がうまくて歌うことが大好きな少年ではあるものの、
「人前」で歌うことがその性格ゆえに出来ない。

そんな彼の声に目をつけたのは指揮者だ。
彼は自身の目的のためにクワイアのメンバーを集めており、
序盤は部員集めが描かれる。

この部員集めはかなり強引であり、
指揮者なメインキャラの相手の気持を理解しない行動やセリフに
いらっとさせられてしまうものの、
この手の部活アニメでは王道な展開だ。

ダンス

「やりたい!」なんて一言も言ってないのに、
主人公を含めた3人は無理やり合唱部をやらされてしまう。
たった2時間の練習で彼らは合唱を披露することになるのだが、
これが色々と酷い。

曲自体も世間一般が想像するような合唱曲ではなく、
むしろヒップホップのような曲だ。
しかも「ダンス」まである(苦笑)
調べた所、合唱でダンスを取り入れるのは最近はあるようだが、
あくまでその場から動かず身振り手振りだけの振り付けだ。

だが、この作品は違う、がっつりとヒップホップなダンスだ。
もはや意味がわからない。
曲もヒップホップ、ダンスもヒップホップ、
ラップのような早いリズムで踊りまくりなバレェのような
振り付けまで取り込んだ曲は合唱っぽさ0だ。

1話で素人な3人の曲と踊りを指揮者が褒めるのだが、
見ている側には全然その凄さが伝わらず、
合唱の良さや魅力なんてものも伝わる部分は一切ない。
1話から本当に見る気を無くさせてくる。

2話以降もメンバー集めが描かれるが、
彼らの「動機づけ」が弱く、なんかよくわからないうちに
よくわからないキャラが入部しているような印象だ。

双子だったり、マッチョだったり、
フェイスペイントを常にしてるキャラだったりと、
キャラの特色を出そうとしているのはわかるが、
表面上のキャラの特徴以外の記憶が残りにくく、
一人ひとりの掘り下げが足りてない印象だ。

踊るな

1話の曲はヒップホップだったのだが、
2話以降で練習で披露される曲はまさに合唱曲であり、
踊ったりするわけではない。
しかし、4話で合唱部として曲を披露する際には
また踊りだす上に曲も合唱曲とは思えないものだ。

踊りまくりで合唱として声が重なってるシーンも少なく、
せっかくそれぞれの声の特徴をいかした部員集めをしたのに、
そんな声の特徴が一切いきない高い音程の明るいポップな曲を
ノリノリなダンスとともにお届けされる。

結局、この作品は「合唱」というものをだしにしてるにすぎない。
やりたいことは男性声優をあつめたアイドルものだ。
TARITARIのような合唱アニメを求めてはいけない、
合唱という皮を被ったアイドルアニメに過ぎない。

合唱とは関係ないそれぞれのソロ曲などもあり、
アイドルアニメ的な売り方をしたいのはわかるが、
失敗してしまっている感じが強い。

ライバル校なども出てくるが、主人公たちの合唱と違って
きちんと合唱部らしい曲を歌っており、
ダンスもないため、主人公たちの合唱のほうが
劣って見えてしまう。

強盗

中盤を超えるとバラバラだった合唱部も形になってくる。
コミュニケーション能力に乏しく協調性がなかった
指揮者も彼らと関わることですこじつつ変わっていく。
オリジナル曲も出来上がり、大会に出場する直前という
状況で事件が起こる。

「強盗」だ(苦笑)
合唱部が練習していると唐突に強盗が現れる。
もはや意味不明でしか無い。

作画のクォリティも序盤はまだマシだったのだが、
この強盗回あたりから更にクォリティも落ちてくる。
特に9話はアップだらけで背景を映すだけのシーンも多く
最終話が延期したことも考えれば
相当制作がギリギリなことが見てわかる。

強盗という要素だけで意味不明なのだが、
そこに事件を嗅ぎつけた「迷惑系YouTuber」まで現れる。
ただでさえ意味不明なのに余計に意味不明だ。

強盗の立てこもりに巻き込まれた主人公たちは一体どうするのか。
いっておくが、この作品は能力バトル系アニメではない。
合唱部アニメだ。
彼らが強盗にどうやって挑むのか合唱である(苦笑)

犯人が本物か偽物かはわからない銃を顧問の教師につきつけているのに、
彼らは「犯人の気を引くぞ!」といいながら歌い踊りだす。
ちょっと意味不明すぎて頭痛がしてくるレベルだ。
一歩間違えば強盗が逆上して銃をぶっ放してもおかしくない。
それなのに彼らは歌い続ける。

指揮者も校長も警察でもないのに
強盗相手にガンガン迫っていく。
ツッコミどころが多すぎて8話の脚本のノリだけ
ぶっ飛んでいる。

この作品のシリーズ構成を手掛けているのは
「個人」ではない「川越学園文芸部」というものになっており、
各話の脚本もそんな「川越学園文芸部」だ。
おそらく複数の方が脚本を手掛けているのだが、
「個人名」を出したくないからこそこうなっているのだろう。

つまり脚本家が自身の名前を出すのを拒むレベルの脚本ということだ。
この強盗話は本当に白昼夢のような内容だ。

しかも迷惑系YouTuberはメインキャラの一人の父親であり、
事件をきっかけに炎上してしまい、
メインキャラの一人は引っ越してしまう。
ある程度掘り下げのあるキャラも居るが、
双子や途中加入な二人など、ほとんど掘り下げのないキャラも多い。

大会

11話からは大会が始まるものの、作画は終わっている。
12話の最終話は結局延期になったものの、
それを感じるほど中盤からどんどん作画のレベルが落ち、
11話などこの作品の最大の盛り上がりとも言える大会なのに、
作画は最低のレベルにまで落ち込んでいる。

制作を手掛けているevgは今作くらいしか情報がない。
おそらくは下請け、グロスの会社だとは思うのだが、
公式ホームページすらなく情報と呼べるものがないものの、
元請けできるレベルではない制作会社が、
元請けをしてしまったのがこの惨事なのだろう。

引っ越したメインキャラも再登場したりするものの、
転校してしまったがゆえに合唱部に戻ることもない。
一体何だったんだと思うような展開だ。

最初に歌う課題曲でミスしてしまったメインキャラたち、
ミスの理由は色々とあるものの、
そんな理由を指揮者は攻めるわけではない。
協調性とコミュニケーション能力がなかった彼の変化は
1クールでしっかりと描けているものの、作画は終わっている。

主人公

主人公は子供の頃に歌から逃げた経験がある。
そのせいで人前歌うことを怖がっている。
そんな彼のトラウマを乗り越えるエピソードが終盤描かれ
表題曲を歌って終わる。

結局、そんな表題曲でも「ダンス」はない。
オリジナル曲を作る中でダンスやらソロパートやら
色々と言っていたはずなのが、そんなのもなく、
サクッと終わってしまうあっけなさだ。

優勝こそできなかったものの、
俺たちの合唱部はこれからだ!で終わっているものの、
この作品は一体何だったのだろうと思う作品だった。

総評:脚本家が名前を出すのを拒むレベル

全体的に見て白昼夢のような作品だ。
1話から合唱部のはずなのにダンスでヒップホップな曲を歌ったり、
指揮者のキャラの強引な行動やセリフがひっかかったが、
ベタな部員集めストーリーを中盤までは展開している。

そんな部員たちも掘り下げ不足のキャラが多く、
中盤からの追加キャラの掘り下げはほとんどなく、
序盤から出てたITは途中で引っ越してしまう。
そこまでキャラが多いわけでもないのに掘り下げしきれてない。

中盤以降は脚本も迷走しており、
唐突に強盗が現れたり、迷惑系YouTuberがでてきたりとめちゃくちゃだ。
作画も序盤から悪かったが、中盤からは更に悪くなり、
終盤などガタガタだ、ギリギリ崩壊しないレベルでしか無い。

合唱を扱っているのに曲が合唱曲っぽくなく、
ライバル校などは変な歌詞ではあるものの
合唱曲らしい曲を歌っているのに、
主人公たちの曲はヒップホップだったりJ-POPのような
合唱曲らしさがない曲ばかりなのも意味不明だ。

結局、合唱部というのをダシにして
男性アイドル物をやりたかったのかもしれないが、
何もかもがメチャクチャになっている作品だった

個人的な感想:ひどい…

2023のワースト5に入りそうなレベルでやばい作品だった。
合唱ということでTARITARIを一瞬思い浮かべるが、
あちらがきちんと合唱というものを描いているのと違って
この作品は馬鹿にしてるのか?と思うほどレベルが低い。

やりたいことはわかるがまとまりがなく、
脚本家の名前も出さないレベルで色々な脚本家が
好き勝手に適当にやっただけのようなストーリーは
本当にひどい作品だった。

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