帰宅部活動記録

評価/★★☆☆☆(35点)

帰宅部活動記録 評価

全12話
監督/佐藤光
声優/木戸衣吹,田辺留依,M・A・O,三澤紗千香,伊藤美来ほか

あらすじ
高校に入学したばかりの安藤夏希は部活での上下関係が面倒くさいと「部活動はしないで、帰宅部でいいや」と考えていた。しかしそれを聞いた夏希のクラスメイト・塔野花梨は「実はこの学校には『帰宅部』という名前の部活動がある」と彼女を部に紹介する。部長の道明寺桜以下の部員は「放課後から帰宅するまで、楽しく過ごす」ことをモットーとした活動をしており、夏希はこの「帰宅部」に流されるまま入部した。かくして夏希と帰宅部の部員たちによる、青春ダダ漏れ放課後タイムが始まるのであった。

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つまらないが面白い、笑えないが笑える。何この親近感。

原作は「ガンガンONLINE」で連載中の漫画作品
おそらくアニメ界初の「帰宅部」が題材の作品。

見だして早々嫌な予感しか居ない。
いきなり「アザラシの豆知識」から始まったかと思えば、
実写の杉の映像が流れてようやく本編に行く。
背景のモブは塗られていない状態で全く動かず、「このアニメは大丈夫なのか?」と感じる。

そして声優。
この作品の声優は「木戸衣吹」以外はほとんど
wikipeidaにページもないような新人さんばかりだ。
この作品がデビューの方も多く演技力の面ではかなり厳しい。
詳しく調べていないので確かではないが、
ほとんど事務所に所属していない「日本ナレーション」に通っている研究生だ。
第一声で「ひでぇ・・・」と思わず言ってしまった方もいる。

そんな声優が演じているためキャラクターのインパクトが薄い。
いわゆる記号的な萌えキャラで「この作品ならでは」のキャラクターがほぼおらず、
そこで声優さんによる味付けもないため、かなり厳しい。
特徴的なのは主人公が「アホ毛」が以上に長いくらいで
あとは他のアニメ作品で見たことのあるようなキャラクターばかりだ。

更にテンポ。
基本的なストーリーは帰宅部という名の部活動を中心にした日常ギャグ系に入るのだが、
その根本のギャグが滑りまくっている。
キャラクター同士の会話と会話の間のとり方が妙に悪く、
そのせいでギャグがギャグとして生きておらず滑りっぱなしになってしまっている。
どこで笑えばいいのかわからない、今のはギャグだったのか・・・?と、
間延びしたテンポの中でギャグを入れてくるため笑いに繋がっていない。

1話を見終わってこれほどまでに印象の悪い作品も珍しい。
なので私は見方を切り替えた。
この作品は駄作だ、B級だと割りきってしまえば、この作品は途端に見れるようになる。

力の入っていない作画、妙なテンポの取り方、滑りっぱなしのギャグ、
演技力の欠片もない声優、特徴のないキャラクター、
どれもこれも作品が面白くなる可能性を秘めていない。
全てがマイナスの方向に絡み合った作品は逆に笑えてくるのだ(笑)
ある意味で「駄作好き」にはたまらないアニメといえる

なにせ1話にしてネタが間延びしている、これはなかなか味わえないB級具合だ
同じネタを引っ張りまくっているためテンポが物凄い悪い上に1話1話が物凄い長く感じてしまう。
30分アニメなのに1時間アニメを見ているかのような気分なるほど
だらーっと会話劇を繰り広げながらギャグを入れてくる。
テンポが悪い中で演技力のない声優さんのセリフが聞こえてくるため
引っ張ったギャグやツッコミが一切光らない(苦笑)

これが5分アニメのようなテンポが早い中で怒涛のボケとツッコミを繰り広げれば
声優さんの演技の無さもごまかせて、笑えるネタも増えたと思うのだが
30分アニメの中でネタを引っ張りすぎてしまったため悪い部分が目立ちまくる。
本当にわざとやっているのかと思うほどつまらない。
おそらくわざとだろう、わざとじゃないとここまでズレてる感じは中々出ない

このしっくりこないズレた空気感に妙な親近感を覚えてこそ初めて「面白い」と思えるのだが、
親近感を覚えてくるのは中盤くらいだ。

ネタ自体は思い返せば面白いものもあるのだが、
そのネタやギャグが演技や演出のせいで笑えない「惜しさ」や
間延びした展開や引っ張りまくるネタなどの「テンポの悪さ」など
赤ん坊が初めて立ち上がり歩き出す姿を見守り、
つたなく歩く姿を微笑ましいと感じる度量の大きさが必要だ(苦笑)
そんな気持ちで見守っているとだんだんと愛着が湧いてきて、その愛着に作品も答えてくれる。

序盤でつまらないと感じたギャグやネタが後半で活かされて笑えるような展開が終盤では目立ち
「1話のあのネタをココで使ってくるか!」と思うようなネタやギャグをどんどんいれてくる、
1話から見守ってきたからこそ、1話では笑えなかったネタが、
終盤でもう1度そのネタが使われたことによるギャップで思わず笑ってしまうのだ。

そういった意味で「積み重ね」が必要な作品だ。
序盤の段階で見るのをやめた人も多いと思うが、赤ん坊を見守る気持ちで6話くらいまで見ると
この作品の楽しみ方が見えてくると言える。

全体的に見てお世辞にも面白いとはいえない作品だ。
はっきりいってしまえば駄作で序盤は見るのもきつい内容ではあるのだが、
話数を積み重ねると、このダメさ加減に妙に愛着が湧いてしまうのも事実だ。
決して面白くはない、むしろつまらないが、
そう思っている中で思わず「くすっ」と笑ってしまったりする場合も多く、
その「くすっ」と来る瞬間は次いつくるんだろう、それまでにどれだけ滑るんだろうか?と
つまらない中での楽しみ方や面白さが妙に際立っている作品と言える。

それだけに尺が圧縮されれば、つまらなさが隠され面白さがもっと目立ったのだろうとも感じる。
最初から30分枠ではなくミニ枠だったら、印象もだいぶ違った。
ただ逆に言えばミニ枠だったら、この妙な愛着はわかなかったかもしれない。
作品としての面白さはミニ枠にすれば上がったかもしれないが、
作品としての愛着感は30分枠だからこそ出ている。

個人的には最終話直前に新キャラが出る感じがB級っぽくてよかった(笑)
終盤になるに連れて作画が怪しくなるアタリもいい具合に駄作臭がして、
実写や絵コンテだけのシーンが有ったり、
作画やアニメという媒体でキャラクターが遊ぶようなシーンもあり
後半になるにつれてそういった「帰宅部」とは一切関係ない内容の数々が妙な笑いに繋がっている。

決して名作ではない、決して面白いとはいえない。はっきりいって駄作だ。
だが、駄作だからこその面白みがチョコチョコっと見える作品でもある。
チョコチョコっとしか面白みが見えないからこそ、その面白みを強く感じてしまう。
どこが面白いかと言われると説明しにくいのだが、何か面白い(笑)

決して人に進められるような作品ではないうえに
序盤から中盤までのつまらなさや、声優の演技という欠点が目立ってしまっているため
結果として評価は低めになってしまったが、
私個人としてはこの駄作感をぜひとも味わってほしいと感じる作品だ。