ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE

評価/★★★★☆(66点)

ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE 評価

107分
監督/亀垣一
声優/栗田貫一,高山みなみ,小林清志,山崎和佳奈,浪川大輔ほか

あらすじ
ある日、米花町の銀行の金庫で厳重に保管されていた宝石「チェリーサファイア」を頂くという予告状が警察に届いた。差出人はなんと、怪盗キッドではなくルパン三世だった。銭形警部は、目暮警部とタッグを組んでルパン逮捕に乗り出すが、チェリーサファイアは見事ルパンの手に渡る。その後ルパンはアラン・スミシーという謎の男に連絡を取った。一方、日本で海外の人気アイドル・エミリオが来日し、少年探偵団はエミリオに釘付けになるが、コナンはかつてヴェスパニア王国の事件捜査でコナンと手を組み、エミリオのボディーガードになっていた次元大介の姿を見つけ、コナンはルパン一味が何かを企んでいると睨む。そんな時、エミリオ宛に脅迫状が届く。だがそれは、大きな事件の、そしてルパンとコナンの対決の幕開けに過ぎなかった。

スポンサーリンク

灰原哀ファン必見、彼女の口からあの台詞が出るとは!

本作品は2009年にTVスペシャルで放映された「ルパンVSコナン」の続編的な劇場版
基本的に続編なためTVスペシャルを見ていないとついていきづらい上に、
ルパン、コナン両方の登場人物が頭に入っていないと楽しみきれないだろう

基本的なストーリーはアクション。
怪盗キッドがいつものように宝石を盗み出したある日、
怪盗キッドが警察の手を掻い潜り逃げる中、コナンだけが怪盗キッドに追いついた
しかし、車で逃げるキッドの中から「石川五右衛門」が現れコナンのスケボーを真っ二つにした。
ルパンの目的とは・・・・?というところからストーリーが始まる

見だして早々激しいアクションだ。
コナン映画ではもはや「伝統芸」とまで言いたくなるほどお馴染みのスケボーアクション、
今回はコラボであるため若干控え気味ではあるものの、
スケボーで水の上を走り、機雷をよけ追いかけまわる姿はこれぞコナン映画と感じるほど
素晴らしいスケボーアクションだ(笑)

更にストーリー的にも序盤から「怪盗キッドに変装するルパン」という
コナンとルパンのコラボ作品だからこそあり得るストーリー展開は
序盤から一気に映画の世界観に引きこまれる。
オープニングではコナン映画ではお馴染みのキャラ紹介と簡単なストーリー紹介を
「コナンはルパン側のキャラ」を「ルパンはコナン側のキャラ」を紹介する
面白みはコラボ作品ならではだろう。

序盤からルパンサイドとコナンサイド、両方のキャラクターのストーリーをテンポよく展開し
それが徐々に交じり合っていく展開は素直に面白い。
特にルパン側のストーリーは最近のTVスペシャルではすっかりと描写の数が減った
「盗み」のシーンの描写が徹底している。
オープニングでは怪盗キッドに化けて宝石を盗み、序盤は金庫から宝石を盗む。
これぞルパンという宝物を盗んで逃走するというシーンをおもしろおかしく描いており、
久しぶりにルパンの面白さを味わったような感覚だ。

特に逃走劇はうまい。
コナン側のキャラクターである「佐藤刑事」、彼女は過去のコナン映画でルパンを初恋の人と言っており、
そんなコナン映画の設定をこの映画でも上手く生かし、
銭形警部と共にルパンを捕まえる役になる展開は思わず「そうきたか!」と思う展開だ。
彼女が必死でルパンを追いかけ何度か捕まられそうになるのだが、
それを「ルパン」が「ルパン」らしく回避していく様はルパンならでは面白さだろう
ルパンの面白さとコナンのキャラクターの設定をうまく活かした内容だ
またコナン映画特有の「寒いラブコメ」も、コラボということで寒さを上手く笑いにしている。
くさいセリフの後に笑えるような内容になっているのはコラボならではだろう

更にギャグも多い。
銭形警部の渾身のギャグやアガサ博士のお約束ギャグといったものや、
石川五右衛門が「少年探偵団」に見つかってしまったり、
TVスペシャルからの設定である「次元とコナンの親子」設定などを使い
一人ひとりのキャラクターをほんとうに上手に使っている。
上手に使っているからこそ目まぐるしく場面が変わっても、
その場面場面でキャラクターが活き活きとしているため見ていて面白く笑える内容になっている

そして「VS要素」。
前作ではVSと謳っておきながらVSらしい内容はあまりなかった印象が強いが、
今作は協力しつつも、きちんとコナンがルパンを捕まえる手立てをいくつか用意しており
それが終盤で「本当に捕まりそう」と思う寸前までのところに行く展開は
VSとつけておいても問題ないくらいになっており、前作の不満を見事に解消している部分といえるだろう。
ただもっとがっつり戦ってもいいんじゃないかと思う感じは残る人もいるかもしれない。

更に協力ではなくVSだからこそ「敵」を追い詰めるためにそれぞれが画策している。
ルパン側がルパンらしく敵を追い詰め、コナン側はコナンらしく犯人を追い詰めた結果、
終盤で同じ場所でコナンとルパンと敵が対峙する。
ここまでのストーリーの流れは素晴らしく、
テンポの良さもあり思わずどうなるんだろうという期待感を煽られた。

しかしながら、終盤でやらかしてしまった印象が強い。
それは「TVスペシャル」のストーリーと設定をあまりにも引きずってしまっている点だ。
前作のTVスペシャルを見ていないと今回の敵の目的や
ルパンとコナンが何故助かったのかがよくわからなくなってしまっており、
更に言えば前作を見なおさないと忘れてしまっているような設定を
今作まで引きずってしまっているため終盤で「?」となる人は多いはずだ。

公開前に前作が再放送されてはいたが
TVスペシャルが2009年だったことを考えると覚えている人は少ないだろう
私も見ながら、TVスペシャルの記憶を何とか思い出しストーリーを頭のなかでつなげ
見終わった後に調べて「あ、そういえばそういう設定だった」とようやく理解できたくらいで
この作品単独だけではストーリーがきちんと理解できないというのは残念な部分だ

全体的に見てコラボ作品としての面白さは前作以上だ。
ルパンとコナンの要素とキャラクターを上手く活かしたストーリー運びとテンポの良さ、
更にルパンならば盗みのシーン、コナンならばスケボーやとんでもないアクションと
それぞれの作品の大事な部分をうまく膨らませストーリーに取り込んでおり、
それがテンポよく展開するため2時間あっという間に過ぎてしまう作品だ。

しかしながら、根本のストーリーが前作を見ていないとわかりづらく
ルパンのやり方もコナンと戦わせるために若干周りくどい感じになってしまっており、
「え?なんでわざわざルパンそうしたの?」と思うところがある。
あくまでもコナンと戦うためのルパンの行動のようにも思えてしまったのは残念だ
ついでに言えば中盤でのコナンの無謀アクションはあからさまに
「盛り上げるシーン」を作りたいためのわざとらしい強引な展開に見えてしまった。

ただその3点を除けばルパンらしくもありコナンらしくもある見事なコラボ作品だ。
特にキャラクターの使い方は「ルパンのTVスペシャルも見習えよ!!」と
2013年のTVスペシャルを見た後だと強く実感してしまうほど上手く使っており、
コナンとルパンがコラボしたからこそのキャラ同士の「セリフ掛け合い」の面白さは
両作品が好きならば思わずニヤニヤっとしてしまう所だ。

特に・・・いや、これは私の個人的過ぎる感想かも知れないが
峰不二子と灰原哀の絡みは本当に良かった。
2つの作品のメインヒロインが台詞の掛け合いをし、
そして最後に灰原哀が峰不二子の「有名なセリフ」を拝借するシーンなど
私はあのシーンだけで「見に来たかいがあった」と思ってしまったくらいだ(笑)
灰原哀のファンならばこの映画はいろいろな意味で必見といえる

更にエンドロールの後のストーリーとその後のおまけ。
最後の最後まできっちりと「ルパンとコナン」のコラボを味わせてくれた作品だった。
もちろんある程度「コナン」のキャラクターの知識がないとついていきづらい。
ルパン側がメインキャラだけだが、コナン側がメインキャラだけではなく、
今作では結構細かいキャラクターも出ており、コナンのアニメや漫画を結構見ていないと
忘れているようなキャラクターも出ているため、
ある程度両作品、特にコナン側の知識は必要かもしれない

ある程度の知識は必要なもののルパンのTVスペシャルの質がドンドンと下がっているだけに
このコラボ作品が恒例化しないかなと思ってしまうくらい完成度の高い作品だった
そう感じるほどこの作品は見ていて楽しく、キャラクターが生き生きとしていた作品だった。

コナンファンならばぜひ見て欲しい作品だ。
ルパンファンも声優が変わっており、近年のルパン単独のTVスペシャルは無い方がマシなくらいの駄作だが、
この作品は私個人としては久しぶりに「ルパンらしい要素」を味わえる作品だった
久しぶりに五右衛門の剣技もしっかりと見せてもらった気がするのは気のせいだろうか・・・w

ウソ予告で次回作の予告もあったが、
それに少し期待したくなるほど、このコラボ作品が今後も見たいなと感じられる内容だ
少し興味があるが見に行くか迷っている方は、見に行くことをおすすめしたい
期待しすぎてはいけないが「思った以上」に面白い作品だった。

スポンサーリンク