問題児たちが異世界から来るそうですよ?

☆☆☆☆☆(7点)


問題児たちが異世界から来るそうですよ? Blu-ray 第4巻

制作/ディオメディア
監督/草川啓造
声優/浅沼晋太郎,野水伊織,中島愛ほか


あらすじ
自分たちの能力をもてあまし、現実世界に飽き飽きしていた逆廻十六夜、久遠飛鳥、春日部耀――3人の問題児たちのもとに1通の封筒が届く。手紙の文面に目を通したのと同時に、3人は見たこともない風景が広がる異世界――さまざまな種族や修羅神仏の集まる箱庭の世界へとやってきていた。そこで彼らは、呼び出した張本人の黒ウサギとジン・ラッセル、彼らが所属するコミュニティ“ノーネーム”に出会う。




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かっこ良さのない俺TUEEE作品

原作はライトノベルな本作品。
本来は12話の予定だったようだが、予算の関係で全10話という
中途半端な尺になっている。

見だして早々、見るのを辞めたくなるほど主人公がうざい。
自分語り、中二病、うざすぎるセリフ回し、
1話開始5分もたたたずに、ここまで主人公に嫌悪感を抱けるアニメも珍しい。
更に唐突なストーリー展開も見る気を無くす。

いわゆる本作品は「異世界召喚型」で「能力バトル」で「俺TUEEE」なアニメだ。
ただ、異世界召喚の理由も「お前ら特別な力持ってるから」という
かなり唐突な理由なのだが、登場人物たちは常に冷静(苦笑)
異世界に召喚されたことに何の疑問も持たずに冷静に能力バトルのルールを聞く
登場人物たちの心境には流石に感情移入を一切することができない。
そして、バトルが始まる。

本来、補足されるべき「登場人物たちの心境」があまりにも冷めすぎていて
1話から見ている側が蚊帳の外になっており、
更に登場キャラクターに一切魅力を感じない。
どこかで見たようなキャラクターデザインで作画の質も悪いと来てる。
キャラの酷さとストーリーの酷さをキャラクターの可愛さで補えるレベルではない

「主人公すげぇ!!」なシーンも描写されるのだが、
演出が悪く、その凄いことに対する反応に驚くのは1人だけ。
他の二人は冷めた視線で主人公を見ているのみ(苦笑)
あまりにも感情を失ったキャラがメインに来すぎていて、
簡単にいえば1話から見ている側の「テンション」が一切上がらない。

2話以降も同じだ。
世界観や設定の説明がストーリーの流れで自然に説明されるのではなく、
説明シーンを用意しての説明で、その説明が長い上に専門用語多用で頭に入りにくい。
バトルシーンやアクションシーンでのキャラクターの「説明セリフ」も多く、
登場人物が凄いことしてるよ!というのを動き、演技、セリフで表すのではなく、
説明で「ほら、こんなにすごいことしてるよ」と言葉で説明してしまっている。

肝心のバトルである「ギフトゲーム」
コレは主催した側が自由にルールを決められるゲームだ。
簡単にいえば無茶ぶりなルールをどう覆して主人公たちが勝つのかというのが
本来、この設定の中での面白みのはずなのだが、それを一切感じさせない。

最初のギフトゲームは主人公は一切活躍しない上、盛り上がりが一切無く
戦闘シーンも単調で燃える要素は一切無く、あっさりと片付く。
肝心の最初のギフトゲームがコレでは先への期待感もなく、
恐らく「3話」の段階で見るのをやめた人も多いだろう。
見るのをやめた方は正解だ、3話以降も面白くはならない

「ほら、主人公強いだろ」「ギフトゲーム面白いだろ」「キャラクター可愛いだろ」
そういう風に脅迫されているが如く、視聴者を置いておけぼりにしてストーリーを進め
見れば見るほどどうでもよくなってしまう。
特に神話や童話などに関わったバトル展開が多いのだが、
「だから何」という感じの要素が多くオリジナルの要素を考えられなかったので
神話や童話に頼りましたという印象しかない。

神話の中の魔王や魔物が出てきても、結局主人公は最強なので負けたりはせず、必ず倒すw
前半から中盤までは一切苦戦しないので戦闘シーンの面白みが無く、
演出が悪いため主人公の強さの描写も甘く
戦闘シーンの多い作品で戦闘シーンがつまらないという身も蓋もない事になっている
最終話の戦闘シーンだけはそれなりに迫力もあったが、あくまでもそれなりだ

私は別に「主人公TUEEE」作品を否定するわけではない。
「主人公TUEE」な作品では主人公のかっこ良さというのを
最大限に表現しなければならないが、本作品ではその表現が浅く稚拙で甘い。
作画のレベルや演出のセンス、バトルシーンの迫力不足のせいで
上っ面だけの「主人公TUEE」しか感じない。

ストーリーの展開もちょっと意味不明な要素が多い。
敵に捕まっていた少女を助けたら、何故かメイドにしたりする展開は本当に謎だった
おそらくはメイドと言う要素を入れたかったのだろう。
「あ、その要素欲しかったからここでいれたのね」
そういうのがひしひしと分かってしまう
本来は見えてはいけない裏の部分まで透けて見えてしまっているのはいただけない

終盤、「魔王」と呼ばれる強い存在が唐突にゲームをしかけてくる
主人公もそれなりに窮地になっており、登場人物達もピンチの状況だ
残り2話の段階で、さぁこれからどうなる!と緊迫した状況になったのだが
「あ、このゲーム不正かもしれないので一旦話し合いします」
という、せっかくこれまで無かった緊迫感がようやく出たのにそれを崩す。
萎えるなんてものじゃない。

全体的に見て完成度の低い作品だ
オリジナリティを感じないキャラクター、どこかで見たキャラクターデザイン、
わざわざ難しい言葉を使って複雑に見せようとしている設定、
本当は頭脳戦をやりたいであろう「ギフトゲーム」も萎える展開で頭脳戦になっていない。
ストーリーも全10話で中途半端な所で終わってしまっており、
主人公の能力の秘密など肝心の部分が明かされていらず、かなりモヤモヤが残っている。

原作を読んでいないので原作については何も言わないが、
この作品の制作スタッフの原作に対する愛を感じなかった。
予算の低さを感じる作画の質、序盤から中盤までのテンポの悪さ。
ストーリー構成をもう少し考えれば、説明台詞の多さももう少し誤魔化せたはずだ。
アニメ化するなら、もう少し原作に対する尊敬の念を感じさせて欲しかった

制作側の気持ちも理解できなくはない
全12話だったものを全10話にするというのは何とも萎えたことだろう。
ただ、それを考えてももう少し何とか出来た部分は多かったはずだ
原作の良いところを生かさず、悪いところを生かしてしまった、そんな印象だ

今から見る人はこのセリフに耐えられる自身のある方にしかおすすめできない。

「見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。
 粗野で凶悪で快楽主義と三拍子揃ったダメ人間なので用法と容量を守った上で
 適切な態度で接してくれよ、お嬢様?」

1話の主人公のセリフだ。どうだろうか(苦笑)
このセリフをかっこいいと思った貴方はこの作品をぜひ見るべきだ。
鳥肌の立った方はこの低評価にも納得できるだろう。

売上を考えると2期は絶望的だ、原作の売上がこのアニメで促進されれば
2期の可能性もあるかもしれないが・・・
この出来栄えのアニメで2期を作っても同じような評価しかできなさそうだ

ただ、もう少し何とか出来たと感じる部分が多かっただけに
きちんと作られたらイイ意味で「中二全開」な痛さを味わえる作品だったかもしれない。