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セルフネガキャン「夜露死駆★少女『GROTESQQQUE-グロテスク-』」レビュー

2.5
夜露死駆★少女『GROTESQQQUE-グロテスク- 映画
画像引用元©Atsushi Nishigori, CloverWorks/Project GTQ
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この記事を書いた人

オタク歴25年、アニメレビュー歴13年、YouTube登録者11万人。 個人的な視点で語るアニメ批評です。

評価 ★☆☆☆☆(12点)

映画『GROTESQQQUE-グロテスク-』『夜露死駆★少女』予告|11月6日(金)公開!

あらすじ 少女たちがゲーム「バタフライクイーン」に身を投じ、狂気の生き残りをかけた殺し合いを繰り広げるさまを描く 引用- Wikipedia

セルフネガキャン

本作品はCloverWorksによるオリジナルアニメ映画作品。
オムニバス形式の3作品が同時に上映される企画となっており、
その中の1本「夜露死駆★少女」だけが先行して
Netflixで配信されることになった。

企画

この手のオムニバス映画企画は時折公開されており、
「MEMORIES」などが代表的な作品と言えるだろう。
監督や制作会社の名をもとに短編作品を繋げて上映する、
非常にオタク的な企画の1つとも言える。

今作はCloverWorksと錦織敦史監督が手掛けている。
その中の1作だけをネトフリで先行公開するというのは
宣伝も兼ねてのことなのだろう。
あとの2作が見たくなる、そんな1作を期待してしまう。

だが、そんな期待とは裏腹に、
この作品を見てしまったことで「別に映画館に行かなくても良い」と
思ってしまったのは皮肉なところだ。

ギャル

この作品は近未来を舞台にしている。
朝が来ない都市「GALs TOKYO」を舞台にし、
近未来でもどこか現代的な悩みをそれぞれの少女たちが抱えている。
そんなギャルたちは夜な夜なクイーンの座をかけて、
仮想世界でバトルロワイヤルを繰り広げている。

序盤からピンとこない世界観だ。
近未来でバトルロワイヤルをやるという設定自体は悪くないが、
そこにさらにギャルという要素を追加しているせいでゴチャついている。
画面上には数多のギャルが描写されているが、
ピンとくるキャラクターというのがあまりいない。

誰が主人公で誰がメインキャラなのかもよく分からない中で、
バトルロワイヤルが唐突に開催される。
そのバトルロワイヤルをなぜギャルがやっているのか、
彼女たちがなぜクイーンの座を欲しがっているのか、
根本的な「起承転結」の「起」ができていない。

バトルロワイヤル

サイケデリックな彩色の中でギャルたちがざっくばらんに
いろいろな武器を手にしながら戦っている。
あっさり首を落とされても、あくまでゲームなので死ぬことはないようで、
人体損壊の描写なども多い。

各メインキャラがそれぞれの武器を使いながら戦うさまを見せられるが、
そのキャラ自体の掘り下げがほとんどなく、
外野による「げ、ホス狂いの幸子じゃん!」くらいの情報しかない。

どちらかといえば短編アニメ映画というより、
ソシャゲのPV映像でも見ているかのような気分だ。
BGMがノリノリでかかる中で、それぞれがキャラらしい
一言か二言を言って戦う。その繰り返しをだらーっと見せられる。

キャラクター数も異常に多く、メインキャラだけで8人もいる。
それが余計にソシャゲっぽさを感じさせる要因になっている。

映像自体のクオリティは確かに高く、
おそらくTRIGGERのような雰囲気を再現したかったのは分かるが、
TRIGGERのアニメーションが面白いのは、
単にキャラクターが派手に動くからではない。

キャラクターの感情が爆発するときに、アニメーションもまた爆発する。
感情の高まりと映像の高まりが連動しているからこそ、
あの独特なアニメーションに熱量を感じるのだ。

しかし、本作品ではキャラクターの感情が高まる前に、
映像だけが勝手に盛り上がっている。
だから、どれだけ派手なエフェクトを重ねても、
見ているこちらの感情は置き去りになってしまう。

その戦闘を繰り広げるキャラの「熱さ」が圧倒的に足りず、
劇場で見ればその映像で若干ごまかされる部分はあるかもしれないが、
それだけだ。

これが本当にソシャゲのPVだったら、
凄い!と称賛したくなるが、映画として認識すると違和感しかない。

声優

プロの声優が多く参戦しており、
長谷川育美、早見沙織、内田真礼、安済知佳、富田美憂、
大久保瑠美、日笠陽子、杉山里穂、大橋彩香、釘宮理恵と、
これが本当にソシャゲなら豪華声優陣を名乗って良いレベルだろう。

だが、問題は主人公だ。なぜか主人公だけは
どこから連れてきたか分からないモデルを起用しており、
プロの声優の演技に比べて明らかに浮いた演技になっている。

プロの声優たちが少ない情報とセリフと見た目だけで、
演技によるキャラ付けを強く行っているからこそ、
余計に主人公の演技の素人感が凄まじくなってしまっている。

勝手に

そんなプロの声優が演じるギャルたちが勝手にどんどん死んでいく。
このバトルロワイヤルではそれぞれ武器を持っているが、
その武器にもレア度などがあるようなのだが、
そのあたりの世界観の掘り下げが甘い。

ギャルたちはカリスマ的な伝説のアイドルを探している。
かつてのクイーンで絶対的な存在である彼女は、
現実からもゲームからも姿を消している。

それなのに見つけてほしいのか、いろいろなヒントを残し、
自分にたどり着く道筋を残している。
最終的に主人公がなんかいろいろあって武器を手にし、
伝説のアイドルと戦い、解放する。

引きこもりだった主人公が伝説のアイドルと出会い前向きになり、
そんな自分が今度は伝説のアイドルを救う!という展開なのは分かるが、
決定的な決めゼリフで芸能人声優の演技力が大暴投しているため、
決まるところも決まらない。

結局、映像が凄いなーくらいの感想しか残らない
空虚な作品だった。

総評:無感情のトー横女性バトルロワイヤル

全体的に見て微妙な作品だ。
わずか40分ほどの尺に大量のキャラを詰め込んで、
そのキャラが別にストーリーに必要なわけでもなく、
適当に戦って適当にリタイアしていく。

その適当に戦うシーンのアニメーションはグリグリとよく動き、
TRIGGERを彷彿とさせるようなエフェクトで盛り上げてはいるが、
それだけだ。戦っている少女たちに何の感情も抱かないため、
そこらへんの野良猫の喧嘩でも見ているような気分になる。

ストーリーも40分という尺とこのキャラ数では掘り下げも何もなく、
伝説のアイドルがこじらせてVR世界に閉じこもっちゃったけど、
かまってちゃんなので自分を助けてほしくてヒントを残していて、
それを見つけた主人公たちが助け出して終わる。

居場所のないトー横女子的な少女たちが
自分たちらしく、自分たちの居場所を求めて
このバトルロワイヤルをやっていることはなんとなく分かるが、
そんな題材に対しての掘り下げもできていない。

映画館で見れば多少、映像のクオリティの高さもあってごまかされるかもしれないが、
この作品を先行配信で見たからといって他の2作品が気になるわけでもない。
なら最初から全部配信してしまえば良いのでは……?と思うような作品であり、
凄まじい肩透かしを食らった作品だった。

個人的な感想:総合芸術

アニメは総合芸術だ。
脚本、映像、演技。そのすべてが組み合わさることで、
初めて一つの作品になる。

本作品はアニメーションという一点においては非常に高いクオリティを誇っている。
しかし、そのアニメーションによって描かれるキャラクターに感情移入できず、
物語にも引き込まれない。

どれだけ派手に戦っても、その戦いに意味を感じられない。
キャラクターは派手に動いているのに、見ている私の心は微動だにしない。
そんな、アニメーションは凄いのにアニメとしては面白くないという、
皮肉な作品だった。

せめて主人公もプロの声優ならノイズにならなかったのかもしれないが、
かといって主人公がプロの声優であっても、
この脚本では厳しい。

40分という限られた尺を使いこなせず、
ただただ自分の好きなものと映像技術を詰め込んだだけのような
作品だった。

他の2作品が気になるわけでもないので、
私はおそらく配信待ちすることになるだろう。

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