名探偵コナン 漆黒の追跡者

評価/★☆☆☆☆(18点)

名探偵コナン 漆黒の追跡者 評価

110分
監督/山本泰一郎
声優/高山みなみ,山崎和佳奈,神谷明,山口勝平,堀川りょうほか

あらすじ
東京・神奈川・静岡・長野で計6人が殺害される事件が起こった。どの現場にもアルファベットが刻まれた麻雀牌が残されていたことから、同一犯もしくは同一組織による広域連続殺人事件と認定される。警視庁で各県警の刑事を集めて合同捜査会議が開かれ、特別顧問として小五郎も参加する事になった。事件は麻雀牌の意味、6人目の犠牲者が残した言葉「七夕、きょう」の意味、被害者の共通点、犯人が被害者の所持品を1つずつ持ち去った理由と多くの謎を残していた。

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ウソ予告はやめましょう

本作品は名探偵コナンの映画作品、コナンとしては13作品目の作品だ。
なお、毛利小五郎を演じていた声優の神谷さんのコナン映画最後の出演、
更に今作のゲストは「DAIGO」となっている。

今回のコナンの映画は「黒の組織」が本格的に絡む映画として放映前から
話題になり予告編は非常に好評だった。
以下の動画をぜひご覧頂きたい。

コナンを見ている方ならお馴染みの黒の組織にコナンが捕まり、蘭が殺されそうになる。
コナンが好きならば思わずワクワクするような期待感を煽る予告編だ。
しかしながら、この予告編後編は本編ではまさかの夢オチで終わり
多くの視聴者の期待感を冒頭で裏切っている(苦笑)
この映画の内容があまりにも「薄い」ため予告で引っ張りたかったのは分かるが
こういったウソ予告は本当に悪質だ。

内容が薄くなってしまったのはキャラクターの多さも原因だ。
コナンは年々キャラクターが増え、メインのキャラクターだけでもかなりの数がいる。
映画ではそのメインのキャラを出すだけでも尺を取られるのに
今作ではサブキャラとも言える「地方の刑事」まで出す。
ファン向けなので多くのキャラを出したいのは分かるが、
出す必要性を感じないキャラクターも多く、明らかに捌ききれてない。

多くのキャラクターの中に「黒の組織」のメンバーが変装しているという設定なのだが、
そのせいでメインとなるキャラクターの描写が不足し、
どのキャラも中途半端な描写になってしまっている。

肝心の連続殺人の方法も「トリック」と呼ばれるものはなく、
ただ連続殺人の遺体のそばに麻雀牌があり、その謎をとくだけで
その謎自体も特に面白いというわけではない。
操作を撹乱するために麻雀牌を置くというものだったが、
それが犯人につながるというわけでもなく、ただ「尺稼ぎ」のための謎解きだ
凝り過ぎた麻雀牌の謎はちょっと強引だ。

麻雀牌をエレベーターに見せかけるのはまだ許せるが、
麻雀牌の裏に書かれた英語が北斗七星の中の星の名前で
その星の配置通りの場所で殺している(苦笑)
死んだ恋人が星を見るのが好きで特に北斗七星が好きだったからそんな殺し方をしたらしいが、
あまりにも強引で凝り過ぎた謎は面白みというよりも苦笑しか出来ず、
尺稼ぎにしか見えない。

肝心の犯人もいかにも犯人という「DAIGO」演じるキャラがおり、
実は真犯人が居ますよーという物凄い分かりやすい犯人のすり替えだけの展開だ(苦笑)
殺害方法の証拠から犯人を割り出すなんてことはせず、
ただただ麻雀牌に撹乱される無能な警察が描写され、
キャラ描写が浅いせいで真犯人の動機も微妙で、証拠も「?」となる感じだ。
コナンが推理しなくても解決できそうな事件だ。

黒の組織、サブキャラ、メインキャラ、映画オリジナルキャラと
多くのキャラクターを描写するのに必死で
「名探偵コナン」というサスペンスアニメで肝心の「トリック」や「事件の面白さ」という
根幹を見失ってしまっている。

根幹のストーリーも冒頭から最後まで黒の組織が頻繁に出ており、
コナン=新一の真実を探るキャラクターも現れ
「もしかしたら正体がバレるかもしれない」という緊張感はあるものの
そんな緊張感は前半までで、後半からはダイ・ハードもびっくりなアクションシーンばかりだ。
肝心な事件やトリック、謎が陳腐なため、そのアクションシーンの盛り上がりについていけず
アクションシーンもかなり強引だ。

「黒の組織」という謎の組織、正体がバレたり取引を見られたら殺されるような組織なのに、
そんな黒の組織が東都タワーめがけて武装したヘリで銃撃する(苦笑)
首都高でタイヤをスナイパーが撃ちぬくくらいならまだ理解できるが、
いくら、色々裏で融通のきく組織だからって
ヘリで堂々とタワーに向かって銃撃するという目立ちまくりな行動は納得出来ない。
映画として派手な盛り上がりシーンがほしいのは分かるが、あまりにも強引な展開だ。

黒の組織のメンバーが変装していたのも、ちょっと大物過ぎて説得力がない(苦笑)
色々な地方の刑事を出してその中に居るならまだしも大物にあえて化けていた理由が納得しかねる。
事件を指揮する立場の人間に変装というのは無茶がありすぎる感じだ、
更に監禁されていた大物も「カブトムシにシール」を貼って助けを求めるというわけの分からなさw
あまりにもいろいろな部分に突込みどころのある作品だ。

全体的に見て「名探偵コナン」の名探偵部分がなければ納得できる作品だ。
尺稼ぎのための遠回しな謎、こじつけ気味の謎解き、
派手なアクションシーンがほしいだけの強引過ぎるアクションシーンと
真剣に見れば見るほど設定の滅茶苦茶さが目につき、
ストーリーの浅さを感じてしまう作品だ。

その決定的なのは蘭だろう(苦笑)
彼女は空手がものすごく強いという設定ではあったが、
目の前で拳銃で撃たれて・・・普通に避けるw
少し頬をかするくらいならまだ納得できたが、髪に当たったぐらいで普通に避けている。
武装ヘリで銃撃といい、無茶苦茶すぎるアクションシーンだ

年々クォリティの下がっている名探偵コナン。
映画としての派手さを求めるあまりストーリーがおざなりになっているのは残念だ
ファンならば楽しめる作品だろうが、深いファンでない限り納得出来ない作品だろう