ヤマノススメセカンドシーズン

2014年12月24日

評価/★★★★☆(70点)

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なぜ山にのぼるのか?そこに山があるからさ。

本作品はヤマノススメ2期。
1期は5分枠で1クールだったが2期は15分枠で2クールと
かなり尺が拡大された

見出して感じるのは「余裕」を感じる展開だろう。
1期は実質3分ほどでトントン拍子にストーリーが展開していくため
内容自体は面白かったのだが、もう少しじっくり楽しみたいという部分が大きかった
しかし、2期ではしっかりと会話と会話の「間」があり、
キャラクター同士のの空気感と日常をしっかりと楽しむことができる
1期で感じた物足りなさを2期ではきちんと補っており、
なおかつ「15分枠」アニメらしいテンポの良さも出ている。

そしてストーリー。
1期を見ていなくても一切問題のない「1話」は非常に好印象だ
1期自体は40分ほどで見終わることができるが、
5分枠なので見ていない人も多かったはずだ
それをちゃんと考慮し1期では「キャラ紹介」もきちんとしつつ展開している
一期を見ていなくとも問題のないストーリー展開は好感だ

更にキャラクター。
一期では限られた尺の中で限られた登場人物でストーリーを展開していたが、
二期では「主人公の母」などサブキャラクターもきっちりと随所で出ることにより
よりストーリーに厚みが生まれている。
一期のいい部分をきっちりと受け継ぎつつ、2期で膨らませる。

1期で「おぉ!」と思わず唸ってしまった「料理」の描写にも拍車がかかる。
「カレー」、「ラーメン」、「豚汁」、
などなど登山の料理がきっちりと「うまそう」に描かれており
アウトドアの楽しみの1つでもある「食」の魅力がきっちりと見ている側に伝わる
伝わりすぎて夜中に見るのは若干きつい(苦笑)

そして2期からの要素として「微エロ」要素が足されたことだろう。
1期の「BD特典」などでもセクシーシーンがあったが、
2期ではセクシーシーンというよりも「さりげない微エロ」をかなり取り入れている。
胸の膨らみ、水着、お風呂、下着姿、鎖骨など
大胆なセクシーシーンではないのだが随所随所でフェチズム的な要素を
シーンの中でさり気なく取り入れている。

この点に関しては賛否が別れるところだろう。
1期は「日常」という要素に「山登り」を足しており、その空気感と雰囲気が良かった
だが、そこに「微エロ」チックな要素が入ることで若干のあざとさを感じる部分はある。
キャラクターデザイン的に可愛らしいキャラクターでプニッとした感じなので
ソレが余計に「あざとさ」を強調してしまっており、
特典映像ならいざしらず、本編にまでここまで微エロを入れなくても良かったのでは?と
感じる部分は大きい。

ただ、そういうあざとさが増えたからこそ「2クール」という長い期間の中で
飽きずに「キャラクター」に愛着を持ち見続けるモチベーションを保てたとも言える。
日常と山登りという2つの要素でストーリーを構成しているため、それだけでは厳しい。
更に言うと1期から尺が増えたことにより「冗長」に感じてしまうシーンも増えている。
山登りシーンが多いためどうしても「登る」シーンと「景色」を描写するシーンが有るだけに
「冗長さ」は生まれてしまっている。

だが、その「冗長さ」を感じさせつつもそこにきちんとした「キャラクター」と
少しの「萌え」要素があることで作品自体の見やすさと「ダレる」のを防いでおり、
のほほんとやんわりとした雰囲気を保ちつつ、
萌えと微エロ要素が加わることにより良い意味での「冗長さ」が生まれていた

そして山登り要素。
1期は尺の問題もあり本格的な登山という感じではなく、そこが若干の不満でもあったが
2期ではがっつり「山登り」をしている。
そして「ファンタジー」な山登りではなく「現実感」のある山登りが非常に魅力的だ

最初は「三つ峠山」だ。
富士山を見るために登山をするというストーリー展開だが、
意外に山道までの道のりが「コンクリート」で舗装されていたり、
景観を崩さないように公衆トイレが置かれていたり、
山にある「人造物」の描写をしっかり描写することで登山を知らない、したことがない人にとっては
「山道ってこんなかんじになってるんだ」という新鮮な要素を感じることができる。

逆に山登りをしたことがある、行ったことのある山がでてくれば
「リアル」に描写されている山道の描写で思わず「おぉ!」となるはずだ
きちんとリアルな山登りをアニメの中できっちりと繊細に描くことで
見ている側に「山登り」を生々しく感じるさせることができる。

一期での山登りはトントン拍子に描かれていたのでここまでの生々しさを感じなかった
だが2期ではきっちりとした尺で描いているからこそ、
「山登り」の辛さもきっちりと感じられる。
それまでは「楽しい」と感じることしか無かった山登りが、
辛い山道で「楽しさ」が消え、辛くなってくる。

帰りたいとすら感じさせるほどの「過酷」な山道でのキャラクター描写が
創作物だからこそのあっさりしたものではなく、息を切らせ、汗をかき、
キャラクターに「辛い」と感じさせることで「リアル」なキャラ描写がひきたち、
「山登り」のシーンの生々しさが際立ち、
「山を登る」というシーンがきっちりと面白さに変わっている

描写の仕方によっては単調になりがちになりそうな部分をきちんとした描写と
キャラクターの心理描写を取り入れることで、
見ている側に不思議な「共感」すら感じさせる山登りシーンだ

そして日常。
ただ山に登るのを繰り返すのではなく、きっちりとキャラクターの日常も描く
登山をする前の準備の様子をしっかり描くことで、いざ山登りする展開への前振りが効き、
学生の彼女たちにとっての「親」の存在や、登る前の不安、
「4人」の少女たちの関係性が日常描写の中でしっかり描かれており、
それがあるからこそ「登山」のシーンが際立つ

そこに「声優」さんの演技が光る。
日常描写ではきっちりと可愛らしい女の子を演じ、
登山描写のシーンでは「息を切らせ」ながら喋る。
さりげなく喋ったセリフから登山の「きつさ」を感じさせる演技、
徐々に辛くなってくる登山を微妙に演技を変えつつ演じており、
見ている側にも生々しくきつさが伝わる演技はさすがだ

だからこそ「挫折」のシーンもきっちり描く。
明るいキャラクターたちの明るい日常、辛いけど楽しい山登り、
それだけの要素でも十分に話は作れるが、「山登り」という要素を扱った以上、
きちんと山登りにおける「危険」と「挫折」もしっかりと描写する
簡単には登れない、辛いだけで楽しくなんて無い、山になんて登りたくない
「登山」における負の感情を主人公にきっちりと抱かせる

中盤の山場ともいえる「富士山」を安易に簡単に登頂成功させるのではなく、
一度「リタイア」させるストーリー展開は若干シリアスな要素も含まれる
「何故山を登るのか」という根本的な理由を再度、主人公に考えさせ
「もう一度登りたい」と感じさせるまでのストーリー展開は
シリアスな要素から「ヤマノススメ」らしい明るい雰囲気へと変わっていく
素晴らしいストーリー構成だ。

特に終盤の内容はきちんと「成長」を感じられる展開だ。
普通なら終盤で「新キャラ」を出すのはあまり好まれないが、
この作品の場合、終盤で「ほのか」というキャラクターを加える事で
主人公の成長がしっかりと見ている側に伝わる。
インドア派で人見知りする彼女がきっちりと成長し、山に登り知らない人にも話しかける
文章にすれば単純だが、作品の中でその「成長」をしっかり感じられる作品だ

どうして山に登るのか?そんな問いかけを「ほのか」は主人公にしてくる
登山に興味が無い人にとっては恐らく最大の疑問だ。
だが、この作品を見るとそんな「疑問」を感じていた人も思わず、
「なんとなく」山に登る理由が分かる、「なんとなく」山登りの楽しさが伝わる。
見終わった後にインドア派も「ちょっと登ってみたいかも」と感じさせてくれる内容だ

全体的に見て「ヤマノススメ」というタイトル通りの作品だ
可愛らしいキャラクターの日常と萌えをいれつつ、そこに「山登り」という要素を入れている
単純に「山登り」をするだけではなく、きっちりと山の楽しさと辛さを同時に描き
山登りをしたことのある人もない人も思わず「山登り」がしたくなるような、
きっちりと「山登り」の魅力をアニメの中にぎゅっと詰め込んでいる作品だ

2クール全24話でありながら「1話15分」ほどの尺で構成されているため
1話1話がテンポよく進み、その中でも山登りの過程を省かずに
1つ1つ省かず丁寧に描くことで「テンポの良さ」と
「山登り」の雰囲気を同時に味わうことができる
冗長に感じる部分もあるものの、それもまた「山登り」の魅力であり、
この作品の魅力にもなっている。

キャラクターの少しあざとい「微エロ」要素は賛否が別れるところだが、
微エロ要素を入れたからこそダレずに最後まで楽しむことができ、
キャラクターにも愛着を持つことができる。
愛着持った可愛らしいキャラクターが「つらそう」に山を登るからこそ
「山登り」が生々しく伝わり、日常のシーンでの「緩和」と山登りのシーンでの「緊張」、
緊張と緩和のバラスが絶妙だからこそ面白いと感じられる。

どちらか欠けてしまえばものすごく中途半端な作品になってしまっただろう。
キャラクターの日常、山登りのための準備、山登り、下山、下山の後と
1つ1つを丁寧に積み重ね、1つ1つを丁寧に作り上げている
丁寧に描いたからこそ冗長になっている部分はあるものの、
この「丁寧さ」が「ヤマノススメ」という作品に対する製作陣の愛情であり、
その愛情がきちんと「面白さ」になっている

欠点を言うなら後半から少し作画が崩れてしまったことだろう。
前半はかなり安定した作画なのだが、後半から少し作画の質がオチてしまう
キャラクターデザイン的に作画の質が落ちると分かりやすく「崩れる」ため
作画が少し息切れしまったことが残念だ。

それを除けば欠点らしい欠点はない。
好き嫌いがあまり別れず、萌え要素を受け入れられるなら
全話一気に見終わってしまう作品だろう。

個人的には「ここな」ちゃんがかわいすぎて・・・。
13話のホタルの歌や、20話のスポット回など
彼女の魅力がたっぷりと出ていた。
同時に終盤で出てきた「ほのか」ちゃんも可愛すぎる。
終盤でしか出てこないのが残念だが、彼女の魅力は十分に感じられ
それだけにもっと見たいと思ってしまう。

3期があればぜひ見たい作品だ。
売り上げ的にはちょっと微妙なところだが
コミックアーススター系はてーきゅうの3000枚前後の売上で
継続的にアニメ化するので、3期の可能性も低くはないだろう。
余談だがDVDの特典映像が結構「エロい」そうなので
早速買います(笑)