ソードアート・オンライン

評価/★★☆☆☆(35点)


ソードアート・オンライン 1【完全生産限定版】 [Blu-ray]

制作/A-1 Pictures
監督/伊藤智彦
声優/松岡禎丞,戸松遥,伊藤かな恵ほか


あらすじ
2022年、とある大手電子機器メーカーが仮想空間への接続機器《ナーヴギア》を開発したことで、世界は遂に完全なるバーチャルリアリティを実現させた。この《ナーヴギア》対応の初のVRMMORPG《ソードアート・オンライン(SAO)》は大人気の内に完売し、接続した1万人のユーザーがその世界を楽しむはずだった。




スポンサーリンク

死んでもいいゲームなんてヌルすぎるぜwwww


本作品はアクセル・ワールドでおなじみの「川原礫」さんによるラノベのアニメ化。
アクセル・ワールドと1クールだけ同じ時期に放映された

見だして感じるのは設定の既視感だろう。
恐らくこのアニメの1話を見た方は「.hack」という名前が頭に浮かんでくるはずだ
題材的に「オンラインゲーム」と「ログアウトできない」という2つの大きな設定が
似ているため、既視感を感じやすい。
だが、「.hack」とは別物といってもいい。

.hackでは特定のプレイヤーがゲームに閉じ込められるという展開だった、
しかし「ソードアート・オンライン」ではソードアート・オンラインの全てのプレイヤーが
ゲームの世界に閉じ込められ、ゲームオーバー=死というデスゲームになっている。

デスゲームの緊張感は、序盤はかなり繊細に描写されており
2話の段階ですでにプレイヤーは2000人死んでいる。
そんな中で挑む「ボス戦」、団体戦で挑んでも死の恐怖があるせいか簡単にはいかず
目の前で「ゲームオーバー」になるプレイヤー、
そして、死が隣り合わせの戦闘シーン。

キャラクターたちの剣裁きとモンスターの攻撃のぶつかり合い、
きちんと考えられた「動き」は久々に面白みのある戦闘シーンが描写されており、
MMOならではのシステムをきちんと織り込まれた戦闘シーンは
このアニメならではの戦闘シーンを作り上げていた。

ストーリーも序盤からテンポが良い。
本来なら死という概念は軽いものである「ゲーム」の世界にリアルな死を取り入れる。
ゲームの中でプレイヤーは「あっけなく」死んでいく。
時には強いモンスターで、時にはダンジョンに仕掛けられた罠で
いとも簡単にプレイヤーは死んでいく。ゲームだからこそ死は簡単だ

そんな状況で主人公はデモプレイに参加したプレイヤーとして少しだけ先に進む。
だが、そんな中で彼が親しくしたプレイヤーが目の前で死んでいく

ただ、そのテンポの良さが物語の深みを若干浅くしている。
この作品の世界ではクリアまでに「2年」という月日が立っているが
その2年が1クールで描かれてしまいあっという間だ。
最初の1ヶ月くらいは別にいいのだが、その後は半年、1年、2年と
あっというまに時間が経過してしまい、2年という重みが出ていない。

会話の中では「あの階層が手こずった」という話は何度か出るのだが、
シーンとして回想でも描写されておらず、レベルもあっという間に上がっていっている。
リアルなMMO設定なのに、レベル上げがチート級に早いような感じになってしまっており
物語のテンポは落ちるだろうが、もっとキャラ描写や設定の基盤づくりを丁寧にすべきだ

序盤の1,2話はついていけるのだが、3話あたりから年月の経過が早くなり
いつのまにかギルドは一杯できてるわ、レベルは上がりまくりだわ、
最初のボスにあれだけ苦戦していたのに、次の話ではあっというまに
どんどん深い層に行っていたりと時間経過の展開が早すぎる

本来ならプレイヤーがプレイヤーを殺すPK行為の出現など
「死」がつきまとう世界では重要な話のはずなのだが
いつのまにか出現し当たり前になってしまっている。

キャラクターに関しても結構な人数が出ているのだが
せっかく魅力的なサブキャラクターが登場しても
1話出たらあとは脇役になってしまっており、掘り下げが甘い
結局は主人公とヒロインしか掘り下げがされておらず、
二人の「イチャラブ」を執拗に見せつけられ、
序盤の面白みがどんどんどんと失われていった

そしてあっけなさ。
テンポがいいだけに物語の積み重ねが薄く、
ラスボスが正体を明かしても予想通りで、あっけなくゲームが終わってしまう。
序盤の緊張感やきちんと作られた設定や世界観が、あっさりと終わってしまう。

更に物語の中盤から別のゲームになるが、このゲームがはっきり言ってつまらない。
前半のゲームは世界観や設定がきっちりと作られており、
ゲーム攻略の面白みをきっちりと味わうことが出来たのだが、
後半からのゲームは設定や世界観の作りこみが甘く、攻略する面白みが一切ない。
主人公はもはやチート級になってしまっており、
死んだら現実でも死ぬという緊張感もなくなり、物語のレベルがひどく下がった

また戦闘シーンに関しても前半のゲームは前述したとおり素晴らしかった。
しかし、後半のゲームの戦闘シーンはレベルが一気に下がってしまい
すべての要素が前半から後半にかけて失速していってしまった。

全体的にみて後半のゲームがいらなかった。
前半の死がつきまとうゲームだけで2クールというストーリー構成なら
現実の時間で2年という月日の経過の重みや、かけていたキャラ描写や
せっかく面白そうなゲーム攻略の展開などももっと描写され、
「オンラインゲーム」を題材にした素晴らしいアニメが出来上がっただろう。
決定的にキャラ描写にかけていた。

その象徴は敵の小物感にもある。
ゲームに出てくる敵キャラは強敵感が凄まじく前半のボス戦の数々は
ボスのキャラクターデザインや圧倒的な強さの描写が素晴らしく
それに対する歯ごたえのある戦闘という展開の面白さは良かったのだが、
アニメとしてのストーリー上のボスである「ゲームの世界に閉じ込めた犯人」や
後半のストーリーのボスである「ヒロインを自分の世界に閉じ込めた犯人」の
歯ごたえや深みがない

敵キャラとしての魅力にかけてしまいストーリーとして敵キャラを倒さないと
ストーリーが終わらないため、歯ごたえのない敵を倒す展開になってしまい
ゲーム上の敵キャラのほうがよっぽど魅力的に描かれてしまっていた。

やはり2クールで2本のゲームを展開してしまったのが痛かった。
本来のボスである「茅場晶彦」などゲーム上100層でプレイヤーキャラを迎える
という「真のボス」という王道な展開にできたはずなのだが、
途中で正体をバレるという展開が物語を浅くしてしまい
プレイヤー達が信頼していたキャラが実はボスだったという展開に深みや
絶望感が足りていない。

2クールで1本のゲームをクリアし、ヒロインと現実で対面して
ハッピーエンドという展開のほうがすっきりとした作品になったはずだ。
変に次のゲームや小物感あふれる敵の野望などを取り入れてしまったことで
作品全体が「ブレ」てしまった印象を受けた。

まだまだ原作は続いているようで3本目や4本目のゲームをプレイしているらしいが
正直、現在の時点で蛇足に感じてしまっており、
本作品は1本目のゲームの面白さがあったからこそ2本目のゲーム終了まで
視聴者のテンションも何とか持続したが、
もし2期があっても面白さを感じにくい作品になってしまいそうだ。

1話を見たときは「この作品、ものすごく面白いぞ!」と思うのだが、
見れば見るほどその期待感が薄れていってしまった作品だった。
まるでゲームで最初のボスを倒したらそのゲーム自体に何だか飽きてしまった
そんな感覚のアニメだった。

2期はあるのだろうか???
1話のあの「ワクワク感」が2期の1話で味わえるようなことがあれば
2期で化ける作品になるかもしれないが・・・
個人的には今度出るゲームが少しおもしろそうで気になっています(笑)

スポンサーリンク