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ジャンプ流料理アニメ、おあがりよ!「食戟のソーマ」レビュー

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評価★★★★☆(70点)全24話
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あらすじ 下町の定食屋「ゆきひら」では、今日も父・城一郎と息子・創真が料理対決を繰り広げていた――。中学を卒業したら実家「ゆきひら」で料理の修行をし、父を越える料理人を目指そうとしていた創真。だが突然の休業、そして父の提案により、日本屈指の料理学校「遠月茶寮料理學園」(遠月学園)の編入試験を受けることに。引用 – Wikipedia


ジャンプ流料理アニメ、おあがりよ!

原作は週刊少年ジャンプで連載中の漫画作品。
ジャンプとしては「包丁人味平」以来の料理漫画となっている。
監督は米たにヨシトモ、制作はJ.C.STAFF。

見出して感じるのは「物凄く美味しそうな料理の描写」だろう。
冒頭、すぐに描かれる炒飯の圧倒的な素材の描写、
米粒1つ1つをしっかりと描き、エビ、チャーシュー、グリーンピースが混ざった
見ているだけで「よだれ」が出るほどの素晴らしい描写だ。

そして食べた際の感想。
女性キャラが一口チャーハンを食べると脚をもじもじさせ、
しっかりとした「咀嚼」と顔を赤らめた後の「吐息」、
一言で言えば「エロい」反応は若干やりすぎであるがゆえに
笑ってしまう反応だ(笑)

個人的な意見なのだが私は本来、食とエロの融合はあまり受け付けない。
昨今、グルメ漫画ブームであり有象無象のグルメ漫画が量産される中、
「食欲」と「性欲」を同居させて作品として成り立たせている漫画も多いが、
その感じが私はあまり好きではなかった。

しかし、この作品の場合、同じ「食欲」と「性欲」の同居作品ではあるのだが、
「食欲」をそそるためのしっかりとした料理描写と、
エロさというよりもギャグにつなげている「性欲」=セクシーシーンのおかげで
不思議と嫌悪感を産まず、1話の冒頭からそれをしっかりと妥協なく描くことで
「この作品はこんな感じですよ」という雰囲気をちゃんと掴み事ができ、
抵抗感が生まれない。

まずいイカゲソとピーナッツバターの料理を食べたあとの反応を
「触手プレイ」に結びつける発想など笑うしかないだろう(笑)
いい意味でセクシーシーンが馬鹿げており、
駄目なグルメ漫画にありがちな嫌悪感を懐きやすいセクシーシーンにはなっていない、
むしろ昔のジャンプ漫画特有のお約束的エロシーンのような
清々しさすら感じる。

演出も過剰すぎると言ってもいい(笑)
料理シーンでの制作過程、中華一番のびっくりなリアクション、
一つ一つのシーンを「大げさ」かつ「過剰」なまでにもり立てる演出をすることで、
料理を食べた際のリアクションがエロを交えつつも、きっちりとギャグに仕立てており、
やりすぎだからこそエロが下品にならず、笑いにつながっている。

そして主人公、「The少年漫画」的、王道な熱血タイプなストレートなキャラだ。
昨今の流行りのウジウジ系でも、オタク系でも、ひとり語り系でない。
ストレートすぎるThe主人公な彼に対する嫌悪感は一切ない。
そんな主人公に対して常に裸エプロンな男キャラやツンツンなヒロインなど、
癖のあるキャラが居ることでストーリーが自然に盛り上がる。

この作品は色々と極端だ。
前述したリアクションやセクシー描写、料理の描写なども
やりすぎなくらい過剰なのだが、その過剰さに引き立てられるように
ストーリーも極端だ。

この作品はいわゆる「学園モノ」だ。
父親に言われ料理専門の学校に主人公が入学するところから
ストーリーが始まるのだが、漫画的な過剰にでかすぎる学校が舞台であり、、
ストーリーの展開自体は「王道」であり、読みやすい展開も多いのだが、
その読みやすさを逆手に取るように過剰にストーリーをもり立てることで、
展開自体の王道さの想像を超える面白さにつながっている。

例えば入学試験で料理バトルが始まるのはこの手の作品としては王道だが、
素材が「たまご」で審査員は母親の母乳にまで文句を言う
「神の舌」の持ち主の美少女、
そんな状況で主人公は「ふりかけごはん」を作る。

見ている側の期待感を煽り立てるシチュエーション作りがうまく、
きっちりと盛り上がるからこそ王道の面白さが引き立つ。
上の文章だけでも主人公が一体「どんなふりかけご飯」を作って
神の舌を持つヒロインを満足させるのか、見ていない人ならば
気になって仕方ないだろう。

見ている側を「飽きさせない」展開と気になるストーリー展開を
うまく組み合わせながら、作品全体を盛り上げていく。
そこにストレートな主人公とややクセのあるライバルキャラ達が居ることで、
1話1話にきっちりと盛り上がりどころとメリハリを付けており、
「2クール」という尺をダレさせない。

学生として年月を進めながら、特殊な学校だからこそのイベントや授業を
織り交ぜつつ、中盤で序盤の目的でもあった
「父親に料理で勝つ」という主人公の大まかな目的を再認識させることで、
物語の本筋とラストの展開の想像をきっちりとさせることで、
「主人公の成長」していく過程の面白さと、王道の展開の進め方が、
安定感のある面白さとまっすぐなストーリーを魅せてくれる。


全体的に見て素晴らしい料理バトルアニメといえるだろう。
焼きたて!!ジャぱん以来の料理バトル作品であり、
アイデア溢れる料理、ド派手なリアクション、濃ゆいキャラクターと、
料理バトル漫画の王道を守りつつも、
ジャンプ作品らしいまっすぐな主人公、清々しいセクシーシーンが合わさることで、
「ジャンプらしい」料理バトルアニメに仕上がっている。

しっかりした料理描写、突き抜けたエロ描写、燃えるストーリー。
この3つをきちんと妥協なく描いているからこそ、
2クールという尺でダレることなくきっちりとストーリーを盛り上げており、
素直に面白いと言える作品だ。

欠点を言うならば「過剰な部分」だろう。
その過剰な部分こそが、この作品の面白さではあるのだが、
過剰な設定はいかにも漫画やアニメ的であり受け入れられない人もいるだろう、
過剰なセクシー描写もギャグと受け止めきれず嫌悪感を抱く人もいるだろう、
ただ健全な「少年漫画読者」ならば、この作品は素直に面白いと感じられるはずだ。

個人的にはこの作品の「料理」がよかった。
実際の料理研究家の方が作った料理だからこその「現実味」のある料理であり、
もちろんアニメ的に過剰に飾っている部分はあるものの、
きちんと現実で作れる料理だからこそ、リアルかつ生々しく、
「美味しそう」と感じられる、見ていて自然と唾液がにじみ出てくる感じだ。

2期にも期待したいところだが、
1期の終盤でも感じたがキャラクターが増えたことで展開がやや間延びしつつある。
いわゆるトーナメント的なものが始まっており、
キャラ一人一人に割かれる時間が多くなっている。
「マンネリ」やワンパターン化にならないか、やや心配だ。

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