金田一少年の事件簿R」

2016年6月29日

評価/★★★☆☆(40点)

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祖父よ私は帰ってきた!

本作品は「金田一少年の事件簿」のアニメ化作品
位置づけ的には2期となり、2000年に放送放送してから
約15年の時を経ての2期だ(笑)
なお原作は不定期ではあるものの連載されており単行本化もされている
そして「キャスト」の変更がない。

見出して感じるのは物凄い懐かしさだ。
キャストさんの演技や声に若干の違和感はあるものの
変更されてないからこそ自然に「金田一少年の事件簿」の世界観に浸ることができる
AパートとBパートの間の「アイキャッチ」なども当時のままで
1期を見ている視聴者が見る確率が高いからこそ
当時と同じ雰囲気を出そうとしている努力は評価したいところだ

しかし本来、金田一少年の事件簿は
今もやっているコナンの前に金田一少年の事件簿が放送されており、
コナンとは違う「恐怖感」の強い作品だった
被害者の殺され方が名探偵コナンと違ってかなり「えぐい」パターンが多く、
犯人が妙な仮装をしているパターンも多く、
その仮装があまりにも怖いためトラウマになっている人も多いはずだ

そんな「怖さ」がなくなってしまっている。
原因は単純明快で「デジタル作画」に完ぺきに移行してしまっているためだろう。
金田一少年の事件簿放送当時はまだセル画が使われており、
中盤からはデジタルへ移行しだしてはいたが、
手描きだからこそ、絵が綺麗ではないからこその「雰囲気」が出ていたが
完ぺきにデジタルになってしまったことで「雰囲気」が消えている

その割には作画が崩れる。
明らかに「手抜き」に感じるシーンが非常に多く、
止め絵でカメラを動かしているだけや引きのシーンも目立つ。
セル画ならばまだ「雰囲気」と引き換えに作画が崩れても許容できるが
雰囲気がないのにデジタル作画としての作画の美しさがない。

更にストーリーの当たり外れ。
1期は全150話近くある作品であり、その中で当たり外れがあるのは仕方ない
だが、2期は2クールで25話だ
ストーリー的に「これぞ金田一少年の事件簿」と言いたくなるような事件が少なく、
妙にトリックがあまりにも破天荒だったり、
犯人に意外性が無かったりのパターンが多く首を傾げてしまう。

特に1話~4話の香港九龍財宝殺人事件はつかみとしては弱く、
正直言って「微妙」な事件の割に話が長い
1期から時間がたった2期だからこそ、
「メインキャラ」を全てきっちり出る事件で始めるべきでは?と感じてしまう
2期始まって早々に「海外での事件」というのは
ストーリー構成的に失敗している感じが強い

1期のように「何話放送するかわからない」状態ならば仕方ないが
2クールと予め決まっている状態ならば
もう少し原作からアニメ化する話を選べなかったのだろうか?
個人的に「金田一少年の事件簿R」は全巻読んだわけではないが、
それでも「あれ?あの話はアニメ化しないのか?」という違和感を覚える

ただ、話が進むと「金田一らしさ」が出てくる
「無人島」に行けば船が燃え、殺人犯はまるで仮装パーティー、
昔は素直な気持ちで見ていたが、大人になってこういった展開を見てしまうと
「お約束ギャグ」のようなものに見えてしまう。
だが、逆にそういった「お約束」が出れば出るほど金田一らしい面白さが生まれ
あっさりと死んでしまうキャラ、ギスギスした雰囲気がたまらない。

15年前ならばこれを「面白いw」という感情では見れなかっただろう。
だが、15年前の視聴者も大人になったからこそ
無理のあるトリックやギスギスしすぎている人間関係、
どんどんと殺されていくキャラクターという
「金田一少年の事件簿」という作品を構成する要素を素直に楽しむではなく、
若干ギャグアニメのような見方もできてしまう。

しかし「ミステリー」としてのクォリティが高い話もあり
後半になるほど話の質も上がり、
「1話完結」や「2話完結」などの話も多く見やすい話が増えてくる。
ただ「長編」と「短編」を閑話休題的に交互に殺るのではなく、
連続して短編だったり、連続して長編だったりと
ストーリー構成に若干の疑問を感じてしまう部分も多い。

全体的に見て色々と気になる部分はあるものの
「金田一少年の事件簿」という作品が好きならば楽しめる作品だろう
当時と同じキャストで作画こそ若干綺麗になって「棘々しい」雰囲気は消えてしまった
殺人犯が殺人を犯すまでの「憎悪」のキャラ描写や
ギスギスした人間関係の中で起こる「奇想天外」なトリックの数々は
「金田一少年の事件簿」という作品らしい内容であり、
15年前と同じような気持ちと同時に、15年経ったからこその
見方の変化も感じられる作品だ

ただ、その一方で「新規視聴者」はどのくらいいるのだろうか?
という疑問がある。
「金田一耕助の孫」という基本設定などの紹介はあるものの
久しぶりに見て「ああ、そういうキャラも居たな」と若干影の薄いキャラが
あんまり説明がないままに突然出てきたりすることも多く、
あくまでも「1期」を見てる前提になっている部分も多い。

15年経ったからこそ、「1期を見ている」視聴者に甘えず
誰が見ても、金田一少年の事件簿という作品を知らなくても
楽しめる作りにして欲しかったと感じてしまう部分もある。
尻上がり的に面白くなっていった作品だったが、
それだけに序盤のつかみに失敗してしまっているのは残念なところだ

3期はあるのだろうか?
DVDなどが発売していないので売上で予想できないのだが
割りと視聴率はよかったようなので、可能性は高いかもしれない
尻上がり的に面白くなっていった作品なので
3期があれば期待したいところだ。