名探偵コナン 11人目のストライカー

評価/★☆☆☆☆(12点)

名探偵コナン 11人目のストライカー 評価

110分
監督/静野孔文
声優/高山みなみ,山崎和佳奈,小山力也,山口勝平,松井菜桜子ほか

あらすじ
現役プロサッカー選手が指導を行うサッカー教室に参加したコナン達。そこで小五郎は、大学時代の後輩の榊良輔と再会し、少年サッカーチームのスポンサーである本浦圭一郎を紹介される。本浦は病死したばかりのサッカー好きの息子の知史のことで心が癒せずにいた。

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真面目かっ!

本作品はコナンとしては16作品目の映画作品。
本作は「Jリーグ20周年記念プロジェクト」とのコラボレーション作品となっており、
三浦知良(横浜FC)、遠藤保仁(ガンバ大阪)、楢崎正剛(名古屋グランパス)、
中村憲剛(川崎フロンターレ)、今野泰幸(ガンバ大阪)の5人がプロサッカー選手が
作品内に登場し本人たちが演じている
更には小学館創業90周年記念作品という肩書きが2つも乗っている作品だ

基本的なストーリーはサスペンス・アクション。
コナンたちがサッカーの試合を見ている最中に、探偵事務所に電話があった
その電話の犯人は探偵事務所の前の車を爆破し、次の爆破予告をした
だが、その予告は暗号になっており・・・というところからストーリーは始まる

序盤から実際の「サッカー選手」がでて、その選手たちが「演技」をしている。
このシーンが少しならば問題はないのだが、結構眺めの尺で
「素人の演技」を聞くのはかなり辛い。
スポーツ選手に演技力などは求めていないが、ファンサービス的な面から考えても
かなりの「長尺」で素人の演技を聞かなければならないのは辛かった。

正直言って、ものすごい下手だ。
音響監督さんは実際のサッカー選手だからと何も言えなかったのかもしれないが、
もう少しなんとかならったのだろうか(苦笑)
特に映画という場所で音の大きい環境を考えると
映画館で見ていた方はあの長い素人演技のシーンはきつかっただろう

しかしながら、「キングカズ」こと三浦知良さんの演技は以外に普通だった(笑)
彼とコナンとのシーンはコラボレーションらしい内容で、
コナンのサッカー好きもよく描写されていた。
この「キングカズ」とコナンの関係が犯人の動機の伏線になっていたのも
ストーリー的にきちんとした作り方をしており、
突っ込みどころの多い「映画のコナン」からはちょっと逸脱した作品といえるだろう

いや本来コナンという作品は探偵アニメなのだから、これがまともなのだ。
だが、ここ数年のコナン映画は探偵アニメではなく、
ダイ・ハードもびっくりなアクション映画だった。
私はコナンの映画を見る前にいつも「ギャグアニメ」を見る気持ちで見始める。
だが、そんな心構えをいい意味で本作品は大きく外してくれた

更に序盤からいつものコナンらしいアクションシーンの連続だ
序盤ではスケボーを使って大ジャンプ(笑)
サッカースタジアムの外郭の鉄骨という、危険度外視な部分を
スケボーで華麗に駆けまわり、鉄骨をくぐり抜けながら走り回る姿は
もはや爆笑以外では表現できない。
ただ、今回は流石に我に返ったのか「スケボーからコケて気絶する」というシーンがある。

ただ、別に「別にこけなくても良かったんじゃないか?」と感じる部分でもあり、
超絶アクションをやりきったほうがアクションシーンとしては
貫き通している感じがあるはずだが、中途半端にコケてしまったため
すっきりとしない部分があった

さらに言えば派手さ。
確かに序盤のスケボーシーンは派手で、爆破シーンも多いのだが
淡々と進んでしまった印象がある。
特にラストの少年探偵団によるボールのパスシーンは
「爆弾を止めるのにサッカーボールが必要、パスしないと間に合わない」
というシーンなはずなのに、えらく悠長にパスしてしまって緊迫感が途切れてしまった

緊迫感のあるシーンでテンポを崩すというのは
見ている側の緊張やワクワク感を盛り下げる結果になってしまった。
「爆弾を止めるシーン」も伏線を生かしているのはわかるが、
ボールの蹴り方をコナンが復唱しながら蹴るなど悠長にもほどがあった
作品全体としてシーンのメリハリの付け方、緊張感の持続がなっておらず
せっかくのラストの盛り上がりでテンポが悪いのは低い評価につながってしまった

更に説得力のなさ。
今回の犯人は「爆弾」を使うのだが、サッカー場の電光掲示板を爆破するという最初の犯罪でさえ、
「爆弾の設置」はどうやったんだ?と突っ込みたくなるほどの難所に設置しており
その設置の量も尋常じゃない(苦笑)
更にその次に10個のスタジアムにまで爆弾を仕掛けている、もはやプロの犯行だ
これで犯人が爆弾に長けたプロの仕業とかならまだ納得できるが
Jリーガーになれなかったただのバイク屋の店員だ(苦笑)

尋常じゃない量の爆薬の入手、尋常じゃない量の爆弾の設置、
犯行動機やストーリーはそこまで問題ではないが、
犯人の行動の数々の説得力のなさは異常だ。

全体的にまじめに作られすぎた作品だ。
Jリーグ20周年記念プロジェクト」とのコラボレーション作品なだけに
突拍子もない展開はできないサッカーと探偵物をきっちりと絡めた作品を作ろうという
制作陣の真面目な意気込みが感じられる

しかし、そういった真面目さは感じるのだが逆に「いつものコナン映画」の面白さはない。
派手すぎる、ありえないアクションシーンは少なめ、
ストーリーも真面目にコラボであるサッカーという要素を随所にいれており、
そのせいでサッカーにあまり興味が無い人にとっては微妙、
死者数も0という何とも「コナン映画」としては地味な作品に仕上がってしまった。
あんだけ爆発してるのに死者数0は・・・w

個人的には期待はずれもいいところだった。
私がコナンの映画に期待しているのは「想像できないようなありえない展開」であって
まじめに作られた映画など全然期待していない(笑)

コナン映画に求めているのは
「ありえない展開」「推理ほとんどしない」「犯人の動機がいかれてる」
など、独特の面白さを秘めており私は違った意味で大好きなのだが、
本作品は本当に期待はずれだった。

真面目にコナンのアニメ映画として評価しても、
地味なトリックや犯人の動機、アクションシーンの少なさなどは厳しい反面、
コナンにありがちな「恥ずかしいシーン」は少なく見やすくはある。
ストーリー自体もきっちりと練られておい以外にいい話が多いのも特徴だろう

しかし、死者数が0なのに爆破だらけというなんだか矛盾した感じがしており
死者数0なのはやはり「Jリーグ20周年記念プロジェクト」とのコラボで
サッカー場で死者を出す作品はまずいと思ったのかもしれない。

「Jリーグ20周年記念プロジェクト」とのコラボ、「小学館創業90周年記念作品」
という2つの要素が、本作品をいつものコナン映画ではなく、
真面目なコナン映画にしてしまった感じだ
コナンファンなら見てもそこそこ楽しめるのだろうが、
死者数0という事件で「推理」や「トリック」などのミステリー性は薄く、
いつものようなとんでも展開などが無いためコナンファンでないならば楽しみづらい作品だ