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この素晴らしいファンタジーギャグアニメに祝福を「この素晴らしい世界に祝福を!」 レビュー

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      2017/03/22

評価/★★★★★(84点)全10話
この素晴らしい世界に祝福を!  第4巻 [Blu-ray]

あらすじ
不慮の事故で命を落とした高校生の佐藤和真は、天界で女神アクアに異世界への転移を持ちかけられる。アクアは「異世界には望むものを1つだけ持っていける」と異世界転移の特典を持ち出しながら勧誘するが、アクアの態度があまりにも和真を味噌っかすに馬鹿にしていたために和真は激怒し、アクアを「異世界に持っていく”もの”」として指定する。

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この素晴らしいファンタジーギャグアニメに祝福を

原作はライトノベルな本作品
監督は金崎貴臣、制作はスタジオディーン
なお、2期が決定している。
見だして感じるのは独特のテンポだろう。
1話冒頭から主人公が異世界に行くまで、まったり感すら感じる。
印象的なシーンで作品に惹きつける1話は多いが、
この作品の場合は「じわじわ」っと、ゆっくり、だが確実に、
非常に丁寧に「作品の導入」を描いている。

イスしかない空間で死んだ主人公と、
死後の行く末を決める女神が対話する。
強引なテンポや大量にキャラクターを出すわけでもない、
いきなりセクシーシーンを描写するわけでもない、
丁寧に「世界観」の説明をすることで非常に作品の世界観に浸りやすい。

この1話冒頭で「わかりにくい」と思う人は居ないはずだ。
昨今のラノベ原作ではよくある「オタクな主人公」と
「異世界召喚型」のストーリー、そのテンプレート的な要素でしかない部分を
視聴者が「わかっている」前提ではなく、
1から丁寧に説明してくれている。

そして同時に、そのテンプレート的な要素はギャグで彩られる。
強引に異世界に連れてこられたヒロインの
「ヒロインとは思えない」絶望の表情、
ヒロインと主人公の異世界での会話のやりとりなど、
サクサクとしたテンポの中に挟み込まれるほどよいギャグが
素直な面白さを生んでいる。

そして主人公は最弱だ(苦笑)
多くのラノベ作品で「最弱」というのは「最強」の裏返しだったりするが、
この作品の場合、紛れも無く最弱だ。
ステータスで言えば「運」だけがいい冒険者であり、
決してかっこいいとはいえない。ずる賢いだけだ。

更にヒロインは最強ではあるが馬鹿だ(笑)
主人公に強引に連れてこられた女神な彼女は、
ステータス的にはマックスだが、知力だけが低い。
女神としての傲慢さを持ちあわせているものの、
知力が低いがゆえにその傲慢さが威厳にはならない。

話が進むとキャラクターも追加されるが、「残念系ヒロイン」が基本であり、
最強魔法は使えるが燃費最悪、ドMな女騎士と、
RPGのパーティーとしては最悪に思えるヒロインたちと
最弱でずる賢い主人公という組み合わせが最高のファンタジーギャグになっており、
1話のストレートな異世界召喚ファンタジーの印象が
話が進めば進むほど崩れていく(笑)

こんな「残念」なRPG的キャラクターが、魔王を倒すために冒険をする。
しかし、こんなパーティーではまともな魔王討伐ファンタジーストーリーではなく、
最初のはじまりの街からめったに出ないうえに
魔王の居るところへ旅するわけでもない。
日銭を稼ぎ、暮らしていくのが精一杯だ(笑)

まるで原作が4コマまんがのごとく、
オチがつくとアイキャッチが表示され場面が切り替わったり、
お約束や天丼のごとく「カエルに飲み込まれる」ヒロイン達だったりと、
用意されている世界観はストレートなのだが、
その世界観でストーリーを綴る登場人物たちがあまりにも残念過ぎる。
その残念さが「ギャグ」になっている。

ただ同時に色々と突っ込みどころも感じさせる。
特に世界観に関しては一応、異世界という設定ではあるものの、
「レベル」の概念があったり、スキルを覚える、ステータス、転職など、
どちらかというとMMOなどのゲームのような世界観だ。
主人公たちの目的も「魔王を倒す」であり、
主人公もゲーム感覚で異世界で行動をする。

ストレートな部分と若干の違和感を感じさせる癖の部分、
そして残念な登場人物たち。
この1つ1つの要素がまるでフレミングの法則のごとく、
突出して色々な方向に突き出ており、まとまっているようでまとまっていない、
その不安定さが強烈なギャグ要素と「この素晴らしき世界に祝福を」という作品の
オリジナルの面白さにつながっている。

そしてセクシー要素。
この作品では余り露骨にセクシー要素は描かれない。
だが妙に「フェチズム的」なセクシー要素がふんだんに含まれており、
下着を履いていないように見えたり、キャラがかがんだ時に見えそうになったり、
鎖骨だったり、唇だったりetc…
男心をくすぐる何ともフェチズム的なセクシー要素は露骨じゃないからこそ、
ほどよい塩梅で下心をくすぐってくれる。

露骨なセクシー要素は「下着」などだだが、
これも描かれるときは「ギャグ」として描かれる(笑)
まともなファンタジーストーリーになりそうでならず、
王道的展開にも絶対にならない。
起承転結をきっちりと意識したストーリー構成で
きちんと「ヲチ」をつけるのも好感が持てる所だろう。

特に9話はこの作品の要素がギュっと詰まっている。
キャラクターの魅力、ギャグ、セクシーさ、
起承転結のストーリー展開は傑作だった。

そんなギャグ的ファンタジーではあるものの、
戦闘シーンももちろんある。
数は少なく、時間的にも短い。更に言えば作画のレベルも普通だ。
しかしながら、そんな戦闘シーンを「演出面」でうまくカバーしており、
印象に残る戦闘シーンと、盛り上がりを生んでいた。

全体的に見て素晴らしいファンタジーギャグアニメといえるだろう。
一見ストレートな異世界召喚型ラノベファンタジーのようにも見えるが、
話が進め進むほど増していく「残念」なキャラクターとヒロインの魅力、
残念だからこそのすっきりとしたギャグの数々は
素直に面白いといえる作品に仕上がっていた。

ストーリー的にはシリアスな展開は一切なく、
基本的にトントン拍子に進んでいく。
ご都合主義的に感じる部分もあるかもしれないが、
そのご都合主義の部分を「ギャグ」にしている部分も多く、
うまい具合に欠点を補っている作品だ。

一人一人のヒロインも非常に可愛らしく、
極端な性格のヒロインが多いものの、
各声優さんの演技力と極端な性格だからこそのギャップが、
強烈な可愛さを産んでおり、きちんと個性あふれるキャラクターばかりだ。
ギャグアニメなのにキャラを増やしすぎず、
一人一人のキャラをきっちり掘り下げ、より強い魅力を生んでいた。

個人的に、雨宮天さんの演技に驚いた。
雨宮天さんは個人的にだが、あまり特徴の無い声優さんだと感じていたのだが、
この作品における雨宮天さんが演じた「アクア」というヒロインの演技には驚いた。
時には女神のように、時には馬鹿っぽく、時には暴れ回り、時には叫ぶ。

演技力のない声優ならばすぐにボロがでそうな難しい演技も多く、
そんな中で安定しつつも「アクア」という傍若無人なヒロインを
とても魅力的に演じていたのは本当に驚いた。

そしてこれは超個人的かつ、同志にお伝えしたい情報なのだが
「三石琴乃」さん演じる「サキュバス」がものすごくエロかった(笑)
この1行で見たいと思わず思ってしまった方は、
この三石琴乃演じるサキュバスのために見て損はないだろう。

欠点を言うならば終盤、作画がものすごく不安定になってしまった事と、
ギャグ部分の好みだろう。
これは、この作品というよりも「ギャグ」という要素そのものの欠点だが、
ツボに入れば爆笑するだろうが、
入らない人にとっては滑りっぱなしに感じるかもしれない。

だが、騙されたと思って1話でやめずに3話くらいまで見て欲しい。
右肩上がりに徐々に面白くなっていくこの作品の魅力が伝わるはずだ。
2期の放送時期は決まっていないものの、
全話面白かった作品なだけに、今から楽しみな作品だ。

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