中二病でも恋がしたい!

評価/★★★☆☆(43点)

中二病でも恋がしたい! 評価

全12話+TV未放送1話
監督/石原立也
声優/福山潤,内田真礼,赤﨑千夏,浅倉杏美,上坂すみれほか

あらすじ
富樫勇太は中学時代に「ダークフレイムマスター」になりきり呪文「闇の炎に抱かれて消えろ!」を唱えていた。同じ頃、小鳥遊六花は暗黒面に染まりつつあった。

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ま、まさか、ドラグスレイブだと?!

原作はライトノベルな本作品
京都アニメーションが制作するということで話題になった作品だ

基本的なストーリーはラブコメ。
主人公は中学校時代、ダークフレイムマスターを自称する中二病だった
そんな中二病から目覚め様々な恥ずかしい行動を思い返しつつも
まともな高校生活を送るために少し離れた高校に入学した。
そんな入学前日、ベランダにいると上の階から眼帯をした少女が降りてきた所からストーリーは始まる。

序盤のストーリーは典型的なラブコメに近い。
突然主人公の上の階に「中二病の少女」が引っ越してきたことにより、
主人公は色々とその少女の厄介事に巻き込まれるという感じだ。
ただ、普通のラブコメと違うのは「中二病」要素が随所にある

ヒロインである「六花」は高校生になっても中二病が抜けず、何かと主人公に絡んでくる。
自らが卒業した「ダークフレイムマスター」をえぐるように目の前に美少女の中二病がおり、
卒業したがゆえに卒業しきれない彼女のことが気になる。
放っておけないヒロインとなし崩し的に一緒に行動し会話を交わす。
序盤はそんなヒロインの可愛さと主人公のツッコミをを楽しむ感じだろう

ヒロインである六花は中二病ではあるが、反応が可愛らしく
主人公にいじられて泣き顔になったり困り顔になったりと表情豊かに描写される。
彼女は常時中二病ではあるのだが、ふとした時に見せる「素」の反応が非常に可愛らしく、
中二病と素の可愛さを交互に上手く描くことで「六花」というキャラクターの魅力を深めている。

更に主人公。
主人公は元中二病だ、しかもかなりの重度な中二病から抜けだした猛者だ。
彼の過去が六花の中二病が描かれる中で回想として描かれることで
見ている人の中の「中二病」の記憶をふつふつとよみがえらせるだろう。
妄想に浸ったり、ファンタジーな設定を現実に持ち出したりと、
誰しも(?)経験ある中二病の数々はいわゆる「あるある」ネタのような面白さも生んでいる。

更にストーリーが進むともう一人の中二病も現れ、
見ているこっちが恥ずかしいくらいの中二病を描写しまくる(笑)
一人だけなら、主人公に感情移入しつつ中二病なヒロインを可愛く見れるのだが、
もう一人追加されることで主人公のツッコミが追いつかないほど中二病ワールドを描写する。
そんな中で更に元中二病まで追加され、
「見ていて恥ずかしくなるほど」の中二病だらけになる。
キャラクターは基本的に可愛らしく見ていて愛らしいだが、はっきりいって痛い(笑)

そんな痛さを全開に描写しているのが「妄想バトル」だ。
現実ではただ「お玉」と「傘」で喧嘩しているだけなのだが、
中二病目線から見れば具現化系特殊武器によるファンタジーな戦闘シーンになり、
技名を叫びながら全力で戦っている(笑)

この妄想バトルの作画は流石京都アニメーションというべき作画能力の高さで
バトルファンタジーアニメもびっくりな戦闘シーンだ。
妄想の激しい戦闘と現実のチンケな対決描写と交互に描かれることで強い笑いになっている。
前半は一言で言ってしまえば「明るく楽しい中二病ラブコメ」といったところだろう

しかし、後半からかなり作品の印象が変わる。
タイトルの「中二病でも恋がしたい」通りにヒロインが主人公に恋をする。
それは別にいいのだが、前半の「痛い中二病が巻き起こすストーリー」ではなく、
後半からはシリアス展開も増え、各キャラクターの登場バランスが崩れる。
せっかく良いキャラクターが揃っているのに
メインの中二病の恋の行方を描くことに必死で面白さと描写がついてきていなかった

若干ネタバレになってしまうが、
ヒロインの「中二病」には、そうなってしまった理由がある。
ある意味、それは現実逃避に近く、彼女にとって「中二病」は自分を守る術になっている
私個人としてはここで「中二病ってそういうものだっけ?」という
それまでわずかながら感じていた疑問をより強く感じてしまった。

ヒロインが中二病になった理由に変に重いシリアス要素を付けてしまったため
前半の笑える中二病から笑えない中二病になってしまっており、
「中二病」というのを作中でどう描写したいのかブレてしまっている印象を受けた
1クールである程度の物語を完結させるために若干無理にシリアス展開にしてしまっていた

ただ、そのシリアス要素を残り超えヒロインが「中2病」を卒業してからの
ストーリーは秀逸だ。
彼女が普通の女の子のように、普通どおりに過ごそうと努力する様は無理をしており切ない。
普通の女の子を振る舞う彼女の努力が見ている側に痛いほど伝わってくる

もう一人の中二病「凸森」は特にその変化についていけない。
彼女の最後の「妄想バトル」は痛々しいほど悲しく、
彼女自身の状況の変化に対応できない心情をよく描写しており、
その後の涙、そして彼女自身の変化も衝撃だ。

そして最終話。
はっきりいって詰め込みすぎなほど色々なことが巻き起こるのだが
最終話にして「この作品らしい」面白さ、
そして今までのシリアス展開をすべて飲み込む
「主人公の中二病の再来」という過去からの手紙、中二病の復活と
シリアス展開とはなんだったのかと言いたくなるほど、ぶっ飛んだ展開で物語を締めていた

全体的に見て好みが分かれそうな作品だ。
前半こそ中二病を題材にした明るいラブコメだったが、
後半からは中二病になった理由が結構重く、その重い話を中心に
主人公とヒロインの恋愛ストーリーを中心に描いてしまったため
描写不足になったキャラクターもおり、前半と随分印象が違う。

前半のノリをそのまま終盤まで突っ切って明るいラブコメになったほうが好みの人もいるだろう、
逆に後半からの中二病を真面目?に捉えたシリアスな感じのストーリーが好みの人もいるだろう
なぜ前半のままいかなかった!と思う人もいれば、後半からの展開がいいんだよという人もいる。
かなり賛否両論分かれやすい作品といえる。

またストーリーが終わった後も、結局ヒロインはどういう状況になったのかがいまいちわからず、
他のキャラの恋愛や今後も濁されてしまった感じがある。
最終話の濁した展開も、もう一言説明が欲しかった感じもある。

ただ2期が放映した今となっては2期を前提とした内容と考えれば納得できる部分もある
しかし、それを考えてもキャラクターの描写のバランスや前半と後半の雰囲気の違いなど
好みが別れる部分が大きすぎるのはなんともいえない所だ

個人的には前半ノリも後半の展開もそれなりに楽しめたのだが、
物語として「モヤモヤ」した感じが残ってしまい消化不良ぎみだ
もう一歩、インパクトのあるストーリー展開をして欲しかったと感じてしまう
超個人的には凸森のドラグスレイブの詠唱シーンで爆笑してしまった
あのネタが分かるのは20代後半以降だけだろうが・・・w

明らかに1クールでは描写しきれていない要素が多かった。
もっと突き抜けていいのに突き抜けておらず、中途半端な印象が最後までつきまとってしまい
「くみん先輩」など、最後に無理矢理キャラの存在意義を与えられていたが、
せっかく良いキャラクターなのに居るだけのキャラになっている点も、
何だかな~と感じてしまう点だ。

2期ではシリアス要素は控えめで新キャラなども出るようなので
1期で感じた不満を払拭できるような内容になっていることを期待したい