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「フラ・フラダンス」レビュー

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評価 ★★☆☆☆(34点) 全109分

福原遥主演「フラ・フラダンス」アニメ版MVが公開!フィロソフィーのダンスによる主題歌「サンフラワー」

あらすじ いわき市に住む夏凪日羽は高校卒業後の進路に悩んでいたが、ある時一枚のポスターを目にする。引用- Wikipedia

作品がフラフラ

本作品はオリジナルアニメ映画作品。
監督は水島精二、制作はBN Pictures。
フジテレビが東日本大震災発生から10年となる2021年に
被災地を舞台にしたアニメを制作する
「ずっとおうえん。プロジェクト 2011+10…」の1作品。

憧れと絶望

映画冒頭、非常にわかりやすい導入が描かれる。
主人公は幼い頃、姉がフラダンスを踊っているのをみて、
そんな姉に憧れていた。
しかし、「震災」がおそい、そんな憧れという名の夢は絶望に変わる。
憧れの姉がやっていたフラダンス、そんな姉はもう居ない。

フラダンスを踊ること自体も家族の中では
「姉」を思い出すこともあり、どこか後ろめたさすらある。
だが、もうあれから10年以上の月日が経っている。
姉をなくした悲しみは10年という時間が徐々に癒やし、
10年という月日が止まっていた憧れを再び後押しする。

まるで姉の影を追うように、彼女は
スパリゾートハワイアンズにダンサーとして
就職するところから物語が始まる。

物語のインパクト、フックとしてはかなり弱く、
映画が始まって10分立っても20分たってもいまいちピンとこない。
キャラクターデザインの「弱さ」もあるのだが、
5人のメインキャラクターがいまいち薄味で印象が薄い。

スパリゾートハワイアンズにダンサーとして就職するという
かなり特別な環境の物語ではあるものの、
その特殊さを感じないほど、一言で言えば地味だ。
映画というよりは2クールくらいのアニメの1話をみているような、
そんな「地味」さがどうも抜けない。

被災地を応援するプロジェクトの一環のアニメだからこそ、
福島県いわき市の「今」の街並みを映そうとしているのを感じる描写はあるものの、
最近のアニメ映画としては背景のクォリティは並だ。

車などの機械はバリバリのCGで描かれており、
キャラクターの作画も含めて「アニメ映画」のクォリティとしては
物足りなさを感じてしまう。

お仕事物

この作品はいわゆるお仕事物だ。
この手のジャンルだと「PA.WORKS」が得意とする作品ではあるが、
普通の人は知らないような特殊な仕事の世界を覗けるというのは
この作品の特色でもある。

スパリゾートハワイアンズにダンサーとして就職すると
2年間はダンサーとしての下積みをつみ、
2年後にはダンサーとしての名前をもらい舞台に立つことができる。
あまりにも特殊な環境で過ごすメインキャラクターたちの
日常描写はそれなりに面白いものの、ひたすら地味だ。

ダンサーとしてフラダンスを練習をして、
彼女たちの暮らしぶりを描きつつ一人ひとりのキャラの
印象を深めるような描写をしている。
そこに何かドラマらしいドラマがなく、序盤は特に淡々としている。

5人のメインキャラも主人公、つんつん、臆病、ぽっちゃり、外国人と
わかりやすいキャラクター付はしているものの、
そこに決定的なキャラの魅力を感じるわけでもない。
本当にただただひたすら地味だ。
淡々と、特に盛り上がりもなく、絵的な面白さがあるわけでもない。

葛藤

主人公は姉への思いや憧れからフラダンスをしている。
だが、彼女は特に経験者というわけでもない。
だからこそ序盤は彼女は他の4人に比べて技術も経験もなく、
他の4人から遅れを取ってしまっている。

そんな彼女がなぜプロのフランダンサーとして
入社できたのかもよくわからないが、
そんないわゆるちょっと「落ちこぼれ」な主人公がどう成長し、
自身をつけていくのかが序盤のドラマにもなっている。

しっかりと踊れない自分、寝坊をしてしまう自分。
自分を追い込み、更に追い込んで、また自分も追い込んでしまう。
そのジレンマに苦しめられる。
それでも彼女は「誰かを笑顔にしたい」という思いがある。
姉が自分を笑顔にしてくれたように。

描きたいことは分かるものの、主人公が言う
「ひまわり」のような笑顔という抽象的な物が
見ている側には伝わらない。

そんな中で初ステージが描かれる。
5人のメインキャラの誰にも愛着を持っておらず、
初ステージが「失敗」してしまう流れもギャグ的ではあるものの、
笑いにはつながっていない。

「査定」が行われ40人中40位という最下位の
実力しか無い主人公がどう、そんな挫折から這い上がっていくのか。
そこが中盤からの見どころだ。

意味が…

そんな地味なストーリーを展開しておきながら、意味不明な要素がある。
序盤から唐突に主人公の持っている人形が喋りだすような
ファンタジー的な要素があったり、
中盤では「アイドルライブ」がガッツリ描かれる。

ちょっと意味不明だ。
ろくにフラダンスのシーンを描いておらず、フラダンスの
魅力もまるで感じておらず、キャラにも愛着がわかない状態で、
唐突に出てきたアイドルのライブシーンがガッツリと描かれる。
そこを描く時間があるならば違うところを描いてほしいと思うほど、
ちょっと意味不明な要素があまりにも多い。

キャラクターも109分という尺の中で掘り下げ不足や、
不要に感じるキャラクターも多く、
いまいちメインキャラクターを含め、この作品の要素を
活かしきれていない感じが強い。

震災の描写に関してもがっつりと描かれるわけでもなく、
主人公の「姉」もどうしてなくなったのかがふわっとしている。
直接的に描写するのは難しかったのかもしれないが、
そのあたりを濁しているせいで違和感もう生まれてしまっている。

5人のメインキャラの悩みもそれぞれが自分に向き合って、
自分で解決していることも多く、
そこにあるはずのドラマやストーリーが描かれていないせいで、
5人のメインキャラにいつまでたっても愛着を持ちきれない。

外国人キャラも唐突にホームシックにかかったかと思えば、
あっさりと治ってしまう。
特にドラマもなく5人のメインキャラも成長しており、
その中でまたフラダンスが描かれるが、そこにアニメーションとしての
面白さも薄い。

全国大会

終盤では唐突に全国大会的なものに出場する流れになる。
コレまた意味がわからないが、彼女たちが踊る曲は
中盤でライブをしていたアイドルの曲だ。

もはやフラダンスというよりはアイドルアニメのような感じで描かれており、
中盤でちょろっとフラダンスが描かれたくらいで、
終盤は特殊なアップテンポのアイドル曲でフラダンスが描かれてしまう。

結局作品全体できちんとしたフラダンスが通しで描かれることは
ラストくらいしかなく、
アイドルアニメがしたかったのか?と思うような
アイドルアニメ風フラダンスライブシーンは謎でしか無い。

結局、最後の最後まで「フラダンス」の魅力も、
キャラクターの魅力も伝わらずに、
何がしたかったのかよくわからない作品になってしまっていた。

総評:フラダンスなのにアイドルアニメ?

全体的に作品全体がふらふらしているような作品だ。
震災要素もそれほど色濃くなく、フラダンス要素も
きちんと描かれているシーンが少なく、アイドルアニメのような
ライブシーンのほうががっつりと描かれてしまっている。

あまり才能のない主人公が挫折を味わいながら、
ときに失恋しながら仲間たちと成長していく。
そのストーリー自体はそこまで悪くないものの、
メインキャラの5人のうち4人が中途半端にしか掘り下げきれておらず、
作品全体の要素やキャラクターを活かしきれていないもどかしさが強い。

震災跡の復興要素を描きたいのか、フラダンスを描きたいのか、
青春模様を描きたいのか、アイドルアニメを描きたいのか、
ハワイアンスパリゾートのお仕事ものを描きたかったのか、
色々とよくわからない感じで終わってしまっている。

特に「喋る人形」というファンタジー要素は、
「そうなんだろうな」とは思っては居たものの、
ラストでその種明かしがされてもいまいち飲み込めず、
リアルな作品なのに中途半端なファンタジー要素がこの作品では
邪魔でしか無かった。

これが映画ではなく1クールのストーリーならば
活かしきれていない部分、描ききれていない部分も描かれて、
最後に感動できたかもしれないが、
作品全体が総集編、ダイジェスト気味なストーリーのせいで、
色々と中途半端になってしまっている作品だ。

個人的な感想:微妙

映画が始まってから終わるまでどうにも面白さが明確にならず、
ずーっと「ふらふら」とした感覚で見終わってしまう作品だ。
「フラダンス」そのものがアニメ映えしないのかもしれないが、
CGで描かれるフラダンスのシーンも魅力を感じず、
作画のレベルも劇場アニメとしてのクォリティとしてはかなり物足りない。

震災復興アニメとして、被災にあった土地で生き続ける人の今と
未来のようなものを描きたかったのかもしれないが、
どうにもいろいろな部分でしっくりと来ない作品だ。

興行収入もあまり振るわない作品だったようだが、それも納得できてしまう。
駄作というほどではないが、名作でも佳作でも、迷作でもない。
作品の「フック」がたりず、ふわっとした印象が残ってしまい、
口コミでも広がりきらなかったのも納得できてしまう作品だった

「フラ・フラダンス」は面白い?つまらない?

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  1. 匿名 より:

    アイカツ好きな自分はそれなりに楽しめましたが女児向けアニメなどの耐性のない人はちょっと厳しいかもしれないですね