劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ 神速のゲノセクト ミュウツー覚醒

評価/★★☆☆☆(22点)

劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ 神速のゲノセクト ミュウツー覚醒 評価

全96分
監督/湯山邦彦
声優/松本梨香,悠木碧,宮野真守,大谷育江,三木眞一郎ほか

あらすじ
イッシュ地方を手中に収めるべく暗躍していた組織「プラズマ団」。今ではサトシとNらの活躍で壊滅してしまった彼らは過去に絶滅したポケモンを現世に蘇らせていた。それが3億年前までに生息していたといわれる古代のポケモン「ゲノセクト」だった。化石から復元させられた5体のゲノセクトは背中に砲台を取り付けられた。だが5体は人間への憎しみを芽生えさせプラズマ団から逃げ出してしまう。

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ゲノセクト、少し・・・頭冷やそうか。大気圏外あたりで・・・w

本作品はポケットモンスターBWの映画作品
ポケモンとしては16作品目となり、BWとしては最後の映画になっている
私個人としては本当に久しぶりに見るポケモン映画で
ミュウツーが出るので見に行きたくなってしまった作品だ

前半部分はピカチュウ達、ポケモンの視線の「短編映画」だ。
本編とは全く関係ないストーリー展開で
ピカチュウ達がイーヴイの家にお泊まりに行くという話になっている。

コミカルに動きまわるポケモン達は非常に可愛らしく
洗練されたポケモンの動きは凝りに凝っており、
大人が見てもその動きは素直に面白いと思えるポイントだ

更にストーリー的にも「イーヴイの家に泊まりに行く」という
それ以上でもそれ以下でもないストーリーが素直にポケモンの可愛さを堪能させてくれる。
イーヴイの他にもイーヴイが進化したポケモンが一緒に暮らしており、
それぞれの特徴を活かした部屋の数々でピカチュウ達が遊び様は見ていて楽しい

終盤、それぞれの技を使って「そら」をつくり上げるシーンは壮観だ。
ポケモンという特殊な生き物を最大限に活かし、CGで綺麗に描写された「そら」は
次々と入れ替わり、壮観だ。

短編部分だけ見ると完成度は高いのだが、この短編映画は30分ほどあり、
本編の上映時間を圧迫してしまっていた。
そのせいで本編は「?」となるポイントが多い

まず初っ端からミュウツーが出る。
一応本作品の目玉の存在なのだからもう少し後に出てもいいのでは?と思わず思ってしまうほど
冒頭の冒頭で出てしまい、更に何の説明もなく「覚醒」という名のフォームチェンジをする。
これがピンチの時の覚醒ならばまだいいが、ただ高速で飛ぶための覚醒で
何の溜めもなく、あっさりと「ミュウツー」の全ての力が描写されてしまい
何だか肩透かしを食らった気分だ。

ミュウツー自体のバックボーンも何となく察することは出来るのだがあっさりとしか描写されず
なぜ覚醒できるのかなどは説明なし。
この部分に関してはTVスペシャルで解説されているようなのだが、
それを見ていない人は完璧に無視だ。

そんなミュウツーに対し同じく人間によって作られた「ゲノセクト」。
彼らは複数個体だが、古代から蘇ったポケモンであり
自分たちの状況を理解できずひたすら居場所を求める。

この対比自体は悪くはない。
人間のことは好きではないがポケモンは好きなミュウツー、
人間のこともポケモンのこともとにかく敵なゲノセクト、
人間もポケモンも好きなサトシ達という三者三様の立ち位置はよかった。
しかし、立ち位置だけだ。

基本的に序盤から中盤まで主人公であるサトシ無視で、
暴れまくるゲノセクトを止めるミュウツーの図式が描かれ、
サトシ達はそれに巻き込まれつつ、どうにか戦いを止められないかと考える
が・・考えるだけだ。

実際の所、暴れまくっていたゲノセクトを止めたのはミュウツーの力押しであり、
そこに説得力がない。
ゲノセクト達のバックボーンの描写が「人間に復活させられた」くらいなので感情移入するのが難しく、
ただ暴れまわっていたのをミュウツーが豪快に頭を冷やしてやったことで冷静になった。
というような解釈もできてしまうほど浅いのだ。

ミュウツーはまだ理解できるが、赤いリーダー格のゲノセクトに関しては
あまりにもあっさりと人間への考えを改めてしまっている
もう少しバックボーンの描写がしっかりしていれば、
考えを改めたシーンでも感動できるのかもしれないが、
散々、暴れまわった割にはあっさりしてしまっている。

根本的にキャラクターの使い方が悪い。
特に人間キャラクターの使い方は「ベストウイッシュ」としては最後の作品なはずなのに
BWの「アイリス」などの活躍はほとんどなく、居なくても問題ない。
もう少し人間側のキャラクターをしっかりと使って欲しかったと感じる部分が多い

ポケモン側に関してもゲノセクトはただ暴れているだけの印象しか無く、
ミュウツーもバックボーンの描写が甘いため感情移入できない。
ピカチュウなどのおなじみのキャラクターの活躍も薄く、
特にバトルシーンはゲノセクトとミュウツーばかり戦っている。

この戦闘シーンは・・・確かに派手だ。
「神速」というタイトルにもある通り、
高速な戦闘シーンの描写はCGを使い迫力ある映像にはなっているのだが、
あまりにもワンパターンすぎて戦闘シーンのおもしろみが殆ど無い。
ミュウツーも覚醒したり通常モードに戻ったりと忙しい(苦笑)
もうずっと覚醒したままで居ろと突っ込んでしまいたくなるほど慌ただしい

全体的に見て言いたいことや、やりたいことは分かるのだが
60分という尺ではそのやりたいことを全然描ききれていなかったという印象だ
子ども向けと割り切れば許容出来る部分はあるが、
子ども向けと割り切っても「なんだかなー」と感じてしまう部分が多い。

個人的には残念だった。
序盤のピカチュウの短編は動きの面白さが在り、本編にも期待してたのだが
短編のほうが面白かったと感じてしまうほどストーリーは浅く
戦闘シーンのおもしろみもない。

またこれは今の子供のセンスと私のセンスが違うのかもしれないが
「覚醒したミュウツー」のデザインや「ゲノセクト」のデザインがかなり微妙なのだ。
はっきり言ってしまえばミュウツーに関してはダサイとすら感じる
ゲノセクトも赤いゲノセクトはもう二回りくらい大きくてもいいのでは?と
思ってしまうほど迫力がなかった。

劇場ともらえるポケモン目当てで映画はおまけ。
そんな感じになっているのは本当にに残念でならない・・・。
この作品だけが酷いのか、それとも近年はひどくなっていたのか・・・
最近のポケモン映画は全く見ていないため、この機会に見てみたいと思います。

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