劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ キュレムVS聖剣士 ケルディオ

☆☆☆☆☆(7点)

劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ キュレムVS聖剣士 ケルディオ 評価

全70分
監督/湯山邦彦
声優/松本梨香,悠木碧,宮野真守,大谷育江,福圓美里ほか

あらすじ
サトシとピカチュウ、アイリス、デントたちは、次の目的地ローシャンを目指して旅をしていた。そんな中、傷ついたポケモン“ケルディオ”と出会う。するとその時、最強のポケモン“キュレム”がサトシたちに襲いかかる。戸惑うサトシたちを守ろうと、キュレムの前に立ちはだかるケルディオ。

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成長のための犯罪行為、プライスレス。

本作品はポケモンの15作品目の映画。
ベストウイッシュシリーズとしては2作品目の作品
15周年記念超大作と紹介されているが大嘘な作品だ

見だして早々、滅茶苦茶ポケモンが喋る。
ポケモンにおいて「喋る」という行為はニャースなどの特別なポケモンか
エスパータイプのポケモンによるテレキネシスによるものだ。
しかし冒頭から主人公のサトシそっちのけで、
どこの誰だかわからないポケモン同士がしゃべりまくる。
その時点でかなり萎える。

本来ならサトシ達などの人間との交流でそのポケモンの状況を
ピカチュウなどを通して理解するような展開のほうが自然だ
ポケモンを喋らせれば確かにその手間は省けて分かりやすく状況を理解させやすいのはわかるが
「ポケモン」という未知の生物が主役の作品で
喋らせまくるというのはあまり気持ちのいいものではない。

更にストーリー的にも、どこの誰だかわからないポケモンたちだけで
冒頭の15分も使ってしまう、サトシは出ない(苦笑)
主人公であるサトシを冒頭から出して自然とストーリーにからめていくような展開には
できなかったのだろうか。

そんなどこの誰だかわからないポケモンは「ケルディオ」といい聖剣士というものになりたいらしい
聖剣士というワード自体、ポケモンらしくないなと感じてしまうが、この際どうでもいい。
その聖剣士になるためには先輩の聖剣士たちに認めてもらい
更に「キュレム」を倒すとなれるらしい。

ちなみに「聖剣士」がこの世界でどんな役目を果たしているのかなどの説明は一切なし。
ポケモンとか世界とか強いから守ってますよという「ふわっ」としたもので
聖剣士が倒すべき相手や重大な使命などがあるならば「聖剣士」の意味も出てくるが
「聖剣士」という言葉以外にそれに関する説明はない。

「キュレム」も強く横暴ではあるが、別に世界を破壊しようとしていたりはしない
「ケルディオ」に勝負を挑まれたから戦っているだけで悪いやつではない。
挑まれた勝負を邪魔されたから他の聖剣士を凍らせて、勝負の途中で逃げたから追いかけただけだ
「ケルディオ」が勝手に勝負を挑み、勝手にキュレムに怯え、勝手に仲間を助けてくれと叫ぶ

もうあまりの身勝手さに彼に感情移入することはできず、
更に彼がなりたがっている聖剣士は特に意味が無い。ただ強い集団なだけ。
そんな状況でサトシ大先生のご登場だ(笑)
長年年も取らずポケモンマスターにもならずに主人公を続けている彼でも
この状況で活躍しろという方が難しいだろう。

サトシもいい迷惑だ。はっきり言ってしまえば内輪モメだ。
キュレムとの追いかけっこを繰り返しつつ、目的地まで行くだけ。
更に逃げるさなかでサトシ達は「窃盗」までしてしまう。
世界が終わる、人が死ぬ、街が壊れるなどの「危機的状況」というわけでもない
それなのに自然と器物破損や窃盗をしてしまうのはドン引きだ(苦笑)

そんな犯罪行為をしながら逃げつつ「ケルディオ」は仲間を意識する。
サトシ達の行動を目の当たりにし仲間や本当の力というものを自覚し
成長するという展開自体は悪くはないのだが、
そこまでのつまらなすぎるストーリー展開や、あくまで脇役になっているサトシたちなど
子ども向けのストーリーというよりは子供だましなストーリーだ

全体的に見てひどい作品だ。
一切感情移入できない「ケルディオ」の勝手な行為に付き合わされる全てのキャラ、
そのストーリー自体も「伝説のポケモン」「地上最強のドラゴン」「聖剣士」という
御大層な肩書に見合わない小さい小さい世界でのストーリーだ
ストーリーも「この先どうなるかな」というようなワクワク感がなく予想通りの展開。
ひねりもなく、味もなく、薄い。ティッシュでも食べているような感覚だ

ポケモンというタイトルや、劇場に来るともらえる配布ポケモンに甘え過ぎではないだろうか?
それこそよっぽどグロ要素が酷いポケモンでもない限り
入場特典とポケモンというタイトルで一定の来客数は望める。
だが、そこにすっかり胡座をかいてしまっては子どもたちが10年後もポケモンを好きで居てくれる
10年後もこの映画を思い出してくれるような事にはならないはずだ。

私は16年たった今でも「ミュウツーの逆襲」をしっかり覚えている。
そしてあの作品があるからこそミュウツーというポケモンが好きだ

子ども向けだから、どうせ黙っててても客は来るから。
そういった甘え考えではなく、しっかりとした作品を作って欲しいと切に願いたい。
子ども向けストーリーと子供だましは大きくに違う。
子供騙しは子供も分かる「子供だからとなめられた」と。
この作品を見た子供が「ケルディオ」というポケモンを好きになるとは到底思えない

私は逆にキュレムのほうに愛着がわいてしまったくらいだ。
何故か知らないが聖剣士になるために倒される役になっているわ、
勝負挑んできて逃げたから追いかけて、結局自分の家も壊されて・・・
悪いことは1つもしてないのに不憫でならない。
更に言えばロケット団も登場しない(苦笑)

「15周年記念超大作」の肩書はどこに行ったと思わず嘆いてしまう作品だった・・・

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