THE iDOLM@STER

評価/★★★★☆(75点)

THE iDOLM@STER 評価

全25話+特別編1話
監督/錦織敦史
声優/中村繪里子,長谷川明子,今井麻美,仁後真耶子,浅倉杏美ほか

あらすじ
雑居ビルの3階に事務所を構える「765プロダクション」に所属するアイドル候補生たちが、一人前のアイドルへと成長していくさまを描く。本作は原作ゲームの設定やエピソードを取りいれつつも、全体としてはアニメ版独自のストーリーを描いている。

王道アイドルアニメ誕生!

原作は人気アドベンチャーゲーム
人気というよりは熱狂的なファンが多い作品という感じだろうか、
ニコニコ動画などで多数のアイドルたちが踊る動画などがアップロードされている。
個人的にはPSP版をちょろってやったくらいで途中放棄。

またアイドルマスターとしては一応、アニメ化第二弾だ。
アニメオタクなら確実にその歴史に名を刻んでいるであろう異色作品、
アイドルマスターゼノグラシアは忘れることのできない作品だ(笑)
本作品は原作をきちんとアニメ化しているので安心していただきたいw
だが、ある意味あの作品を見た後だと、アイドルマスターファンなら
「あぁ!ようやく、きちんとアニメ化されたっ!」と感動が増すかもしれない?w

基本的なストーリーはアイドル青春モノといえばいいのだろうか?
弱小プロダクションである765プロ、そこに所属する
まだまだ未熟なアイドルと、新人プロデューサーが
一人前のアイドルへと成長していくさまを描いていく。という感じだ

序盤は弱小プロでまだ未熟なアイドルたちの奮闘を描く、
地域のイベントに出たり、微妙なテレビ番組に出たりと
売れないアイドルの描写は細かく描かれているのだが、
反面盛り上がりの薄い内容は序盤の展開としてはインパクトに欠ける
ありきたりなといってしまえば簡単だが、
序盤はこのアニメでやりたいことが見えなかった

更に言えばキャラ数も非常に多い。
総勢12名のメインのアイドルたちはゲームをやっていない人にとっては
名前を覚えるのも大変な人数で、覚えるまで結構苦労する。
それぞれを掘り下げつつストーリー展開をするので
序盤はキャラの感情移入がしづらい点は仕方ない。

5話くらいまでは単調に売れていないアイドルの話で構成されており
面白い!というよりは、それなりの出来栄えのストーリーで
2クールという尺を考えると余裕を持ったストーリー構成とも言えのだが
物語のスタートダッシュには失敗していた
ストーリー的には6話くらいから本作品の味が出てくる。

中盤からは弱小プロの中で3人のアイドルユニットが先に売れる。
このアイドルユニットの組み合わせは若干違和感あるものの、
12人の中で3人が売れたという状況変化により
他のアイドルやプロデューサーにあせりや戸惑いが生まれる。
それは時に空回りしたり、すれ違いを生んだりとストーリーのおもしろみが増してくる
それと同時にキャラクターの魅力も増していく

そんな中で健気にアイドルとして高みを目指していく、
この健気さや一生懸命頑張っている登場人物たちは応援したくなる魅力を秘めており
視聴者が主人公であるプロデューサー目線での
キャラ達経の感情移入を話数を重ねるたびに強めることが出来た

キャラ数が多いだけに、一話一話丁寧に作られたキャラへの愛情が伝わる話は制作の丁寧な仕事ぶりを感じられた。
キャラクターによって脚本的に微妙なものもあったが、
ほとんどのキャラ回がそのキャラクターの正確と設定を生かしたストーリー展開をし
同時に彼女たちが歌う曲も劇中で多く流れる。
これだけキャラクターがいれば好き嫌いが出てしまうのは仕方ないが、
逆にピタッとハマれるキャラクターもいる筈だ。

1クールの節目であるライブまで本当に丁寧に話が描かれ、製作者が「原作」をきちんと理解し、
オリジナル脚本で構成された内容は制作側がこの作品を面白くしよう!という努力が伝わってきた
昨今、とりあえずアニメ化してしまう駄作が多い中で、
こういった作品に対する愛情と真摯さを感じる作品はアニメ好きとしては嬉しい。

そしてきっちりと1クールである程度の話のまとめたのは好感だった。
もし、この作品が2クールではなく1クールでも十分な評価が出来るだけの
視聴者を意識したストーリー構成と、アイドルが成長していく。というストーリー展開は新鮮に楽しめた

14話からは本格的にすべてのアイドルが売れる。
アイドルとして売れたことでかなり仕事の幅が広がり、それと同時に話も広がりを見せる。
他社からの嫌がらせ、それぞれのソロ活動など実際のアイドル界でもありそうな
ストーリー展開は1クールを超えても飽きさせず魅せる。

特に15話での生放送というシチュエーションでの
15人の番組は本当にアイドル番組を見ているかのようにうまく演出し、アニメとして非常に面白かった。
個人的にはこの15話を最初に見たほうが、このアイドルマスターの世界観に入り込みやすかったと感じた。
一話はキャラ紹介の意味合いが強すぎて原作をやってない人にとっては
若干突き放してしまった部分もあった。

基本1話完結のそれぞれのキャラクターを掘り下げた話は時折、ぐっとくるようなストーリー展開がある。
アイドルを引退したプロデューサーの話、弟を亡くしたイドルの話、
「アイドルアニメ」としての王道を築くようなストーリー展開は1話完結で進むため非情に見やすくテンポよく
ストーリーとキャラの魅力を積みさ兼ねて行く。

中盤からは本格的に「アイドル」の悩みや生き様、
目まぐるしいまでの仕事に追われるアイドルと華やかなアイドルという両面を描く。
パパラッチにスクープサれることによりシリアスな展開にもなり、
若干重苦しい内容が入るものの、それまで明るく描かれていたストーリーに
暗いストーリーが入ることでいいメリハリになっていた

そして終盤に向けての展開。
全てのアイドルが売れ、トップアイドルといえる12人になった。
そんな12人になったからこそ、それまで皆を励まし支えていた「春香」に悩みが出てくる
彼女たちは同じ事務所だが、それぞれのアイドルがそれぞれの立場で活躍している。
だからこそ忙しくなれば彼女たちが一緒に過ごす時間が少なくなる。

そんな中で彼女は「みんな」で頑張ってきたという自信がある。
だからこそ「みんな」で練習して「みんな」で成功させたいという思いがある
しかしながら、売れてきた彼女達には時間がない
「春香」は焦りにも似た何かを感じ、去年までと違う自分たちの状況に慣れない

もっとも心を許せる「千早」も海外に降り、更に人気が出始めた頃が続けてきた番組も
スケジュールの問題から打ち切りになってしまう。
更に追撃で「一緒に頑張る」ことを否定される。だからこそ焦る。この心理描写は非情に難しく、重い。
結果としてその焦りは大きな事故を生み、彼女自身の心を酷く傷つける

いつでも明るい「春香」というキャラだからこその悩みと心理描写は繊細で
一歩間違えば「春香」というキャラクターを壊しかねない難しさだ。
この作品で重いシリアス展開もそれまであったが、それはキャラの設定としてのシリアスだ
しかし、23話以降の展開は「アイドル物」としてのシリアスストーリー展開だ
それまでの22話という雰囲気と全く違い、キャラ萌えアニメでは収まらないキャラ描写だ
それこそキャラ萌えでストーリーを貫き通しても良かったはずだ。
しかし、あえてこういうストーリー展開にしたことを私は素直に称賛したい

この先どうなるんだ?と感じさせる盛り上げ方と、胸を締め付けられるようなキャラクターの苦悩、
確かに丁寧に描いて入るのだが、その反面重い。
しかし、それを乗り越えたからこそ最終話の「ライブ」が光る
大勢の観客が聞こえる中、スポットライトが彼女たちを照らし
よく動き舐めるようなカメラワークでアイドルのライブを最高潮に盛り上げていた

全体的に非情に高い完成度だ。
各キャラを掘り下げたストーリーと、アイドルとして成長していく話、
それを後押しするアイドルらしい楽曲、見ているこっちも応援したくなる内容は
「アイドルアニメ」として確立した完成度になっていた。

「アイドル」というテーマをきっちりと芯におき、
各アイドルをいかに可愛くみせ、いかに視聴者に印象づけるかという点に重きを置き
更にそれだけにとどまらずストーリーもアイドルらしい話から日常、
そしてアイドルの苦悩をしっかりと描いていた。

若干シリアス描写が重いこともあり、更にいえば序盤のストーリーが微妙に退屈だ。
6話を超えた辺りからテンポやストーリーのクォリティも上がってくるのだが、
その6話までが若干長く感じてしまう。
6話を乗り越えればあとはあっというまに全25話見終わってしまう魅力はあるが、
序盤に作品の世界観に入りきれないのはその後が面白いだけに若干勿体無く感じてしまう。

更に言えばキャラクターによって扱いに差がある。
序盤は美希、中盤は千早、終盤は春香の3人が中心となって話が進むため
その他のキャラの1話完結のはなしはあるものの、1話完結の話も当たり外れが有ったのは残念だ
2クールで12人のアイドルというのはやはり多かったなと感じてしまう所だ
特定のキャラのファンだと納得往かない部分もあるかもしれない。

そういった細かい部分で引っかかるところはあるものの
王道のアイドルアニメとして楽しめる作品だ。
変な設定があったり、変な小細工がない。ストレートな青春アイドルアニメと言えるだろう。

個人的に再レビューにあたり2年ぶりに本作品を見たが、
2013年になってから増え出した「アイドルアニメ」を見る際に
やはりこのアニメと若干比較してしまう事を考えると、
この作品はやはり「王道のアイドルアニメ」を確立したと、ひしひしと感じた。

以外にも2度目のほうがきっちりとキャラの名前を覚えているためか
しっかりと楽しむことが出来た印象だ。
相変わらずゲームに手を出していない私だがアイドルマスターという作品は好きです(笑)