「異世界食堂」レビュー

評価 ★★★☆☆(42点) 全12話

あらすじ とある街、オフィス街に近い商店街の一角にある洋食屋「洋食のねこや」は、平日は普通の食堂であるが、土曜日だけは扉が異世界につながる不思議な店だった引用- Wikipedia

YOUは何食べに食堂へ?

原作は『小説家になろう』で連載されているライトノベル作品。
監督は神保昌登、制作はSILVER LINK.
最近流行りのなろう系ではあるが、いわゆる「俺TUEE」な作品ではない。

見出して感じるのはOPの違和感だ。
全く関係ない「Wake Up, Girls!」とMay’nがコラボした曲となっているが、
圧倒的にMay’nの歌唱力にWake Up, Girlsの面々が霞んでおり、
コラボする意味が全くない。

May’nがソロで歌ったほうがよっぽど良いだろう。
曲としても、この作品の世界日間には合わないと感じてしまうほど
力強すぎる曲であり、色々と大人の事情はあるのかもしれないが、
もう少し作品に見合った曲にしてほしかった所だ。

ストーリーも割りと唐突でやや説明不足だ。
いきなり異世界のやつが日本の洋食屋にやってきて
普通にご飯を食べている光景が普通に描写される。
獣人や魔法使いなど色々なファンタジーキャラが普通に食事してる様は面白いのだが、
世界観の説明がかなり不足している。
異世界食堂

なぜ異世界の扉が食堂につながっているのかや、
異世界の人たちが何故食べに来ているのかなど
作品の「経緯」が見えずいきなり何の説明もなく始まり、
原作を読んでる人ならば問題ないかもしれないが物語の1話としては
地味な印象が強く、主人公も地味だ。

特徴のある客に比べて本来は主人公のはずの店主があまりにも普通だ。
はっきりいって普通のおっさんである。
何の特徴もなく印象にも残りづらく、演じているのが「諏訪部順一」さんだからこそ
なんとか主人公としての存在感がギリギリにあるが、
キャラクターとしての魅力は薄い。
異世界食堂

キャラクターのリアクションも薄い。
料理アニメにおける食べた時の「リアクション」と言うのは最も重要だ。
過剰な演出や意味不明な妄想をするアニメも荒れば、
性欲を感じさせるようなリアクションをする作品もある。

だが、この作品はそのどれでもなくひたすらに
「うん、うまい」「おいしぃ」とかなり普通だ。
過剰な演出や過剰なリアクションはほぼ無く、
非常に淡々としており、はっきりいって絵面としては地味すぎる。

その地味なリアクションに対して料理の描写は確かに綺麗だ。
1話こそかなり地味な印象だが、2話からはメンチカツ、エビフライ、
ミートソースにカレーライスと日本の料理屋で出される料理に
新鮮に感動し、美味しそうに異世界の住人が食べてくれる。
異世界食堂

ただ、料理を切る時、アップになる時の作画はキレイでおいしそうなのだが、
いざフォークに指して口元に運ぶと作画が劣化する時がある。
作画の予算が足りていないのかスケジュールがきつかったのかは分からないが、
明らかに「作画のミス」が目立つこともあり、
なんとか頑張って静止画の料理の描写の質は保っているものの、
逆に料理の作画の質がいいだけに他の時の作画の悪さが目立ってしまっていた

料理アニメにおける食事の美味しさの表現が作画や
アニメーションで見せるのではなく、
演じている声優さんの演技力頼みになってることが多すぎる。
ベテランか中堅以上の声優さんが出ているおかげで救われている部分が多い。

序盤の杉田智和さんの「エビフライ」、立木文彦さんの「カレーライス」、
屋良有作さんの「ミートスパゲティ」、檜山修之さんの「カツ丼」など
こうして文章にしても「声」の想像のできる方は美味しそうに演技をしており、
それが想像通り見てる側にも伝わる。
異世界食堂

だが、逆に新人声優や演技力不足な方、キャラクターの特徴的に
派手なリアクションをシづらい場合は美味しさが伝わらない。
本来は声優の演技だけでなくアニメーション的にも盛り上げないといけない部分を
盛り上げきれていないのは本当に残念だ。

ただ、最終話まで見るとやや印象が変わる。
なぜ異世界と日本の洋食屋がつながっているのかを匂わせる要素が出てきて、
ようやく「あぁ、そういうことなのか」という、
どこか腑に落ちなかった部分が腑に落ち、1クールで終わらず、
2クールや4クールくらいで描かれたらもう少し印象が変わったかもしれない
異世界食堂

総評

全体的に見て地味すぎる作品だ。
異世界と土曜日だけ扉がつながってる食堂に訪れる異世界のキャラと、
そのキャラクターの好みに合わせた料理で1話あたり2エピソードという
ストーリー構成は悪くはないのだが、
結局キャラと料理が違うだけで似たような話が多く飽きる。

早い段階でパターン化とマンネリ化してしまっており、
大きな事件や何らかのイベントが起きることは少ない。
異世界は異世界で過去に大きな戦いなどの歴史があるようなのだが、
それはあくまでも異世界に訪れるキャラの「過去」の出来事であり、
作品を通してのストーリーがあるわけでもない。

料理自体の作画はたしかに綺麗で静止画で見れば美味しそうなのだが、
キャラクターが口に運んだ途端に作画が簡素なものになって劣化することも多く、
食べた時のリアクションや見てる側に「おいしそう」と思わせないといけない部分で
「声優さんの演技だより」になっているパターンがあまりにも多く、
話によって、キャラによって、料理によって当たりハズレがでかい。
その全てがマッチする話は面白いのだが、マッチしていないと無表情で見てしまう
異世界食堂

決してつまらないわけではない。
あたりの話のときは見てる側の胃袋と食欲を刺激されるような内容になっている。
だが、いかんせん地味であり淡々としすぎており、人によっては飽きやすい作品だ。

作品としてやりたいこと、みせたいことはわかるがどうにも薄い。
ぶっちゃけていえば「深夜食堂」という作品の異世界版のような印象を受けるが、
あの作品のように人情噺が面白いわけでもない。
何か本来はどこかに主人公が居て、この作品はその作品のスピンオフのような
そんな屋台骨が見えない印象の受ける作品だった
異世界食堂

個人的な感想

個人的には料理アニメは大好きな部類なのだが、
この作品はなかなかピンと来ず、
最終話のエピソードでようやく馴染んだのだが、正直遅かった。
2期があるならばこの腑に落ちた状態で見れるためもう少しストレートに
面白さを味わえるかもしれないが、うりあげてきに 2000枚前後と
作品と同じく地味な感じの売上になってしまった。

ただ、作品自体の内容で買っている方よりも特典映像の
「諏訪部順一」さんがゲスト声優と料理したり、料理を食べたりする内容を
目的に買ってる人も多そうだなと思ってしまった(笑)

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