ステラ女学院高等科C3部

☆☆☆☆☆(0点)

ステラ女学院高等科C3部 評価

全13話
監督/川尻将由
声優/牧野由依,沢城みゆき,茅野愛衣,斎藤千和,米澤円ほか

あらすじ
高まる鼓動、膨らむ妄想…。 憧れていた「ステラ女学院」に入学が決まり、高校での新生活に胸躍らせる大和ゆら。 「もしかしたら…ここなら私、変れるかも?」 期待に胸を膨らませ寮の自室で横になると枕の下に「デザートイーグル」がっ…!! 女子高生!?C3部(シーキューブ)!!?サバゲー!!!? そんな青春サバゲーストーリーが今…始まる!

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サバゲーをすると幻覚、性格の破綻などを起こす場合があります。

原作は漫画な本作品、月刊ヤングマガジンで連載中だ。
アニメ化にあたりミリタリー監修としてエアガンメーカーの東京マルイが協力している
なおwikipediaにも記載されてる文を引用するが・・・

「物語や設定は原作を基にしつつもアレンジが加えられており、
ゆらの心理描写には原作より暗く重いものも盛り込まれている。
また、TVアニメ版は演出のため現実のサバイバルゲームにおけるルール・マナーに基づいておらず、
多くの相違点があるため注意が必要である。」

と書いてある通り、原作とはかなり相違点があるようだ。
この1文からは嫌な予感しかしない(苦笑)

基本的なストーリーは青春部活もの。
人付き合いが苦手な主人公がお嬢様学校である「ステラ女学院」に入学する
寮の自分の部屋にはいると枕の下に「銃」が隠されていた
彼女は存在も知らなかったサバイバルゲームの世界に足を踏み入れることになる
というところからストーリーが始まる

見だして感じるのは1人の声優さんが浮いている事だろう。
メインの6人のうち5人はきちんとした声優さんを使っており違和感はないのだが
1人だけ新人が混じっており、非常に違和感が出てしまっている。
序盤は他のキャラに比べてしゃべるキャラなので余計にヘタさが目立ってしまっており、
なぜ1人だけ新人が混じっているのか非常に謎だ。

緊張感が出なければならないサバゲーシーンでも間の抜けた声でしゃべるため
せっかくの緊張感をしゃべる度に台無しにする
普通の女の子の日常アニメならば新人でもよかったかもしれないが
「サバゲー」という緊張感が出るシーンのある作品で
緊張感のある演技が出来ない声優を起用してしまったことは残念だ。

ストーリー的には1話の段階では悪くはない。
なかば強制的にサバゲーに参加させられた主人公という立ち位置から学校の裏の森でサバゲーが開始される。
主人公は完璧に傍観者だが、サバゲーをよく知らない視聴者と同じ立ち位置で
サバゲーを見る様子は「サバゲーってこういうものなんだな」と感じることが出来るシーンだ
エアガンらしい「パスンパスン!」というちょっと気の抜けた音も
リアルな撃ち合いではなくあくまでもエアガンでの遊びという空気が出ており、悪くはない。

しかしながら序盤からキャラクターのセリフが謎だ。
例えば主人公がおにぎりを握る、それをサバゲーの先輩が食べる。
絶妙な握り加減が銃を握る感じと同じだと先輩は心の中で思う。
しかし、おにぎりの絶妙な握り加減=銃を握る感じと同じというのが全く伝わらない(苦笑)
更には「ギャグ」を言うシーンが有るのだが、そのギャグ自体も一切面白く無いのに
ギャグを言った後に妙な間が空き突っ込まずにシーンが変わる。

サバゲー中にもそんな間の悪さが目立つ。
主人公がサバゲー中に「妄想する」ようなシーンなあり、
せっかく緊張感のあるサバゲーシーンを描写しているのに妄想シーンで腰をおられる
妄想シーンがなければ熱いサバゲーだったのに、
決定的なシーンの前に妄想シーンが入るせいで素直にサバゲーシーンを楽しめない

そもそも演出が悪い。
キャラクターの動きは過剰な部分はあるものの、サバゲーで1番大事なはずの
「ヒットする瞬間」と「撃つ瞬間」の描写が甘く、
シーンによってはその瞬間が描かれないため銃を撃つ緊張感、
当たるまでの緊張感という演出ができておらず、キャラクターの動きと表情だけでしか緊張感がでていない
せっかくサバゲーをやっているのに銃を撃つ、弾に当たるという決定的なシーンの演出が弱いのは残念だ

フラッグ戦でフラッグととる瞬間が描写されないなどもあった、とる寸前で取った後の1枚絵に切り替わる。
なぜか、この監督は「決定的なシーン」をカットする傾向にあるようだ、意味がわからない。
どういう演出意図なのだろうか

話が進めば進むほどサバゲーが面白くなくなる。
ファンタジーの能力系のサバゲーならまだしも、
女子高生が壁走りしながら壁を蹴りあげ空中を回転しながら相手の弾をよけつつ撃つなんて
曲芸じみた芸当が描写されてしまう。キャラクターによっては残像が出るほど高速で動けたりもする
後半になると至近距離で撃ちあっても当たらないという意味不明な描写まで出てきて
サバゲーの本来の面白さが序盤のシーン以外でほぼない。

更に最初のライバルとの試合・・・まあこれが戦略性の欠片もない勝負模様で
1話や2話できちんと盛り上がりのあるサバイバルゲームをしていただけに、
まるで「試合模様を考えるのがめんどくさかった」と言わんばかりの中身の無いゲーム内容だ
敵のチームが強いというのは分かるが、その強さが手抜きの内容のせいで伝わらない

そんな手抜き内容の中で主人公が「手が震えるほど恐怖」する(笑)
この作品でやっているのはサバイバルゲームだ、弾があたって怪我をするわけでも死ぬわけでもない
主人公はそれまで試合を勝ちぬいてサバイバルゲームを何試合もやっていたはずなのに
今更恐怖するというキャラクターの心理描写についていけない

そんな恐怖の中で味方も全てやられてしまい一人になった主人公は棄権する。
勝ち目がないのだから当たり前だろう。
そんな逃げたヒロインに対しライバルキャラが
「何の覚悟もなくサバゲーをする、貴方のその態度とても不愉快、何のために戦ってるの
 あなたにサバゲーをやる資格はないわ」
と言い放つ(笑)

もはや笑う以外の反応は出来ない、学校の部活のサバゲーで覚悟が必要なのだろうか。
戦う理由というのも、ただの遊びではないのだろうか。資格なんてものが必要なんだろうか。
そんなライバルキャラのセリフに先輩キャラは同調する始末で流石についていけない。

やりたいことは分かるのだ。
引っ込み思案なヒロインがサバゲーで逃げ出してしまったという内容にしたいのは分かるが
その内容に説得力がまるで無い。
説得力がないのに「主人公が髪を切る」という決意までしてしまう。ついていけない。

サバゲーなのに覚悟?戦う理由?なにそれと多くの人が思ってしまうだろう。
これで特殊な世界観で「サバゲー」がこの世界観で重要視されているような設定ならまだ分かるが
登場人物たちのセリフからはそんな設定は感じられない。
サバゲーをやる人間は変態だみたいなことも序盤で言い放ってるので
現実と同じく
サバゲーはあくまでゲームのはずなのだ。

キャラの掘り下げも甘すぎる。
メインキャラも影が薄いキャラもおり、
そのキャラを掘り下げるようなエピソードもなく記号的なキャラでしかない。
敵のキャラも基本的に使い捨てであり、ライバルキャラ1人以外は掘り下げない
そもそもメインキャラでさえ掘り下げが甘いせいで話によってキャラクターがぶれまくる。
前の話で言っていたことと次の話で言っていることが違うキャラも多く、
ぶれまくるキャラクターに感情移入することは不可能だ

それが最も顕著に現れているのは主人公である「ゆら」だろう。
彼女は最初こそサバゲーを知らない素人で、そんな中でサバゲーの楽しさに触れC3に入ったが
中盤以降は人が変わったように「勝ち」にこだわる試合をする。
というより違う人なのだろう、髪型が変わった時点で別人になった

サバゲーは覚悟がないと駄目、他の人に命令して命令通りに動かいなら怒る。
怪我をした味方なんて無視、遊びのはずのサバゲーは必死に勝ちにこだわらなければ意味が無い
話が進めば進むほど主人公が感情移入できないキャラになっており、どんどん堕ちて行く。
主人公がいるせいで楽しかったサバゲーがギスギスしたサバゲーになっており、
その結果主人公自身が違反行為までする。

話が進めば進むほど主人公が嫌いになる
めんどくさく自分勝手で彼女の行動やセリフに苛立ちしか感じない
せっかく、めんどくさい主人公を周りがフォローしようとしても
彼女は自分勝手なのでフォローも無視して行動する。
その結果、彼女は部活をやめ他校のサバゲー部に入る、意味不明だ(苦笑)
更に、チームプレイではなくソロプレイばかりする彼女は他校のサバゲー部でもハブられる。
そして逆ギレ。

もう堕ちる所はないという所まで主人公を落とす。
さぁ、どうここから持ち上げるのか、どう主人公を救い上げるのか。
ここまで落したのなら、逆にどう救い上げるのかが重要なのだ。
今更普通の日常サバゲー部ものには戻れない

そのために先輩キャラや彼女のフォローしようとするキャラクターが居る。
彼女を探しまわるようなキャラも居た
誰が彼女を救うのか、どうやって彼女を救い上げるのか
ここまでストーリーを陰鬱した内容にしたのだからそれが重要だ

しかしながら、それすらもやらない。
彼女を説得できる先輩や友人がいるのに、それを一切使わず「幽霊」だ(苦笑)
「幽霊」自体は意味不明なファンタジー話で序盤に出てきたが、
そんなお遊びに近いファンタジー要素を主人公を救い上げるという重要な役目に使ってしまう。
説得力の欠片もない。
その結果、何事もなかったかのように元の鞘に戻っていく。

最後の主人公のセリフが「サバゲーやりませんか?」というのには悪意しか感じない
この作品を見て、この作品の主人公を見て誰がサバゲーを始めるのだろうか
エアガンメーカーのマルイがわざわざ協力しているのに
サバゲーの面白さが伝わらないサバゲーアニメというのはある意味すごい。
そもそも主人公が使っている銃がどんな特性の銃なのかすらも描写されない

全体的に見て監督は原作の漫画とサバゲが嫌いなようだ、じゃなければこんな内容にはならないだろう。
ストーリーが進めば進むほど説得力の書ける内容で平気でストーリーを進め、
視聴者置いてけぼりで主人公をどんどんと落としていく。
主人公が落ちた場所から這い上がってくる際にせめて説得力があれば
個々の話は別として、話全体としての説得力があったはずだ。

しかしながら、最後のチャンスの主人公を救い上げる展開も幽霊任せにしてしまい、
あれだけ陰鬱とした勝負にこだわったサバゲーをしたあとに
急に明るいサバゲーに代わっても意味不明なだけだ。
キャラクターの心理の変化が急激すぎて説得力がなさすぎる、本当にキャラの使い方が下手だ。

本当にこの作品で何がしたかったんだろう。いや、したいことは分かるのだ。
人見知りで控えがちな主人公がサバゲーに触れることで明るくなっていき、
先輩が自分のせいで怪我したことで勝負にこだわり、
勝負に拘るあまり自分を見失ったが、自分を取り戻し楽しいサバゲーをみんなでやる。

コレがやりたいことは分かる。
だが、その見せ方、そこまでに至る展開の説得力、意味不明なファンタジー要素、キャラ描写など
全てが意味不明な方向で絡み合っており、
結果として主人公の行動やセリフに感情移入できなく苛つくだけだ。

ここまで酷評できる作品も珍しい。
なまじ、序盤の1,2話は見れるだけにたちが悪い。
本当に3話あたりまではこのアニメを「楽しく」見れていたのだが
6話あたりから主人公の行動にむかつくだけのアニメだった。

評価できる部分・・・というのはどこだろうか。
声優さんも確かにベテランも多いのだが、1人新人が混ざってしまっており評価しにくく
作画も内容が内容なだけにいくら動いてもギャグにしか見えない
褒める部分が本当に見当たらない。
序盤の1,2話にはあったのかもしれないが、
それすらも忘れさせるほど中盤からの展開が酷すぎた

当たり前だが本作品は売れてない。
1巻は267枚、2巻は228枚とある意味で奇跡的な売上だ
こんな作品が売れるようであればアニメ業界はおしまいだろう(苦笑)
2期は確実にないが、それだけに原作が報われなさすぎる・・・

原作通りにアニメ化していればここまでの酷評にはならなかっただろう。
ネットのまとめ記事で見る限りだが原作はもっとゆるやかな雰囲気のようだ。
このアニメを見た後だと逆に気になって仕方ないのは私だけではないはずだ
せめて原作の売上が伸びることを強く願いたい。

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