「されど罪人は竜と踊る」レビュー

評価 ☆☆☆☆☆(4点) 全12話

あらすじ 自然現象・物理法則の再現、物質の生成を超物理的に行うための技術体系〈咒式〉。この咒式によって、人類はかつて〈魔法〉として恐れられた力を自在に操ることに成功した引用- Wikipedia

監督の頭の中でしか踊ってない

原作はライトノベルな本作品。
本来は2017年10月のアニメだったが、
制作がやらかしたようで2018年4月に延期された。
監督は花井宏和、制作は セブン・アークス・ピクチャーズ

見出して感じるのは「あ、もういいです」となる拒否感だろう。
開始してそうそう、無駄に音量のでかいBGMの中で主人公らしき声が、
作品の世界観の設定の説明をしてくれる。
ちなみにセリフがこれだ

「ツェベルン龍皇歴223年、人類は初めて事象誘導演算装置による時空領域形成に成功した。
作用量子定数を含む基本物理を変異させた時空領域から熱量保存則を破り、
力場指示式に導かれ物質が出現した。真空のゆらぎの中から任意の物質を取り出す。
この超物理現象こそ後に咒式と呼ばれる科学技術体系の始まりである。」

これが意味ありげな指輪が描かれる中で流れるのだが、
頭に一切入ってこない(苦笑)
大切な1話の大切な冒頭の1分のシーンでここまで
興味をそがれるシーンはなかなかないだろう。


引用元:©浅井ラボ・小学館/「され竜」製作委員会

今から見る人に簡単に説明すれば、
人類が魔法を使えるようになりました。竜とかを倒せるようになりました
これだけである。それをこの作品専門の用語で膨らませてはいるものの、
オリジナルティがある内容とは言えない。

キャラクターの名前も馬鹿みたいに長い。
「ギギナ・ジャーディ・ドルク・メレイオス・アシュレイ・ブフ」や
「ガユス・レヴィナ・ソレル」などキャラクターの名前に
ミドルネームを入れないと気がすまないようで、
自己紹介されてもキャラの名前は頭に入ってこない。

専門用語だらけでキャラの名前も頭に入ってこない状態で
「会話」をされてもまるで理解できない。
用語に関してほとんど説明がなく見てる側が「知ってる前提」に
なっている部分があまりにも多く、原作を読めと言わんばかりの作り方だ。
それならばはじめからアニメを作る意味はないだろう。

おそらく原作ならば会話とか会話の間に説明が入ったりして
読者にキチンと伝えているのだろう。
だが、アニメではその「間の説明」がないせいでまるで理解ができない。
監督や脚本家の「頭の中」では理解できるストーリーなのかもしれないが、
それをきちんとアウトプットできていない。


引用元:©浅井ラボ・小学館/「され竜」製作委員会

駄目なアニメほど1話で大量の登場人物を出しがちだが、
この作品も例に漏れず1話から大量の登場人物を出す。
誰が誰でどんな組織でどんな立場でどんな事をしているのか。
全く理解できないままに話が進むが、理解がまるで追いつかない。

世界観も中世魔法ファンタジー的な感じかと思えば、普通に電化製品があり、
ファンタジーなのかSFなのかよくわからない世界観になっており、
説明不足な部分が多すぎるせいでなかなか作品の世界観に引き込まれない。
本来は細かい設定まできちんとしてそうな作品なのだが、
その片鱗も見せてくれない。


引用元:©浅井ラボ・小学館/「され竜」製作委員会

戦闘シーンもダサい。
制作の延期の理由は定かではないが制作スケジュールの遅れもあったのだろう。
竜などの敵の作画はしっかりしてる半面でキャラクターの作画は不安定だ、

作画枚数も少ないのに高速戦闘を描いているため、
キャラクターの動きが早いというよりも、
ただの早送りみたいになってるシーンも多く、
作画枚数が少ないのをごまかすために高速戦闘にすぎない。

魔法陣のエフェクトなどは派手であり、その演出でごまかしてる部分が多く、
戦闘シーンが常に暗く見づらく何をしてるのかわかりにくい。
魔法陣を目立たせるために暗い所で戦わせたいのは分かるのだが、
電気つけろ、外で戦え、昼に戦えと思うほどに暗い。


引用元:©浅井ラボ・小学館/「され竜」製作委員会

グロシーンの質も悪い。
例えば作中で何度も死に、何度も生き返るというようなシーンが有る。
これは原作で言えば「グロシーン」として表現してるシーンだとは分かるが、
アニメでは暗いせいでそのグロさが一切伝わらない。
描くなら描く、描かないなら描かないとはっきりとしろと言いたくなる。

作画の悪さは話が進めば進むほどに悪くなっていく。
特にキャラの顔に関してはシーンごとに違い、
主人公の顔がとがったり、丸くなったりと大変だ(苦笑)
遠いアングルだと主人公の鼻がなくなったりすることもあり、
細かい点での主人公の顔の変化はギャグシーンとして楽しむことができる。

ストーリーが進んでもきちんとは理解できない。
戦闘シーンは多いが「コイツらなんで戦ってるんだろう?」と
戦ってる最中に冷静に考えてしまうほど理解が追いつかず、
政治や国などの話も絡んでくるため余計に混乱しやすく、
それを専門用語で喋りまくるせいできちんとは理解できない。

台詞回しも常に回りくどい。
黒幕のセリフに対して主人公は「あなたのやり方を肯定しない」という。
認めないだの否定するだの言えばわかりやすいのに、
あえてこういうセリフを盛り込みまくっているため、
いちいち会話が引っかかる


引用元:©浅井ラボ・小学館/「され竜」製作委員会

キャラクターも多いだけだ。
新キャラが出てきても次のシーンでは死んでいたり、
1度登場すると全く出てこなくなったり、
キャラの印象が深まる前に居なくなってしまうことがあまりにも多く、
キャラの名前を覚える意味がない。

そのせいでキャラクターが再登場しても
「こいつ誰だっけ?」となってしまうことが多く、
誰が誰でどんな組織でどんな立ち位置で誰と対立してるのか、
それがきちんと把握できずにストーリーが進められてしまう。

ストーリー的には最後まで見ても「え?ここで終わり?」というくらい
中途半端な所でストーリーが終わってしまい、
主人公の「指輪」も何だったのか一切わからない。
結局、この作品で何がしたくて何を描きたかったのか。
ストーリーがどこに進んでいっているのか最終話まで見てもわからなかった


引用元:©浅井ラボ・小学館/「され竜」製作委員会

総評

全体的に見て駄作だ。
本来は1クールで描くような内容ではないのだろう。
原作ではおそらく説明されている部分が説明されていないせいで、
専門用語だらけの会話についていけず、キャラクターがどこの誰で
どんな組織でどんな目的で動いているのかが頭に入ってこず、
「雰囲気」でしかストーリーを察することしかできない。

作画も非常に悪く、主人公の顔はシーンによって伸びたり縮んだり大変だ。
無駄に暗いシーンでの戦闘シーンが多く、
そのせいで何をやっているかわからず、人体切断などのシーンもあるのに、
まったくもってグロさが伝わらず「ん?今どうなった?」という
シーンがあまりにも多い。

この作品を100%楽しむためには原作を読むしか無いだろう。
だが、原作を読んだら読んだで
「なんでこんなふうにしかアニメ化できないんだ」と怒りが湧いてきそうだ。

きちんとした予算ときちんとした尺でアニメ化されれば
面白くなった作品かもしれない。
放送延期の段階で色々と嫌な予感はしていたが、
それ以下の出来栄えでの作品だった。


引用元:©浅井ラボ・小学館/「され竜」製作委員会

個人的な感想

個人的には見た直後なのにこの作品のストーリーを説明できない(苦笑)
終盤の敵もなんかしらないうちに暗殺されていたりと、
終始ストーリーについていけず、面白いと感じる部分がなかった。

やや古臭い部分や他の作品で見たことのある部分があるのは、
原作が古いというせいもあるのかもしれないが、
それを差し置いても単純にアニメの出来がひどい作品だった。