プレーンズ

評価/★☆☆☆☆(18点)

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どうしてこうなった?穴だらけなディズニー映画

本作品はカーズと世界と同じ世界で繰り広げられるスピンオフ作品。
カーズは車たちが主人公だったが、本作品は「飛行機」が主人公の作品だ

見出して感じるのは期待はずれ感だろう。
カーズが2006年、カーズ2が2011年の作品だ。
どちらとも最初のシーンでピクサーのCG描写のレベルの高さに感動できるシーンで始まったが、
今作はどうにも感動できない。

夢の中とはいえ主人公の「ダスティ」と戦闘機が
レースを繰り広げるというシーンから始まるのだが、演出が悪いせいかどうにも迫力不足だ
確かにCGのレベルは高く細かい描写はレベルが高いのだがカメラワークや「飛行機」の見せ方が甘く、
どうにも洗練されていない。
その原因はあとで知ったのだが、この作品はカーズというピクサー作品のスピンオフでありながら
ピクサースタジオは関与しておらず、ディズニートゥーンスタジオが行っている

制作スタジオが違えば作品の雰囲気や描写が違うのは当たり前だが、
スピンオフということでカーズの世界観が基板になっており、
カーズのような描写を期待してしまったために冒頭から肩透かしを食らってしまう。
逆に言えばピクサーというスタジオの技術力の高さを感じることができるとも言えるのだが、
見る前に抱いていた期待感のおきどころが最初からなくなってしまった

CGのレベルは決して低いわけではない、草の描写、雲や太陽の描写、
飛行機のエンジン音、エンジンの煙など細かい描写も確かにされているのだが、
どこか迫力がない、はっきりいえば綺麗ななだけでアニメーションとしての面白さがない
ピクサーはただ綺麗だけではなく、そこにリアルさや表現としての面白さがあり、
それが見事に交じり合うことでアニメーションとしての面白さがシーンに現れていたが、
ディズニートゥーンスタジオが描くCGは綺麗なだけだ。
綺麗なだけでキャラクターの表情や動きの面白さがない。

カーズ2では触れれば感触がリアルに伝わりそうなほどの描写だったが、
この作品はどれもこれも「ツルツル」だ
飛行機ごとの微妙な質感の違いなどもなく、どうにもあっさりとしてしまっている

更にストーリー展開も雑だ。
冒頭からキャラクターがやけに早口で喋り、キャラクターの名前も覚えていないままに
トントン拍子でストーリーが進んでいくため置いてけぼり感じが強く、
いつまでたってもキャラクターに感情移入できない。
ストーリー構成がきちんと出来ておらず「積み重ね」が甘いせいで
まるで「ダイジェスト」を見ているかのようなストーリの「間」がないように感じてしまう
簡単にいえばストーリーの流れを感じない。

最初の予選レースに出るまでの展開もあっという間で
たかが農薬散布機のはずのダスティが意外にも予選こそ落ちたものの「6位」という
結果になるものいまいち納得出来ない。
カーズは性格には問題が会ったがマックイーンは才能があり性能のいい車だった
そんな彼の成長物語だったからこそ面白かった。

しかし、本作品の主人公であるダスティは農薬散布機だ。
レースに参加する飛行機たちは競技用の飛行機だったり、
エンジンが2つ付いている飛行機だったり、明らかに基本性能の違う飛行機ばかりだ
ダスティが世界最速のレーサーになるのが夢であることはわかるのだが、
ただの農薬散布機が世界最速のレーサーになるという展開に説得力がない。
更に彼にはおまけで「高所恐怖症」というハンデまである

はっきりいえばストーリーが「子供騙し」だ。
大人も子供も楽しめたカーズとは違いプレーンズは子供でないとというより
大人だと納得出来ない部分が多く素直に楽しみきれない箇所が多い。
これがカーズのスピンオフという名目でなければ気にならなかったかもしれないが
どうしてもスピンオフ元であるカーズと比べてしまう

更に子供騙しな設定だけではなくストーリー展開の甘さは致命的だ。
あっさりと予選レースに出て、ご都合主義全開でレースに参加することが出来て、
あっさりと訓練が終わり、あっさりとレース本戦に参加する。
キャラクターの感情が見えないままに展開がどんどんと切り替わっていき、
その割には「無駄」と感じるほど冗長なシーンが有る。
ピクサーならそんな冗長なシーンで笑いが起きるような台詞の掛け合いや動きがあるのだが、
この作品は冗長なシーンは冗長なシーンでしかない。

レース本戦でも第1レースの描写は本当の短く、しかも最下位。
都合がいいことに最下位になってもスタート順位が再開になるだけで失格になるわけじゃない、
第2レースでは参加していた飛行機にトラブルが発生するが、
そんなトラブルが発生した飛行機と共に一緒にゴール、本来ならハラハラしないといけない
シーンなのにあっさりとした描写でつまらない。
第1レースも第2レースもまるでダイジェストのようなストーリーだ。

農薬散布機としての誇り「農薬タンク」もレース中に外すという意味不明さだ。
葛藤もなく外すなら最初から外せばいいものの、
第3レースから他の飛行機に言われてあっさりと外す。
そうするとタンクが重石にしかなっていないためスピードが上がる、しかも圧倒的に。
ならモット早く外せと大人目線で見てしまうといらだちを隠せない

中盤でとあるキャラクターがダスティを騙したりもするのだが、
特に掘り下げていないキャラクターの裏切りなのでどうでもよく、
ダスティの師匠のスキッパーの「嘘」も掘り下げが甘いせいで心底どうでもいい。
彼が居るせいで「戦争」の描写もあり世界観に合わない感じだ

そもそもルールがおかしい。
世界最速のレーサーを決めるというレースのはずなのに、
第1レースで1位になっても第2レースで先頭でスタートできる権利をエられるだけ、
どんなに遅くついてもリタイアしなければ失格にはならない、
これが全部で3レースくらいなら意味があるのかもしれないが、
コースは全部7コースもある。

更にコースはどれもこれも「障害レース」のようなコースばかりで
純粋な世界最速のレーサーを決めるレースとはいえないレース内容だ
世界最速というよりは耐久レースという印象のレース内容にしかなっていない
無駄にコースが多いせいで1つ1つのレース展開が雑なうえにダイジェストちっくになっており
グダグダなストーリー展開になってしまっている

もっと極論を言うとダスティは途中嵐に巻き込まれて海の底に沈んで救助されている。
それなのに失格にならない、次のレースのスタート時にハンデがつくぐらいだ
更に機体はボロボロだったのだが、
今までダスティが助けたりした飛行機たちがパーツを譲ってくれる。
もはや「農薬散布機」ではない、完璧に別機体だ。
この大会のルールやレギュレーションが一体どうなっているか知りたい所だ

全体的に見てカーズのスピンオフを名乗ってほしくないほどの駄作だ。
コース数が多いせいでグダグダでダイジェストちっくになっているレース展開のせいで
ストーリー全体の締りが無くなってしまいレースの緊迫感が薄れる、
どんな危機に陥っても失格に鳴らないルールや細かい部分の強引さや
ストーリー展開の甘さが子供が見る分には気にならないかもしれないが、
大人が見るには厳しいと感じてしまうほど穴だらけだ。

恐らく子供が見ても気になる部分あるはずだ。
特にダイジェストチックになってしまっているストーリー展開は
ストーリーの流れがなくトントン拍子に進んでいってしまうため展開が分かりづらい
そのせいでキャラクターの魅力が掘り下げられることもなく、
主人公はもちろんサブキャラクターの心理描写も甘い。
コミカルな部分も少なく純粋に「面白い」と感じられるシーンも少ない

カーズが面白かっただけに期待して見る人も多いと思うが、
その期待を見事に裏切ってくれる作品だった。
海外でも不評だったようだが続編が作られている。
続編はもう少しストーリーがしっかりと作られていることを期待したい所だ