頭からつま先まで中途半端で出来ている「バチカン奇跡調査官」レビュー

2017年10月22日

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評価 ★★☆☆☆(29点)全12話

あらすじ キリスト教、カソリック信仰者の聖地・バチカン市国。その中に、世界中から寄せられてくる『奇跡の申告』に対して厳密な調査を行い、真偽を判別する機関がある。引用 – Wikipedia

頭からつま先まで中途半端で出来ている

原作は角川ホラー文庫で出版されている小説。
監督は米たにヨシトモ、制作はJ.C.STAFF。
基本的に原作小説を素にした漫画版をもとにアニメ化しているようだ

見出して感じるのはノリノリなOPだろう。
江原正士さんによるナレーションと
ちょっとリンクホライゾンっぽい(リンクホライゾンではない)曲のOPは
独特なハイテンションなノリを感じさせ、タイトルからは想像し難いOPだ。

ただ、ややテンポが早い。
会話がかなり詰め込まれており、声優さんたちの演技もやや早口で、
1話30分のアニメなのだが15分や5分の短編アニメのような
早口とセリフ量はやや把握しにくい。

展開も非常に早くこちらがキャラクターの名前や話、世界観などを
頭で整理する前に話がどんどんと進んでいく。ちょっとこのテンポの速さはきつい。
ジャンル的に所謂「ミステリー」であり、
そんなミステリーが詰め込みまくりのテンポで展開されると、
キャラクターの名前を覚える暇もない。

ストーリー的には「バチカン」に務める主人公は神の御業である奇跡が
本当に神の起こした奇跡がどうかを調査する仕事についている。という感じだ。
ちょっとジャンルも内容も違うがドラマの「TRICK」に出てくる霊能者を
奇跡に変えれば分かりやすい。

ただ、やりたい事は見ている側に伝わるのだが詰め込みすぎだ。
1話の時点で「2つ」の奇跡を主人公たちが調査しており、
冒頭では謎の奇跡を描いたかと思えば、序盤では処女受胎の調査に赴いている。
そうかと思えば殺人次元が起き、マリア像が泣き出す。
忙しいどころの騒ぎではない。

キャラクターの名前も複雑なので余計に「状況把握」がしづらく、無駄に多い。
1話で名前の出て来る登場人物はなんと「16人」だ。
名前を覚える前に死ぬキャラクターも多いため、死んでも誰が死んだかわからない。

もっと丁寧に描けばそこまで難しい内容や状況ではないのに、
あまりにも速いテンポがまるで「ダイジェスト」のようにしてしまっており、
見ていると単純に疲れる。

カメラワークもちょっと最悪だ、酔う。
なぜかキャラクターを移しながらカメラが右回転してぐるぐるしたり、
斜め45度くらいの角度で写したりと、
アクションシーンなんてないのにこのカメラワークは
見ている側を酔わせるためのものなのか?と思うほどの悪意を感じる。

会話のセンスもかなり独特だ。
男性主人公が2人という状況なので少なからず「BL」的要素があり、
いわゆる耽美な雰囲気が漂っている。
その要素は好みの問題なので見る人によって違うとは思うが、
台詞回しがちょっとゾワゾワっとする感じだ、例えば・・・

「顔でも洗います、いつっ!」
「どうした?」
「あまりにも冷たくて痛いくらいでした」
「全く君ってやつは・・・」

というような感じの会話だ(笑)
2人の顔の距離感が異常に近いことも多く、2人のポージングや構図など
いわゆる「狙った」シーンも多い。

話が進んでくると何がやりたいのかわからなくなってくる。
最初は「奇跡」で殺人や犯罪を犯す人を暴くミステリーサスペンスかと思ったのだが、
そういった謎解きを楽しむのは難しい。
ストーリー展開が早いためこちらが推理する前にキャラクターが謎を解いていく

もう少し丁寧に描けば面白そうだなと感じる点は多い。
だが、まるで流れ作業のように詰め込んで速いテンポでどんどんと進めてしまうため、
キャラクターへの感情移入やストーリーへの理解が追いつかず、
結局「雰囲気」で察することしか出来ず、雰囲気しか楽しめない。

更にこの作品は最悪だ。
さんざん詰め込まれたストーリーと速いテンポは物語をある程度描くために
仕方なくだと私は思っていた。1クールで物語がスッキリと終わるならば
この詰め混み具合も納得できただろう。
しかしながら、この作品はびっくりするほど中途半端な所で終わる。

最終話が終わった後に「え?コレで終わりなの?」と思わず思うほど
全てが中途半端であり、まるで分割2クールのような終わり方だ。
この歯切れの悪さは低評価に繋がった。

総評

全体的に見てアニメーションとしての出来栄えが悪い作品だ。
原作は面白そうに感じる要素は多く、設定や世界観、ストーリーは決して悪くはない。
キャラクターはややBL臭が漂っており好みが分かれる部分はあるものの、
クールな神父と少年のような神父の組み合わせは女性受けは悪くはないだろう。

だが、アニメーションとしてのストーリー構成でまず詰め込みすぎており、
そのせいで大量のキャラクターを把握しきれず、
速いテンポで話がどんどんと進んでしまい視聴者を置いておいておけぼりだ。

奇跡や悪魔などのオカルティックな要素を利用した殺人と
それを推理し解き明かす神父コンビという良さをきっちりと感じられない。
結局、最終話までも見てもスッキリとしない部分が多く、
見終わった後に妙なモヤモヤ感だけが残ってしまうような作品だ。

カメラワークや演出など正直「見づらい」部分が非常に多く、
特にカメラワークに関してはちょっと酔うレベルの動かし方だ。
多々起こる殺人事件もわりと過激な殺され方をしているのだが、
直接的な描写を避けているせいで残虐性が伝わりづらい。
1番厄介なのは「画面が暗すぎてよくわからない」シーンも多い所だろう

原作の面白さは伝わる、だが、その原作の面白さを100%アニメで表現しきれておらず
結局、やりたい事が分かるが微妙な印象のまま最後まで終わってしまう。
2クールくらいの尺をしっかりと丁寧に描けばもっと
面白くなりそうな作品だっただけに残念だ。

個人的な感想

個人的にな内容自体は好きな部類の作品なのだが、
やや引っかかる台詞回しや謎解きさせないテンポなど、
好きな部類の作品なだけにいちいち引っかかる部分があったのが残念だ。
大量の登場人物が居たが私が今覚えているの主役の二人の名前くらいだ(苦笑)

売上的には1304枚とギリギリ爆死レベルラインだ。
2期の可能性はかなりうすそうだが、原作やマンガの売上はやや伸びてるらしい。
そりゃああんなに中途半端に終わってしまえば続きが気になる人がいるのも納得だ。

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