ZETMAN


評価/★★☆☆☆(23点)



制作/トムス・エンタテインメント
監督/鍋島修
声優/浪川大輔,千田光男, 宮野真守ほか


あらすじ
手の甲に円状のコブを持ち、強靭な肉体を持つ不思議な少年ジンはホームレスではあるものの大好きな「じィちゃん」と二人で平穏に暮らしをしていた。しかし突然、ジンとじィちゃんの前に異形の殺人鬼が現れ、ジンの生活は激変する事となる。


ブレブレな正義


原作はI’Sなどで有名な桂正和による作品、現在も連載中だ
原作者も脚本会議に参加しており、
原作とアニメではストーリー展開が異なる

基本的なストーリーはヒーローアクション物。
強靭な肉体と運動能力を持つ少年ジン、彼はホームレスである「じぃちゃん」に
育てられていた、しかし「じぃちゃん」は何者かによって殺される
その次の夜、少年は謎の怪物に襲われ窮地を迎える
だが、そこで彼は「ZET」として覚醒する・・・という感じだろうか?

1話は悪くはない、主人公の少年時代を描いた1話は謎を含みつつ
この作品の魅力であるダークヒーロー的な外見や
キャラクターの魅力も詰まっており
「この先どういう展開になるんだ?」という期待感がある。

だが、2話以降はどんどんと年月が流れていく
1話は子供だが、2話はすでに高校生くらい、4話では更に2年立っている
この早すぎる時間の経過は若干戸惑ってしまう
こちらが感情移入したキャラが急に成長してしまうという展開は何とも言えない

ストーリー的にはZETとして「プレイヤー」と呼ばれる怪物を倒す主人公と
そんな主人公と子供の頃「正義の味方」をやっていたライバルキャラの
両方の視点で進んでいく

主人公視点では「自分が何者なのか」や「ZETとは何なのか?」という点で突き進んでいく
徐々に・・・本当に徐々に明らかになっていく、
彼が親しくなった人間は殺されてしまうことにより家族や仲の良い友人を作ることを
拒否していた彼の視点での話は「ダークヒーロー」的な魅力を秘めている。
だが、彼がいきなりヒロインとベッド・インしてたのは驚いた
そこまで彼女に対して好感を持っていたのはわかったのだが、
どこで、そういった感情がいきなり生まれたのかが謎だ、非常に唐突

もう一人、ライバル視点。彼が非常に厄介だ。
彼は怪人同士の戦いに強化スーツを着て参上する、
これはアニメだからなのかもしれないが強化スーツを着る彼がでると
強い「違和感」を感じてしまった。
彼は子供の頃憧れたヒーローに絶対的な何かを持っており、
盲信的に「正義」をつらぬき、「正義」を叫ぶ。

だが、彼の正義はもう・・・ブレブレだ(苦笑)
敵に自分の正義感念を疑われ、挙句の果てにブレブレになった正義は自分の両親を殺すw
ここまでブレブレで一切感情移入できないキャラは久しぶりだある意味で性格破綻に近い
恐らく1クールという尺の短さで色々な点が省略されているのは分かる。
展開が早すぎるため、こういった登場人物の感情の変化が
視聴者に理解する前に話が進んでしまっていた

更にその唐突さは終盤、いきなり後ろから刺されたような展開になる(苦笑)
詰め込み過ぎな急展開、キャラクターの暴走etc…
それまでついていけない展開だったのが更についていけなくなり、
更に最終話でいきなり「3年後」に飛んだりと・・・w

そして「俺たちの戦いはこれからだ」で終わってしまう。
恐らく本作品では「正義とは何か」を描写したいのはわかる、
だが、序盤の展開の速さ、キャラクターの暴走、終盤の詰め込み具合と
浅いレベルで「正義とは何か」を描いてしまい、
王道なダークヒーローストーリーという感じだった。

全体的にアメコミの映画で見たような展開という印象で終わってしまった
見た後に「疲れた」と感じさせるほど、濃ゆく詰め込み早いストーリー展開、
もう少し緩急がついていれば、キャラクターに感情移入を強められたかもしれないが
ずっとテンションの高い感じで作品全体が作られてしまった。
簡単に言えば「息をする隙がない」、
話が進めば進むほどキャラも濃ゆくなるため息継ぎができない感じだ。

更に致命的なのはアクションの魅力の無さ。
作画こそある程度のレベルは保っているのだが、
せっかく怪人のような姿に変身して怪人と戦ってもそこに面白みがない。
普通の戦闘シーンすぎて息を呑むような戦闘がない。
ストーリーを進めるための戦闘シーンで、魅せる戦闘シーンがないのは残念だ
この原因として原作である桂正和の絵の魅力を描写するのに必死で
動きまで考えがいかなかったのではないだろうかという印象を受けた。

ただ、原作はまだまだ続いているようで
かなりオリジナル要素やストーリーを飛ばして描いて
1クールでなんとかまとめたという感じだ。
確かにそれなりにまとまってはいるが、
なにもここまで無理にまとめる必要があったのだろうか?

余裕を持って2クールにする、または原作が完結するのを待つ。
これでこの作品の印象はだいぶ違ったはずだ。
アニメ化が早すぎた作品といえるかもしれない。

個人的には最終話まで見て疲れる作品だった・・・
特にライバルキャラのあの暴走っぷりは感情移入できないのもあって
彼が叫ぶ度に疲労感が溜まっていく感じがした

全く関係ない話だが、一青窈をこの作品で久しぶりに聞いた(笑)
全く作品の世界観に合っていなかったが・・・w

2期はあるのだろうか?
作り用によってはどうとでも作れそうな感じではあるが
逆に原作が完結した後に原作通りにOVAや劇場版という展開のほうが
この作品は面白くなるかもしれない。

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