「あんさんぶるスターズ!」レビュー

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青春
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評価 ★★☆☆☆(25点) 全24話

あらすじ 男性アイドル育成に特化した私立夢ノ咲学院。氷鷹北斗・明星スバル・遊木真・衣更真緒の4人は『Trickstar』というユニットを組み、トップアイドルを目指し、日々レッスンに励んでいる引用- Wikipedia

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配慮の極みみたいな主人公

原作はソーシャルゲームな本作品。
当初は2017年放送予定のアニメだったが、揉めにもめて2019年の夏アニメになった
監督は菱田正和、制作はdavid production

ゴチャゴチャ


引用元:©Happy Elements K.K/あんスタ!アニメ製作委員会

1話始まって早々に4人のメインキャラクターが教室で踊っているさまを
主人公越しに見せられる。
まるでゲームの導入部分を見せられるようなあっけにとられる展開だ。

本来は「プロデュース科」の生徒だが、まだ教室も用意されておらず
一時的にアイドル科の教室で授業を受けることになる。
原作で言えば「プレイヤー」の立場のキャラクターがガッツリ出る、
この件については「知らない女を出すな」と炎上したようだ(笑)

1話から大量のキャラクターが出てくる。
メインとなる4人と主人公、そこから先生や他のクラスのキャラやら
1話から10名ほどのキャラクターが出てくる。
そんな多すぎるキャラクターを印象づけるためか突飛な行動が多い。

主人公にお金をせびったり、いきなりステージ上でギター片手に殴り合ったり、
そうかと思えば主人公が「踏み潰されたり」と展開があまりにも慌ただしい。
しかも踏み潰したのにろくに謝らない。

キャラ数の多さだけでもゴチャゴチャしているのにストーリーもゴチャゴチャだ。
「ドリフェス」というアイドル同士の競い合いのイベントがあるのだが、
生徒会が学園の秩序という名のもとに規制されている。

選ばれしアイドルと、選ばれない家畜のように調教された人間味のないアイドルが
存在する、それが「夢ノ咲学院」の現状であり、
メインキャラクターたちはそんな現状に不満を抱き「革命」を目指す。

意味がわからない(笑)
ドリフェスというアイドル同士の競い合いをストレートに描くのではなく、
夢ノ咲学院の革命を目指すというのはふわっとしており、
主人公の立ち位置もよくわからず、1話の段階で
「この作品は何がやりたいんだろう」という疑問が浮かぶ。

そもそも普通の「ドリフェス」すらきちんと描かれていないのに、
いきなり特殊なバトル形式のドリフェスを見せる流れもよくわからない。

主人公


引用元:©Happy Elements K.K/あんスタ!アニメ製作委員会

この手の作品の場合、主人公の立場のキャラクターを出さない作品もある。
プレイヤーとして作品の世界観に入り込んでいる人からすれば、
主人公の存在が明確に出てくることが邪魔なのも理解できる。

そのせいか主人公であるはずの「あんず」のキャラクターが弱い。
セリフも少なく、傍観者として彼らを見守る立場のシーンが多く、
この作品の世界観やキャラクターを何も知らない立場として視聴者と同じ
立場においてスムーズにストーリーを進行するための
進行役のようなキャラのようになっている。

これならば出す必要があったのか?と思うほどに役割でしか無く、
炎上しないように「あんず」自らが原作プレイヤーに配慮するかのような
謙虚かつぼそっとストーリーを進めるためだけのセリフを吐く姿は、
制作側の意図が透けてみてやや笑いを誘われる。

彼女のセリフの多くは「?」語尾につく、疑問形ばかりだ。
二行以上のセリフがあったか?と思うほどに彼女のセリフは本当に
少ない上に短く、あくまで視聴者の立場を投影するかのような存在だ。

彼女がアニメに出るという発表があった時に
相当にファンの間でも荒れたらしいのがわかるほど、
腫れ物に触るような扱いを受けている。

逆にそんな腫れもののような彼女の存在が可愛らしく、
この存在感をなるべく出してはいけない状況で
彼女が一応は主人公の立場、プロデューサーの立場としてどう彼らを導くのか、
そこが気になってくる。

多すぎるキャラクター


引用元:©Happy Elements K.K/あんスタ!アニメ製作委員会

原作がソーシャルゲームということも有り、
この作品には大量のキャラクターが出る。実に40名以上のキャラクターだ(苦笑)
ソシャゲ原作のアニメの場合、この原作の大量のキャラクターを
アニメでどうさばくのか?というのが問題点になってくる。

この作品は他の多くのソシャゲ原作アニメとは違い2クールの尺がある。
だが、それでも1話あたり二人以上掘り下げなければ
全員が全員を掘り下げることは不可能だ。

ただ、この作品の場合、非常に癖の強いキャラクターが多い。
ドラキュラみたいに棺で眠る男だったり、お坊ちゃまと執事だったり、
忍者みたいなやつが居たり、語尾が色々だったり、この癖の強さは凄まじく、
多くのキャラクターをきちんとキャラ分けするための
原作ゲームからのキャラクター設定なのは理解できるものの、
逆にこの癖の強すぎるキャラクターたちは好みが分かれるところだ。

キャラクターの名前は中々頭には入らないものの、
この癖の強いキャラクターたちは妙に印象に残るものがある。

まるで紅白歌合戦


引用元:©Happy Elements K.K/あんスタ!アニメ製作委員会

2話にしてちゃんとした「ドリフェス」が描かれる。
このドリフェスは学園内での催しであり、アイドル科の生徒はユニットを組み、
それを生徒たちが「評価」する。
しかし、この作品は「革命」が必用なほど生徒会の権力が強い。

生徒会の彼らのライブは金の賭け方が半端なく、まるで紅白歌合戦の
小林幸子のような舞台装置で行われるライブシーンはド派手で面白い。
キャラクターのかっこよさや曲の印象よりも、派手な舞台演出のほうが
頭に残るのはまさに紅白での小林幸子のようだ(笑)

しかし、このドリフェスの仕組みは問題がある。
人気のある格上のユニットのほうがドリフェスで先に出るせいで、
生徒たちは彼らを評価し終わったら格下のユニットは見もせず、評価もしない。
当たり前だ、合同ライブでいきなり大トリともいえるユニットが先に出れば、
そのグループのファンは帰る。

結果として現状では格下のユニットは格下のままでしかない。
格上に上がることが出来ない。ステージで彼らが全開のパフォーマンスを
披露しても見てくれる人が居なければどうしようもない。
だからこその「革命」だ。

1話ではこの作品の方向性や面白さをいまいち感じないが、
2話になって「あんさんぶるスターズ!」という作品の方向性が見えてくる
この2話の内容を1話にやったほうがもっと多くの視聴者をつかめたのでは?
と思う部分はあるものの、2クールだからこその余裕のある展開とも言える。

お前は何をしたというのだ


引用元:©Happy Elements K.K/あんスタ!アニメ製作委員会

話が進んでも主人公の存在感は薄い。
彼女はメインキャラのユニットの「プロデューサー」としての立場なのだが、
彼女がプロデューサーらしいことをシてる様子はまるでない(笑)
だが、彼らのそばにいて、彼らを見守り、時折反応する。

下手したら1話1話の中で3回くらいしか喋ってないこともある。
それも「え?」とか「うんうん」とかのみだ。
主人公はほとんど何もせずに彼らは革命を進めていく、
本来は彼女の助言や行動が革命のきっかけやユニット自体の成長に
つながるのが普通だが、彼女にそんな発言権は許されていない。

だが、彼らが革命の一歩とも言えるステージを成功させると、
なぜか彼らは彼女を舞台の上に上げてくれる。
まるで彼女の助けもあってこのステージが成功したんだと言わんばかりだが、
彼女が居なくても何も問題がない。

結果として学校内ではなぜか彼女が凄腕プロデューサーとして認識される始末だ
何のジョークだろうか(笑)
だが、一応は彼女は主人公だ。
Wikipediaにもそう書いてあるから、主人公のはずだ。

話が進めば進むほどに彼女が「主人公」として活躍することはあるのか?
そればかりが気になってしまう。

過去の話


引用元:©Happy Elements K.K/あんスタ!アニメ製作委員会

話が進んでくるとキャラクターたちの「過去」の話が増えてくる。
過去の話になると、当然、転校生である主人公の出番はない(笑)
「こういう過去があって今のこういうキャラクターがあります」
というある意味で、ソーシャルゲームというキャラの多い原作を
さばくためにはこういった過去回を多用するのはベストな手法なのかもしれない。

本筋のストーリーが進まないという欠点はあるものの、
過去回なら、そのキャラクターに絡む少ないキャラクターだけで話を構成し、
1話ないし2話ほどで過去の話が終わる。
過去の話を利用することでオムニバスのような形に仕上げることができ、
同時に多くのキャラクターを掘り下げることもできる。

ただ、逆に言えばメインストーリーが進まずに、
そのキャラクターに興味がない人にとってはやや退屈な話も多い。
過去回で出た後にしばらく出ないキャラクターも多く、
後半で出てくるキャラは多いものの、その頃には一瞬誰だっけ?となってしまう。

過去回でも尺が足りない部分もあって、
いまいちキャラ同士の関係性がわかりにくい部分もある。
何話か後にまた、過去回でやった時系列の少し後の話をやったりすることもあり、
多すぎるキャラの過去話もきちんと把握していないと話についていけなくなる。

キャラをさばくのに必死


引用元:©Happy Elements K.K/あんスタ!アニメ製作委員会

話が進めば進むほどキャラクターがどんどん追加されていく。
序盤こそ突飛なキャラクチャー設定のおかげで印象に残りやすかったが、
中盤以降に出てくるキャラクターの印象はつきにくく、出番も少ない。
「出ただけ」のキャラクターも非常に多く、そんな出番の少ないキャラを
紹介するために尺を使っており、本筋のストーリーが中々進まない。

原作ゲームのファンの方としてはそんな出番が少ないキャラが
出るだけで、動いてるだけで、しゃべるだけで楽しめる部分もあるのかもしれないが
原作ゲームを未プレイの人から見るとよくわからないキャラクターが
どんどんと出てきて、出てきたかと思えば居なくなるような印象だ。

「DDD」というドリフェスが開催されるとますますキャラが増え、
ますますユニットが増える。ユニットが増えて、そのユニットの
ライブシーンが描かれるならまだ印象の付きようもあるが、
ライブシーンがカットされることも多い。

わざわざ、そのユニットがストーリーに絡んできてライブシーンをやりそうなのに
「激戦だったらしい」というキャラのセリフで片付けてしまう。
これでは原作ゲームからのファンも納得できないだろう。
出すなら出すできちんと彼らのライブシーンも描くべきだ。
原作ゲームのファンですら無い私でさえ拍子抜けしてしまう。

激戦を経ての決勝を描かれても、その激戦が描かれていないため
いまいちついていけず盛り上がりきれない。
話が進めば進むほど追加されるキャラクターの描写が
雑になっていっているのを感じてしまう。

何でも有り


引用元:©Happy Elements K.K/あんスタ!アニメ製作委員会

この作品は何でもありだ。
アイドルユニットを解散させるために大金をちらつかせるのはもちろん、
監禁、裏工作とこれは本当にアイドルのアニメなのか?と思うほどだ。

この間、主人公は何をやってるかと言えば監禁されたアイドルの代わりに
「覆面アイドル」として代理出演している(笑)
もはや、主人公の扱いが完璧にネタ要員であり、中盤になっても
彼女の発言権は無いものの、妙なところで笑わせに来るような
絶妙な立ち位置と存在感を確立している。

革命とは体力勝負


引用元:©Happy Elements K.K/あんスタ!アニメ製作委員会

絶対的な権力と人気を持つユニットであるfine。
生徒会長がリーダーのグループではあるものの、彼は病弱だ。
そんな彼らに対抗するための手段は「体力勝負」だ(苦笑)
強力なユニットを生徒会長のグループと相対させ疲弊させる。

カットされてるシーンは多いものの「激戦」が多かったらしく
生徒会長はフラフラだ。そしてメインキャラのユニット「Trickstar」との
対決が始まる。これは一体何のアニメなのだろうかと
1クールの最終話の12話にしてもう1度考えたくなる。

本来、アイドルアニメならばカリスマ性やダンスや歌、
そういったものを向上させ、キャラの悩みを解決しアイドルとしての実力を上げる。
その実力を上げる役目が本来はプロデューサーでもある主人公のはずだ。
だが、彼女は御存知の通りほとんど何もしない。

アイドル同士の戦いはアイドルとしての総合力的なものを
ファンの目線で視聴者に見せることで「納得」させなければならない。
ライブの演出や曲、歌声でアニメーションとして表現できる部分は多い、
だが、この作品はそんなことはしない。

なぜか決勝戦で今まで見たことのないような個人戦が始まる。謎だ。
「Trickstar」が1度はバラバラになりかけたものの
決勝直前にもう1度1つのグループになったというストーリーを描いたはずなのに
個人戦だ、なぜそこでユニットとしてライブを行わないんだとツッコミたくなる

その個人戦の結果や優劣もまるでよくわからないまま、
いきなりグループで歌い出す。もう個人戦がしたいのか団体戦がしたいのか
はっきりしてくれと思うほど理解がまるで追いつかない。

もはやツッコミどころだらけの12話だ。更に謎のルールまで発動する。
わずかな差で「Trickstar」たちは負けてしまい、
「fine」の勝利がモニターに映し出される。
だが、このドリフェスの場合は得票差が僅かな場合は延長戦になるらしい。
なぜなのだろうか(苦笑)

ここで延長戦をして、限界を超えたパフォーマンスを「Trickstar」が
見せて「fine」に勝利する展開になるならば熱かったかもしれない。
だが生徒会長の体力は限界であり延長戦はできず棄権する。
結果として「Trickstar」が優勝する。

ふざけてるのだろうか(苦笑)
メインキャラのユニットが優勝するというのはストーリー的に決まった流れだ、
だが、ご都合主義という言葉では片付けられないほどの
お膳建てされまくった勝利を見せられても呆れるしか無い。

何も燃えない、何も盛り上がらない。
こんなので勝ったところで喜べるはずもない。
だが会場の生徒たちは歓声を響かせる。
「fine」のファンあたりはブーイングしてもおかしくないのでは?
という疑問を感じさせつつ1クール目が終わる

結局は生徒会長の体力を削りまくって勝っただけだ。
ちなみに主人公はその光景を見守り、ナレーションに徹する(笑)
革命は成功したらしいのだが、これが成功したと言えるのか?と思えるほど
しっくりとこない。

そもそも「自分の推しのライブが終わると退場する」ファンの
マナーが問題の部分も多く、彼らの行動や大会の結果で
ファンの心意気の部分が変わるとは思えない。

慌ただしい日常


引用元:©Happy Elements K.K/あんスタ!アニメ製作委員会

学園の革命が終了すると途端に平和になる。
いわゆる日常回のような話が多くなり、
各ユニットを交代交代で掘り下げていくような感じだ。

謎ルールで勝利するようなDDDよりも、この日常回のほうが
シンプルな話は多いものの、それぞれのキャラの印象を深まる。
いざこざやシリアスもないためストーリーに感じていた変なストレスが無くなり、
2クール目で「アイドルアニメ」らしいアイドルアニメになっていく。

ただ2クール目になってもキャラ数の多さに振り回されている感じは否めず、
キャラ数が多いせいで肝心のライブシーンを描く尺がなく、
ライブシーンが削られることも多い。キャラクター描写の偏りもひどく、
原作をやっていないとしばらく出てこないキャラやセリフ量が少ないキャラは
「こいつは誰だっけ?」となってしまうことが多い。

わざわざ2クール目のOPで出てくるキャラに「キャラ名」と声優の
名前をつけているあたり、制作側も描写不足を自覚しているのだろう。
もう少しキャラクターを減らして、一人ひとりをきっちりと深く
描写することは出来なかったのだろうか?

結局、どのキャラクターも突飛な設定や表面的な部分の魅力以上のものを
感じきれず、色々なキャラクターが出ては消え出ては消えするという印象しかない。
一言で言えば慌ただしい。

流石に他校の生徒まで出すのは出しすぎだ。
夢ノ咲学園の生徒たちでさえ覚えきれてないのに、
そこに他校の生徒を出されると「他校の生徒」という設定が乗っかってる
キャラのほうが逆に印象がついてしまうくらいだ。

みんなのプロデューサー


引用元:©Happy Elements K.K/あんスタ!アニメ製作委員会

ただ、謎なのだが主人公のセリフ量が一気に増える(笑)
1クール目までは一言二言だったが、2クール目は1行か2行のセリフも多くなる。
いつのまにかメインキャラのユニットだけでなく、
「みんなのプロデューサー」になったのもあるのだろう。

彼女が「みんなのプロデューサー」になったことで、
彼女の企画や彼女の視線で各ユニットの日常を見ていくような形だ。
あくまでも傍観者としての立場は変わらないものの、
1クール目よりもセリフ量が増えてるという部分になぜか笑えてしまう。

我が強く、癖の強い彼らとは違い、一歩引いた立場で彼らを見守る主人公の
「反応」がギャグアニメにおけるツッコミのような効果を生み出しており、
それが癖の強い彼らをいい意味で引き立たせている。

適度なセリフ量で適度にアイドルを際立たせる。
この作品における主人公の存在感が2クール目にしてきっちりと意味が出てくる。
ただ配慮は忘れない。彼らと座るときは少し間を空けて座っていたりする。
しゃべるようにはなったもののあからさまに「配慮」してるのが見て伝わる。

彼らに近づきすぎてはいけない炎上の元だ。
1クール目はあくまでも「TrickStar」のプロデューサーだったため、
セリフを減らし出番をへらすことで彼らと仲がいいようなシーンを見せないようにし
2クール目は「みんなのプロデューサー」にすることで、
特定のユニットとやキャラと仲の良さが生まれない代わりにセリフを増やす。

見事な配慮だ(笑)
制作側の配慮が透けて見える主人公になってしまってはいるものの、
この配慮の仕方がある意味でこの作品の最大の特徴とも言えるかもしれない。

ライブシーン


引用元:©Happy Elements K.K/あんスタ!アニメ製作委員会

序盤こそ3DCGを使ったライブシーンが多いのだが、
話が進むとライブシーン自体が短くなったり、止め絵を多用したり、
ほとんど踊らないようなライブシーンも多い。
演出自体は派手だからこそごまかされる部分はあるものの、
「アニメーション」としてのライブシーンの面白さは殆どない。

中盤以降になると露骨にライブシーンをカットする場合が多く、
3DCGすら使わない場合もある。
ライブ中にも声は聞こえてないはずのモノローグだけでキャラ同士が
会話してるシーンがあったりすることも多く、
そのせいでライブがシーンがまともに描かれることのほうが少ない。

アイドルアニメにおける「ライブシーン」の面白さが感じられない。
止め絵を右から左にカメラを動かすだけでごまかすようなダンスと、
モノローグだらけできちんと見せてくれないライブは残念でしか無い。
それでも「ライブは大成功しました」のセリフで片付けられるユニットも居るため、
ユニットの格差も露骨に感じてしてしまう。

特に双子のユニットである「2wink」は序盤から出てるにも関わらず、
露骨にライブシーンがカットされることが多い。
まともに描かれたのはハロウィンのライブくらいだが、
他のキャラもいっぱい出てくるため彼らだけのライブシーンとはいい難い。
なんとも不遇だ。

双子で二人しか居ないから他のユニットに比べ人気がないのだろうか…

中盤以降のストーリー


引用元:©Happy Elements K.K/あんスタ!アニメ製作委員会

場面の切り替わりも激しく、Trickstarはサマーライブ、
他のユニットは遊園地ライブに備えての練習をしてたりする。
これが違う話でそれぞれ描かれるなら良いが、
同じ話でやってしまうためとっちらかってしまう。

そもそもサマーライブをやって1話しかたってないのに、
オータムライブが始まるのも謎であり、時系列の進み方が極端だ。
18話になっても新キャラクターが出てきて、
そのキャラのユニットに関連した話になる。もうアイドルではお腹がいっぱいだ。

1話1話にキャラクターも話も詰め込みすぎていて、
ややダイジェストチックになってる部分もあり、
ライブシーンやキャラ描写に必死でストーリー部分での面白さが
どうにも希薄になっていってしまっている。

話が進めば進むほどキャラ描写が雑になり、
ストーリーもライブシーンも雑になっている。
序盤に感じたこの作品の「面白さ」がどんどんと薄まっていく印象であり、
本来は2話かけて描かないと行けないような話を1話にしてるような感じだ。

終盤


引用元:©Happy Elements K.K/あんスタ!アニメ製作委員会

終盤のダイジェスト具合は凄まじい。
終盤には日本中のトップアイドルが集い競う「SS」というものが開かれる。
あっさりとTrickStarが夢ノ咲学院の代表になり、
他校のユニットと討論会が開かれたかと思いきやSSの当日になり、
予選はほぼ描かれず、一気に本戦だ。これが終盤の2話くらいで一気に描かれる

最終話でこれで盛り上がればいい、だが、ここでも詰め込む。
いきなりTrickStarの「スバル」の父親のスキャンダルがライブ中に映し出される。
根拠不明な父親の犯罪の告発がいきなり流れたことでライブも一時中止になり、
「スバル」は精神的に追い込まれる。

シリアスな話をやるならもっと丁寧に描いて欲しいと思うほどダイジェストであり、
結局は「スバル」の父親も冤罪だ。彼が追い込まれて落ち込む必要性はあったのか?
思うほどの茶番でしか無く、ついていけないまま、盛り上がりきれないまま
終わってしまった作品だ。

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総評:制作サイドと視聴者の乖離


引用元:©Happy Elements K.K/あんスタ!アニメ製作委員会

全体的に制作側がこの作品を面白くしようというよりは
「どう捌き切ろうか」としているのが透けて見る作品だ。
総勢40名のキャラクターをキャラクター描写に偏りはあるものの
なるべく多く出し、炎上の原因でもある主人公を
なるべく原作プレイヤーの逆鱗に触れないように配慮した立ち位置に置き、
なんとか「捌き切った」といえる作品だ。

それが面白いかどうかは別だ。
序盤の段階では突飛で癖の強いキャラクターの存在感や、
突っ込みどころのあるストーリー展開やド派手な紅白歌合戦のようなライブ、
殆ど喋らない主人公というのは見ていて楽しめる部分も多かった。

しかし、中盤からはキャラ数の多さに振り回されてしまっており
1話の中では過剰とも言えるキャラを出しまくり、
日常イベントのようなストーリーを展開してしまい、
終盤にはダイジェストのように詰め込んだストーリーになってしまっている。

元々の原作ファンで、好きなキャラやユニットがメインの回の場合は
楽しめるのかもしれないが、思い入れのないキャラやユニットの回や
そもそも原作をやっていない人からするといまいち、
ただ慌ただしくしてるだけの話ばかりになってしまい、
最終的にはついていけなくなってしまう。

制作側としては「ノルマ達成」と言った感じなのかもしれない。
限られた予算の中でライブシーンをなるべく描き、
原作のキャラの殆どを登場させ、ストーリーも描くという「ノルマ」を
達成するためだけに作られたアニメのような感覚だ。

ただ、制作側としてはそれでいいのかもしれないが見てる側とすれば
もっときちんとライブシーンは描いてほしい、
もっときちんとキャラクターを掘り下げてほしいと感じてしまう。
はっきりいえば、すべての要素が物足りない。

1つ1つの要素が物足りないからこそ、ストーリーが進むにつれて
本来なら生まれるはずの「盛り上がり」が生まれずに、
結局は淡々と見終わってしまう。

2年以上の放送の遅れや、主人公の存在の炎上など
色々と制作サイドの苦労は伺えるものの、
結果としてなんとも微妙な出来栄えの作品になってしまっていた。

魅力的なキャラクターは多いだけに、きちんと魅せてほしかった。
そう感じてしまう作品だった。

個人的な感想:矛盾.


引用元:©Happy Elements K.K/あんスタ!アニメ製作委員会

割と序盤から中盤くらいまでの1クールは楽しんで見られる部分は多く、
DDDの結末には個人的にはしっくりと来ない部分は多かったものの、
この1クールまでの出来は悪くなかったように感じる。
だが、2クールからが問題だ。

これが全24話ではなく、全12話の1クールのアニメで12話までしかなかったら
この作品をもう少し高い評価に出来たかもしれない。
1話~12話だけなら50点くらいの作品だが、
13話~24話が足を引っ張ってしまい最終的には25点になってしまった。
そんな印象が残る作品だった。

ただ、個人的には主人公である「あんずちゃん」ばかりを追っていた作品だった。
1クール目の彼女のセリフ量の少なさが妙に面白く、踏まれたり、
覆面アイドルになったりと完璧にネタ要員になっていて、
2クール目からはプロデューサーとしての仕事は一応してはいるものの、
いまいち何をしてるかはよくわからない(笑)

結果として彼女が居るから2クール見れた部分もあり、
妙に癖になるキャラクターだった。
原作をプレイしていればもう少し2クール目からもついていけたかもしれないが、
原作をプレイしたらプレイしたでキャラ描写の偏りや
ライブシーンのカットがきになってしまうかもしれない。

そういった意味では大きな矛盾を抱えた作品と言えるかもしれない。

コメント

  1. ドナテロ より:

    いつも楽しくレビューを拝見させていただいております

    ひとつ気になったことがあるのですが、このレビューサイトにおいてソーシャルゲームを元ネタとしたアニメをレビューする際に必ずと言っていいほど指摘される「登場人物の多さ」についてですが、これはどういった基準で多いか少ないかを決めているのでしょうか?(例えば、一言二言しか台詞が無いようなキャラも登場人物としてカウントしているのか?また、どの程度出てくると多いと感じるか?)

    • 笠希々 より:

      コメントありがとうございます。
      感覚としては1クールならメインキャラ(物語にちゃんと絡む、セリフがある程度あるキャラ)が12人以上なら多いと感じます。
      12人なら全12話のなかで一人1話分くらいは掘り下げるようなエピソードを描けるのですが、
      ソシャゲ原作の場合は1クールで30人を超えるキャラを出して「出しただけで特に意味はない」キャラが多くなてしまうのが
      気になってしまうんですよね。