「BEM」レビュー

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ファンタジー
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評価 ★★☆☆☆(25点) 全12話

あらすじ 湾港都市「リブラシティ」。 政治・経済・文化の中心であり、街の“富”が結集した「アッパーサイド」と、汚職や犯罪に溢れ、人々がお互いを疑い合わざるを得ない「アウトサイド」引用- Wikipedia

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なぜ人間になりたいのか?

本作品は「妖怪人間ベム」をリメイクした作品。
現代風にアレンジされてる部分や変更されてる部分は多い。
最近流行りの古いアニメをリメイクするパターンの作品だ。
監督はランドック・スタジオ

しゃれおつ


引用元:ⒸADK EM/BEM製作委員会

1話冒頭からおしゃれ感満載だ。
雨の夜の街を舞台にまるで海外ドラマのような洒落た音楽が流れる中で
ベム、ベラ、ベロが町中を走り回る。
そしてややかすれた1話のタイトルが出てくる

「WATER」

と。あきらかに海外受けを狙ったような感じがビンビンに伝わってくる。
「妖怪人間ベム」という作品をダークなアメコミヒーローのもののように描く。
この作品が目指してることは1話のわずか5分ほどで察することができる。

「妖怪人間ベム」はもともとホラー色も強く、1話完結で話がすすみ、
御存知の通り「いつか人間になりたい」彼らの物語だ。
海外ドラマ風なアメコミヒーローのものへのリメイクはやりやすいとも言える。

しかも、OPを手掛けているのは椎名林檎で歌っているのは坂本真綾という
気合の入れぐらいも素晴らしく、強い期待感を感じさせてくれる

妖怪デザイン


引用元:ⒸADK EM/BEM製作委員会

ただ、せっかく雰囲気が海外ドラマ風に作られておりオシャレな感じなのにも
関わらず、妖怪のデザインがクソだ。
もともとの妖怪人間ベムの世界観や雰囲気の中では違和感のないデザインだが、
「BEM」という作品の世界観の中ではあきらかに浮いてしまっている。
はっきりいってダサい。

大人向けな空気感を出してるのに、出てくる妖怪は子供向けアニメという
ちぐはぐな感じは残念であり、なぜ、せっかくここまで
海外向けかつ大人向けに作り上げてるのに妖怪デザインだけ
子供向けになってるのかは謎でしか無い。

シリアスなシーンでふざけたデザインのヴィランが出てくるとこともあり、
どうも作品の空気感やストーリーの雰囲気と
ヴィランの設定やデザインがちぐはぐな感じだ。

ベム、ベラ、ベロも現代的なデザインになってる。
ベムはクールな男性に、ベラはJKヒロインに、
ベロは斜に構えた感じの少年に。もとの彼らのデザインをガン無視したような
美化された彼らの姿は「妖怪人間ベム」という作品を楽しんだ人にとっては
やや好みが分かれるデザインかもしれない。

新しいデザインのせいで彼らが「人間になりたい」と
望んでるのも違和感が出てしまっている。
「妖怪人間ベム」のときも人間形態と妖怪形態があり、
人間形態のときでも妖怪っぽさはあった。

しかし、本作の場合は人間形態の姿は完璧に人間でしか無い。
人間の姿自体を「借りた」彼らの姿は人間そのものであり、
ベラは学校に通ってるし、ベロはゲーマー仲間もいる。

序盤のストーリー


引用元:ⒸADK EM/BEM製作委員会

序盤は1話完結で「人間の業」を描きつつ、
そこにヴィランが絡む話を描いている。
自らの欲のためにヴィランを雇い暗殺をする人間や、
街に暗躍する謎の組織の存在などを匂わせつつストーリーを進める。

そんな中でベム、ベラ、ベロはそれぞれのスタンスで人間を見ている。
ベムは人間を守り人間を救うことで人間に慣れると思っている、
ベラは人間と積極に付き合い人間に夢を見ている。
ベロは人間について諦めてる部分がある。

それぞれのスタンスで「人間」と関わり合う中で、
彼らをヴィランから守るため闇から人を守っている。
だが、守った人間に「妖怪」の姿を見られ怯え、攻撃されることもある。

人間の汚い部分を見ても、人間から恐怖されても
彼らは「人間になりたい」と願っている。
なぜ彼らがそこまでして人間になりたいのかと言うのはイマイチ納得できないものの、
序盤のストーリーはわかりやすく、世界観とメインキャラを掘り下げている。

ただ毎度毎度、ヴィランの存在が唐突だ。
彼らがなぜ怪異の存在になってるか、彼らがどんなキャラなのかというのが
ほとんど掘り下げられず、ぽっと出なヴィランが非常に多い。
しかもあっさりやられてしまうことが多い。

ネタ的なキャラも多く、ボウリング男だったり忍者だったり、でんぷん君だったり、
ギャグなのか?と思うほどこの作品にそぐわないヴィランが多いのも謎でしかない。
話としても特に凄く盛り上がるわけでも刺激があるわけでもない。
淡々としたストーリー展開は1クールの序盤としては盛り上がりに欠けてしまう。

中盤


引用元:ⒸADK EM/BEM製作委員会

中盤からは序盤に合ったようなネタ的なヴィランが減る。
人間側も「妖怪人間」を認識し、彼らを捉えようと動いていたり、
ベロは仲良くなった友人に父親を殺されたと疑われ、
謎の「見えざる議会」という組織も暗躍する。

ただ、1つ1つの話がどこかで見たような話が非常に多く、
序盤よりも話の雰囲気やゔシランのデザインは悪くないものの、
話のレベルがいま一歩物足りない。
もう一歩踏み込んだ描写や表現がアレば盛り上がるのに、
その一歩居て前にいるようなもどかしさを感じる脚本が多い。

面白くもないが、つまらなくもない。
何とも言えないようなストーリーを淡々と見てしまう。
ストーリーの流れ自体はそこまで悪くないにもかかわらず、
盛り上げ方が悪く、どうにも地味な印象のままで終わってしまう。

終盤


引用元:ⒸADK EM/BEM製作委員会

中盤の流れの中でベラの本当の姿を美しいと思うものが出てきたり、
ベロには心配してくれる友達も居る、ベムにも理解者が現れるが殺されてしまう。
人間側に理解者は現れるものの、
ベム、ベラ、ベロは殺人事件の容疑者にまでされる。

地味な展開の中でも終盤でまとめられさえすれば面白くなりそうな要素はあった。
人間の中の理解者たちや、ベラやベムの友人、妖怪人間たちを追う刑事、
ベムを父親を殺したと勘違いし続けるもの、改造人間を作り続ける博士、
超能力幼女etc…

しかし、そのどれもうまく活かせていない。
最終話で急にそれらの使いこなせていないキャラを活躍させるために
話を展開する雑さは正直がっかりしてしまう。

最終話のまとめ方も打ち切り漫画のような強引なまとめ方をしており、
本来は2クールの作品だったのか?と感じてしまうような作品だった。

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総評:常に一歩たりない


引用元:ⒸADK EM/BEM製作委員会

全体的に見て結局1つ1つの要素を掘り下げきれていない作品だ。
1話の段階での海外ドラマ、アメコミヒーローのもののような雰囲気も、
ギャグのようなヴィランデザインで台無しになることも多く、
中盤以降はその雰囲気に対するこだわりもあまり感じない。

序盤で描かれていた「人間の業」も結局序盤だけで、
人間の汚さを描きつつも、それでも「人間になりたい」と望む
ベムベラベロの3人の「人間への憧れ」もきちんと描ききれていない。
人間に嫌われ、裏切られ汚い部分を見ても、彼らが人間になりたいと思うのは
なぜなのか?という1番大事な部分をきちんと描ききれていない。

ベムベラベロ、それぞれに絡む人間たちも結局なんだったんだと言う感じだ。
改造人間を作りまくる博士や、女刑事、ベロを親の仇と恨むもの、
もう一歩踏み込んで描けば深みが生まれそうなのに、踏み込まず
結局浅いままだ。

2クールの尺がアレばじっくりと描ける部分もあったかもしれないが、
基本的な脚本の力不足をひしひしと感じてしまう。
あえてリメイクしたのに、いろいろな部分をまとめきれないままで
投げっぱなしで終わってしまうような作品だった。

個人的な感想:1話だけ


引用元:ⒸADK EM/BEM製作委員会

1話の段階での期待感は強かったが、それだけで終わってしまった。
ベロのJKヒロイン的な可愛さはあったものの、
来週くらいにはベロが可愛かったくらいしか覚えていないような作品だ。
終始、地味で盛り上がりに欠ける。

制作側がやりたいことはひしひしと伝わる作品では合ったものの、
それを表現しきれておらず、中途半端に仕上がってしまった作品だ。
妖怪人間ベムを現代的かつ海外ドラマ風のアメコミヒーローのもののように
仕上げるというのは悪くない手法だったが、結局、仕上げきれなかった。
色々ともどかしさだけが残る作品だった。

超個人的には坂本真綾さんが椎名林檎さんの手掛けた曲を歌うという
点のみ良かった(笑)

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