ラブコメ

「ぼくたちは勉強ができない!」レビュー

ラブコメ

評価 ★★☆☆☆(30点) 全12話

あらすじ 主人公の唯我成幸は、一ノ瀬学園に通う高校3年生。一ノ瀬学園には歴代の生徒の中でも特に優秀な生徒に限り、大学進学にかかる全ての費用を学校側が負担する特別VIP推薦の制度があり引用- Wikipedia

どうしてこうなった!??!?!?

本作品は「ぼくたちは勉強ができない」の2期。
実質分割2クールの作品だが、1期と2期の違いはタイトルの
最後に「!」があるかどうかの違う。
基本的なスタッフや制作会社に変更はない。

右肩上がり


引用元:©筒井大志/集英社・ぼくたちは勉強ができない製作委員会

この作品の1期の序盤はいい意味でも悪い意味でも特徴がなかった。
得意科目に偏りがある天才なヒロインたち、だが、
そんなヒロインたちは自分たちの才能とは違う方面の大学を志望していたが、
得意科目ではない科目にはさっぱりな彼女たちを貧乏で努力型の秀才である
主人公が彼女たちに勉強を教えることになる。

1期の序盤の段階ではヒロインの数も少なくラブコメらしさが薄かった。
だが、話が進みヒロインが増えるに従って
ジャンプ漫画原作らしい「ハーレムラブコメ」らしさが出てくることで
この作品の面白さも明確になっていった。

だからこそ、この2期は1話からしっかりと面白い。
なにせ「おっぱい」である(笑)
ヒロインたちの胸のサイズの話と、模試の結果のE判定、
これがうまいこと組み合わさることですれ違い漫才になっている。

セクシーなシーンも1話からきちんとあり、
それぞれのヒロインの立ち位置もしっかりとしている。
1期の1話とは違う、1期分の積み重ねが効いている2期の1話だ。
ギャグがきっちりと面白く、恋愛要素もきちんとある。
これぞラブコメだといわんばかりだ。

キャラ描写のバランス


引用元:©筒井大志/集英社・ぼくたちは勉強ができない製作委員会

1期は後半は「先生」や「あしゅみぃ先輩」などのキャラクターを
掘り下げるためのエピソードが多く、のキャラクター描写のバランスが
露骨に悪かった。

しかし2期ではメインとなるヒロインは毎回違うものの、
メインとは違うヒロインもきっちり物語に絡む事が多く、
それぞれのヒロインらしい行動や言動を見せてくれる。

ひとりひとりのヒロインの可愛さも際立ってきている。
この作品は変に奇をてらわない、ストレートなラブコメだ。
少しずつヒロインが主人公への気持ちを自覚し、
そんなヒロインたちのコロコロと変わる表情が可愛らしい。

この作品の良さでもある「コロコロと表情が変わるヒロインの可愛さ」を
2期では素直に楽しめる。

すれ違い漫才


引用元:©筒井大志/集英社・ぼくたちは勉強ができない製作委員会

2期はまさにこれだ。1話から「すれ違い」による漫才のような話が多く、
「コメディ」部分の面白さが1期よりも洗練されている。
その、すれ違いからきちんと恋愛部分も徐々にではあるが進む。

この作品は一気に進展しない。
1期からきちんとヒロインたちが「主人公」を好きになる過程が
きちんと描かれており、それが日常コメディの中で少しずつ描かれることで、
恋愛要素とコメディ要素の2つがきちんと合わさり
「ラブコメ」というジャンルの面白さがストレートに表現されている。

変に引きずる要素もなく、変にシリアスな要素もない。
毎話毎話くすくすと笑えて、可愛いヒロインたちに萌えられる。

一歩進む


引用元:©筒井大志/集英社・ぼくたちは勉強ができない製作委員会

この作品のヒロインの立場はそれぞれ違う。
緒方理珠は主人公に対する恋心を徐々に自覚しはじめ、
古橋文乃はそんな理珠の恋心を応援し、武元うるかは昔から主人公のことが好き、
桐須真冬は主人公のことを生徒として恋愛の対象外とし、
小美浪あすみは年上の先輩として主人公をからかっている。

この5者5様の主人公に対する恋愛の立場の違いが明確であり、
この「立場」を1期は描いていた。
そして2期は、その立場から一歩進むヒロインが居る。
緒方理珠はより恋心を自覚し、古橋文乃は主人公のことが気になりはじめ、
武元うるかは好きな気持ちはありつつも留学を決意する。

3人のヒロインが1期とは一歩進んだ立場に変化する。
丁寧なキャラクター描写が自然な感情の変化を描いており、
この手の作品にありがちな「無条件」な主人公に対する好意ではない。

王道と丁寧に描いている、それがこの作品だ。

花火


引用元:©筒井大志/集英社・ぼくたちは勉強ができない製作委員会

彼らが通う学校には「学園祭の後夜祭の時に上がる一発目の花火の時に
触れ合ってる男女は結ばれる」というジンクスがある。
これは原作でももちろんあり、原作では

「今思い返してみればあの「ジンクス」はまさしくホンモノであった」

というモノローグが入る。
つまり、この花火の瞬間に手を握っていたヒロインと主人公が
将来的に結ばれることを示唆している。

アニメでは花火が上がった瞬間に主人公の手を取るヒロインが居る。
それが誰だかは視聴者にはわからない。
それでいい、まだまだ彼らの受験勉強もつづき、2期はあくまで話の途中だ。

ヒロインの感情の変化もありつつ、2期が花火とともに終わる。
1~13話のBパートまでこの作品は王道でしっかりと面白いラブコメだ。
だが、この作品は最後の最後で何故かやらかす。

進路


引用元:©筒井大志/集英社・ぼくたちは勉強ができない製作委員会

この作品の最大の問題は13話のCパートだ。
エンディング流れ、主人公が先生と面談のシミュレーションを知る。
自分を振り返り、ヒロインたちとの日々を振り返り、
悩んでいた「進路」を決める。

このラストは本当に素晴らしい。家が貧乏で主人公は
本来は「儲かる」仕事につこうとしていた。
儲かる仕事のために学部を悩んでいたくらいだ。
だが、ヒロインたちの日々の中で「教える」ということに自分の価値を見出し、
教育学部に進む道を選ぶ。

これでよかったはずだ。このまま終われば2期は素晴らしいものだった。

!?


引用元:©筒井大志/集英社・ぼくたちは勉強ができない製作委員会

なぜか残り3分でいきなり「仰げば尊し」が流れる。
日々が一気に流れ受験に合格するヒロインと主人公たち。
今まで丁寧に描いてきたのは何だったのかと思うほど、
わずか1分弱で一気に1年の日々を強引に経過させる。
意味がわからない。

そしてなぜか「うるか」エンドを示唆して物語が終わる。
本当に、本当に意味がわからない。
「3期」の可能性をとことん潰し、強引に作品をまとめ上げて終わらせる。
こんなに強引にまとめる必要性は一切感じない。
3期の可能性がなくとも続きは原作でねという展開でも良かったはずだ。

だが、なぜか、この作品は強引にまとめて強引に主人公が
最終的に選んだヒロインを決定づけてしまう。
この作品は王道で丁寧な作品だ、故になぜこんな最終話のCパートで
邪道で雑な方法で作品をまとめ上げたのか理解に苦しむレベルであり、
あまりにも唐突なCパートは「は?」という言葉を上げざる負えなかった。

総評:王道が邪道に堕ちた


引用元:©筒井大志/集英社・ぼくたちは勉強ができない製作委員会

全体的に1話~13話のBパート、いやCパートの1分位までは良かった作品だ。
1期の欠点だった地味な部分や引っかかる部分などがなくなり、
2期ではストレートにヒロインの可愛さと日常コメディを素直に味わえる
ラブコメになっており、「ぼくたちは勉強ができない」という作品が
洗練されたというのをひしひしと感じることのできる2期だ。

良い意味で安定している。
1期を楽しめた人なら2期もしっかり楽しめるクォリティになっており、
セクシー描写も増え、テンポも良くなり、クスクスと笑える。
1期よりも確実に2期のほうが面白いと言える作品だった。

しかし、なぜか最終話のCパートでやらかす。
アニメオリジナル展開になる作品は最近は少ないものの、
それでも、それできちんと面白いものになるなら
アニメオリジナル展開になっても良い。

だが、この作品の場合は急にCパートで一気に時系列を進めて、
主人公が最終的に選ぶヒロインをわざわざ「見せる」必要性が全くない。
「主人公が進路を決めました」というラストで良かったのに、
その良い余韻をボロボロに崩すような意味のわからない雑すぎる
作品のまとめ方は最終話でいきなり顔面に犬のうんこを投げつけられた気分だ。

なぜこんな最終話のまとめかたをしてしまったのか、
本当に謎でしかない作品だった。

個人的な感想:なぜ最後に火を付ける?


引用元:©筒井大志/集英社・ぼくたちは勉強ができない製作委員会

多数のヒロインが居るラブコメの場合、
結末でファンの反応が過剰になる場合が多い。
それはハーレムラブコメの宿命と言っても過言ではない。

原作が「うるか」ENDになるかは分からない、
もし「うるか」ENDになるとしても、いや、なるならば余計に
こんな雑に3分足らずで描いて良いものではない。

1期、2期とこの作品は丁寧に丁寧に作り上げていた作品だった。
1期の序盤は地味な部分や引っかる部分はあったものの、
この作品は「積み重ねる」ことで面白さが増していく作品だった。
だが、そんな丁寧に積み重ねたものをこの作品は蹴り崩した。
とんだ賽の河原だ。

この感じだと3期はないのかもしれない、いや、
むしろ3期のつなげることは不可能だ。
売上的に芳しく無く3期の可能性はもともとなかったからこそ、
こういうまとめ方をシたのかもしれないが、それならばまとめないほうがマシだ。
この作品が好きだっただけに、本当に、本当に残念な終わり方をしてしまった。

「」は面白い?つまらない?

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  1. 名無し より:

    これ、逆に3期やるの決まってた説とかないかな
    ただし最近流行りの今までのスタッフ、制作会社総入れ替えで
    今までのスタッフによる「俺たち以外に今までのアニメの続きは作らせんぞ」という無言の意思表示だったのかもしれない

  2. 匿名 より:

    2期の最終回で全部まとめて終わらしたのは許せない
    3期の可能性は低かったものの、まだ可能性はあった。
    なのに、それを全部踏みにじって、台無しにした。
    これは原作ファンにとっては、許せない行為です。
    誰か同じ意見の方いますか?

  3. あいり より:

    2期の最終回で全部まとめて終わらしたのは許せない
    3期の可能性は低かったものの、まだ可能性はあった。
    なのに、それを全部踏みにじって、台無しにした。
    これは原作ファンにとっては、許せない行為です。
    誰か同じ意見の方いますか?

  4. 絶賛片想い中 より:

    2期の最終回は許せない
    3期は厳しかったのかもしれないけど、まだ可能性はあった。
    なのに、それを踏みにじって、まとめて終わらした。
    これは原作ファンにとっては、許せない行為です。
    誰か同じ意見の方いますか?

  5. 匿名 より:

    まあ、面白かった。